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第二十一章 帰っても忙しい毎日。

第436話 聞いてみないと判らないお悩み相談④。

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 「はい、宜しくお願いします。期限は、依頼人から一ヶ月との事です。」
「そんなに時間は掛からないがね。早速行くよ。」

 ギルドカードを返してもらい、そのまま懐に仕舞う様に見せ掛けて、インベントリィに収納する。

 周りを見て、待ち合いホールに待っていた村長を連れて、ギルド脇の横道に入ると、周りを見回して人気の無いのを確認してから、村長を連れて村に〈テレポート〉した。


「よし、着いたぞ。」
「は、はい。有り難う御座いました、ご領主様。」
「うむ。」

 下準備は十分した。いよいよ盗賊退治に出掛けるとしょうか。

「ギルドへ依頼を出す等、余計な手間を掛けさせたな。」
「いえ、わたくしこそご領主様にお手数を取らせまして、申し訳御座いません。」
「いや。こちらこそ目が行き届かないでスマンな。今日明日の内にカタをつけるので、心配するな。」
「はい。宜しくお願いします。」

話しながら、村長を家に送った。



『お帰りなさいませ、ショウ様。』
「ああ、ただいま戻った。さて、早速盗賊共の退治に向かうぞ。」
「閣下、冒険者ギルドの方は宜しいので?」
「ああ。ギルドの方は手を打っておいた。後は依頼の達成だけだ。」
「分かりました。では私も後顧の憂いなく依頼の達成に集中するとしましょう。」
「相手の人数が多いからな、戦力として頼りにしているぞ、レナード。」
「はつ、お任せください。」
「ショウ様。勿論わたくし達もお連れ下さいますよね。」

 ソニアがニッコリと笑いながらも、彼女から何故か背後に黒いオーラを感じるのは、私の気のせいかな?
 
「も、勿論さ。君達を置いて行くなんて。(後が怖いからな。)」
「流石、ショウ様ですわ。前回は暴れられませんでしたから。わたくし、残念でしたのよ。」

(あ、暴れるとか言ってるし。性格が変わったのかな?それとも被っていた猫が剥げたのかな?)

ストレスが溜まっているのか、三人三様で妙にヤル気に満ちていた。

(やれやれ。ここは大人しくしている様に、念押ししておくか。)

「さて、もう一度確認して置くよ。相手は少なくとも二十人から三十人は戦闘員としていると思う。勿論他にも非戦闘員もいるかもしれない。私達に攻撃してこない者は捕縛のみにして、ツールにて捜査の上で処罰を加える。反抗をして来た者は問答無用で処刑とする。反対意見はあるかい。」
「・・・。」
「良し。無いのなら早速片付けに行こうか。では村長、行ってくる。」
「お気を付けて。ご武運を。」
「うむ。」

再び立上がると、レナードや許嫁達を引き連れて屋外に出ていった。

(さて、皆で歩いていくのは時間が掛かるしな。先に私だけ向かい、〈テレポート〉で皆を連れて来るしかないか。一人なら身軽なんだがな。仕方無いね。)
「ミンナ、先に私が先行して、目的の場所を憶えてから〈テレポート〉で皆を連れ行くとしよう。その方が早く移動出来るからね。一旦戻って来るまでここで待っていてくれるかい?」
「承知しました。」
「仕方ありませんわね。」
「直ぐに戻って下さいませ。」
「お気を付けて。」
「では行ってくる。」

それだけを言うと、目的地に向かって走り出す。
久々の運動だ。体が鈍ってないか心配だったが、この世界に転生してから鈍る事などとは無縁になったらしい。
走りながら自己強化魔法を掛けていく。

「・・〈リジェネーション〉、〈リフレッシュ〉。そして神刀流での強化。」

自己強化魔法をかけて、更に〈気〉での強化も済ますと一気に加速してマップに映っている光点に向けて走った。


一時間も走ると、目的地だろう森が見えてきた。馬車なら半日は掛かった距離だった。

(村から案外近くに隠れているのだな。この様子だと、森の中に集落が有るのかな?もう少し近づくか。)

「〈フライ〉。」

森の上を飛んで行き、盗賊達に見付からない様に森の中へ侵入した。


 予想通り、森の中心に手作りの建物が幾棟も見付かり、建物の中で目標が生活しているのを確認する。発見されない様に、再び森の外に着地すると村に〈テレポート〉で戻った。



「戻ったよ!」
『あ!お帰りなさいませ。如何でしたか?』

 待っていた全員から、向こう側の様子を問いかける質問が一斉にでる。

「隠れ家らしい集落を見付けたよ。偶々(たまたま)外には人影は無かったが、確実に建物に人が居るのは確認したよ。人数は変わらないが、戦闘員かどうかの識別は出来なかったな。」
「そうですか。分りました。では早速現地へ向かいましょうか。」
「ミンナ、私の周りに近づいてくれ。」

それだけ言うと、周りに集まって来た皆を確認してから〈テレポート〉を発動させた。


「はい、到着。この森の奥に対象たちが居る。準備は良いか?」
「はっ!」
『はいっ!』

各々が覚悟を決めたのか、返事を返してきた。そして武器を取り出して構えた。

「よし。では行こうか。」


 私の声を合図に、一行は森の奥へと進む。暫くすると、木立が開けて来て、その先にはいくつモノ建物が並び立ち、周りを木の柵で囲っていた。柵が途切れた場所には外への出入り口なのか、人が二人立ち、見張りをしている様に見える。
しかし緊張感が無いのか、見張りはだらし無く立っているだけのようだ。

「さて、手始めに見張りから片付けるか。ソニア、あの見張りの二人を始末できるかい?」

こうして、戦いの幕は切って落とされたのだ。





















 

















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