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番外編
映画『仮想世界オフライン2』メイキング集
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※本編とは一切関係ありません。こっちの方が本編という説もありますが。
<CAST>
美奈子(霧雨美奈子、コナミ・サキ役)
ぽわぽわブラコン。
拓也(霧雨拓也、ヘラルド・ミストライブラ役)
こじらせシスコン。
ミリアナ(ミリアナ・レインフォール役)
たそがれお姉さん。
優希(前島優希、ユーマ・アイスフィールド役)
さわやか変態。
リナ(並木リナ、ライナ・アセトアルカナ)
てきとーJK(年齢詐称中)。
ユリシーズ(ユリシーズ・フォークロア役)
石の上にもウン十年。
浩人(霧雨浩人役)
ちょい役ヘタレ。
◇
「…ふ、ふわあああ…」
「な、うまいだろ、並木」
「おいしいです! てか、んま! もぐもぐ」
「お、おい、並木…」
もぐもぐもぐ
「リナ! てめえ、役忘れて姉さんの卵焼き貪り食ってんじゃねえ!」
「いいじゃん、ケチ。もぐもぐもぐもぐ。あ、から揚げ」
「だめーっ! それはあとのシーンで拓也に食べてもらうんだから!」
ガシッ
スタッ
ダダダダダ
「リナのやつ、重箱持って逃亡しやがった! 撮影スタッフ、早く捕獲しろ!」
「ほう、この重箱のフタの裏が」
「優希くん、それなめたら現場から叩き出すよ?」
「はっはっは。ミリアナさん、運動会で出番がないからってひがまない」
「違うわよ!」
◇
「『ハイ・エクスプロージョン』!!!」
ひょいっ
ドゴオオオオオオオオオオオオオッ―――(スタッフがスイッチオン)
「あ、もうひとつ」
ひょいっ
「…え? って、うわあああああ!」
ドガアアアアアアアアアアアンッ――――(スタッフさんがもう一度スイッチオン)
…
「うがああ! ちょっとミリアナ、その魔石ボール、頭に当たってマジで痛かった!! くらえ、『メテオバースト』再び!!」
「え、その特殊スキル名はこのシーンではまだ…って、痛い! 作り物の矢でも、束でつつくのは痛すぎる!」
「(うずうず)」
「優希、俺は止めねえから行ってこい」
「ホントかい!? よーし!」
「出番なくて楽だなー。ジンジャーエール飲んでよっと」
◇
「なんでもねえよ。ほら、行こうぜ。紅茶だけじゃなくジンジャーエールもあるからさ」
「私が、ジンジャーエールさえあれば御機嫌だと思ってる?」
「思ってる」
「さすが拓也! ほら、あとのシーンの分も含めてこんなに用意したよ! 試してみて!」
「おう!」
どんっ
こぽこぽこぽ
しゅわー
「リハーサルだけで、何杯飲んだかしら…。それにこれ、すごく苦くて辛くて…」
「ミリアナって、味覚が子供なんだね!」
「がーん、美奈子ちゃんに、子供扱いされた…」
「ミリアナさん、またしばらく出番がなかったのでは?」
「進捗を確認しておこうと思って…。優希くんはそろそろなんじゃ?」
「ええ、ですので、哀愁の表情を、こう、研究中で」
「それ、必要なの?」
「ミリアナさんには必要ないかもしれませんが」
「なんですってえ!?」
「おい、試飲の邪魔だ。出番がないならあっち行ってろ」
◇
「あ、あの、前島さんのことも、そっとしておいてもらえると…」
「なんだよ。姉さん、あいつのことかばうのか?」
「そうじゃないよ! そうじゃなくて、むしろ拓也のことばかりを考えて…」
「美奈子姉さん…!」
「拓也…!」
ガシッ
「ああ、そこはもっとボクをなじるように『むしろ拓也が足蹴にすることばかりを考えて』とか!」
「…変態の発想ってことだけはわかったわ。でも、また撮影中断か」
「ミリアナさん、出番がなくてヒマなら、ボクの誘拐シーンの練習につき合って下さい。こう、見下すような目で銃口を…!」
「お断りいたします」
パチパチパチ
パチパチパチ…
パチパチ…パチ…
「ねえ、もしかして、リナちゃんの文化祭での弓無双シーン、もう撮ってるとか?」
「みたいですねえ。かれこれ一時間ほど経過していますが。早く帰りたいからって適当な演技して、何度もリテイクしているみたいですが」
パチパチパチ
パチパチパチ…
パチパチ…パチ…
「拍手のエキストラの人達も大変ね…」
◇
「霧雨くん、あなたがサイン求められることがあるからって、前島さんにあるとは限らないよ?」
「え、拓也くん、そうなのかい?」
「おい、並木、さっきからいろいろ暴露しすぎ! 姉さんには言うなよ?」
がたっ
「拓也…そう、なの?」
「美奈子姉さん!? い、いや、これは役! 役の話だから! だから、その包丁は降ろして!」
「なーんだー」
「えー、そっかなー? さっきも拓也くんの出待ちしてたファンがわんさか…」
「おい、リナ、やっぱりお前いろいろ暴露しすぎ!」
「ふーん、そう…へえ…」
「うわあああ、ほんわか姉さんがヤンデレになっちまうー!」
「ヤンデレ!? 大好物です!!」
「変態は黙ってろ!」
「私って、ファン少ないみたいなんだよねー。やっぱり、このすとーんとした体形が…」
「ミリアナ、お前まで無視かよ!」
「拓也をナニしてー、私もアレするー、そうすればー、いつまでもー」
「また撮影中断かあ。お化粧直してこよ」
「諸悪の根源が逃げるんじゃねえ!」
◇
「美奈子さん、『ファラウェイ・ワールド・オンライン』は緊急クエストのためだけのシステムじゃないですよ? もともとなんのために始めたか、忘れちゃいました?」
「そ、それは、拓也くんと、一緒に…」
「また、すれ違っちゃってもいいんですか?」
「え…」
「すれ違って、遠くなって、どっか行っちゃって。こないだも見たでしょ? 拓也くんのファンって、それこそ老若男女…」
ゆらっ
「…おい、リナ。お前、俺と姉さんのことを応援してるんじゃなかったのか?」
「役の上ではそうだけどー、こじれる方が面白いじゃん」
「やかましい! お前のせいで、姉さんの、姉さんが、姉さんはー!!」
「うっさい、シスコン。ほら、美奈子から話があるみたいよ」
「えっ…」
「拓也…。老若男女、なの? やっぱり、こないだの週刊誌での、優希くんとの噂…!」
「それだけはない。安心してくれ」
「そっか、良かった。噂が本当だったら、コレで切り刻んじゃうところだったよ」
「ああ、それ「黙れ」はい」
「ねえねえ、ミリアナ。あなたの噂も流してあげよっか? 私にかかればモテモテに」
「あなたがやったの!? ていうか、何の噂を流すつもりよ!」
「えー? いやほら、ミリアナって、年の割に老けてるじゃない? だから、中年好みっていう…」
「や め て」
◇
「いやもう、ぱっと見せてくれよ、姉さん。その方が早い」
「だね」
ピッ
【ショートカット『偽装解除』を実行します】(byミリアナさん兼任)
ぶんっ
「うわあ…」
「ちょっと、拓也くん!? あなた失礼よ!」
「だってなあ、可愛くてラブリーでぽよんぽよんの美奈子姉さんが、こーんな、年増で老けててあちこちスッキリな…」
「う…」
「う?」
「うあああああん! なんで、なんで、よりにもよって、拓也くんにそんなこと言われなきゃいけないのよおおおお!!」
「え?」
「こ、この仕事だって、拓也くんと、共演できるからって、それが、嬉しかったから…ぐすっ…えっぐ…」
「え? え?」
「なーんだ、ミリアナ。あなたも拓也くんのこと好きだったの」
「え、ボクはてっきり、ユリシーズさんと恋仲なのかと」
「私は中年ではありませんよ? 役と同じで、まだ20代ですから!」
「ようやく喋ったと思ったら、そんな自己申告ですか」
◇
「ほら、剣を突き出すだけでいいから」
「んぐっ…。えいっ」
しゅばっ
ぱあああああっ…
「はあ、拓也くん…」
「俺はここにいるぞ」
「そだね」
ぎゅっ
「おお、なんか新鮮…。はー、落ち着く」
「…ぐすっ」
「え、おい、ミリアナ?」
「ど、どうせ私は、年増で老けててあちこちスッキリで…ひっぐっ…」
「わ、悪かったよ、俺もあの時は言い過ぎたから…」
「うう…」
ぐいっ
「ミリアナさん、拓也と離れて」
「え、でも、拓也くんとは、役だから…」
「…私も、拓也と手をつなぎたいし」
「美奈子ちゃん…」
ぎゅっ
「ほら、美奈子姉さんも。これでいいだろ?」
「拓也…」
「ミリアナも、ま、まあ、たまになら。でも、俺は姉さん一筋だからな?」
「うん、わかってるよ、拓也くん…」
ぎゅっ
「ほう、拓也くん、堂々と二股宣言ですか。やりますねえ」
「こういう純情路線はウケないのよねえ。なんとかドロドロにできないかなー?」
◇
「美奈子が…ミリアナだったの!?」
「そういうこと。あ、ちょっと待っててね」
たったったっ…
がちゃっ
ごそごそ
…
「拓也、美奈子が部屋に行ったっきり、戻ってこないぞ? あれ? 拓也もいない?」
たったったっ
「た、拓也くんが、美奈子ちゃんにさらわれたー!」
「なんだと!? 数千年の間、世界を裏から支配してきた血脈が、共に…!?」
「浩人さん、役はもういいです」
「はい」
「こ、こんな書き置きを残して…!」
ぴらっ
『さつえいがおわったので、拓也とテーマパークにいきます。さがさないでください』
「終わってないわよ! まだエピローグがー!」
「なんなら、ボクが拓也くんに変装して…」
「拓也くんはあなたみたいな変態じゃないわよ!」
「ありがとうございます!」
「んー、テーマパークじゃなくて、あの小型クルーズ船で逃亡したことにできないかなー。その方が面白いし」
「面白くないわよ! 私も誘うつもりだったのにー!」
『ミリアナさーん、最後のシーン頼むよー。それで撮影終わりだからさー』
<CAST>
美奈子(霧雨美奈子、コナミ・サキ役)
ぽわぽわブラコン。
拓也(霧雨拓也、ヘラルド・ミストライブラ役)
こじらせシスコン。
ミリアナ(ミリアナ・レインフォール役)
たそがれお姉さん。
優希(前島優希、ユーマ・アイスフィールド役)
さわやか変態。
リナ(並木リナ、ライナ・アセトアルカナ)
てきとーJK(年齢詐称中)。
ユリシーズ(ユリシーズ・フォークロア役)
石の上にもウン十年。
浩人(霧雨浩人役)
ちょい役ヘタレ。
◇
「…ふ、ふわあああ…」
「な、うまいだろ、並木」
「おいしいです! てか、んま! もぐもぐ」
「お、おい、並木…」
もぐもぐもぐ
「リナ! てめえ、役忘れて姉さんの卵焼き貪り食ってんじゃねえ!」
「いいじゃん、ケチ。もぐもぐもぐもぐ。あ、から揚げ」
「だめーっ! それはあとのシーンで拓也に食べてもらうんだから!」
ガシッ
スタッ
ダダダダダ
「リナのやつ、重箱持って逃亡しやがった! 撮影スタッフ、早く捕獲しろ!」
「ほう、この重箱のフタの裏が」
「優希くん、それなめたら現場から叩き出すよ?」
「はっはっは。ミリアナさん、運動会で出番がないからってひがまない」
「違うわよ!」
◇
「『ハイ・エクスプロージョン』!!!」
ひょいっ
ドゴオオオオオオオオオオオオオッ―――(スタッフがスイッチオン)
「あ、もうひとつ」
ひょいっ
「…え? って、うわあああああ!」
ドガアアアアアアアアアアアンッ――――(スタッフさんがもう一度スイッチオン)
…
「うがああ! ちょっとミリアナ、その魔石ボール、頭に当たってマジで痛かった!! くらえ、『メテオバースト』再び!!」
「え、その特殊スキル名はこのシーンではまだ…って、痛い! 作り物の矢でも、束でつつくのは痛すぎる!」
「(うずうず)」
「優希、俺は止めねえから行ってこい」
「ホントかい!? よーし!」
「出番なくて楽だなー。ジンジャーエール飲んでよっと」
◇
「なんでもねえよ。ほら、行こうぜ。紅茶だけじゃなくジンジャーエールもあるからさ」
「私が、ジンジャーエールさえあれば御機嫌だと思ってる?」
「思ってる」
「さすが拓也! ほら、あとのシーンの分も含めてこんなに用意したよ! 試してみて!」
「おう!」
どんっ
こぽこぽこぽ
しゅわー
「リハーサルだけで、何杯飲んだかしら…。それにこれ、すごく苦くて辛くて…」
「ミリアナって、味覚が子供なんだね!」
「がーん、美奈子ちゃんに、子供扱いされた…」
「ミリアナさん、またしばらく出番がなかったのでは?」
「進捗を確認しておこうと思って…。優希くんはそろそろなんじゃ?」
「ええ、ですので、哀愁の表情を、こう、研究中で」
「それ、必要なの?」
「ミリアナさんには必要ないかもしれませんが」
「なんですってえ!?」
「おい、試飲の邪魔だ。出番がないならあっち行ってろ」
◇
「あ、あの、前島さんのことも、そっとしておいてもらえると…」
「なんだよ。姉さん、あいつのことかばうのか?」
「そうじゃないよ! そうじゃなくて、むしろ拓也のことばかりを考えて…」
「美奈子姉さん…!」
「拓也…!」
ガシッ
「ああ、そこはもっとボクをなじるように『むしろ拓也が足蹴にすることばかりを考えて』とか!」
「…変態の発想ってことだけはわかったわ。でも、また撮影中断か」
「ミリアナさん、出番がなくてヒマなら、ボクの誘拐シーンの練習につき合って下さい。こう、見下すような目で銃口を…!」
「お断りいたします」
パチパチパチ
パチパチパチ…
パチパチ…パチ…
「ねえ、もしかして、リナちゃんの文化祭での弓無双シーン、もう撮ってるとか?」
「みたいですねえ。かれこれ一時間ほど経過していますが。早く帰りたいからって適当な演技して、何度もリテイクしているみたいですが」
パチパチパチ
パチパチパチ…
パチパチ…パチ…
「拍手のエキストラの人達も大変ね…」
◇
「霧雨くん、あなたがサイン求められることがあるからって、前島さんにあるとは限らないよ?」
「え、拓也くん、そうなのかい?」
「おい、並木、さっきからいろいろ暴露しすぎ! 姉さんには言うなよ?」
がたっ
「拓也…そう、なの?」
「美奈子姉さん!? い、いや、これは役! 役の話だから! だから、その包丁は降ろして!」
「なーんだー」
「えー、そっかなー? さっきも拓也くんの出待ちしてたファンがわんさか…」
「おい、リナ、やっぱりお前いろいろ暴露しすぎ!」
「ふーん、そう…へえ…」
「うわあああ、ほんわか姉さんがヤンデレになっちまうー!」
「ヤンデレ!? 大好物です!!」
「変態は黙ってろ!」
「私って、ファン少ないみたいなんだよねー。やっぱり、このすとーんとした体形が…」
「ミリアナ、お前まで無視かよ!」
「拓也をナニしてー、私もアレするー、そうすればー、いつまでもー」
「また撮影中断かあ。お化粧直してこよ」
「諸悪の根源が逃げるんじゃねえ!」
◇
「美奈子さん、『ファラウェイ・ワールド・オンライン』は緊急クエストのためだけのシステムじゃないですよ? もともとなんのために始めたか、忘れちゃいました?」
「そ、それは、拓也くんと、一緒に…」
「また、すれ違っちゃってもいいんですか?」
「え…」
「すれ違って、遠くなって、どっか行っちゃって。こないだも見たでしょ? 拓也くんのファンって、それこそ老若男女…」
ゆらっ
「…おい、リナ。お前、俺と姉さんのことを応援してるんじゃなかったのか?」
「役の上ではそうだけどー、こじれる方が面白いじゃん」
「やかましい! お前のせいで、姉さんの、姉さんが、姉さんはー!!」
「うっさい、シスコン。ほら、美奈子から話があるみたいよ」
「えっ…」
「拓也…。老若男女、なの? やっぱり、こないだの週刊誌での、優希くんとの噂…!」
「それだけはない。安心してくれ」
「そっか、良かった。噂が本当だったら、コレで切り刻んじゃうところだったよ」
「ああ、それ「黙れ」はい」
「ねえねえ、ミリアナ。あなたの噂も流してあげよっか? 私にかかればモテモテに」
「あなたがやったの!? ていうか、何の噂を流すつもりよ!」
「えー? いやほら、ミリアナって、年の割に老けてるじゃない? だから、中年好みっていう…」
「や め て」
◇
「いやもう、ぱっと見せてくれよ、姉さん。その方が早い」
「だね」
ピッ
【ショートカット『偽装解除』を実行します】(byミリアナさん兼任)
ぶんっ
「うわあ…」
「ちょっと、拓也くん!? あなた失礼よ!」
「だってなあ、可愛くてラブリーでぽよんぽよんの美奈子姉さんが、こーんな、年増で老けててあちこちスッキリな…」
「う…」
「う?」
「うあああああん! なんで、なんで、よりにもよって、拓也くんにそんなこと言われなきゃいけないのよおおおお!!」
「え?」
「こ、この仕事だって、拓也くんと、共演できるからって、それが、嬉しかったから…ぐすっ…えっぐ…」
「え? え?」
「なーんだ、ミリアナ。あなたも拓也くんのこと好きだったの」
「え、ボクはてっきり、ユリシーズさんと恋仲なのかと」
「私は中年ではありませんよ? 役と同じで、まだ20代ですから!」
「ようやく喋ったと思ったら、そんな自己申告ですか」
◇
「ほら、剣を突き出すだけでいいから」
「んぐっ…。えいっ」
しゅばっ
ぱあああああっ…
「はあ、拓也くん…」
「俺はここにいるぞ」
「そだね」
ぎゅっ
「おお、なんか新鮮…。はー、落ち着く」
「…ぐすっ」
「え、おい、ミリアナ?」
「ど、どうせ私は、年増で老けててあちこちスッキリで…ひっぐっ…」
「わ、悪かったよ、俺もあの時は言い過ぎたから…」
「うう…」
ぐいっ
「ミリアナさん、拓也と離れて」
「え、でも、拓也くんとは、役だから…」
「…私も、拓也と手をつなぎたいし」
「美奈子ちゃん…」
ぎゅっ
「ほら、美奈子姉さんも。これでいいだろ?」
「拓也…」
「ミリアナも、ま、まあ、たまになら。でも、俺は姉さん一筋だからな?」
「うん、わかってるよ、拓也くん…」
ぎゅっ
「ほう、拓也くん、堂々と二股宣言ですか。やりますねえ」
「こういう純情路線はウケないのよねえ。なんとかドロドロにできないかなー?」
◇
「美奈子が…ミリアナだったの!?」
「そういうこと。あ、ちょっと待っててね」
たったったっ…
がちゃっ
ごそごそ
…
「拓也、美奈子が部屋に行ったっきり、戻ってこないぞ? あれ? 拓也もいない?」
たったったっ
「た、拓也くんが、美奈子ちゃんにさらわれたー!」
「なんだと!? 数千年の間、世界を裏から支配してきた血脈が、共に…!?」
「浩人さん、役はもういいです」
「はい」
「こ、こんな書き置きを残して…!」
ぴらっ
『さつえいがおわったので、拓也とテーマパークにいきます。さがさないでください』
「終わってないわよ! まだエピローグがー!」
「なんなら、ボクが拓也くんに変装して…」
「拓也くんはあなたみたいな変態じゃないわよ!」
「ありがとうございます!」
「んー、テーマパークじゃなくて、あの小型クルーズ船で逃亡したことにできないかなー。その方が面白いし」
「面白くないわよ! 私も誘うつもりだったのにー!」
『ミリアナさーん、最後のシーン頼むよー。それで撮影終わりだからさー』
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御指摘ありがとうございます。VIPは確かにその通りですね。何と勘違いしてたんだろう…。リナに筒抜けだった件は、次の話の冒頭でユリシーズさんが酷い目に合うための伏線ですね(おい)。第9話だけ先に公開してしまおうか…それならいっそのこと第2章全部…すみません、しばらくお待ち下さい。
番外編がうち的にツボにハマってしまいましたよ(*´艸`)笑
御感想ありがとうございます。あの中でも特にオススメなのはナチュラルに役を奪われた前島くんですね。拓也いいぞもっとやれっていう(ひどいよ)。
御感想ありがとうございました。すみません、前島『くん』の性別ぼかしはわざとでした。最初から美奈子に好感度MAXであの性格なので、早い時期からそれを放置すると本題が進まずR-15化しそうな気がして…。同じことは拓也にも言えるのですが、まあ、弟だし、そもそもヘタレなので別にいいかなあと(酷)。恋愛要素はアクセント程度にしたいのですが、なかなか難しいですね。