30 / 31
終章 想いは廻る
事件は終わり──
しおりを挟む
あの後──真上家の住人たちは、突然泥と血に塗れて現れた宵子の姿に仰天し、さらに彼女が声を取り戻したことを知って絶句していた。
さらに、彼女の説明によって庭の片隅で起きた惨劇を知らされることになった彼ら彼女らの恐怖や衝撃、動揺は察するに余りある。
何より、夫の遺体に取りすがって涙する子爵夫人──母の姿を見るのは、宵子にとっても辛かった。
母にしてみれば、彼女は徹頭徹尾、忌まわしい呪いの子だっただろう。夫が亡くなったのは宵子のせいだ、と考えても無理もないことだった。使用人が持ってきてくれた着物を纏ったクラウスに支えてもらわなかったら、まともに立っていることはできなかったかもしれない。
夜明けと共に駆けつけた警察に対して、どう説明するかも悩ましいところだった。使用人たちに聞いても、父と春彦の企みを知っている者は誰もいなかったから。クラウスに蟲毒入りの茶を呑ませた者も、そうとは知らされずにやっていた、ということらしい。
でも、幸か不幸か、父たちは書斎の机に書付を残していた。
恐らくは、計画が首尾良く運んだ後、公に報告する内容をあらかじめ準備していた、ということなのだろう。その内容は、次のようなものだった。
帝都を騒がせる「人喰い犬」は、この世の存在ではない、怪異の類である。
真上家に伝わる術と犬神の力を使って居場所を突き止め、祠におびき出す算段を整えた。娘の暁子も、囮としてその場にいることを了承してくれた。
すでに数多の命を喰らった怪異は強敵であり、真上子爵も春彦も、決死の覚悟で臨まなければならぬであろう。しかし、帝都の安寧を取り戻すためにも喜んで身命を投げ出すものである──
真相を知っている宵子とクラウスにとっては、図々しいことこの上ない偽り、建前の物語でしかない。
でも、実際に起きた出来事は、見た目の上では父たちの書付に沿ったものでは、あった。
つまり──父と春彦は、人喰い犬との激しい戦いの結果、相討ちとなって命を落とした。
ふたりの無残な遺体と、干乾びた犬の死体を発見した警察は、そのように考えたのだ。
もうひとりの証人も、その推測を裏づけた。気絶から目覚めた、暁子のことだ。
暁子は、何があったかを問われても、こう繰り返すだけだった。
『言えないわ。言ってはいけないの。殺されてしまう。黙っているから! お願い、殺さないで……!』
暁子は、春彦に脅された恐怖に心が捕らわれたままになってしまった。でも、それを知っているのは宵子だけ。
聴取にあたった警官や母からすれば、人喰い犬に襲われて、目の前で父や婚約者が殺されて、さぞ恐ろしい思いをしたのだろう、としか見えなかっただろう。
なお、宵子とクラウスの存在については、病弱な宵子をドイツの医学で診てもらうために彼に預けていた、ということになった。真上家を訪ねた時に彼自身が語ったことを、流用した形だ。
そうして、彼の屋敷に滞在していたところ、宵子はあの黒い犬に攫われた、と──嘘と真実をほど良く混ぜると、とてももっともらしく聞こえるのだと、疑う様子のない警官たちを前に宵子は学んだのだった。
とりあえず、世間が納得するであろう説明は、整った。
そこで、本当のことを打ち明けるべきか否か──宵子とクラウスは、何度も密かに話し合った。
何人もの少女を犠牲にしてきた父たちを、人喰い犬を退治した英雄として語られるままにして良いのかどうか。
でも、真実を語ったところで、父も春彦もすでに命を落としている。死者を罪に問うことはできないし、そもそも術の類を裁く法は明治の世にはない。
父たちの計画を知らせる──あるいは思い出させることは、母や暁子の心にさらに負担をかけることになってしまうだろう。真上家の使用人たちも、世間から後ろ指をさされることになってしまうかもしれない。
考えた末に、宵子は真実は秘めたままにしておく、と決めた。でも、それは父たちのせいで失われた命を顧みないということでは、ない。
「お父様と兄様の罪は、私が償おうと思います。真実を知る真上家の末裔としての責任です」
宵子の決断に、クラウスは良いとも悪いとも言わなかった。彼女の決断を尊重すると、最初から決めていてくれたのだろう。
だから、なのか──彼はただ微笑んで言っただけだった。
「ならば、俺は貴女を支えよう。いつまでも、ずっと」
それはつまり、彼は祖国を捨てるということ。彼にとっての異国の地で生涯を過ごすということ。
なのに、彼の笑顔は曇りなく、言葉には欠片の躊躇いもなかった。
信じられない。信じても良いのか、彼にそこまでさせて良いのかどうか。
(クラウス様……本当に……?)
喜びよりも驚きと不安が勝って、宵子はすぐに頷くことができなかったのだけれど。
「俺が、そうしたいんだ。……貴女には、迷惑だろうか」
青い目がわずかに翳るのを前に、疑ったり遠慮したりすることこそクラウスへの非礼になると気付かされて。宵子は彼の胸に飛び込んだ。
「いいえ! とても……とても、嬉しいです。どうか、離れないで。わ、私の……傍にいて、ください!」
長いことをしゃべるのにも慣れてきたころだったから、宵子はどうにかひと息に、つかえることなく言い切ることができた。
「……そうか。良かった……!」
鍛えた肉体のしなやかさと逞しさは、彼女を苦もなく受け止めてくれる。あの夜に何も着ていないところを見ているからこそ、思い切り身体を預けることができた。
クラウスの温もりと力強さに包まれて、宵子はこの上ない幸せを味わった。
* * *
今の真上子爵家は、どこか閑散としてしまっている。
まず、住人の数がとても少なくなってしまった。
父が亡くなっただけでなく、母も、暁子の療養に付き添って地方の別荘に移ったのだ。もちろん、ふたりの世話のために、それなりの人数の使用人が屋敷を離れることになった。
世間には宵子がそうしている、と説明していた通りの境遇に、入れ替わるように暁子が収まったのは、皮肉なことかもしれない。
(お母様にとっては……暁子だけが娘なのかしら)
宵子の胸を、一抹の寂しさがちくりと刺すけれど、深く思い悩む暇がないのが救いだった。
何しろ、父が亡くなり、母と暁子が屋敷を離れた今、真上家の家政に関する何もかもは宵子の肩にかかっている。
母と暁子に従った者たちだけではない。庭で起きた惨劇に怯えて屋敷を辞した者もいれば、単純に父の死によって仕事がなくなり、退職してもらわなわなければならなくなった者もいる。
彼ら彼女らに退職金や、できれば次の働き口を紹介したり。残ってくれた者たちに、改めて仕事を割り振ったり。
ほかにも、警察に対する説明や、財産の相続の準備を整えたり。ここしばらくの宵子は、目が回りそうな忙しさだったのだ。当然のように人と話す機会も多かったから、長らく使っていなかった喉を鍛え直すことができたのは良かった、だろうか。
(でも、やっと一段落ついたわ……!)
調度の類もずいぶん減ってしまって、広々とした応接間を見渡して、宵子は微笑んだ。
宵子が多忙だったもうひとつの理由が、真上家の家財道具や衣装や収集品の処分の手配だった。
真上家の家計が苦しいというのは間違いのない事実だということが分かったから、使用人たちの退職金などを捻出するために、価値のある品々を売り払わなくてはならなかったのだ。そのような品が残っていたのは良かったけれど、父は祖父から受け継いだ収集品などを手放すつもりはなかったことも判明したから、それはそれで情けないことではある。
(でも、これも償いの一環になるわ)
家財を売ってできたお金は、「人喰い犬」に殺された少女たちの遺族にも渡した。
早く事件を解決できなかったことのお詫び、としか言えないのがとても心苦しいけれど。その行動によって、真上家に世間から賞賛が寄せられるのも、正しいことではない気がするけれど。
それでも、何もしないよりはマシではないだろうか。一応は名家と言われる真上家との関係を作っておけば、今後も宵子が手を差し伸べられる機会もあるかもしれないし。
(お父様もお母様も暁子も……みんな、ここを出て行ってしまったもの。そんなにたくさんのものがあったって──)
寂しいような、すっきりしたような。不思議な気持ちで、宵子は何もない応接間を横切って窓辺に進んだ。警察が大勢出入りして、少し乱れてしまった庭を眺めようと。
絨毯を踏む彼女の履物は、今日は西洋風の踵の高い靴だった。纏う衣装も、やはり着物ではなく洋装だ。人に会う時は、このほうが気の強い女だと思われやすいから。
知らない人、立場や年齢が上の人と会う機会が増えた宵子の、ささやかな戦略だった。
「宵子。ここにいたのか」
と、彼女の背後で、こつ、と靴音が響いた。そして、ほかの誰のものよりも宵子の胸をときめかせる、低く優しい響きの声が。
「クラウス様……!」
その人の名を呼びながら、宵子はスカートの裾を踊らせて、くるりと振り向いた。
すると、部屋の入口にクラウスが佇んでいる。窓から入る陽光に銀の髪を煌めかせて。身体に合った仕立ての良い服で、すらりとした長身を引き立たせて。
穏やかな笑みを湛えた青い目は、真っ直ぐに宵子を──特に、彼女の左手の薬指に嵌められた指輪を見つめていた。
さらに、彼女の説明によって庭の片隅で起きた惨劇を知らされることになった彼ら彼女らの恐怖や衝撃、動揺は察するに余りある。
何より、夫の遺体に取りすがって涙する子爵夫人──母の姿を見るのは、宵子にとっても辛かった。
母にしてみれば、彼女は徹頭徹尾、忌まわしい呪いの子だっただろう。夫が亡くなったのは宵子のせいだ、と考えても無理もないことだった。使用人が持ってきてくれた着物を纏ったクラウスに支えてもらわなかったら、まともに立っていることはできなかったかもしれない。
夜明けと共に駆けつけた警察に対して、どう説明するかも悩ましいところだった。使用人たちに聞いても、父と春彦の企みを知っている者は誰もいなかったから。クラウスに蟲毒入りの茶を呑ませた者も、そうとは知らされずにやっていた、ということらしい。
でも、幸か不幸か、父たちは書斎の机に書付を残していた。
恐らくは、計画が首尾良く運んだ後、公に報告する内容をあらかじめ準備していた、ということなのだろう。その内容は、次のようなものだった。
帝都を騒がせる「人喰い犬」は、この世の存在ではない、怪異の類である。
真上家に伝わる術と犬神の力を使って居場所を突き止め、祠におびき出す算段を整えた。娘の暁子も、囮としてその場にいることを了承してくれた。
すでに数多の命を喰らった怪異は強敵であり、真上子爵も春彦も、決死の覚悟で臨まなければならぬであろう。しかし、帝都の安寧を取り戻すためにも喜んで身命を投げ出すものである──
真相を知っている宵子とクラウスにとっては、図々しいことこの上ない偽り、建前の物語でしかない。
でも、実際に起きた出来事は、見た目の上では父たちの書付に沿ったものでは、あった。
つまり──父と春彦は、人喰い犬との激しい戦いの結果、相討ちとなって命を落とした。
ふたりの無残な遺体と、干乾びた犬の死体を発見した警察は、そのように考えたのだ。
もうひとりの証人も、その推測を裏づけた。気絶から目覚めた、暁子のことだ。
暁子は、何があったかを問われても、こう繰り返すだけだった。
『言えないわ。言ってはいけないの。殺されてしまう。黙っているから! お願い、殺さないで……!』
暁子は、春彦に脅された恐怖に心が捕らわれたままになってしまった。でも、それを知っているのは宵子だけ。
聴取にあたった警官や母からすれば、人喰い犬に襲われて、目の前で父や婚約者が殺されて、さぞ恐ろしい思いをしたのだろう、としか見えなかっただろう。
なお、宵子とクラウスの存在については、病弱な宵子をドイツの医学で診てもらうために彼に預けていた、ということになった。真上家を訪ねた時に彼自身が語ったことを、流用した形だ。
そうして、彼の屋敷に滞在していたところ、宵子はあの黒い犬に攫われた、と──嘘と真実をほど良く混ぜると、とてももっともらしく聞こえるのだと、疑う様子のない警官たちを前に宵子は学んだのだった。
とりあえず、世間が納得するであろう説明は、整った。
そこで、本当のことを打ち明けるべきか否か──宵子とクラウスは、何度も密かに話し合った。
何人もの少女を犠牲にしてきた父たちを、人喰い犬を退治した英雄として語られるままにして良いのかどうか。
でも、真実を語ったところで、父も春彦もすでに命を落としている。死者を罪に問うことはできないし、そもそも術の類を裁く法は明治の世にはない。
父たちの計画を知らせる──あるいは思い出させることは、母や暁子の心にさらに負担をかけることになってしまうだろう。真上家の使用人たちも、世間から後ろ指をさされることになってしまうかもしれない。
考えた末に、宵子は真実は秘めたままにしておく、と決めた。でも、それは父たちのせいで失われた命を顧みないということでは、ない。
「お父様と兄様の罪は、私が償おうと思います。真実を知る真上家の末裔としての責任です」
宵子の決断に、クラウスは良いとも悪いとも言わなかった。彼女の決断を尊重すると、最初から決めていてくれたのだろう。
だから、なのか──彼はただ微笑んで言っただけだった。
「ならば、俺は貴女を支えよう。いつまでも、ずっと」
それはつまり、彼は祖国を捨てるということ。彼にとっての異国の地で生涯を過ごすということ。
なのに、彼の笑顔は曇りなく、言葉には欠片の躊躇いもなかった。
信じられない。信じても良いのか、彼にそこまでさせて良いのかどうか。
(クラウス様……本当に……?)
喜びよりも驚きと不安が勝って、宵子はすぐに頷くことができなかったのだけれど。
「俺が、そうしたいんだ。……貴女には、迷惑だろうか」
青い目がわずかに翳るのを前に、疑ったり遠慮したりすることこそクラウスへの非礼になると気付かされて。宵子は彼の胸に飛び込んだ。
「いいえ! とても……とても、嬉しいです。どうか、離れないで。わ、私の……傍にいて、ください!」
長いことをしゃべるのにも慣れてきたころだったから、宵子はどうにかひと息に、つかえることなく言い切ることができた。
「……そうか。良かった……!」
鍛えた肉体のしなやかさと逞しさは、彼女を苦もなく受け止めてくれる。あの夜に何も着ていないところを見ているからこそ、思い切り身体を預けることができた。
クラウスの温もりと力強さに包まれて、宵子はこの上ない幸せを味わった。
* * *
今の真上子爵家は、どこか閑散としてしまっている。
まず、住人の数がとても少なくなってしまった。
父が亡くなっただけでなく、母も、暁子の療養に付き添って地方の別荘に移ったのだ。もちろん、ふたりの世話のために、それなりの人数の使用人が屋敷を離れることになった。
世間には宵子がそうしている、と説明していた通りの境遇に、入れ替わるように暁子が収まったのは、皮肉なことかもしれない。
(お母様にとっては……暁子だけが娘なのかしら)
宵子の胸を、一抹の寂しさがちくりと刺すけれど、深く思い悩む暇がないのが救いだった。
何しろ、父が亡くなり、母と暁子が屋敷を離れた今、真上家の家政に関する何もかもは宵子の肩にかかっている。
母と暁子に従った者たちだけではない。庭で起きた惨劇に怯えて屋敷を辞した者もいれば、単純に父の死によって仕事がなくなり、退職してもらわなわなければならなくなった者もいる。
彼ら彼女らに退職金や、できれば次の働き口を紹介したり。残ってくれた者たちに、改めて仕事を割り振ったり。
ほかにも、警察に対する説明や、財産の相続の準備を整えたり。ここしばらくの宵子は、目が回りそうな忙しさだったのだ。当然のように人と話す機会も多かったから、長らく使っていなかった喉を鍛え直すことができたのは良かった、だろうか。
(でも、やっと一段落ついたわ……!)
調度の類もずいぶん減ってしまって、広々とした応接間を見渡して、宵子は微笑んだ。
宵子が多忙だったもうひとつの理由が、真上家の家財道具や衣装や収集品の処分の手配だった。
真上家の家計が苦しいというのは間違いのない事実だということが分かったから、使用人たちの退職金などを捻出するために、価値のある品々を売り払わなくてはならなかったのだ。そのような品が残っていたのは良かったけれど、父は祖父から受け継いだ収集品などを手放すつもりはなかったことも判明したから、それはそれで情けないことではある。
(でも、これも償いの一環になるわ)
家財を売ってできたお金は、「人喰い犬」に殺された少女たちの遺族にも渡した。
早く事件を解決できなかったことのお詫び、としか言えないのがとても心苦しいけれど。その行動によって、真上家に世間から賞賛が寄せられるのも、正しいことではない気がするけれど。
それでも、何もしないよりはマシではないだろうか。一応は名家と言われる真上家との関係を作っておけば、今後も宵子が手を差し伸べられる機会もあるかもしれないし。
(お父様もお母様も暁子も……みんな、ここを出て行ってしまったもの。そんなにたくさんのものがあったって──)
寂しいような、すっきりしたような。不思議な気持ちで、宵子は何もない応接間を横切って窓辺に進んだ。警察が大勢出入りして、少し乱れてしまった庭を眺めようと。
絨毯を踏む彼女の履物は、今日は西洋風の踵の高い靴だった。纏う衣装も、やはり着物ではなく洋装だ。人に会う時は、このほうが気の強い女だと思われやすいから。
知らない人、立場や年齢が上の人と会う機会が増えた宵子の、ささやかな戦略だった。
「宵子。ここにいたのか」
と、彼女の背後で、こつ、と靴音が響いた。そして、ほかの誰のものよりも宵子の胸をときめかせる、低く優しい響きの声が。
「クラウス様……!」
その人の名を呼びながら、宵子はスカートの裾を踊らせて、くるりと振り向いた。
すると、部屋の入口にクラウスが佇んでいる。窓から入る陽光に銀の髪を煌めかせて。身体に合った仕立ての良い服で、すらりとした長身を引き立たせて。
穏やかな笑みを湛えた青い目は、真っ直ぐに宵子を──特に、彼女の左手の薬指に嵌められた指輪を見つめていた。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
紅屋のフジコちゃん ― 鬼退治、始めました。 ―
木原あざみ
キャラ文芸
この世界で最も安定し、そして最も危険な職業--それが鬼狩り(特殊公務員)である。
……か、どうかは定かではありませんが、あたしこと藤子奈々は今春から鬼狩り見習いとして政府公認特A事務所「紅屋」で働くことになりました。
小さい頃から憧れていた「鬼狩り」になるため、誠心誠意がんばります! のはずだったのですが、その事務所にいたのは、癖のある上司ばかりで!? どうなる、あたし。みたいな話です。
お仕事小説&ラブコメ(最終的には)の予定でもあります。
第5回キャラ文芸大賞 奨励賞ありがとうございました。
『神山のつくば』〜古代日本を舞台にした歴史ロマンスファンタジー〜
うろこ道
恋愛
【完結まで毎日更新】
時は古墳時代。
北の大国・日高見国の王である那束は、迫る大和連合国東征の前線基地にすべく、吾妻の地の五国を順調に征服していった。
那束は自国を守る為とはいえ他国を侵略することを割り切れず、また人の命を奪うことに嫌悪感を抱いていた。だが、王として国を守りたい気持ちもあり、葛藤に苛まれていた。
吾妻五国のひとつ、播埀国の王の首をとった那束であったが、そこで残された后に魅せられてしまう。
后を救わんとした那束だったが、后はそれを許さなかった。
后は自らの命と引き換えに呪いをかけ、那束は太刀を取れなくなってしまう。
覡の卜占により、次に攻め入る紀国の山神が呪いを解くだろうとの託宣が出る。
那束は従者と共に和議の名目で紀国へ向かう。山にて遭難するが、そこで助けてくれたのが津久葉という洞窟で獣のように暮らしている娘だった。
古代日本を舞台にした歴史ロマンスファンタジー。

崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。
魔法使いの国で無能だった少年は、魔物使いとして世界を救う旅に出る
ムーン
ファンタジー
完結しました!
魔法使いの国に生まれた少年には、魔法を扱う才能がなかった。
無能と蔑まれ、両親にも愛されず、優秀な兄を頼りに何年も引きこもっていた。
そんなある日、国が魔物の襲撃を受け、少年の魔物を操る能力も目覚める。
能力に呼応し現れた狼は少年だけを助けた。狼は少年を息子のように愛し、少年も狼を母のように慕った。
滅びた故郷を去り、一人と一匹は様々な国を渡り歩く。
悪魔の家畜として扱われる人間、退廃的な生活を送る天使、人との共存を望む悪魔、地の底に封印された堕天使──残酷な呪いを知り、凄惨な日常を知り、少年は自らの能力を平和のために使うと決意する。
悪魔との契約や邪神との接触により少年は人間から離れていく。対価のように精神がすり減り、壊れかけた少年に狼は寄り添い続けた。次第に一人と一匹の絆は親子のようなものから夫婦のようなものに変化する。
狂いかけた少年の精神は狼によって繋ぎ止められる。
やがて少年は数多の天使を取り込んで上位存在へと変転し、出生も狼との出会いもこれまでの旅路も……全てを仕組んだ邪神と対決する。
紀尾井坂ノスタルジック
涼寺みすゞ
恋愛
士農工商の身分制度は、御一新により変化した。
元公家出身の堂上華族、大名家の大名華族、勲功から身分を得た新華族。
明治25年4月、英国視察を終えた官の一行が帰国した。その中には1年前、初恋を成就させる為に宮家との縁談を断った子爵家の従五位、田中光留がいた。
日本に帰ったら1番に、あの方に逢いに行くと断言していた光留の耳に入ってきた噂は、恋い焦がれた尾井坂男爵家の晃子の婚約が整ったというものだった。
本日、訳あり軍人の彼と結婚します~ド貧乏な軍人伯爵さまと結婚したら、何故か甘く愛されています~
扇 レンナ
キャラ文芸
政略結婚でド貧乏な伯爵家、桐ケ谷《きりがや》家の当主である律哉《りつや》の元に嫁ぐことになった真白《ましろ》は大きな事業を展開している商家の四女。片方はお金を得るため。もう片方は華族という地位を得るため。ありきたりな政略結婚。だから、真白は律哉の邪魔にならない程度に存在していようと思った。どうせ愛されないのだから――と思っていたのに。どうしてか、律哉が真白を見る目には、徐々に甘さがこもっていく。
(雇う余裕はないので)使用人はゼロ。(時間がないので)邸宅は埃まみれ。
そんな場所で始まる新婚生活。苦労人の伯爵さま(軍人)と不遇な娘の政略結婚から始まるとろける和風ラブ。
▼掲載先→エブリスタ、アルファポリス
※エブリスタさんにて先行公開しております。ある程度ストックはあります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】辺境に飛ばされた聖女は角笛を吹く〜氷河の辺境伯様の熱愛で溶けそうです
香練
恋愛
ステラは最も優れた聖女、“首席聖女”、そして“大聖女”になると期待されていた。
後妻と義姉から虐げられ大神殿へ移り住み、厳しい修行に耐えて迎えた聖女認定式。
そこで神から与えられた“聖具”は角笛だった。
他の聖女達がよくある楽器を奏でる中、角笛を吹こうとするが音が出ない。
“底辺聖女”と呼ばれるようになったステラは、『ここで角笛を教えてもらえばいい』と辺境伯領の神殿へ異動を命じられる。『王都には二度と戻れない』とされる左遷人事だった。
落ち込むステラを迎えたのは美しい自然。
しかし“氷河”とも呼ばれる辺境伯のクラヴィは冷たい。
それもあるきっかけで変わっていく。孤独で不器用な二人の恋物語。
※小説家になろうでも投稿しています。転載禁止。●読者様のおかげをもちまして、2025.1.27、完結小説ランキング1位、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる