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参考文献について

二冊のエリザベート本①

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参考文献についてのお話 二冊のエリザベート本

 本編が完結したので、後書き的に執筆にあたって参考にした資料のことを語ってみようかと思います。この時代のことをもっと知りたいという方がもしいらっしゃいましたら、その一助になれば幸いです。

 本作のヒロインにして語り手であるエリザベート・マリー・ペツネックを表題に掲げる本は、今のところ下記の二冊が出版されています。

「『エリザベート』 ハプスブルク家最後の皇女」 塚本哲也 文藝春秋 1992
「赤い皇女エリーザベト」 フリードリヒ・ヴァイセンシュタイナー 新書館 1998

 便宜上、本稿では前者を「最後の皇女」、後者を「赤い皇女」と呼ぶことにしましょうか。同じ人物を扱ったよく似たタイトルの本がどう違うのか、どちらがどんな方にお勧めかについて語ってみます。
 端的に結論から申し上げると、

「最後の皇女」→近代オーストリア・東欧史も含めて学びたい/復習したい方向け
「赤い皇女」→歴史背景やエリザベートの近親者たち「登場人物」は大体把握しているうえで、彼ら彼女らのより詳細な人生を掘り下げたい方向け

 でしょうか。そして私個人としては、どちらか選べと言われたら「赤い皇女」のほうをお勧めします。その理由については色々あるのですが、次回以降に少しずつ語っていきたいと思います。
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