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第十八章 帝国大乱。
第371話 商売は信用が有ってこそ。
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「カーマン大統領はいるかな?」
ノックしてから、部屋に入る。マハティール殿は部屋の外に待たせている。部屋の中には、大統領付きの役人が何人か書類仕事をこなしている。一番奥に大きな机に書類を積み重ねながらも素晴らしいスピードで書類を片付けているカーマン大統領の姿がみえた。
「大統領閣下、『仮面の魔導師』殿がいらっしゃいました。」
「何?お、これは仮面の閣下。何事か急用でしょうか?」
「ああ、サウスラーニらしい商売のネタを持ってきたよ。少し時間はあるかい?」
「多忙は多忙ですが、閣下が急用とあれば時間はさきますとも。」
「済まないな。内密の話が出来る場所は、あるかい?」
「内密ですか?では隣の部屋で話しましょう。こちらです。誰も呼ぶまで部屋に来ないように。」
カーマンの案内に従って隣の部屋に繋がる扉をマハティール殿を引き連れて移動する。
「どうぞ、お座り下さい。」
奨められるままに、私とマハティール殿はソファーに座る。
「さて、急用とは如何なる内容でしょうか?お連れになっている方は、多分サンドロールの方とお見受けしましたが?」
「そうだ。こちらはサンドロール首長国連邦の外務官のマハティール殿だ。」
「シンドバット・マハティールです。外務官を勤めており今回の交渉の全権大使に任じられております。」
「ほう、全権大使ですか。早速お聞きしますが、如何なる交渉をされに来たのでしょうか?」
「はい。そちら様は無事に帝国から独立を果たし、再び盛んに交易を始められるとお聞きして参りましたが、間違いは有りませんか?」
「はい、その通りです。元々この地は交易によって発展した地です。我々としても、一番やり慣れた商売ですので、間違い有りませんね。」
カーマンの言葉を聞いて、マハティールはニッコリ笑う。
「それは素晴らしい事です。今回私が此方の閣下を訪ねたのは、旧サウスラーニ、西部イーストンそしてウェザリアのツール。この地域との通商を締結する為です。」
「我らと同じ頃に独立したイーストンなら分かりますが、何故ウェザリア王国のツールが出てくるのでしょう?」
「おや、貴方はご存じないのですか?」
そう言ってマハティールが私の方を振り向くとそこにはしまったかなと言う顔をしたシンドバッドの顔があった。
「おや、仮面の閣下がどうかしたのですか?」
「ふぅ。こんな形になるとはねぇ。仕方ないね。」
そう言った後に、私は着けていた仮面を外す。
私の突然の行動に驚いたカーマンの顔が更に顔を見て驚きを深める。
「か、閣下。そのお顔は?!」
「別に驚くことはないよ。目は二つあるし、鼻や口は一つづつだし皆と同じだろ?(笑)」
笑いながら素顔を晒した。
「こんなに若い方とは・・・。」
カーマンは驚きから立ち直ったのか、私の顔をしみじみ見ながら呟いている。
「もしかして、ご存じで無かったのですか?何故に?」
マハティールが、慌てて私に確認してくる。
「」
「私が領する積もりの無い土地だ。下手に顔を知られると、政府としても遣りにくいだろうし、私も余計な柵に囚われずに済むからね。今はカーマン大統領だけしか居ないから丁度良いかと思ってね。改めて名乗るとしようか。ウェザリア王国ツール辺境伯爵のショウイチ・オオガミ・フォン・ツールだ。一応歳は今年で十六だ。」
「じ、十六ですか・・・そんなにお若い
のですか・・・。もっと、お歳かと思っておりました。」
「だろうね。皆も初めは私を見て驚くか、若いと侮るよ。だから、身元を隠すついでに侮られることを避けるために、仮面を着けていたのさ。どうしても若いと侮る人が多いからね。」
「成る程。ウェザリアの方でしたか。帝国に対しての行動。納得しました。」
「いや。サウスラーニの事は前にも言ったが、メーガンとの契約だ。ウェザリアは関係ない。だからこそ、私は切り取ったこの地の支配権を出張しないのさ。納得と信用してくれたかな、カーマン?」
「はい。閣下には改めてお礼を申し上げます。我らの故郷を取り戻して頂いて。有難うございます。」
「まぁ、まだ半分だけどな。ここ一ヶ月で残り二都市も取り戻す予定だ。マリガンにそう言っておいてくれ。」
「いよいよですか。承知しました。お伝えします。」
「あと、私の正体は他言無用だ。良いね?」
少し威圧をしながらカーマンに確認する。私とカーマンの話が一段落したのを見て、申し訳なさそうにマハティールが話し掛けてきた。
「何やら私のせいで、要らぬ事をしたのでしょうか?」
「問題ないさ。いつかはこうなるかと分かっていたからね。さて、カーマン大統領、通商の話だ。後は任すよ。マハティール殿とカーマン大統領宜しいな?」
「はっ。分かりました。これから早速、通商局の者を交えて詰めていきます。」
「うん。頼んだよ。マハティール殿後は宜しく。では、失礼する。〈リターン〉。」
後の事を、カーマン達に任せて、一旦ツールに戻てから次は、イリスとアルメイダを連れて、再びスメラギの里の世界樹の元に〈テレポート〉する。到着した途端に頭の中に世界樹の声が響く。
(パーパ、パーパ。また来てくれたの。嬉しいの。)
どうやら、喜んでいるみたいだ。話振りから見て、人間でいうと小学校の低学年生位の精神年齢のようだな。まぁ、可愛いから良いけどね。
こうして、世界樹からの歓迎の歌を受けるのだった。
ノックしてから、部屋に入る。マハティール殿は部屋の外に待たせている。部屋の中には、大統領付きの役人が何人か書類仕事をこなしている。一番奥に大きな机に書類を積み重ねながらも素晴らしいスピードで書類を片付けているカーマン大統領の姿がみえた。
「大統領閣下、『仮面の魔導師』殿がいらっしゃいました。」
「何?お、これは仮面の閣下。何事か急用でしょうか?」
「ああ、サウスラーニらしい商売のネタを持ってきたよ。少し時間はあるかい?」
「多忙は多忙ですが、閣下が急用とあれば時間はさきますとも。」
「済まないな。内密の話が出来る場所は、あるかい?」
「内密ですか?では隣の部屋で話しましょう。こちらです。誰も呼ぶまで部屋に来ないように。」
カーマンの案内に従って隣の部屋に繋がる扉をマハティール殿を引き連れて移動する。
「どうぞ、お座り下さい。」
奨められるままに、私とマハティール殿はソファーに座る。
「さて、急用とは如何なる内容でしょうか?お連れになっている方は、多分サンドロールの方とお見受けしましたが?」
「そうだ。こちらはサンドロール首長国連邦の外務官のマハティール殿だ。」
「シンドバット・マハティールです。外務官を勤めており今回の交渉の全権大使に任じられております。」
「ほう、全権大使ですか。早速お聞きしますが、如何なる交渉をされに来たのでしょうか?」
「はい。そちら様は無事に帝国から独立を果たし、再び盛んに交易を始められるとお聞きして参りましたが、間違いは有りませんか?」
「はい、その通りです。元々この地は交易によって発展した地です。我々としても、一番やり慣れた商売ですので、間違い有りませんね。」
カーマンの言葉を聞いて、マハティールはニッコリ笑う。
「それは素晴らしい事です。今回私が此方の閣下を訪ねたのは、旧サウスラーニ、西部イーストンそしてウェザリアのツール。この地域との通商を締結する為です。」
「我らと同じ頃に独立したイーストンなら分かりますが、何故ウェザリア王国のツールが出てくるのでしょう?」
「おや、貴方はご存じないのですか?」
そう言ってマハティールが私の方を振り向くとそこにはしまったかなと言う顔をしたシンドバッドの顔があった。
「おや、仮面の閣下がどうかしたのですか?」
「ふぅ。こんな形になるとはねぇ。仕方ないね。」
そう言った後に、私は着けていた仮面を外す。
私の突然の行動に驚いたカーマンの顔が更に顔を見て驚きを深める。
「か、閣下。そのお顔は?!」
「別に驚くことはないよ。目は二つあるし、鼻や口は一つづつだし皆と同じだろ?(笑)」
笑いながら素顔を晒した。
「こんなに若い方とは・・・。」
カーマンは驚きから立ち直ったのか、私の顔をしみじみ見ながら呟いている。
「もしかして、ご存じで無かったのですか?何故に?」
マハティールが、慌てて私に確認してくる。
「」
「私が領する積もりの無い土地だ。下手に顔を知られると、政府としても遣りにくいだろうし、私も余計な柵に囚われずに済むからね。今はカーマン大統領だけしか居ないから丁度良いかと思ってね。改めて名乗るとしようか。ウェザリア王国ツール辺境伯爵のショウイチ・オオガミ・フォン・ツールだ。一応歳は今年で十六だ。」
「じ、十六ですか・・・そんなにお若い
のですか・・・。もっと、お歳かと思っておりました。」
「だろうね。皆も初めは私を見て驚くか、若いと侮るよ。だから、身元を隠すついでに侮られることを避けるために、仮面を着けていたのさ。どうしても若いと侮る人が多いからね。」
「成る程。ウェザリアの方でしたか。帝国に対しての行動。納得しました。」
「いや。サウスラーニの事は前にも言ったが、メーガンとの契約だ。ウェザリアは関係ない。だからこそ、私は切り取ったこの地の支配権を出張しないのさ。納得と信用してくれたかな、カーマン?」
「はい。閣下には改めてお礼を申し上げます。我らの故郷を取り戻して頂いて。有難うございます。」
「まぁ、まだ半分だけどな。ここ一ヶ月で残り二都市も取り戻す予定だ。マリガンにそう言っておいてくれ。」
「いよいよですか。承知しました。お伝えします。」
「あと、私の正体は他言無用だ。良いね?」
少し威圧をしながらカーマンに確認する。私とカーマンの話が一段落したのを見て、申し訳なさそうにマハティールが話し掛けてきた。
「何やら私のせいで、要らぬ事をしたのでしょうか?」
「問題ないさ。いつかはこうなるかと分かっていたからね。さて、カーマン大統領、通商の話だ。後は任すよ。マハティール殿とカーマン大統領宜しいな?」
「はっ。分かりました。これから早速、通商局の者を交えて詰めていきます。」
「うん。頼んだよ。マハティール殿後は宜しく。では、失礼する。〈リターン〉。」
後の事を、カーマン達に任せて、一旦ツールに戻てから次は、イリスとアルメイダを連れて、再びスメラギの里の世界樹の元に〈テレポート〉する。到着した途端に頭の中に世界樹の声が響く。
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どうやら、喜んでいるみたいだ。話振りから見て、人間でいうと小学校の低学年生位の精神年齢のようだな。まぁ、可愛いから良いけどね。
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