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第十四章 イーストン解放編
第278話 相談と一服。②
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サウルの淹れてくれたお茶を飲んで、一服した所で話の続きを始める。
「さて、話を戻すがスメラギ家に会いに行き、戦いの大義となる書状を書いて貰った訳だが、それがこれだ。」
そう言って、インベントリィからスメラギ家に書いて貰った書状を出して皆に見せる。
「・・・・閣下これはもしかして・・・。」
レナードが文章を読んでから呟くが最後まで言わずに黙る。同じように、書状を見たソニアはハッキリと言葉にだす。
「あら、これって読みようでは、ショウ様を新しい統治者と認めたとも読めますわね。」
「やっぱ、そう思う?それで、困ったことが起きてきたわけだ。」
「コーチ、何が起きたのでしょう?」
「イーストンの民の気風らしいのだが、押し付けられた統治者を認めないってのがあるそうで、帝国に対してはそのお陰で反感を持ち続ける事になって、ある意味こちらとしては都合は良いが、イーストン西部の民は自分達の統治者は力が有るもので、実力によって西部を切り取った本人でなければ納得しないぞという風習らしい。そうなると、どうしても私が統治者とならざるを得ない状況になるらしい。まぁ、領地が増えるのはまだ良いが、その場所が飛び地で、本拠のツールよりも広いってのが問題なんだよ。しかも、王宮にはまだ話してない内にこんなことになったので、勝手するなと怒られそうだし。如何したものか。皆に相談なんだが?」
「あら、そんな事なら大丈夫と思いますわよ。明日、早速王宮へ報告に行けば、多分認められると思いますわよ。」
「ソニア、それ本当かい?」
「ええ、無断で実行は色々不味いでしょうが、事前に報告しておけば、イーストンの西部を領地として、認めて下さると思いますわよ。だってまだ頂いていない勲功が色々ありますからね。その分として認めて貰える筈ですわよ。」
「そうですわよ。コーチは王国の為に、今まで数えきれない功績を挙げているのですから、その位のこと認めて下さいますわよ。」
セイラまでが、そんなことを言い出す。
「分かった、事後報告ではなく、明日昼過ぎに報告に上がろう。その結果で考えよう。」
取り敢えず、明日王宮へ報告に伺い、その結果で今後をどう行動するか、考えることにした。
「よし、書状の件は取り敢えず置いておくとして、明後日の朝にはヒラドの攻略を始めるぞ。レナード、そこで騎士団の出陣を命じる。まず、敵の戦力の要である、駐留軍を崩壊させる。やり方としては、一万の駐留軍のうち、七千人以上が奴隷兵との報告を受けている。そこでだ、その奴隷兵を隷属魔法から解き放つ。その上で、こちら側に寝返りさせる。ムラマサ達にそいつらを取り纏めさせて、残りの生粋の帝国兵は魔法で動けなくさせる。騎士団の皆には動けなくなった帝国兵の捕縛と魔法に抵抗して、まだ動ける者の対処をお願いする。良いね?」
「承知しました。」
「あと、食糧を確保したいので、輸送船や食糧庫の早期の確保もしたい。兵站を確保しないと、軍を維持できないからね。これらの捜索も頼むよ。」
「承知しました。」
「領事や駐留軍の首脳部は逃がさない様に注意してくれよ。」
「勿論です。」
「駐留軍を潰して、領事達首脳陣を確保したら、魔法で街の民衆に事情を説明して、ヒラドは帝国から独立したことを宣言する。以後、我らの手助けをしてくれる者を呼び掛けて、新たに行政府を作り直す。他の都市は、まずヒラドが治まってから、攻めることにする。一度に解放しても正直そのあとが手が回らないのが実情だからね。確実にここは行くよ。」
「成る程。了解です。」
一旦言葉をきって、解っているか、レナードの顔を見るが、大丈夫の様だ。
「続けるよ。ヒラド解放後は、現地の民の力も借りて、街の統治機関を整備する。汚職役人はこの段階で全て淘汰する。まあ、捕まえて公開裁判だな。当人達は全て死んで貰うがね。」
「・・・・。」
「あのう、少し厳しいのではないでしょうか?」
シーラが、優しいことを言い出す。
だが、私はその意見を突っぱねる。
「悪いが見せしめだからね。厳しいのは当たり前さ。それでなければ、効果は無いからね。それに私はね、元々役人や権力者の犯罪が一番嫌いなんだよ。権力に近い者が、権力を傘にきて汚職を行うなんて言語道断だ。仕事が出来るとか以前の問題だよ。役人なんて者達は、自分で何らかの生産活動をしている訳ではない。言ってみれば、街の人の税金で食わせて貰っている身なんだから、街の為に仕事をするのが当然で、汚職をするなんて有ってはならない事だ。そうじゃないかい?」
「はい、そうですが・・・。」
歯切れ悪く返事するシーラ。
「・・・まあ、犯した罪の内容では、死罪でなくて他の刑罰にしても良いけど。ある意味、こっちの方が厳しいかもしれないがね。フフフ。」
『・・・・。』
一同、静まり返る。気分を改めて話を続ける。
「ごほん。そして、統治機関の整備と同じく軍の整備も進める。当座の目標は兵数一万だ。一度には募集はしない。段階的に増やしていくつもりだ。ここまで整備できたら、他の街の攻略に手をつける。攻略自体は隷属魔法の解除以外は軍の指揮官に任せる。その時はサウスラーニの解放に手を出しているから、イーストンの後の事は任せることにする。取り敢えず、こんな所だ。質問はあるかい?」
「帝国からの援軍に対しては、どの様に?」
「その事だが、何万出してくるかは分からないが、イーストンに来るためには海を渡らないといけないわけだ。なので、船ごと海に沈んでもらうよ。どんなに兵数がいたとしても、船が無くてはイーストンには来られないからね。」
「成る程。判りました。」
レナードは何度も頷いて、納得している。
「まあ、大まかな所はこんな感じだ。駐留軍をいかに手際よく無力化するかが要だな。決行は朝の八時だ。七時半にはイーストンへ騎士団は移動して置くように。駐留軍が散り散りになる前に一気にいく。頼んだぞレナード。」
「はっ!お任せください、閣下。」
いよいよイーストン開放の下準備は整った。味方への根回しは済んだ。あとは王宮へ事情と段取りを説明して、理解頂かないといけないわけだ。あー頭痛いぜ!
「さて、話を戻すがスメラギ家に会いに行き、戦いの大義となる書状を書いて貰った訳だが、それがこれだ。」
そう言って、インベントリィからスメラギ家に書いて貰った書状を出して皆に見せる。
「・・・・閣下これはもしかして・・・。」
レナードが文章を読んでから呟くが最後まで言わずに黙る。同じように、書状を見たソニアはハッキリと言葉にだす。
「あら、これって読みようでは、ショウ様を新しい統治者と認めたとも読めますわね。」
「やっぱ、そう思う?それで、困ったことが起きてきたわけだ。」
「コーチ、何が起きたのでしょう?」
「イーストンの民の気風らしいのだが、押し付けられた統治者を認めないってのがあるそうで、帝国に対してはそのお陰で反感を持ち続ける事になって、ある意味こちらとしては都合は良いが、イーストン西部の民は自分達の統治者は力が有るもので、実力によって西部を切り取った本人でなければ納得しないぞという風習らしい。そうなると、どうしても私が統治者とならざるを得ない状況になるらしい。まぁ、領地が増えるのはまだ良いが、その場所が飛び地で、本拠のツールよりも広いってのが問題なんだよ。しかも、王宮にはまだ話してない内にこんなことになったので、勝手するなと怒られそうだし。如何したものか。皆に相談なんだが?」
「あら、そんな事なら大丈夫と思いますわよ。明日、早速王宮へ報告に行けば、多分認められると思いますわよ。」
「ソニア、それ本当かい?」
「ええ、無断で実行は色々不味いでしょうが、事前に報告しておけば、イーストンの西部を領地として、認めて下さると思いますわよ。だってまだ頂いていない勲功が色々ありますからね。その分として認めて貰える筈ですわよ。」
「そうですわよ。コーチは王国の為に、今まで数えきれない功績を挙げているのですから、その位のこと認めて下さいますわよ。」
セイラまでが、そんなことを言い出す。
「分かった、事後報告ではなく、明日昼過ぎに報告に上がろう。その結果で考えよう。」
取り敢えず、明日王宮へ報告に伺い、その結果で今後をどう行動するか、考えることにした。
「よし、書状の件は取り敢えず置いておくとして、明後日の朝にはヒラドの攻略を始めるぞ。レナード、そこで騎士団の出陣を命じる。まず、敵の戦力の要である、駐留軍を崩壊させる。やり方としては、一万の駐留軍のうち、七千人以上が奴隷兵との報告を受けている。そこでだ、その奴隷兵を隷属魔法から解き放つ。その上で、こちら側に寝返りさせる。ムラマサ達にそいつらを取り纏めさせて、残りの生粋の帝国兵は魔法で動けなくさせる。騎士団の皆には動けなくなった帝国兵の捕縛と魔法に抵抗して、まだ動ける者の対処をお願いする。良いね?」
「承知しました。」
「あと、食糧を確保したいので、輸送船や食糧庫の早期の確保もしたい。兵站を確保しないと、軍を維持できないからね。これらの捜索も頼むよ。」
「承知しました。」
「領事や駐留軍の首脳部は逃がさない様に注意してくれよ。」
「勿論です。」
「駐留軍を潰して、領事達首脳陣を確保したら、魔法で街の民衆に事情を説明して、ヒラドは帝国から独立したことを宣言する。以後、我らの手助けをしてくれる者を呼び掛けて、新たに行政府を作り直す。他の都市は、まずヒラドが治まってから、攻めることにする。一度に解放しても正直そのあとが手が回らないのが実情だからね。確実にここは行くよ。」
「成る程。了解です。」
一旦言葉をきって、解っているか、レナードの顔を見るが、大丈夫の様だ。
「続けるよ。ヒラド解放後は、現地の民の力も借りて、街の統治機関を整備する。汚職役人はこの段階で全て淘汰する。まあ、捕まえて公開裁判だな。当人達は全て死んで貰うがね。」
「・・・・。」
「あのう、少し厳しいのではないでしょうか?」
シーラが、優しいことを言い出す。
だが、私はその意見を突っぱねる。
「悪いが見せしめだからね。厳しいのは当たり前さ。それでなければ、効果は無いからね。それに私はね、元々役人や権力者の犯罪が一番嫌いなんだよ。権力に近い者が、権力を傘にきて汚職を行うなんて言語道断だ。仕事が出来るとか以前の問題だよ。役人なんて者達は、自分で何らかの生産活動をしている訳ではない。言ってみれば、街の人の税金で食わせて貰っている身なんだから、街の為に仕事をするのが当然で、汚職をするなんて有ってはならない事だ。そうじゃないかい?」
「はい、そうですが・・・。」
歯切れ悪く返事するシーラ。
「・・・まあ、犯した罪の内容では、死罪でなくて他の刑罰にしても良いけど。ある意味、こっちの方が厳しいかもしれないがね。フフフ。」
『・・・・。』
一同、静まり返る。気分を改めて話を続ける。
「ごほん。そして、統治機関の整備と同じく軍の整備も進める。当座の目標は兵数一万だ。一度には募集はしない。段階的に増やしていくつもりだ。ここまで整備できたら、他の街の攻略に手をつける。攻略自体は隷属魔法の解除以外は軍の指揮官に任せる。その時はサウスラーニの解放に手を出しているから、イーストンの後の事は任せることにする。取り敢えず、こんな所だ。質問はあるかい?」
「帝国からの援軍に対しては、どの様に?」
「その事だが、何万出してくるかは分からないが、イーストンに来るためには海を渡らないといけないわけだ。なので、船ごと海に沈んでもらうよ。どんなに兵数がいたとしても、船が無くてはイーストンには来られないからね。」
「成る程。判りました。」
レナードは何度も頷いて、納得している。
「まあ、大まかな所はこんな感じだ。駐留軍をいかに手際よく無力化するかが要だな。決行は朝の八時だ。七時半にはイーストンへ騎士団は移動して置くように。駐留軍が散り散りになる前に一気にいく。頼んだぞレナード。」
「はっ!お任せください、閣下。」
いよいよイーストン開放の下準備は整った。味方への根回しは済んだ。あとは王宮へ事情と段取りを説明して、理解頂かないといけないわけだ。あー頭痛いぜ!
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