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第十六章 サウスラーニは面倒臭い。
第349話 セイト解放戦。①
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夜が明けて、今日はいよいよサウスラーニ解放の日だ。
朝飯を食べたあと、何時もの冒険者スタイルに着替えて、いざ出発しようとしたらドアがノックのあと開かれ、ソニア、セイラ、シーラとレナードの四人が完全武装して入ってきた。
「はぁ~。」
その姿を見た途端に、自然と溜め息が出た私は悪くないと思うな。
「・・・君達、その格好で何用かなと聞くのも野暮かな?」
「ええ、野暮ですわ。」
ソニアからきっぱりと切り返され、何も言えなくなった私。
「コーチ、私達もお連れくださいませ。例え戦う事が無かったとしても不満を申しませんわ。」
「私は味方と敵関係なく、怪我があるなら治療させてもらいます。」
「閣下、当然お供しますよ。それが私の使命ですから。」
「・・・ふ~。皆にお願いしても無駄なんだろうね。仕方ない。私の護衛と言うことで付いて来ることを許可します。ただし、現地では私の命令には従う事が絶対条件です。良いですね?」
『はい。』
やはり予定通りというか、皆着いてくることになりました。何でわざわざ危険なことに首を突っ込みたがるのかなと思いながら、皆を連れて〈テレポート〉する。
「はい、到着っと。」
宿屋〈レッドベア〉の脇道に現れると、念の為に周囲を確認する。問題無い事を確認すると、次の手段に移る事にした。
「さて、これから空を飛んで味方が隠れている砦跡に行くよ。」
「空を飛んでですか?」
「え、本当に?」
「歩いて行ったら間に合わないからね。」
「わたくし、空を飛ぶなんて初めてですわ。」
「わたくしもですわ。」
「私も初めでです。兄さんは?」
「私は、以前に一回経験がある。」
「はいはい、皆静かに。時間がギリギリだから、早速行くよ。〈マップ表示・オン〉。」
マップの縮尺を調整してセイトの周辺の地図を映す。
「〈サーチ・メーガン〉表示青色。お、ここか。よし、皆飛ぶぞ。皆、手を繋ぐ様に。〈マルチロック〉・・・よし。〈フライ〉。」
「うお!」
『キャッ!』
悲鳴や驚きの声の後、私達五人の体がフワッと浮かび始めた。そのまま地上から百メートルほどの高さまで浮き上がると、一旦上昇は止まる。
「皆、手を繋ぐ様に。・・・繋いだね。行くよ。」
声をかけた後、マップの青いマーカーのある地点にスピードを上げて向かう。
「凄いですわ!」
「わたし鳥になった気分ですわ!」
「思っていたよりも、速いのですわね。」
女性陣から〈フライ〉の魔法の感想が出てくるが、私は時間に間に合うかヒヤヒヤしながら目標地点に向けスピードを更に上げていく。
五分程空を飛んだ後、目的の砦跡の真上に到着する。
遥か眼下の砦の中庭には武装した兵達が整列して並んでいるのが見えた。その並んでいる兵隊の真ん前にゆっくりと降りていく。上からの接近の為、頭上近くになってから私達の事に感ずいたらしく、着地した時には集まっていた兵達は、慌てて武器を構えだした。
「止めい。全員、武器を下ろせ。こちらの方々は味方だ。皆、武器を下ろせ。」
私達が着地するのと同時に、兵達に味方だと大声で告げて、構えた武器を下ろさせたのはメーガンだった。
「やぁメーガン。間に合ったかな?」
「閣下。まさか空を飛んでいらっしゃるとは、思いもしませんでしたよ。余り脅かさないで下さい。」
「いや、済まないね。出掛けに少しゴタついてね。時間に間に合うかヒヤヒヤだったよ。それで、ここにいるのが今回の味方かな?」
「はい。国内各地の村に散っていた、元国軍やかって守備隊に所属していた者達です。現在の帝国による治世に不満と強い反感を持つ者達で心強い味方です。」
「成る程ね。」
「閣下、御手数ですが、出発前に皆に訓示をお願いします。」
「訓示?面倒だが、まあ良いだろう。おーい、シルフ出てきてくれ?」
「えー、何よぉー?」
そう言って、首に着けているネックレスの玉から精霊のシルフが現れる。しかし、周りに居る人たちには見えていないようだ。
「シルフ済まないが、私の声がここにいる兵士達全てに聞こえるようにしてくれるかな?」
「えーと、魔力が八十いるわよ?やる?」
「頼むよ。」
「わかったわ。エイっ!良いわよ。そうそう用事がなくても、たまには私を呼びなさいね。いい?」
それだけ言うと、玉に戻っていく。シルフの言葉に苦笑いしながら、兵士達には声をかける。
「諸君、私の声が聞こえているだろうか。今魔法によって全員に聞こえるようにしたので、そのまま驚かずに話を聞いて欲しい。帝国によって前王国であったサウスラーニ王国は崩壊し、王統は絶たれ、帝国による統治が始まった。王国末期の王国政府は酷い賄賂政治で腐敗していたとは言え、帝国に依って占領されその属国となったのはある意味残念だが当然の事なのかもしれない。しかし、占領され帝国に統治が変わっても、王国だった時よりも、更に酷い政治でサウスラーニの人々の生活は苦しくなる一方である。かって沢山の貿易船が出入りしていて、活気のあった港は今では見る影もなく廃れてしまい、今の街には職もなくブラついている者しか居なくなり、町中に犯罪者が溢れている。以前、私はセイトの冒険者ギルドに於いて安全な宿屋を紹介してくれと頼んだ事があったが、職員から紹介されたのは盗賊と繋がった宿を紹介され、危うく寝込みを襲われる危機に会うところだったが、幸いに私は相手の嘘を見破る魔法があったので、相手の言葉が嘘だと見破れ事なきを得た事がある。大陸中にあり、冒険者の便宜を図るために存在する冒険者ギルドの職員でさえ、犯罪者と手を組み甘い汁を吸うような腐った街になってしまったのだ。それでも帝国は悪党達を正す事なく、やることと言えば重い税金をただ搾り取るだけで、それを使って街を治める事など一切しない。かっての腐った王国時代よりも、更に悪質な統治だと言わざるを得ない。そこで我々は同胞であるサウスラーニの民達になり代わり、搾り取るだけの帝国政治を排除し、かっての活気あるセイト及びサウスラーニを取り戻す為に、今日行動を行う。事前に周知されている通り全軍を二班に分け、街の西と東の各門を封鎖せよ。準備が整ったら私が魔法で空に分かる合図をするので、合図があったら、動けなくなっている駐留軍、守備隊、政府関係者を捕縛して、街の練兵場に集めてくれ。一応全員動けなくする予定だが、中には魔法に抵抗して動ける者も居るかもしれないので、捕縛には全員注意をすること。あと、我々は帝国兵とは違う。動けなくなった者に憎しみから手にかける事など無いように。君達はサウスラーニの新たな規範となるべき存在だ。罪有るものは、こちらで法に従い裁く。各自、己が新生サウスラーニの名を背負っている誇りを持って行動せよ。以上である。」
「よし、全軍セイト解放に向けて進軍せよ。」
『おう!!』
反乱軍二千人あまり。ついに故郷を解放する決意を各自が秘めて、セイトに向けて行軍する。隊列の乱れる事なく整然と歩き進めるのだった。
朝飯を食べたあと、何時もの冒険者スタイルに着替えて、いざ出発しようとしたらドアがノックのあと開かれ、ソニア、セイラ、シーラとレナードの四人が完全武装して入ってきた。
「はぁ~。」
その姿を見た途端に、自然と溜め息が出た私は悪くないと思うな。
「・・・君達、その格好で何用かなと聞くのも野暮かな?」
「ええ、野暮ですわ。」
ソニアからきっぱりと切り返され、何も言えなくなった私。
「コーチ、私達もお連れくださいませ。例え戦う事が無かったとしても不満を申しませんわ。」
「私は味方と敵関係なく、怪我があるなら治療させてもらいます。」
「閣下、当然お供しますよ。それが私の使命ですから。」
「・・・ふ~。皆にお願いしても無駄なんだろうね。仕方ない。私の護衛と言うことで付いて来ることを許可します。ただし、現地では私の命令には従う事が絶対条件です。良いですね?」
『はい。』
やはり予定通りというか、皆着いてくることになりました。何でわざわざ危険なことに首を突っ込みたがるのかなと思いながら、皆を連れて〈テレポート〉する。
「はい、到着っと。」
宿屋〈レッドベア〉の脇道に現れると、念の為に周囲を確認する。問題無い事を確認すると、次の手段に移る事にした。
「さて、これから空を飛んで味方が隠れている砦跡に行くよ。」
「空を飛んでですか?」
「え、本当に?」
「歩いて行ったら間に合わないからね。」
「わたくし、空を飛ぶなんて初めてですわ。」
「わたくしもですわ。」
「私も初めでです。兄さんは?」
「私は、以前に一回経験がある。」
「はいはい、皆静かに。時間がギリギリだから、早速行くよ。〈マップ表示・オン〉。」
マップの縮尺を調整してセイトの周辺の地図を映す。
「〈サーチ・メーガン〉表示青色。お、ここか。よし、皆飛ぶぞ。皆、手を繋ぐ様に。〈マルチロック〉・・・よし。〈フライ〉。」
「うお!」
『キャッ!』
悲鳴や驚きの声の後、私達五人の体がフワッと浮かび始めた。そのまま地上から百メートルほどの高さまで浮き上がると、一旦上昇は止まる。
「皆、手を繋ぐ様に。・・・繋いだね。行くよ。」
声をかけた後、マップの青いマーカーのある地点にスピードを上げて向かう。
「凄いですわ!」
「わたし鳥になった気分ですわ!」
「思っていたよりも、速いのですわね。」
女性陣から〈フライ〉の魔法の感想が出てくるが、私は時間に間に合うかヒヤヒヤしながら目標地点に向けスピードを更に上げていく。
五分程空を飛んだ後、目的の砦跡の真上に到着する。
遥か眼下の砦の中庭には武装した兵達が整列して並んでいるのが見えた。その並んでいる兵隊の真ん前にゆっくりと降りていく。上からの接近の為、頭上近くになってから私達の事に感ずいたらしく、着地した時には集まっていた兵達は、慌てて武器を構えだした。
「止めい。全員、武器を下ろせ。こちらの方々は味方だ。皆、武器を下ろせ。」
私達が着地するのと同時に、兵達に味方だと大声で告げて、構えた武器を下ろさせたのはメーガンだった。
「やぁメーガン。間に合ったかな?」
「閣下。まさか空を飛んでいらっしゃるとは、思いもしませんでしたよ。余り脅かさないで下さい。」
「いや、済まないね。出掛けに少しゴタついてね。時間に間に合うかヒヤヒヤだったよ。それで、ここにいるのが今回の味方かな?」
「はい。国内各地の村に散っていた、元国軍やかって守備隊に所属していた者達です。現在の帝国による治世に不満と強い反感を持つ者達で心強い味方です。」
「成る程ね。」
「閣下、御手数ですが、出発前に皆に訓示をお願いします。」
「訓示?面倒だが、まあ良いだろう。おーい、シルフ出てきてくれ?」
「えー、何よぉー?」
そう言って、首に着けているネックレスの玉から精霊のシルフが現れる。しかし、周りに居る人たちには見えていないようだ。
「シルフ済まないが、私の声がここにいる兵士達全てに聞こえるようにしてくれるかな?」
「えーと、魔力が八十いるわよ?やる?」
「頼むよ。」
「わかったわ。エイっ!良いわよ。そうそう用事がなくても、たまには私を呼びなさいね。いい?」
それだけ言うと、玉に戻っていく。シルフの言葉に苦笑いしながら、兵士達には声をかける。
「諸君、私の声が聞こえているだろうか。今魔法によって全員に聞こえるようにしたので、そのまま驚かずに話を聞いて欲しい。帝国によって前王国であったサウスラーニ王国は崩壊し、王統は絶たれ、帝国による統治が始まった。王国末期の王国政府は酷い賄賂政治で腐敗していたとは言え、帝国に依って占領されその属国となったのはある意味残念だが当然の事なのかもしれない。しかし、占領され帝国に統治が変わっても、王国だった時よりも、更に酷い政治でサウスラーニの人々の生活は苦しくなる一方である。かって沢山の貿易船が出入りしていて、活気のあった港は今では見る影もなく廃れてしまい、今の街には職もなくブラついている者しか居なくなり、町中に犯罪者が溢れている。以前、私はセイトの冒険者ギルドに於いて安全な宿屋を紹介してくれと頼んだ事があったが、職員から紹介されたのは盗賊と繋がった宿を紹介され、危うく寝込みを襲われる危機に会うところだったが、幸いに私は相手の嘘を見破る魔法があったので、相手の言葉が嘘だと見破れ事なきを得た事がある。大陸中にあり、冒険者の便宜を図るために存在する冒険者ギルドの職員でさえ、犯罪者と手を組み甘い汁を吸うような腐った街になってしまったのだ。それでも帝国は悪党達を正す事なく、やることと言えば重い税金をただ搾り取るだけで、それを使って街を治める事など一切しない。かっての腐った王国時代よりも、更に悪質な統治だと言わざるを得ない。そこで我々は同胞であるサウスラーニの民達になり代わり、搾り取るだけの帝国政治を排除し、かっての活気あるセイト及びサウスラーニを取り戻す為に、今日行動を行う。事前に周知されている通り全軍を二班に分け、街の西と東の各門を封鎖せよ。準備が整ったら私が魔法で空に分かる合図をするので、合図があったら、動けなくなっている駐留軍、守備隊、政府関係者を捕縛して、街の練兵場に集めてくれ。一応全員動けなくする予定だが、中には魔法に抵抗して動ける者も居るかもしれないので、捕縛には全員注意をすること。あと、我々は帝国兵とは違う。動けなくなった者に憎しみから手にかける事など無いように。君達はサウスラーニの新たな規範となるべき存在だ。罪有るものは、こちらで法に従い裁く。各自、己が新生サウスラーニの名を背負っている誇りを持って行動せよ。以上である。」
「よし、全軍セイト解放に向けて進軍せよ。」
『おう!!』
反乱軍二千人あまり。ついに故郷を解放する決意を各自が秘めて、セイトに向けて行軍する。隊列の乱れる事なく整然と歩き進めるのだった。
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