後宮の記録女官は真実を記す

悠井すみれ

文字の大きさ
上 下
12 / 16

第12話 炎の烙印

しおりを挟む
「──これがどれほどの罪になるか、私は存じません。陛下を欺いたとなれば重罪ですが、一方で、宮女きゅうじょであっても寵を受ける僥倖に恵まれるのはままあることです。陛下のご聖断せいだんがどうなるか、安易な推測は僭越せんえつというものでしょう」

 唯一自由になる口を必死に動かしながら、碧燿へきようは内心で頭を抱えていた。

(私、どこまでも説得が下手だ……)

 罪にはならないだろう、とか。義父や義兄に執り成しを頼むから、とか。そういうことを言ったほうが、まだきょう充媛じゅうえんの心が動く可能性があるだろうに。彼女の唇が紡ぐのは、どこまでも硬直した正論でしかなかった。これで命乞いになるとは、我ながら信じがたい。それでも、何も言わずに諦めることなどできなかった。

「とにかく──罪を隠すために罪を重ねることこそ、重罪であり愚行と存じます。私が今述べた仮説を立証するのに参照した記録は、今は一か所に集められております。貴女様にも手の届かない、紫霓しげい殿に……! 私の姿が消えれば、巫馬家じっかも黙っておりません。どうか、なさったことを余すことなくおおやけにしてくださいますように……!」

 碧燿の訴えを、姜充媛じゅうえんは表情を変えずに聞き終えた──と思ったのも束の間、形良く紅をかれた唇が、不吉な色の三日月のように弧を描く。そこから漏れる軽やかな笑声は、美しいのに耳障りで、どこかひび割れた響きがした。

「罪を重ねるな、ですって? おかしなこと、無駄なこと! ……わたくし、もう罪を重ねているのよ……?」

 笑いながら、姜充媛じゅうえんは辛うじて上体を起こしていた碧燿を突き飛ばした。縛られた姿では抗うこともできず、くるりと逆側に身体を転がされ──碧燿は、目を見開いた。

桃児とうじさん──」

 床に片頬をつけた状態で、桃児が目の前に倒れていた。あんなに怯えていた彼女がこれまで沈黙を守っていたのは、何も言えなくなっていたからだ。苦悶の表情を浮かべて固まった顔、力なく投げ出された手足。──首をぐるりと囲む、無惨な赤い痕。

 どれだけの時間、碧燿が意識を失っていたかは分からない。ただ、姜充媛じゅうえんが桃児を殺させる──自らの手でやったはずはない──には十分だったということなのだろう。黙らせる必要こそあれ、この気の毒な宮女から聞き出すべき情報などなかったのだろうから。

「この女は、わたくしから陛下の寵を盗もうとした。わたくしに成り代わろうとした! 許せない……!」

 遺体と顔を合わせて硬直していた碧燿は、姜充媛じゅうえんが立ち上がる衣擦れの音と、甲高い笑い声にようやく我に返った。再び身体を捻って、美しいのに歪んだ顔を睨め上げる。表情と同じくいびつで醜悪な言い分に、反駁はんばくする。

「……貴女様が命じたことではないですか。この人は、とても怯えて──っ」

 腹を強く踏まれて、最後まで言い切ることはできなかったけれど。身体を丸めて痛みを堪える碧燿に、なおも罵声と蹴りが浴びせられる。何度も、何度も。

「お前も、何様のつもり? 巫馬ふば家の娘が彤史とうしですって? わたくしを陥れて、邪魔者を除こうとして入り込んだのでしょう! 紫霓しげい殿? あまつさえ貴妃様に取り入ってどうするの? あの方はねえ、ただの飾り、置き物なのに! 白紗はくしゃを纏ったのほうが、よほど……!」

 姜充媛じゅうえんの主張は、何もかもが間違っている。そうに違いない、という邪推と、そうであったら良い、という願望と。後宮という鳥籠に閉じ込められるうち、あらゆる負の感情を煮凝にこごらせた者の目には、すべてが歪んで見えるかのよう。

(違う、のに……)

 ひとつひとつ、その誤りを正したい。道理を説いて聞かせたい。でも、姜充媛じゅうえんの言葉の勢いも暴力の激しさも、碧燿に口を挟む隙を与えなかった。

 ようやく暴力が止んでも、しばらくの間、碧燿は息を整えるので精いっぱいだった。動くか、喋るか──命を繋ぐために、何かをしなければならないと思うのに、頭がまともに働いてくれない。周囲に、何か液体を注ぐ音と気配がする、と思った時も。匂いからして油のようだ、と理解した時も。

 碧燿の思考がようやく焦点を結んだのは、姜充媛じゅうえんが燭台を取り出した時。揺らめく赤い炎が、彼女が浮かべる暗い笑みを危うく照らし出した時だった。遺体と、始末したい者と、たっぷりと撒いた油と──次に起きる事態を予見した碧燿の喉から、悲鳴が漏れる。

「──後宮ですよ!? お止めください!」

 皇帝の住まいである場所への敬意と遠慮と、延焼の不安が真っ先に出た辺り、彼女はやはり説得には向いていなかった。姜充媛じゅうえんは、碧燿の必死さを見下ろした愉しげに笑う。きらきらと輝く目は、祭りの篝火に夢中になる子供のようですら、あった。

げじょの、火の不始末でしょう。罰しないと、ね?」

 またも使用人に罪を着せることを仄めかしながら、姜充媛じゅうえんは燭台を無造作に床に放った。と、瞬く間に炎の壁が立ち上がり、彼我を隔てる。赤と橙の色に染まった衣を翻して、美しい女は軽やかに回った。ぱちぱちと、爆ぜる炎の音が楽の調べでもあるかのように。紡ぐ声さえ、歌うように。

「わたくしは、懐妊しているかもしれない妃嬪だもの。陛下はお見舞いくださるわ。動転して……煤で汚れた顔ですもの、閨とは違って見えるでしょうねえ」
「……せめて、早く消火を! いったいどこまで広がるか──」

 自分のためではなく、芳林ほうりん殿や周囲の殿舎の住人のために、碧燿は訴えた。けれど、芋虫のように無様に転がる彼女の言葉に耳を貸さず、姜充媛じゅうえんは高らかに笑いながら炎と煙の向こうに消えていった。

      * * *

 室内に充満する黒煙を避けて、碧燿へきようは床に張りついていた。床を舐める炎を避けて、縛られた手足で不器用に這う。桃児とうじの遺体はすでに炎に包まれたのか、髪やあぶらが焦げる嫌な臭いも漂い始めた。

 彼女も遠からず、同じく炭の塊となり果てるのだ。ろくな身動きも取れない癖にもがいても、わずかな時間稼ぎにしかならないだろう。それどころか、苦しみが伸びるだけかも。でも──

(死ねない……!)

 その一念で、碧燿はまだ火の手が小さい方向を探して必死に瞬き、肌を焦がす熱に耐えて、這う。炎が縄を焼き切ってくれるのではないかと願って、少しでも手足を動かそうと努めながら。

 真実を求めることで、疎まれるのは望むところだった。父に倣って、死を賜ることさえ異存はない。けれど、それは真実を公表するのと引き換えであれば、の話だ。

 ここで碧燿が燃え尽きれば、姜充媛じゅうえんの所業を訴える者はいなくなる。桃児の死は、単に火事から逃げ遅れただけになってしまう。
 先ほどは証拠が揃っていると言ってはみたけれど、彼女のほかに、情報を組み合わせようと考える者がそうそう出てくれるとは限らない。それに──

白鷺はくろ貴妃様のことも、まだ……)

 姜充媛じゅうえんと話していて、何か掴みかけた気がするのだ。

 夜伽の記録と、尚食司しょうしょくしの薬の処方の記録、芳林ほうりん殿の人の行き来の記録。碧燿自身が記した、鳳凰ほうおう騒ぎと、綬帯じゅたいの紛失と発見の記録。それぞれの記録は正しく為されていたのに、身代わりが入る余地があった。

(それは、妃嬪として記録されたのが、実は別人だったから)

 その名で記録された者が間違いなく本人だということを、誰がどうやって判断するのだろう。偽証の意図があるなら、名乗りはもはや信用できない。貴人の顔は、誰もが知るものではない。位階に相応しい衣装や装飾も、実は誰だって纏うことができるのだ。桃児が姜充媛じゅうえんとして皇帝の閨に上がることができたように、どこかで何かのすり替えが行われたのだとしたら。

(貴妃様のお茶とお菓子──茉莉花まつりかと、肉桂シナモンの……母様が、好きだった)

 亡き人の記憶が頭を過ぎったことに、碧燿は愕然とした。これではまるで、死に惹かれているかのよう。現実逃避で、何の憂いもなかった過去に想いを馳せているかのよう。──違う。彼女は、まだ考えるのを止めていない。母が、何か言っていたと思うのだ。それが、白鷺はくろ貴妃にどう関係するのか──とりとめのない思考を繋ぐ糸が見える前に、碧燿の顔に熱風が吹き付けた。

(どこか、崩れた……!?)

 思わず目を閉じれば乾いた眼球が痛み、灼けた空気を呑み込んだ喉が耐えきれずに咳き込んだ。姜充媛じゅうえんは、碧燿と桃児が燃えるまで火事を傍観するだろう。建物自体が燃え落ち始めたなら、もはや希望はない、のだろうか。絶望に、全身から力が抜けた時──

「──見つけた」
「……え?」

 聞こえた声は涼やかで平静で、そして、再び開いた碧燿の目に映った色は、冷たい色をしていた。深い、青──藍。火の粉が映えるその目の色は、まさにの名を表している。でも──力強い腕で碧燿を助け起こすその人は、こんなところにいて良い御方ではないはずだ。

「へい、か……?」
「担いでいくから大人しくしていろ」

 信じられない、と。呆然と呟く碧燿に軽く顔を顰め、藍熾らんしは彼女を抱え上げた。言葉通り、荷物のように担がれて移動する速さは、風のように思えた。訳が分からなくて──脱力して、畏れ多くも皇帝の背に、頬を休める。すると濡れた感触があって、一応は水を被ってきたらしいことが分かる。

(消火が始まってる? 助かった……?)

 そっと息を吸って、吐いてみると、身体中が熱く、痛かった。けれどそれは、生きていることの証なのだろう。

      * * *

 煙と炎を逃れて建物の外に出ると、すでに夜の帳が降りていた。暗い夜空に立ち上る火柱は、恐ろしくも美しい。芳林ほうりん殿の倒壊は、もはや目前に迫っているようだった。

(怪我人はどれだけ出たんだろう。きょう充媛じゅうえんは……?)

 藍熾らんしの肩から下ろされて、よろめく足で地を踏みしめながら、碧燿へきようはぼんやりと考えた。──と、頭からざぶりと冷水を浴びせられる。

「早く冷やしなされ。火傷が残ってしまいます」

 男にしては高く、女にしては低い声は、宦官のようだ。彼らの力は男の時のままだから、火災という一大事とあって、女は下がらせて宦官を呼び集めたのだろうか。耳に水が入る違和感に、碧燿が首を振る間にも、二度、三度と水音が盛大に響き、皮膚の熱が拭われていく。

「失礼ですがお召し物を脱いでくださいますよう。手当をいたします」
「え──構いません。後回しで」

 皇帝自ら救い出した女だからか、医官らしい宦官の物腰はやたらと丁重だった。それでも、焼け焦げた上に水の滴る衣装に伸びる手は遠慮がなく、碧燿は慌てて逃れようと足をもつれさせた。よろめいたところを藍熾に捕らえられ、耳元に不機嫌な声が降ってくる。

「恥じらっている場合か。どうせもう衣服の用を為していない。傷が残れば珀雅はくがに顔向けできなくなるだろうが」
義兄あには──義父ちちも、承知しておりますから。あの、私のことを。だから怒ったりはいたしません」

 では、藍熾は巫馬ふば家の機嫌を取るために火中に飛び込んだのだろうか。有力な家の娘を焼死させる訳にはいかない、と? それにしても軽挙というべきで、後で諫言かんげんしなければならないだろうけれど。

(今は、それよりも……!)

 肌を人前に晒すまいと、碧燿は必死に手を振った。

「本当にお構いなく」
「くどい」

 火傷を負って煙を吸った小娘の抵抗など虚しく、藍熾は苛立ったように吐き捨てると、碧燿のブラウスの合わせに手をかけた。

(ああ……)

 絶望に目を閉じた碧燿の肌に、藍熾が息を呑む気配が伝わった。いくら夜とはいえ、殿舎を燃やし尽くす炎の勢いはまだ強いし、消火にあたる者たちもそれぞれ灯りを携えている。

 だから、藍熾の目ははっきりと捉えてしまっただろう。碧燿の胸元に刻まれた、官奴かんどの焼き印を。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】出戻り妃は紅を刷く

瀬里
キャラ文芸
 一年前、変わり種の妃として後宮に入った気の弱い宇春(ユーチェン)は、皇帝の関心を引くことができず、実家に帰された。  しかし、後宮のイベントである「詩吟の会」のため、再び女官として後宮に赴くことになる。妃としては落第点だった宇春だが、女官たちからは、頼りにされていたのだ。というのも、宇春は、紅を引くと、別人のような能力を発揮するからだ。  そして、気の弱い宇春が勇気を出して後宮に戻ったのには、実はもう一つ理由があった。それは、心を寄せていた、近衛武官の劉(リュウ)に告白し、きちんと振られることだった──。  これは、出戻り妃の宇春(ユーチェン)が、再び後宮に戻り、女官としての恋とお仕事に翻弄される物語。  全十一話の短編です。  表紙は「桜ゆゆの。」ちゃんです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

【完結】お飾りの妻からの挑戦状

おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。 「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」 しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ…… ◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています ◇全18話で完結予定

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】私たち白い結婚だったので、離婚してください

楠結衣
恋愛
田舎の薬屋に生まれたエリサは、薬草が大好き。薬草を摘みに出掛けると、怪我をした一匹の子犬を助ける。子犬だと思っていたら、領主の息子の狼獣人ヒューゴだった。 ヒューゴとエリサは、一緒に薬草採取に出掛ける日々を送る。そんなある日、魔王復活の知らせが世界を駆け抜け、神託によりヒューゴが勇者に選ばれることに。 ヒューゴが出立の日、エリサは自身の恋心に気づいてヒューゴに告白したところ二人は即結婚することに……! 「エリサを泣かせるなんて、絶対許さない」 「エリサ、愛してる!」 ちょっぴり鈍感で薬草を愛するヒロインが、一途で愛が重たい変態風味な勇者に溺愛されるお話です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...