2 / 6
憎いマーガレットを虫にかえる
しおりを挟む
マーガレットに対する怒りを胸に、町外れの薬屋の扉をあけた。
中には店主しかいなかった。
店主の髪は異常に長く、地面をひきずっていた。ラリデーヌは声をかけた。
「薬じゃなくて、闇の魔法がほしいの」
店主はゆっくり顔をあげた。「公爵家のお嬢様だね?それで変装しているつもりかい?来るのは、わかっていたよ。しかし、もっと小さな声で話さないといけないよ、お嬢様?闇の魔法を取り扱っているのは秘密なのだから」
クツクツと店主は笑う。
「さて、お嬢様?お父様には秘密で来たようだね?お父様にはひいきになっているからね。多少のことなら、お力になりますよ」
店主は言った。
ラリデーヌは何の迷いもなく言った
「マーガレットを亡きものにしたいの」
「それは、出来なくはありませんが代償が高すぎる。やめたほうがいい」
ラリデーヌは言った。
「代償とは何かしら?」
買い物をするにも自分で金貨を支払ったことのないラリデーヌには、ぴんとこなかった。
「物を買うということは、かわりになる物を
渡さなければなりませんよ。オレンジを買ったら、金貨を支払う。マーガレットを命を買ったら、ラリデーヌの命で支払う」
ラリデーヌは、ぞくりとした。オレンジと私の命を同じに話すなんて。
ラリデーヌは途方にくれていた。
店主はニヤリとしながら言った。
「ラリデーヌお嬢様、もしも貴女の髪の毛を
いただけるのならば、マーガレットを虫にかえて差し上げますよ」
店主はラリデーヌの髪の毛を、なめまわすようにみている。
ラリデーヌは迷っていた。髪の毛は大切なもの。女性であれば皆長い髪の毛をもっている。
店主の髪の毛は、異常に長い。
こうして取引をしては髪の毛をてにいれてるのだろうか?ラリデーヌは店主の髪の毛をみつめながら思った。
「おや?余計な考えはなしだよ?お嬢様?さぁ、どうする?マーガレットを虫にかえるかい?」
ラリデーヌは思った。亡きものにしたかったマーガレットを虫にかえるだなんて、なんて楽しいことかしら!たかが髪の毛くらい、たいしたことないわ。
ラリデーヌは言った。
「マーガレットを虫にかえてちょうだい。
そうね、私が飼いたいから蝶々がいいわ」
店主は頷いて言った。「飼うなら、会話がしたいだろう?ラリデーヌお嬢様とマーガレットだけが会話でくるようにしてあげよう。それから壊れない透明な箱も必要だね」
店主は親切だった。父親が顧客だからだろうか?ラリデーヌは店主の言い分をうけいれた。
「それで、いいわ」
「さて、このことを公言しないという契約をかわすよ」
店主は紙とペンとナイフをとりだした。「サインは血でしてもらわなければね。さぁ、文書に目を通しておくれ」
文書には、髪の毛の代償にマーガレットを虫にかえると書かれていた。このことは、公言しないことも書かれていた。まちがいない、口約どおりだ。ラリデーヌはナイフで、人差し指を切り血をたらした。血をペンにすわせて、契約書にサインをした。
店主は、「契約は成立した」
と言い魔方陣の上に立った。呪文をとなえると、クリスタルなケースの中に鮮やかな蝶々があらわれた。
店主は長い髪の毛をひきずりながら
「ほら、お嬢様交換だよ」
蝶々の入ったクリスタルケースを手渡した。
ラリデーヌの髪の毛は、いつのまにか肩から無くなっていた。
中には店主しかいなかった。
店主の髪は異常に長く、地面をひきずっていた。ラリデーヌは声をかけた。
「薬じゃなくて、闇の魔法がほしいの」
店主はゆっくり顔をあげた。「公爵家のお嬢様だね?それで変装しているつもりかい?来るのは、わかっていたよ。しかし、もっと小さな声で話さないといけないよ、お嬢様?闇の魔法を取り扱っているのは秘密なのだから」
クツクツと店主は笑う。
「さて、お嬢様?お父様には秘密で来たようだね?お父様にはひいきになっているからね。多少のことなら、お力になりますよ」
店主は言った。
ラリデーヌは何の迷いもなく言った
「マーガレットを亡きものにしたいの」
「それは、出来なくはありませんが代償が高すぎる。やめたほうがいい」
ラリデーヌは言った。
「代償とは何かしら?」
買い物をするにも自分で金貨を支払ったことのないラリデーヌには、ぴんとこなかった。
「物を買うということは、かわりになる物を
渡さなければなりませんよ。オレンジを買ったら、金貨を支払う。マーガレットを命を買ったら、ラリデーヌの命で支払う」
ラリデーヌは、ぞくりとした。オレンジと私の命を同じに話すなんて。
ラリデーヌは途方にくれていた。
店主はニヤリとしながら言った。
「ラリデーヌお嬢様、もしも貴女の髪の毛を
いただけるのならば、マーガレットを虫にかえて差し上げますよ」
店主はラリデーヌの髪の毛を、なめまわすようにみている。
ラリデーヌは迷っていた。髪の毛は大切なもの。女性であれば皆長い髪の毛をもっている。
店主の髪の毛は、異常に長い。
こうして取引をしては髪の毛をてにいれてるのだろうか?ラリデーヌは店主の髪の毛をみつめながら思った。
「おや?余計な考えはなしだよ?お嬢様?さぁ、どうする?マーガレットを虫にかえるかい?」
ラリデーヌは思った。亡きものにしたかったマーガレットを虫にかえるだなんて、なんて楽しいことかしら!たかが髪の毛くらい、たいしたことないわ。
ラリデーヌは言った。
「マーガレットを虫にかえてちょうだい。
そうね、私が飼いたいから蝶々がいいわ」
店主は頷いて言った。「飼うなら、会話がしたいだろう?ラリデーヌお嬢様とマーガレットだけが会話でくるようにしてあげよう。それから壊れない透明な箱も必要だね」
店主は親切だった。父親が顧客だからだろうか?ラリデーヌは店主の言い分をうけいれた。
「それで、いいわ」
「さて、このことを公言しないという契約をかわすよ」
店主は紙とペンとナイフをとりだした。「サインは血でしてもらわなければね。さぁ、文書に目を通しておくれ」
文書には、髪の毛の代償にマーガレットを虫にかえると書かれていた。このことは、公言しないことも書かれていた。まちがいない、口約どおりだ。ラリデーヌはナイフで、人差し指を切り血をたらした。血をペンにすわせて、契約書にサインをした。
店主は、「契約は成立した」
と言い魔方陣の上に立った。呪文をとなえると、クリスタルなケースの中に鮮やかな蝶々があらわれた。
店主は長い髪の毛をひきずりながら
「ほら、お嬢様交換だよ」
蝶々の入ったクリスタルケースを手渡した。
ラリデーヌの髪の毛は、いつのまにか肩から無くなっていた。
1
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
誰もがその聖女はニセモノだと気づいたが、これでも本人はうまく騙せているつもり。
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・クズ聖女・ざまぁ系・溺愛系・ハピエン】
グルーバー公爵家のリーアンナは王太子の元婚約者。
「元」というのは、いきなり「聖女」が現れて王太子の婚約者が変更になったからだ。
リーアンナは絶望したけれど、しかしすぐに受け入れた。
気になる男性が現れたので。
そんなリーアンナが慎ましやかな日々を送っていたある日、リーアンナの気になる男性が王宮で刺されてしまう。
命は取り留めたものの、どうやらこの傷害事件には「聖女」が関わっているもよう。
できるだけ「聖女」とは関わりたくなかったリーアンナだったが、刺された彼が心配で居ても立っても居られない。
リーアンナは、これまで隠していた能力を使って事件を明らかにしていく。
しかし、事件に首を突っ込んだリーアンナは、事件解決のために幼馴染の公爵令息にむりやり婚約を結ばされてしまい――?
異世界恋愛・10万字ほどの長編です。完結まで予約投稿済み!
クズ聖女を書きたくて、こんな話になりました(笑)
いろいろゆるゆるかとは思いますが、よろしくお願いいたします!
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
21時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。

婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました
宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。
しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。
断罪まであと一年と少し。
だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。
と意気込んだはいいけど
あれ?
婚約者様の様子がおかしいのだけど…
※ 4/26
内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

成り上がり令嬢暴走日記!
笹乃笹世
恋愛
異世界転生キタコレー!
と、テンションアゲアゲのリアーヌだったが、なんとその世界は乙女ゲームの舞台となった世界だった⁉︎
えっあの『ギフト』⁉︎
えっ物語のスタートは来年⁉︎
……ってことはつまり、攻略対象たちと同じ学園ライフを送れる……⁉︎
これも全て、ある日突然、貴族になってくれた両親のおかげねっ!
ーー……でもあのゲームに『リアーヌ・ボスハウト』なんてキャラが出てた記憶ないから……きっとキャラデザも無いようなモブ令嬢なんだろうな……
これは、ある日突然、貴族の仲間入りを果たしてしまった元日本人が、大好きなゲームの世界で元日本人かつ庶民ムーブをぶちかまし、知らず知らずのうちに周りの人間も巻き込んで騒動を起こしていく物語であるーー
果たしてリアーヌはこの世界で幸せになれるのか?
周りの人間たちは無事でいられるのかーー⁉︎
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる