15 / 31
三章 伝えたい想い
夜会を待ちわびて
しおりを挟む
宵子は、何日もの間、暁子のドイツ語の辞書と教科書を借りっぱなしにしていた。でも、双子の妹が文句を言ってくることはなかった。
これが帯や着物だったら、盗むつもりかと責め立てられていただろう。というか、そもそも宵子に貸してくれはしなかっただろうし、宵子のほうでも身につける機会なんてないからあり得ないことかもしれない。
それが、勉強に関する本だと存在自体が忘れられているようなのは不思議なことだった。
(学校では使わないのかしら……?)
この間に、ドイツ語に限らず暁子の宿題を押し付けられているから、預けたままのほうが楽で良い、と思っているのかもしれない。妹の真意はともかく、宵子としては空いた時間を見つけては手紙の翻訳に励むことができるので、都合が良かった。
(次はいつ夜会があるか分からないもの。早く完成させておかないと……!)
ドイツ人からはどう見えるかはさておき、宵子なりに日本語をドイツ語に置き換える作業は夜ごとに進んでいる。
筆でアルファベットを綴るのは難しいから、清書する時間も見込まなければいけないだろうけど。もう少しで、とにかくも人に渡せる手紙の形にはできそうだった。
問題があるとしたら──
「お行儀が悪いわね、宵子。春彦兄様の前でそんな眠そうな顔をして!」
ふわあ、と。小さく欠伸を噛み殺そうとした宵子を、暁子は見逃してはくれなかった。鋭く咎める声を浴びて、宵子は首を竦める。
春彦が、婚約者の暁子の機嫌伺いに真上家を訪ねたので、茶菓子を出すところだったのだ。身内同然の彼でなければ、宵子が応接に出ることはない。令嬢に瓜二つの女中──宵子はそうとしか見えない──なんて、お客様には不審でしかないのだから。
(ご、ごめんなさい)
相手がお客でも身内でも、人前で欠伸をするのはとても失礼なことは分かっている。お盆を持っていたから、口元を隠すことができなかった──なんて言い訳にしかならないだろう。
(昨日も、気付いたら寝ていたから、つい……)
蝋燭の灯りのもとで、異国の文字と表現に取り組んでいる間は、時間なんて気にならない。
たくさんの用例を眺めるうちに、このほうが上手く伝えられそうだ、と気付いた時は本当に楽しいし、単語の組み合わせによって、もとの意味とかけ離れた熟語ができるのは日本語にもあることで面白い。
ドイツ語をまともに聞いたこともほとんどない癖に、最近の宵子は夢でもドイツ語の綴りを覚えようとしているくらいだ。
でも、だからといって目が覚めた時に疲れや寝不足をまったく感じずにいられる訳ではない。水を汲んだ重い桶を抱えた時なんかに、目眩を感じてしまうこともあったし──ほどほどにしたほうが良いのかもしれない。
気まずい思いで、宵子は暁子と春彦の前に茶器とお菓子の乗った皿を並べた。もちろん宵子の分はない。上等の白小豆を使った練り切りは、見た目にも瑞々しくて美味しそうだけれど。
美しい花をかたどった練り切りを切なく眺めながら、宵子はぺこりとお辞儀をして退出しようとした。その耳に、春彦と暁子のやり取りが届く。
「宵子は、暁子の代わりに宿題をしていると聞いたが? 君のせいで夜更かしをしているなら、咎めるのは気の毒だろう」
「あら、兄様。でも、宵子だって仕事ができて嬉しいと思うわ? 口が利けないんですもの、ろくな仕事ができないでしょう? 黙って手を動かせば良いんだから大したことではないでしょうに。社交をしなければいけない私のほうがよほど大変よ!」
「……ああ。君も頑張っていると思うが」
「でしょう? お兄様は分かってくださるのね!」
春彦は、暁子を窘めようとしてくれたのだろう。でも、分家の立場ゆえか、声の冗談めかした軽いものでしかない。だから、暁子にはまったく伝わっていないようだった。
暁子の無邪気な笑い声が響く中、春彦がちらりと宵子にすまなそうな視線を向けた。気にしないでください、の意味を込めて、宵子は小さく首を振る。
(春彦兄様は、お婿に入るんだもの。暁子に強く言えないのは当然よ……)
黒文字を取って練り切りを口にしようとしている暁子は、婚約者と双子の姉の無言のやり取りにも気を留めていない。
そんなことより、暁子には考えることがたくさんあるのだろう。弾んだ声が、春彦に語り掛ける。
「お父様もね、また夜会だか晩餐会だかにお招きされるかもって仰ってたわ。ドレスを着て外国の方のお相手なんて──また振袖を仕立てていただかないと。今度はどんな模様にしようかしら」
暁子は、夜会のたびに着物をねだるつもりらしい。ただでさえドレスも仕立てなければならないのに、真上家はそんなに裕福なのだろうか。
(お父様は、暁子を可愛がっているけれど……)
ねだったのは宵子ではないのだから、心配する必要はないのかもしれないけれど。着る機会もないのだから、私にも、なんて思ったりはしないけれど。
(兄様は、何か言ってくださるかしら?)
暁子の我が儘も贅沢好きも、さすがに限度を超えている気がして。宵子は、部屋を出る前に一瞬だけ振り向いた。──すると、春彦と目が合ってどきりとする。
「思い切り豪華なのをおねだりすると良い。例の人喰い犬事件では、真上家が頼りにされているからね。解決すれば、たっぷりと褒賞をいただけるだろう」
暁子は、甘えるように春彦の胸にしなだれかかっている。だから、彼が宵子のほうを向いているのは目に入っていないようだった。宵子を見る春彦の目はどこか皮肉っぽくて──盗み見しようとしたのを揶揄われている気もするし、何も気付かない暁子を嗤っているのではないか、という気もした。
何だか見てはいけないものを見てしまった気がして、宵子は慌てて扉を閉めた。暁子の高い笑い声は、分厚い木材越しにもよく聞こえたけれど、少なくとも、これで春彦の視線を感じずに済む。
空いた盆を抱え込んで、宵子はどきどきと高鳴る胸を押さえた。
(あの犬のこと……そんなに大事になっているの? でも、それならどうして兄様は必ずご褒美がいただけるような言い方をなさったの……?)
真上家が犬神の力で栄えたのは、もう昔のことだ。父も春彦も、不思議な力なんてないはずなのに、どうしてあんなに自信たっぷりなもの言いだったのだろう。
何だか、嫌な予感がして堪らなかったけれど──それを払いのけるべく、宵子はふるふると首を振った。
(私は……私にできることをやるしかない……)
暁子が夜会に出るということは、宵子が舞踏の代役を務めるということだ。クラウスとまた会える──会えるかもしれない──機会が、近づいているということでもある。
(……早くお仕事を終わらせないと)
そして、あの方への手紙を書きあげるのだ。
そう決意して、宵子は足早に歩き始めた。
これが帯や着物だったら、盗むつもりかと責め立てられていただろう。というか、そもそも宵子に貸してくれはしなかっただろうし、宵子のほうでも身につける機会なんてないからあり得ないことかもしれない。
それが、勉強に関する本だと存在自体が忘れられているようなのは不思議なことだった。
(学校では使わないのかしら……?)
この間に、ドイツ語に限らず暁子の宿題を押し付けられているから、預けたままのほうが楽で良い、と思っているのかもしれない。妹の真意はともかく、宵子としては空いた時間を見つけては手紙の翻訳に励むことができるので、都合が良かった。
(次はいつ夜会があるか分からないもの。早く完成させておかないと……!)
ドイツ人からはどう見えるかはさておき、宵子なりに日本語をドイツ語に置き換える作業は夜ごとに進んでいる。
筆でアルファベットを綴るのは難しいから、清書する時間も見込まなければいけないだろうけど。もう少しで、とにかくも人に渡せる手紙の形にはできそうだった。
問題があるとしたら──
「お行儀が悪いわね、宵子。春彦兄様の前でそんな眠そうな顔をして!」
ふわあ、と。小さく欠伸を噛み殺そうとした宵子を、暁子は見逃してはくれなかった。鋭く咎める声を浴びて、宵子は首を竦める。
春彦が、婚約者の暁子の機嫌伺いに真上家を訪ねたので、茶菓子を出すところだったのだ。身内同然の彼でなければ、宵子が応接に出ることはない。令嬢に瓜二つの女中──宵子はそうとしか見えない──なんて、お客様には不審でしかないのだから。
(ご、ごめんなさい)
相手がお客でも身内でも、人前で欠伸をするのはとても失礼なことは分かっている。お盆を持っていたから、口元を隠すことができなかった──なんて言い訳にしかならないだろう。
(昨日も、気付いたら寝ていたから、つい……)
蝋燭の灯りのもとで、異国の文字と表現に取り組んでいる間は、時間なんて気にならない。
たくさんの用例を眺めるうちに、このほうが上手く伝えられそうだ、と気付いた時は本当に楽しいし、単語の組み合わせによって、もとの意味とかけ離れた熟語ができるのは日本語にもあることで面白い。
ドイツ語をまともに聞いたこともほとんどない癖に、最近の宵子は夢でもドイツ語の綴りを覚えようとしているくらいだ。
でも、だからといって目が覚めた時に疲れや寝不足をまったく感じずにいられる訳ではない。水を汲んだ重い桶を抱えた時なんかに、目眩を感じてしまうこともあったし──ほどほどにしたほうが良いのかもしれない。
気まずい思いで、宵子は暁子と春彦の前に茶器とお菓子の乗った皿を並べた。もちろん宵子の分はない。上等の白小豆を使った練り切りは、見た目にも瑞々しくて美味しそうだけれど。
美しい花をかたどった練り切りを切なく眺めながら、宵子はぺこりとお辞儀をして退出しようとした。その耳に、春彦と暁子のやり取りが届く。
「宵子は、暁子の代わりに宿題をしていると聞いたが? 君のせいで夜更かしをしているなら、咎めるのは気の毒だろう」
「あら、兄様。でも、宵子だって仕事ができて嬉しいと思うわ? 口が利けないんですもの、ろくな仕事ができないでしょう? 黙って手を動かせば良いんだから大したことではないでしょうに。社交をしなければいけない私のほうがよほど大変よ!」
「……ああ。君も頑張っていると思うが」
「でしょう? お兄様は分かってくださるのね!」
春彦は、暁子を窘めようとしてくれたのだろう。でも、分家の立場ゆえか、声の冗談めかした軽いものでしかない。だから、暁子にはまったく伝わっていないようだった。
暁子の無邪気な笑い声が響く中、春彦がちらりと宵子にすまなそうな視線を向けた。気にしないでください、の意味を込めて、宵子は小さく首を振る。
(春彦兄様は、お婿に入るんだもの。暁子に強く言えないのは当然よ……)
黒文字を取って練り切りを口にしようとしている暁子は、婚約者と双子の姉の無言のやり取りにも気を留めていない。
そんなことより、暁子には考えることがたくさんあるのだろう。弾んだ声が、春彦に語り掛ける。
「お父様もね、また夜会だか晩餐会だかにお招きされるかもって仰ってたわ。ドレスを着て外国の方のお相手なんて──また振袖を仕立てていただかないと。今度はどんな模様にしようかしら」
暁子は、夜会のたびに着物をねだるつもりらしい。ただでさえドレスも仕立てなければならないのに、真上家はそんなに裕福なのだろうか。
(お父様は、暁子を可愛がっているけれど……)
ねだったのは宵子ではないのだから、心配する必要はないのかもしれないけれど。着る機会もないのだから、私にも、なんて思ったりはしないけれど。
(兄様は、何か言ってくださるかしら?)
暁子の我が儘も贅沢好きも、さすがに限度を超えている気がして。宵子は、部屋を出る前に一瞬だけ振り向いた。──すると、春彦と目が合ってどきりとする。
「思い切り豪華なのをおねだりすると良い。例の人喰い犬事件では、真上家が頼りにされているからね。解決すれば、たっぷりと褒賞をいただけるだろう」
暁子は、甘えるように春彦の胸にしなだれかかっている。だから、彼が宵子のほうを向いているのは目に入っていないようだった。宵子を見る春彦の目はどこか皮肉っぽくて──盗み見しようとしたのを揶揄われている気もするし、何も気付かない暁子を嗤っているのではないか、という気もした。
何だか見てはいけないものを見てしまった気がして、宵子は慌てて扉を閉めた。暁子の高い笑い声は、分厚い木材越しにもよく聞こえたけれど、少なくとも、これで春彦の視線を感じずに済む。
空いた盆を抱え込んで、宵子はどきどきと高鳴る胸を押さえた。
(あの犬のこと……そんなに大事になっているの? でも、それならどうして兄様は必ずご褒美がいただけるような言い方をなさったの……?)
真上家が犬神の力で栄えたのは、もう昔のことだ。父も春彦も、不思議な力なんてないはずなのに、どうしてあんなに自信たっぷりなもの言いだったのだろう。
何だか、嫌な予感がして堪らなかったけれど──それを払いのけるべく、宵子はふるふると首を振った。
(私は……私にできることをやるしかない……)
暁子が夜会に出るということは、宵子が舞踏の代役を務めるということだ。クラウスとまた会える──会えるかもしれない──機会が、近づいているということでもある。
(……早くお仕事を終わらせないと)
そして、あの方への手紙を書きあげるのだ。
そう決意して、宵子は足早に歩き始めた。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
『神山のつくば』〜古代日本を舞台にした歴史ロマンスファンタジー〜
うろこ道
恋愛
【完結まで毎日更新】
時は古墳時代。
北の大国・日高見国の王である那束は、迫る大和連合国東征の前線基地にすべく、吾妻の地の五国を順調に征服していった。
那束は自国を守る為とはいえ他国を侵略することを割り切れず、また人の命を奪うことに嫌悪感を抱いていた。だが、王として国を守りたい気持ちもあり、葛藤に苛まれていた。
吾妻五国のひとつ、播埀国の王の首をとった那束であったが、そこで残された后に魅せられてしまう。
后を救わんとした那束だったが、后はそれを許さなかった。
后は自らの命と引き換えに呪いをかけ、那束は太刀を取れなくなってしまう。
覡の卜占により、次に攻め入る紀国の山神が呪いを解くだろうとの託宣が出る。
那束は従者と共に和議の名目で紀国へ向かう。山にて遭難するが、そこで助けてくれたのが津久葉という洞窟で獣のように暮らしている娘だった。
古代日本を舞台にした歴史ロマンスファンタジー。
魔法使いの国で無能だった少年は、魔物使いとして世界を救う旅に出る
ムーン
ファンタジー
完結しました!
魔法使いの国に生まれた少年には、魔法を扱う才能がなかった。
無能と蔑まれ、両親にも愛されず、優秀な兄を頼りに何年も引きこもっていた。
そんなある日、国が魔物の襲撃を受け、少年の魔物を操る能力も目覚める。
能力に呼応し現れた狼は少年だけを助けた。狼は少年を息子のように愛し、少年も狼を母のように慕った。
滅びた故郷を去り、一人と一匹は様々な国を渡り歩く。
悪魔の家畜として扱われる人間、退廃的な生活を送る天使、人との共存を望む悪魔、地の底に封印された堕天使──残酷な呪いを知り、凄惨な日常を知り、少年は自らの能力を平和のために使うと決意する。
悪魔との契約や邪神との接触により少年は人間から離れていく。対価のように精神がすり減り、壊れかけた少年に狼は寄り添い続けた。次第に一人と一匹の絆は親子のようなものから夫婦のようなものに変化する。
狂いかけた少年の精神は狼によって繋ぎ止められる。
やがて少年は数多の天使を取り込んで上位存在へと変転し、出生も狼との出会いもこれまでの旅路も……全てを仕組んだ邪神と対決する。
紀尾井坂ノスタルジック
涼寺みすゞ
恋愛
士農工商の身分制度は、御一新により変化した。
元公家出身の堂上華族、大名家の大名華族、勲功から身分を得た新華族。
明治25年4月、英国視察を終えた官の一行が帰国した。その中には1年前、初恋を成就させる為に宮家との縁談を断った子爵家の従五位、田中光留がいた。
日本に帰ったら1番に、あの方に逢いに行くと断言していた光留の耳に入ってきた噂は、恋い焦がれた尾井坂男爵家の晃子の婚約が整ったというものだった。

崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
神さま御用達! 『よろず屋』奮闘記
九重
キャラ文芸
旧タイトル:『よろず屋』奮闘記~ヤマトタケルノミコトは、オトタチバナヒメを諦めない!~
現在、書籍化進行中!
無事、出版された際は、12月16日(金)に引き下げ、レンタル化されます。
皆さまの応援のおかげです。ありがとうございます!
(あらすじ)
その昔、荒れ狂う海に行く手を阻まれ絶体絶命になったヤマトタケルノミコトを救うため、妻であるオトタチバナヒメは海に身を投じ彼を救った。
それから千年以上、ヤマトタケルノミコトはオトタチバナが転生するのを待っている。
アマテラスオオミカミに命じられ、神々相手の裏商売を営む『よろず屋』の店主となったヤマトタケルノミコトの前に、ある日一人の女性が現れる。
これは、最愛の妻を求める英雄神が、前世などきれいさっぱり忘れて今を生きる行動力抜群の妻を捕まえるまでのすれ違いラブコメディー。
椿の国の後宮のはなし
犬噛 クロ
キャラ文芸
※毎日18時更新予定です。
架空の国の後宮物語。
若き皇帝と、彼に囚われた娘の話です。
有力政治家の娘・羽村 雪樹(はねむら せつじゅ)は「男子」だと性別を間違われたまま、自国の皇帝・蓮と固い絆で結ばれていた。
しかしとうとう少女であることを気づかれてしまった雪樹は、蓮に乱暴された挙句、後宮に幽閉されてしまう。
幼なじみとして慕っていた青年からの裏切りに、雪樹は混乱し、蓮に憎しみを抱き、そして……?
あまり暗くなり過ぎない後宮物語。
雪樹と蓮、ふたりの関係がどう変化していくのか見守っていただければ嬉しいです。
※2017年完結作品をタイトルとカテゴリを変更+全面改稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる