22 / 32
四章 闇の中
4.清と唐織
しおりを挟む
「姉さんは──先代の唐織は、そりゃあ綺麗なお人でありんした。稀代の花魁でありんした」
唐織は立ち、清吾は床に蹲ったまま。背丈の分だけ離れているはずなのに、どういう訳か耳元に囁かれている気がするのが不思議だった。それだけ、唐織は生の感情を彼にぶつけているのだろうか。
(この女の、まこと、なんて……)
唐織の言葉は、何ひとつ信じられない。清吾は骨身にしみて思い知らされたはずだった。それでも耳を傾けるし、彼女の真意を推し量ろうと考えを巡らせてしまう。きっと、彼女の言葉の裏にこそ、清吾を招き入れてから突き放した、本当の理由が潜んでいるのだと思いたいからだ。
月のない空を見上げながら、唐織は続ける。
「唐土に生まれていたなら、城どころか国のひとつやふたつは傾けていたに違いありいせん。客を子供のように手玉に取る手練手管は手妻のようで、見習わねば、精進せねばなりいせんと、小娘だったわちきは常々肝に銘じておりいした。……いまだに姉さんの足もとにも及びいせんが」
それこそ手妻のような手並みで清吾を弄んでおいて、唐織は自らを嘲って嗤う。清吾の耳には、彼女が語る言葉は当代の唐織その人を描いているとしか思えないのに。でも、姉の後姿を追うかのような眼差しは、確かに未熟な小娘の面影も有していた。
積み上げられた布団の山にしなだれて、唐織はほう、と溜息を吐く。
座敷に向かうところだったのだから、当然に化粧を濃く施しているだろうに。薄闇の中に浮かぶ白い顔は、かつてなく幼く見えた。そこらの小娘と似たり寄ったりの、純粋な憧れや可愛らしい思慕を語っているからだろうか。
「清様は、お客の中でもただひとり、姉さんと釣り合うお人。お歳は若くとも、大店の若旦那ゆえに見世も歓待して──ご登楼の折はいつもいつも、たいそう華やかな座敷でありんした。姉さんと清様が睦まじく過ごすためならば、名代の務めもちいとも苦ではなかった……」
唐織は、姉貴分の先代もその情人も、等しく好いて焦がれていたのだ、と分かった。和泉屋以上に遠い、あだ名しか知らぬ男を思い浮かべようとすると清吾の胸にさざ波が立つ。この女にこんな眼差しをさせるとは、さぞ好い男だったのだろう。
(俺なんかとは、違う……だからこそ、同じ字が気に入らなかったのか……?)
唐織の企みごとの理由が、ひとつ、腑に落ちた気がした。そして、名代と聞けばもうひとつ、この女に関わる逸話があった。
「あの、常陸の客の時も、か? 姉さんたちの逢瀬のために、客の訛りを調べてまで……?」
客の訛りを真似て、その気を惹いたことを、唐織はかつて手柄のように語っていた。世間で言われるような、同郷の者に尽くした心意気など手管のひとつに過ぎなかったのだと。
(だが、それもあんた自身のためではなくて。姉さんとその男のためだったんだな)
花魁の素顔を垣間見た気になっていた清吾は、やはり愚かで浅はかだったのだ。今、この時になって唐織が身の上話を始めた理由は、いまだ見えないが──彼の鈍さを徹底的に暴いて突き付けようということなのだろうか。
けれど唐織は、微かに首を振った。
「教えてくださんしたのは清様でありんした。わちきにかような知恵はござんせん」
その男の名を、唐織は大切そうに口にした。そうして思いの深さを見せつけて、清吾の胸をさらに乱した。闇の中、白粉越しでも、染まった頬が見えるようで。花魁にそんな顔をさせる男のことを、妬まずにはいられなかった。
「あのころのわちきは、本当に気が利かぬで──ああ、先のも嘘でありんした。姉さんも清さんも好きなのは本当。けれど、名代は嫌だった。わちきに、唐織の代わりが務まるはずもござんせん。また怒鳴られるのかと気が重く──そうしたら、清様がこう言えば良い、と」
確かに、世慣れた男ではあったのだろう。そのように助け舟を出されたら、惚れこむのも無理はない。思い出話の唐織は、今の手練れの花魁ではない。むしろ、清吾に憤りを露にした、振袖新造のさらさに近い少女だったのだろうから。
「思い上がりも甚だしいことでありんした。清様が、わちきに特別に──などと。あのお人は、本当に優しかっただけ。姉さんに一途だっただけ。だからこそ、妹分に過ぎぬ小娘に知恵を授けてくださんしただけ」
そこまでひと息に述べたところで、唐織の吐息の乱れが、布団部屋にこもる空気を揺らした。懐かしさや思慕に浸るだけでなく、感情の乱れを肌で感じて、清吾も思わず居住まいを正す。彼に聞かせているのか、独り言ちているのか──唐織の語り口はどちらともつかないから、清吾には立ったり口を挟んだりする隙が捉えられない。
「姉さんも、清様だけが一番で。互いに互いだけを見て。だから、わちきのことなど……っ」
「──花魁」
だが、唐織が我が身を掻きむしるように抱き締めたのを感じて、さすがに腰を浮かせた。
(単に振られただけじゃないのか……!?)
どうしてこんなに、と思うのは、彼の信乃への思いもやはり本気ではなかったのだろうか。あるいは、花魁に上り詰める女には、好いた男を振り向かせられなかったのが不満で不服で屈辱なのか。
それに、清吾は不審な点に気付いてしまったのだ。
「先代の唐織は、札差に身請けされたんだよな? その清様は、大店の若旦那って……」
話がかみ合っていないのではないか、と。清吾が問いながら差し伸べた手は、強く払い除けられた。哀れみは無用と態度で告げて、それでも唐織は清吾の疑問に答えてくれた。
「姉さんを根引いたのは、札差の高田屋様でありんした。清様のご実家も、それは羽振りが良うござんしたが、店を継ぐ前の若造には、花魁の身請けなどとてもとても叶いいせん。だから──」
唐織の頬が引き攣ったのが、闇に浮かぶ輪郭の揺れで分かった。花魁が、笑おうとして失敗したのだ。清吾はきっと、世にも珍しいものを見てしまった。
「姉さんと清様は、駆け落ちを企んだのでありんすよ。わちきには何も言わず何も頼らず、わちきを置いて……!」
深く強い恨みを込めて、詰る口調から、分かる。表情を取り繕うことさえ忘れるほどに、唐織は姉とその情人を等しく想っていたのだろう。
唐織は立ち、清吾は床に蹲ったまま。背丈の分だけ離れているはずなのに、どういう訳か耳元に囁かれている気がするのが不思議だった。それだけ、唐織は生の感情を彼にぶつけているのだろうか。
(この女の、まこと、なんて……)
唐織の言葉は、何ひとつ信じられない。清吾は骨身にしみて思い知らされたはずだった。それでも耳を傾けるし、彼女の真意を推し量ろうと考えを巡らせてしまう。きっと、彼女の言葉の裏にこそ、清吾を招き入れてから突き放した、本当の理由が潜んでいるのだと思いたいからだ。
月のない空を見上げながら、唐織は続ける。
「唐土に生まれていたなら、城どころか国のひとつやふたつは傾けていたに違いありいせん。客を子供のように手玉に取る手練手管は手妻のようで、見習わねば、精進せねばなりいせんと、小娘だったわちきは常々肝に銘じておりいした。……いまだに姉さんの足もとにも及びいせんが」
それこそ手妻のような手並みで清吾を弄んでおいて、唐織は自らを嘲って嗤う。清吾の耳には、彼女が語る言葉は当代の唐織その人を描いているとしか思えないのに。でも、姉の後姿を追うかのような眼差しは、確かに未熟な小娘の面影も有していた。
積み上げられた布団の山にしなだれて、唐織はほう、と溜息を吐く。
座敷に向かうところだったのだから、当然に化粧を濃く施しているだろうに。薄闇の中に浮かぶ白い顔は、かつてなく幼く見えた。そこらの小娘と似たり寄ったりの、純粋な憧れや可愛らしい思慕を語っているからだろうか。
「清様は、お客の中でもただひとり、姉さんと釣り合うお人。お歳は若くとも、大店の若旦那ゆえに見世も歓待して──ご登楼の折はいつもいつも、たいそう華やかな座敷でありんした。姉さんと清様が睦まじく過ごすためならば、名代の務めもちいとも苦ではなかった……」
唐織は、姉貴分の先代もその情人も、等しく好いて焦がれていたのだ、と分かった。和泉屋以上に遠い、あだ名しか知らぬ男を思い浮かべようとすると清吾の胸にさざ波が立つ。この女にこんな眼差しをさせるとは、さぞ好い男だったのだろう。
(俺なんかとは、違う……だからこそ、同じ字が気に入らなかったのか……?)
唐織の企みごとの理由が、ひとつ、腑に落ちた気がした。そして、名代と聞けばもうひとつ、この女に関わる逸話があった。
「あの、常陸の客の時も、か? 姉さんたちの逢瀬のために、客の訛りを調べてまで……?」
客の訛りを真似て、その気を惹いたことを、唐織はかつて手柄のように語っていた。世間で言われるような、同郷の者に尽くした心意気など手管のひとつに過ぎなかったのだと。
(だが、それもあんた自身のためではなくて。姉さんとその男のためだったんだな)
花魁の素顔を垣間見た気になっていた清吾は、やはり愚かで浅はかだったのだ。今、この時になって唐織が身の上話を始めた理由は、いまだ見えないが──彼の鈍さを徹底的に暴いて突き付けようということなのだろうか。
けれど唐織は、微かに首を振った。
「教えてくださんしたのは清様でありんした。わちきにかような知恵はござんせん」
その男の名を、唐織は大切そうに口にした。そうして思いの深さを見せつけて、清吾の胸をさらに乱した。闇の中、白粉越しでも、染まった頬が見えるようで。花魁にそんな顔をさせる男のことを、妬まずにはいられなかった。
「あのころのわちきは、本当に気が利かぬで──ああ、先のも嘘でありんした。姉さんも清さんも好きなのは本当。けれど、名代は嫌だった。わちきに、唐織の代わりが務まるはずもござんせん。また怒鳴られるのかと気が重く──そうしたら、清様がこう言えば良い、と」
確かに、世慣れた男ではあったのだろう。そのように助け舟を出されたら、惚れこむのも無理はない。思い出話の唐織は、今の手練れの花魁ではない。むしろ、清吾に憤りを露にした、振袖新造のさらさに近い少女だったのだろうから。
「思い上がりも甚だしいことでありんした。清様が、わちきに特別に──などと。あのお人は、本当に優しかっただけ。姉さんに一途だっただけ。だからこそ、妹分に過ぎぬ小娘に知恵を授けてくださんしただけ」
そこまでひと息に述べたところで、唐織の吐息の乱れが、布団部屋にこもる空気を揺らした。懐かしさや思慕に浸るだけでなく、感情の乱れを肌で感じて、清吾も思わず居住まいを正す。彼に聞かせているのか、独り言ちているのか──唐織の語り口はどちらともつかないから、清吾には立ったり口を挟んだりする隙が捉えられない。
「姉さんも、清様だけが一番で。互いに互いだけを見て。だから、わちきのことなど……っ」
「──花魁」
だが、唐織が我が身を掻きむしるように抱き締めたのを感じて、さすがに腰を浮かせた。
(単に振られただけじゃないのか……!?)
どうしてこんなに、と思うのは、彼の信乃への思いもやはり本気ではなかったのだろうか。あるいは、花魁に上り詰める女には、好いた男を振り向かせられなかったのが不満で不服で屈辱なのか。
それに、清吾は不審な点に気付いてしまったのだ。
「先代の唐織は、札差に身請けされたんだよな? その清様は、大店の若旦那って……」
話がかみ合っていないのではないか、と。清吾が問いながら差し伸べた手は、強く払い除けられた。哀れみは無用と態度で告げて、それでも唐織は清吾の疑問に答えてくれた。
「姉さんを根引いたのは、札差の高田屋様でありんした。清様のご実家も、それは羽振りが良うござんしたが、店を継ぐ前の若造には、花魁の身請けなどとてもとても叶いいせん。だから──」
唐織の頬が引き攣ったのが、闇に浮かぶ輪郭の揺れで分かった。花魁が、笑おうとして失敗したのだ。清吾はきっと、世にも珍しいものを見てしまった。
「姉さんと清様は、駆け落ちを企んだのでありんすよ。わちきには何も言わず何も頼らず、わちきを置いて……!」
深く強い恨みを込めて、詰る口調から、分かる。表情を取り繕うことさえ忘れるほどに、唐織は姉とその情人を等しく想っていたのだろう。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
陸のくじら侍 -元禄の竜-
陸 理明
歴史・時代
元禄時代、江戸に「くじら侍」と呼ばれた男がいた。かつて武士であるにも関わらず鯨漁に没頭し、そして誰も知らない理由で江戸に流れてきた赤銅色の大男――権藤伊佐馬という。海の巨獣との命を削る凄絶な戦いの果てに会得した正確無比な投げ銛術と、苛烈なまでの剛剣の使い手でもある伊佐馬は、南町奉行所の戦闘狂の美貌の同心・青碕伯之進とともに江戸の悪を討ちつつ、日がな一日ずっと釣りをして生きていくだけの暮らしを続けていた……
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
一ト切り 奈落太夫と堅物与力
相沢泉見@8月時代小説刊行
歴史・時代
一ト切り【いっときり】……線香が燃え尽きるまでの、僅かなあいだ。
奈落大夫の異名を持つ花魁が華麗に謎を解く!
絵師崩れの若者・佐彦は、幕臣一の堅物・見習与力の青木市之進の下男を務めている。
ある日、頭の堅さが仇となって取り調べに行き詰まってしまった市之進は、筆頭与力の父親に「もっと頭を柔らかくしてこい」と言われ、佐彦とともにしぶしぶ吉原へ足を踏み入れた。
そこで出会ったのは、地獄のような恐ろしい柄の着物を纏った目を瞠るほどの美しい花魁・桐花。またの名を、かつての名花魁・地獄太夫にあやかって『奈落太夫』という。
御免色里に来ているにもかかわらず仏頂面を崩さない市之進に向かって、桐花は「困り事があるなら言ってみろ」と持ちかけてきて……。
御庭番のくノ一ちゃん ~華のお江戸で花より団子~
裏耕記
歴史・時代
御庭番衆には有能なくノ一がいた。
彼女は気ままに江戸を探索。
なぜか甘味巡りをすると事件に巡り合う?
将軍を狙った陰謀を防ぎ、夫婦喧嘩を仲裁する。
忍術の無駄遣いで興味を満たすうちに事件が解決してしまう。
いつの間にやら江戸の闇を暴く捕物帳?が開幕する。
※※
将軍となった徳川吉宗と共に江戸へと出てきた御庭番衆の宮地家。
その長女 日向は女の子ながらに忍びの技術を修めていた。
日向は家事をそっちのけで江戸の街を探索する日々。
面白そうなことを見つけると本来の目的であるお団子屋さん巡りすら忘れて事件に首を突っ込んでしまう。
天真爛漫な彼女が首を突っ込むことで、事件はより複雑に?
周囲が思わず手を貸してしまいたくなる愛嬌を武器に事件を解決?
次第に吉宗の失脚を狙う陰謀に巻き込まれていく日向。
くノ一ちゃんは、恩人の吉宗を守る事が出来るのでしょうか。
そんなお話です。
一つ目のエピソード「風邪と豆腐」は12話で完結します。27,000字くらいです。
エピソードが終わるとネタバレ含む登場人物紹介を挟む予定です。
ミステリー成分は薄めにしております。
作品は、第9回歴史・時代小説大賞の参加作です。
投票やお気に入り追加をして頂けますと幸いです。
狐侍こんこんちき
月芝
歴史・時代
母は出戻り幽霊。居候はしゃべる猫。
父は何の因果か輪廻の輪からはずされて、地獄の官吏についている。
そんな九坂家は由緒正しいおんぼろ道場を営んでいるが、
門弟なんぞはひとりもいやしない。
寄りつくのはもっぱら妙ちきりんな連中ばかり。
かような家を継いでしまった藤士郎は、狐面にていつも背を丸めている青瓢箪。
のんびりした性格にて、覇気に乏しく、およそ武士らしくない。
おかげでせっかくの剣の腕も宝の持ち腐れ。
もっぱら魚をさばいたり、薪を割るのに役立っているが、そんな暮らしも案外悪くない。
けれどもある日のこと。
自宅兼道場の前にて倒れている子どもを拾ったことから、奇妙な縁が動きだす。
脇差しの付喪神を助けたことから、世にも奇妙な仇討ち騒動に関わることになった藤士郎。
こんこんちきちき、こんちきちん。
家内安全、無病息災、心願成就にて妖縁奇縁が来来。
巻き起こる騒動の数々。
これを解決するために奔走する狐侍の奇々怪々なお江戸物語。
浅葱色の桜 ―堀川通花屋町下ル
初音
歴史・時代
新選組内外の諜報活動を行う諸士調役兼監察。その頭をつとめるのは、隊内唯一の女隊士だった。
義弟の近藤勇らと上洛して早2年。主人公・さくらの活躍はまだまだ続く……!
『浅葱色の桜』https://www.alphapolis.co.jp/novel/32482980/787215527
の続編となりますが、前作を読んでいなくても大丈夫な作りにはしています。前作未読の方もぜひ。
※時代小説の雰囲気を味わっていただくため、縦組みを推奨しています。行間を詰めてありますので横組みだと読みづらいかもしれませんが、ご了承ください。
※あくまでフィクションです。実際の人物、事件には関係ありません。
渡世人飛脚旅(小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品で)
牛馬走
歴史・時代
(小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品で)水呑百姓の平太は、体の不自由な祖母を養いながら、未来に希望を持てずに生きていた。平太は、賭場で無宿(浪人)を鮮やかに斃す。その折、親分に渡世人飛脚に誘われる。渡世人飛脚とは、あちこちを歩き回る渡世人を利用した闇の運送業のことを云う――
剣客逓信 ―明治剣戟郵便録―
三條すずしろ
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞:痛快! エンタメ剣客賞受賞】
明治6年、警察より早くピストルを装備したのは郵便配達員だった――。
維新の動乱で届くことのなかった手紙や小包。そんな残された思いを配達する「御留郵便御用」の若者と老剣士が、時に不穏な明治の初めをひた走る。
密書や金品を狙う賊を退け大切なものを届ける特命郵便配達人、通称「剣客逓信(けんかくていしん)」。
武装する必要があるほど危険にさらされた初期の郵便時代、二人はやがてさらに大きな動乱に巻き込まれ――。
※エブリスタでも連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる