異世界に一つだけ持って行けると言われたので『ダム』と答えました。

36.貴族襲来

　《ダム》から戻り商業ギルドにガラスのコップを納品する。今回納品するり物の中にはイレブンが作った物も入っている。評価が楽しみである。

　商業ギルドに入り副ギルドマスターに会いにいく。

　「サトルと言うが副ギルドマスターはいるか？」

　「はい。いらっしゃいます。少しお待ちください。」

　案内され副ギルドマスターに納品を行う。

　「今回は早かったですね。」

　「また、新しく職人を見つけれたので供給が早くなったんだよ。確認してくれ。」

　「わかりました。早速、うん。大丈夫ですね。依然と少し形状が変わりましたがいい品です。価格は同じでかまいません。」

　イレブンのガラス製品が認められた瞬間だった。そして金額を貰い退出しようとしているとドアの外が騒がしくなりドアがいきなり空いた。

　「駄目です。副ギルドマスターは商談中です。」

　「我は貴族なのだ偉いのだ。ほぅそれはガラス製品だな、と言うことは貴様が納品者か？よし今後は我に直接納品をしろ、ありがたく思え！わははは。」

　中年小太りのいかにも貴族と思う男はそう答えた。しかし、サトルは縦に首を振らなかった。

　「お断りします。どこのどなたか存じませんしせそんなお方とは取引は出来かねます。」

　「はぁ？！貴様何をいっているんだ？」

　「やめなさい、商業ギルド全部を敵に回す覚悟はあるんですね？」

　副ギルドマスターが貴族を牽制するが、馬鹿なのか？損得の計算が出来ないのか貴族は立ち去らずにサトルに脅迫をする。

　「納品をしないと酷い目にあわせるぞ。いいのか？」　

　「致しません。しつこいと嫌われますよ。」　　

　多分、もうすでに嫌われていると思われる。《鑑定》で調べたら確かに貴族だった。

　ハルドル・ユービッチー男爵　

　称号　馬鹿貴族


　能力的にもたいしたことのない人物だった。商業ギルドや冒険者ギルドも頭を悩ませている貴族だった。領地を持たない名誉貴族なので苦労をしらない馬鹿貴族だった。

　たまたまこの日も商業ギルドに金をせびりに来たのだった。

　「商業ギルドが貴族に逆らうのか？」

　「逆らうのとか関係なく貴方の言うことは聞けません。」

　「いいのか？我は伯爵様にガラス製品の納品者をを探すように言われているのだぞ。」

　馬鹿貴族が伯爵の名前で脅してくるが副ギルドマスターは動じない。むしろ馬鹿貴族がイライラしている。

　痺れを切らしてギルドの机を蹴り上げたり花瓶を割ったりしている。その花瓶はサトルがたまたま作ったガラス製品だった。かなりの高額な品だ知らずに壊した馬鹿貴族は後悔することになるだろう。