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第十五章 王都で貴族のお仕事。そして・・・。

第300話 やっと着いたね。まずは落ち着こうか。

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    領境にある森林地帯を抜ける街道での襲撃から三日後に無事王都ウェザリエに到着する。

    城門にある貴族専用の門を抜け、王都にあるツール伯爵邸に馬車は向かう。先触れの使者を先に走らせておいた為か、屋敷の前に執事のカインを始め、メイドさん達や庭師、馬番と勢揃いして出迎えてくれた。

『お帰りなさいませ、旦那様。』
「出迎え有難う。また暫く世話になる。人数が多いから大変だろうが、宜しく頼むよ。」

そう、挨拶を返すと皆一斉にお辞儀して答える。

「では、皆様お部屋に案内致します。どうぞ中へ。」

流石に、新型の馬車とはいえ、長旅の疲れもあり各自部屋へ静かに散っていく。

結局、王都に到着したのは、十二の月が終わる三日前であった。

    どうやら、内陸地にある王都は、海に近いツールよりも寒いようであり、暖房として暖炉に薪がくべられている。
流石に雪はないようだが、その分、寒さが厳しいようだね。あと、三時間もすれば、夕食だそうだ。

    私服に着替えると、寝室の暖炉の側にあるロッキングチェアに座り、暖まっているとノックがあり、アイリスとアルメイダが着替えを持って入ってくる。その手に持っている着替えを見て、苦笑いしながら聞く。

「まだ、二人とも一人では寝られないのかな?」
「これからは暫く寒いのにゃ。寒いと悲しくなって、眠れないのにゃ。だから、兄ちゃんと一緒にゃ。」
「ハイエルフは元々世界樹と共に生きる種族です。なので、正の気を発する貴方の側にいると、安心できるのです。」
「・・・そうか、いま暫くは大丈夫だが、なるべく一人で寝られるようになってくれよ。私が結婚する頃には、一緒に寝てやれなくなるからね。」

「その時は、私達も結婚してしまえば良いわ。」
「ずっと、一緒にいるにゃ。」
「ふ~、やれやれ。ま、その時にまた考えるとしますかね。」

    そのまま暖まっていると、アルメイダが着替えを仕舞い、小虎になって、椅子に座っている私の膝に飛び乗ってくる。
頭や背中を撫でてやると嬉しく丸くなって安心したようだ。

    ここ二月ふたつきで色々あり、こんな落ち着く事はなかった。良い機会なので、久しぶりに〈ステータス〉を見ることにした。放っておく訳にも行かないし、久々に確認をする。

「〈ステータス・オープン〉。」

〈ステータス〉
氏名        ショウイチ・オオガミ   (大神    将一 )
年齢    十五歳
種族    人族(まだまだ、大丈夫よ)
職業    メイン    魔術師Lv29
              サ    ブ    剣術士Lv14(+2)

〈木こりLv15・精霊士Lv13・司祭Lv18・魔法剣士Lv32(+1)・薬士Lv2・錬金術士Lv19・勇者Lv15・暗殺者Lv1    料理人Lv10・パラディンLv35〉

称号   
界を渡りし者   不幸を極めし者    バウティハンター    神の観察対象    魔物の天敵    雷光    軍師    王国伯爵    使徒    勇者    土木工事責任者    鎮魂せし者    精霊の友        

身体レベル    Lv78

能力値
生命力    7800/7800
魔    力    9800/9800
力            7500
体    力    6500
素早さ    6100(+100)
器用さ    5900
精神力    7550(+50)
運            10000(Max)

ユニークスキル
        武技の極み
        魔導の極み
        インベントリィ
        状態異常完全無効
        世界の理
        精霊視 Ⅱ 
        フォースフィールド
        魔力消費半減
        メイク・グリモア

スキル
      ガイアワールド共通語    Lv  5(Max)
      剣術(神刀流)Lv  9
      投擲    Lv  2
      見切りLv  15
      忍び足Lv  15(+2)
      魔力感知    Lv  18(+1)
      魔力操作    Lv  17
      魔法創造    
      マップ表示 Ⅱ
      盾術    Lv  4
      体力回復(中)      
      魔力回復  Lv  7 
      操気術    Lv  6
      瞑想 Ⅱ 
      気配察知    Lv15(+1)
      オーラ制御    Lv4(+2)
      ターンアンデッド
      格闘    Lv10   
      製薬調合
      槍術    Lv  6
      ホーリーオーラ
      王威 Ⅱ 
      交渉 Ⅱ 
      クリティカル Ⅱ
      罠発見    Lv2
      罠解除    Lv2
      料理    Lv9
      斧術    Lv4
      双剣術    Lv5
      教師
      魔方陣 
      バトルオーラ

    身体レベルが七十八ってどんだけなんだか。近衛騎士でさえ三十から高くても四十くらいだ。その倍ってねぇ。
そんな事を〈ステータス〉を見て考えていると、アイリスが話しかけてきた。

「ショウさん。」
「うん?何だい。」
「精霊達が、もっとお話し出来るようにしておいてと言っているわよ。用がある時しか、お話ししてくれないって少し機嫌が悪くなってるわよ。」
「ええ?!マジ?」

コクコクとアイリスが頷いている。

    早速、〈ステータス〉画面を操作して、『職業』サブを〈精霊士〉に代える。そしてインベントリィから『精霊の勾玉』を取り出した途端に、勾玉の幾つかから何かが飛び出してきた。
良く見ると、セレスとシルフだ。

「ちょっとぉー!マジックボックスに入れっぱなしって、酷いじゃない!」
「そうよ、そうよ。」
「あ、いや、スマン。」
「スマンじゃないわよ!いい?前にも言ったけど、これからは必ず毎日首にかけておくこと。守らないと、助けるのを止めるわよ。判った?」
「はい、誠に済みませんでした。以後は気を付けます。」
「そう、なら良いわ。あースッキリした。」

    そう言うシルフの隣でセレスもコクコクと頷いている。
どうやら、精霊とは普段からコミュニケーションを取らないと機嫌を損ねてしまうらしい。気を付けよう。

(折角出てきたのだから、少し話をしてみるか。)

「所で、シルフにセレス。ここ王都で、何か危険な感じや不快に感じる場所とか知らないかな?または、この地にいる精霊から何かしらの情報は得ていないかな?」
「え~、気持ち悪い場所?前にスラムの辺りであったけど、貴方が浄化してくれたし、この街では今は気持ち悪く感じる場所は無いわよ。」

セレスがそう答えたあとに、シルフが、ああ、そう言えばと言って話し出す。

「そう言えば、貴方の悪口を言っている人間が居るらしいわよ。仲間の風の精霊が聞いたって。結構若い男のようよ。」
「どこの誰かは分かるかい?」
「いいえ、判らないわ。精霊に人の身分なんて判らないもの。」
「まあ、そりゃそうか。でも、有難う。助かったよ。」
「じゃあ、約束守ってね。」
「私も帰るわ。」

セレスとシルフは勾玉の中に帰っていった。

    どうやら、襲撃者達の大元は何処ぞの貴族のお坊ちゃんらしい。後は、〈サーチ〉で絞り込みましょうかね。本人には、やったことの償いをして貰いましょうかね。


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