異世界に一つだけ持って行けると言われたので『ダム』と答えました。

26.塩づくりと逃亡者

　レーラ集団を放置したサトルは夕方海に着いた。

　｢マナミ海に着いたぞ。｣

　｢本当ですか？｣　

　｢思っていた海と違うが磯の香りはするな。｣

　サトルはエメラルドグリーンの海を想像していたが濁っているような青い海だった。

　サトルはアイテムボックスの中に海水を取り込む。砂漠の砂同様に勢いよく入っていく。

　｢サトルさんいつまでやるんですか？｣

　｢もう暫くはやるな。どうした？｣

　｢せっかく海なので魚や貝を捕ってきます。｣

　｢わかった食べれる物だけとってこいよ。｣

　｢はーい。｣

　それから1時間後マナミは大量の魚や貝をとってきた。もちろん収納するのはサトルだった。

　海水の収納も粗方終わったので簡易的に塩を作る。プーリットルを出る前に仕入れた大鍋に海水を入れる。海水には不純物がはいっているので魔法を不純物を取り除くイメージで発動する。

　｢《浄化》｣

　海水の中の不純物が消えていった。それから火魔法で加熱していく。火力が強かったので数分で塩の結晶が出来た。
　味見をしてみる。

　｢しょっぱい｣

　こうして簡易的に塩が完成した。サトルの目的の一つが達成された。あとは大量の海水を使って大量の塩をつくるだけだった。

　

　サトルが塩づくりをしている中、レーラ達逃亡者は砂に埋まっていた。

　｢誰か助けて～。｣

　｢大声を出すな、モンスターが来たらどうするんだ？｣

　｢しかし、どうすればいいんだ？｣

　レーラと冒険者達は混乱していた。なぜ自分たちが砂に埋まっているの？何があったの？現実から逃げだしている。

　｢そうだ。これは夢だわ。｣
　　
　騒いでいるうちにレーラ達の体力は無くなっていく。暫くするて会話が出来ないくらい衰弱していった。砂に水分を吸収されているからだ。

　夜になり身動きのとれないレーラ達はビクビクしているしか、出来なかった。そして翌朝を迎える。

　｢おい、何してるだ？お前達？｣

　話し掛ける人物がいた。それは・・・サトルだった。
　　
　｢よく見たら逃げた冒険者ギルドの受付だな。｣

　サトルはレーラ達逃亡者を結束バンドで拘束して馬車に放り込んだ。もちろん砂漠の砂は回収する。

　レーラ達の私物は服以外はサトルが没収した。よく考えた襲ってきた奴らだったのだ。あとはプーリットルに戻る事にしたサトルだった。

　こうして逃亡者したレーラ達はサトルに捕まりプーリットルに連れ戻される事になった。