ワルバイトの粛清

第一章 始まり

家路の悲劇

コンビニを後にした大森は
缶酎ハイと菓子入りのレジ袋を手に
再び、残り500ｍ程の家路についた。

アパートが目に付く距離まで到達した大森だったが、
後方に自分を尾行しているような動きを見せる怪しい車の存在に気付いた。

恐怖を感じ、足を速めた大森。
怪しい車も速度を上げて一気に接近してきた。
大森を少し追い越したところで車は停止した。

大森の前で停止したワンボックスタイプの車から
数名の黒服が降りて近付いてくる。

非現実的なシチュエーションに戸惑う大森に
黒服は容赦なく襲いかかってきた。

数名掛かりでは、大森も為す術なく
車の中に引きずり込まれてしまった。

大森は車内で手首を拘束された。


この黒服達が何の目的で自分を攫うのか大森はパニックの中考えてみた。
しかし、何一つ心当たりが無い。
借金だってTV CMが流れているような大手消費者金融で借りている。
毎月、返済日には確実に返済しているし、
反社会的要素の強い連中に襲われるような事は絶対にしていない。

大森「(...俺はこれからどこに連れていかれるんだ。)」

大森は黒服に囲まれた車内で震えていた。
当然、黒服に襲われた際に落とした酒とお菓子の存在も忘れていた。