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1.花とチェスの一幕
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執事視点
我が主人様の庭園は彩どり豊かな花たちが活き活きと咲いている。その手入れの行き届いた美しい庭園のガゼボに、天使が1人いた。
今日は、忌々しい幼馴染を添えて。
「ほら、これお前にやるよ。」
幼馴染にそう言って渡された、花を嬉しそうに受け取る坊ちゃん。ぁあ、坊ちゃんダメです、その男は坊ちゃんに気があります、坊ちゃんは狙われているのです、早く離れてください。
「俺の家に咲いてたんだ、お前花好きだろ。」
自分の瞳の色の花を渡すなんて、家に咲いていたなんて嘘ですよ。今すぐ、離れるべきです。
「わぁ~綺麗でいい匂いだねぇ!ありがとう、マック。お部屋に飾るね!」
花に顔を近づけているではないか、いや、花を持って微笑んでいる坊ちゃんは最高に可愛い。だが、やはりあいつが渡したものはダメだ。
「坊ちゃん、お花を持っていたら遊べません。私が後で生けておきましょう。」
「そうだね、ルーク。はい、よろしくね。」
そう言って手渡された花は、彼の部屋の前にある廊下に飾られるのだった。
お前の花は、ご主人様の部屋には入れない。幼馴染という存在でしかないのだ。内側には入れない、近くで大人しくしていろ。
というような、大人気ない独占欲むき出しの思考を一切表情などに出すことはなく、天使の戯れに微笑むのだった。
---------------------
坊ちゃん視点
マックからもらった花をルークに預けて、マックに向き直る。
「マック、今日は何して遊ぶ?」
いつもはこのガゼボでチェスしている。お腹が空いたらおやつを食べて、庭園を散歩するのが定番だ。だが、マックがそれで飽きていないかちょっと不安でもあった。
「いつも通りチェスしようぜ。俺とチェスでやり合えるのお前くらいだからよ。」
「そうなの?僕そんなに強くないと思うけど、いつもルークには負けちゃうし。」
「あいつは、、、俺と一緒にあいつ倒せるくらい強くなろうぜ!」
マックは、凄いなぁ。ちゃんと相手の強さをわかってて、強くなろうとしてる。僕も一緒に頑張らなくちゃ。3人とも強くなったらもっと楽しくなるもんね。
「勿論だよ!強くなったらもっと、みんな楽しいもんね。よし、今から特訓だぁ。」
そうだ!ルークにアドバイスもらうのいいかもしれない。ナイスアイデアとすぐさまルークに顔を向ける。
「ルーク、僕たちの対局見てアドバイスちょうだいよ!」
「かりこまりました。一切手加減しませんよ。しっかり鍛えて差し上げます。」
ルークは、ニコッと笑顔で承諾してくれた。しかしその目は鬼コーチの眼差しで、ちょっとドキッとしてしまった。
「ゲッ、まぁ強いのに変わりないし。おい、ちゃんと見てろよ!」
マックもちょっと不服そうだったけど、素直にアドバイスを貰ってくれるようだ。
「よしっ、今日からみんなで特訓だね。わくわくするよ。」
僕は、ニコニコしながらチェス盤を見た。
---------------------
執事視点(9割脳内)
ぁあ、天使がわくわくしている。チェスが強くなりたいと、目を輝かせておられる。しかも、執事に教えを乞うて、何と純粋で美しい。
主人様の為なら何でもお教えします。何でも聞いてください。私にだけ聞いてください。
ぁあ、まずはチェスですね。任せてください。
そちらの幼馴染もしっかり鍛え上げて、天使に相応しい強さにいたしましょう。
やはり、護衛とお友達は必要ですからね。坊ちゃんの幸せの構成要素として存在しますし。ただしお友達いるには、距離感を守った上で坊ちゃんを楽しませていただきたい。だからこそお友達でいることを認めているのだから。
まぁ坊ちゃんが1人になっても、私が全てお世話するので安心して欲しいのですが。
「お任せください、坊ちゃん。」
p.s. マックはよくわからない悪寒がしたが、目の前の美しい幼馴染に意識は奪われていったのである。
我が主人様の庭園は彩どり豊かな花たちが活き活きと咲いている。その手入れの行き届いた美しい庭園のガゼボに、天使が1人いた。
今日は、忌々しい幼馴染を添えて。
「ほら、これお前にやるよ。」
幼馴染にそう言って渡された、花を嬉しそうに受け取る坊ちゃん。ぁあ、坊ちゃんダメです、その男は坊ちゃんに気があります、坊ちゃんは狙われているのです、早く離れてください。
「俺の家に咲いてたんだ、お前花好きだろ。」
自分の瞳の色の花を渡すなんて、家に咲いていたなんて嘘ですよ。今すぐ、離れるべきです。
「わぁ~綺麗でいい匂いだねぇ!ありがとう、マック。お部屋に飾るね!」
花に顔を近づけているではないか、いや、花を持って微笑んでいる坊ちゃんは最高に可愛い。だが、やはりあいつが渡したものはダメだ。
「坊ちゃん、お花を持っていたら遊べません。私が後で生けておきましょう。」
「そうだね、ルーク。はい、よろしくね。」
そう言って手渡された花は、彼の部屋の前にある廊下に飾られるのだった。
お前の花は、ご主人様の部屋には入れない。幼馴染という存在でしかないのだ。内側には入れない、近くで大人しくしていろ。
というような、大人気ない独占欲むき出しの思考を一切表情などに出すことはなく、天使の戯れに微笑むのだった。
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坊ちゃん視点
マックからもらった花をルークに預けて、マックに向き直る。
「マック、今日は何して遊ぶ?」
いつもはこのガゼボでチェスしている。お腹が空いたらおやつを食べて、庭園を散歩するのが定番だ。だが、マックがそれで飽きていないかちょっと不安でもあった。
「いつも通りチェスしようぜ。俺とチェスでやり合えるのお前くらいだからよ。」
「そうなの?僕そんなに強くないと思うけど、いつもルークには負けちゃうし。」
「あいつは、、、俺と一緒にあいつ倒せるくらい強くなろうぜ!」
マックは、凄いなぁ。ちゃんと相手の強さをわかってて、強くなろうとしてる。僕も一緒に頑張らなくちゃ。3人とも強くなったらもっと楽しくなるもんね。
「勿論だよ!強くなったらもっと、みんな楽しいもんね。よし、今から特訓だぁ。」
そうだ!ルークにアドバイスもらうのいいかもしれない。ナイスアイデアとすぐさまルークに顔を向ける。
「ルーク、僕たちの対局見てアドバイスちょうだいよ!」
「かりこまりました。一切手加減しませんよ。しっかり鍛えて差し上げます。」
ルークは、ニコッと笑顔で承諾してくれた。しかしその目は鬼コーチの眼差しで、ちょっとドキッとしてしまった。
「ゲッ、まぁ強いのに変わりないし。おい、ちゃんと見てろよ!」
マックもちょっと不服そうだったけど、素直にアドバイスを貰ってくれるようだ。
「よしっ、今日からみんなで特訓だね。わくわくするよ。」
僕は、ニコニコしながらチェス盤を見た。
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執事視点(9割脳内)
ぁあ、天使がわくわくしている。チェスが強くなりたいと、目を輝かせておられる。しかも、執事に教えを乞うて、何と純粋で美しい。
主人様の為なら何でもお教えします。何でも聞いてください。私にだけ聞いてください。
ぁあ、まずはチェスですね。任せてください。
そちらの幼馴染もしっかり鍛え上げて、天使に相応しい強さにいたしましょう。
やはり、護衛とお友達は必要ですからね。坊ちゃんの幸せの構成要素として存在しますし。ただしお友達いるには、距離感を守った上で坊ちゃんを楽しませていただきたい。だからこそお友達でいることを認めているのだから。
まぁ坊ちゃんが1人になっても、私が全てお世話するので安心して欲しいのですが。
「お任せください、坊ちゃん。」
p.s. マックはよくわからない悪寒がしたが、目の前の美しい幼馴染に意識は奪われていったのである。
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