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女好きのペルタ様、マーガレットへの愛は?

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ラリデーヌは自室へ戻りテーブルに蝶々を置いた。
「お兄様ったら、マーガレットなんて必要なかったのね」
嬉しそうにクスリと笑った。テーブルの蝶々マーガレットにも声をかけた。
「お兄様が駄目だったのだから、蝶々に愛してると言う人間はいないわ。残念ねマーガレット」
「私にはペルタ様がいるわ。お願い、ペルタ様に会わせて!」
「確かダンスパーティーでエスコートされていたわね?」
「そうよ、私とペルタ様は愛しあっているの」
「マーガレット!それ本心で、言っているの?オーホッホッ」
ラリデーヌは笑いが止まらなかった。ペルタは女好きの遊び人間だった。この事を知らないのは、マーガレット1人だけだった。ペルタはマーガレットと一緒にいるときは、他の女性たちを、寄せ付けなかった。しかし、マーガレットのいない場所では女性たちと、ちちくりあっていた。

「何を笑っているの?ペルタ様に会わせて」
マーガレットは懇願した。

ラリデーヌは、さてどうしたものかと思案したが、マーガレット本人がこれだけ、ペルタ様と言うのだから、女性たちに囲まれたペルタを見てマーガレットを絶望させるのも楽しそうだ。「わかったわ、マーガレット。明日ペルタ様に会わせてあげる」
ラリデーヌがそう言うと
「あぁ、明日になれば、元の姿に戻れるのね」
マーガレットは、安心した様子だった。

次の日、朝からマーガレットは
「何時になったら出かけるのか?」
と、うるさかった。
「物事にはね、適した時間ってものがあるのよ?マーガレット?まぁ、ティータイムの時間までお待ちなさいな」
ラリデーヌは念入りに、カツラとドレスと宝石を選んでいた。ペルタの周りに来る女性たちは、これでもかってくらいに着飾って来る。ラリデーヌが見劣りするわけには、いかないのだ。

やっと昼過ぎになりラリデーヌは、出かける準備をした。ラリデーヌは声をあげた。
「出かけるわ、ブラッキー」
「はっ、おともいたします。ラリデーヌお嬢様」
ブラッキーは少し離れてついてくる。ティータイムの時間には、ペルタはバーゴラの下のベンチで、ちちくりあっているはず。ペルタの屋敷につき、使用人に案内されラリデーヌはペルタの所へやってきた。
「公爵家のラリデーヌお嬢様が、いらっしゃっいました。ペルタ様」
使用人は深々と頭をさげた。ペルタはバーゴラの下にいた。思った通りね光景だった。ペルタは立ち上り
「これはお珍しいラリデーヌお嬢様がいらっしゃっるとは」
と言い礼をした。ラリデーヌがペルタに近くと他の女性たちは、道をあけた。
「ペルタ様、珍しい蝶々を、つかまえましたの」
そう言ってマーガレットの蝶々を差し出した。その時、ある女性のダイヤモンドが太陽に反射して、マーガレットの蝶々にキラリと光があたった。ほんの一瞬マーガレットの姿があらわれた。ペルタは目をこすりながら
「もう一度、蝶々を見せてくださいますか?」
ペルタは言った。マーガレットは
「私よ、マーガレットよ?ペルタ」
と何度もうったいかけていた。ラリデーヌはペルタにマーガレットの蝶々を手渡した。ペルタはマーガレットの蝶々を色々な角度から見たが何事もなかった。
「いやぁ、本当に珍しい蝶々ですね。ラリデーヌお嬢様、ありがとうございました。」
ペルタはマーガレットの蝶々をラリデーヌに返した。
「いえいえ、それでわ失礼させていただきますわね」
ラリデーヌがそう言ってペルタから離れると、女性たちは、それぞれ手に持ったバスケットのスコーン、クッキー、サンドイッチをペルタにすすめていた。

ラリデーヌがマーガレットをみると、蝶々の目から涙がこぼれていた。
「あらあら、蝶々が泣くなんて、はじめてみたわ。愛しのペルタ様も駄目だったようね」

ラリデーヌはご機嫌だった。
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