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第十四章 イーストン解放編
第262話 さっさと約束を果たそうか。
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収穫祭の翌日、 再びイーストンのヒラドに戻り、当初の予定通りにサウスラーニに渡って、帝国内に囚われている将軍家の末っ子を解放する為の作戦に移る。
ヒラドにはイーストンの三人組とサウスラーニの二人、最後にレナードに付いてきて貰った。本当は一人で動こうかと思っていたが、一人はダメと許嫁ズに言われて、レナードが着いてくることになった。
(チッ。私はAランク冒険者なんだがなぁ。)
『転送の鏡』を通り抜けた後、鏡をインベントリィにしまいこむ。
「さて、キャプテンに会いに行きますかね。イチモンジ殿、人質の解放に向かいますから、一緒に来てください。他の二人はヒラド以外の土地の情報を集めておいてくれるかな?特に反乱勢力のリーダー達についてや、兵力や指揮官の能力性格についてね、それによって今後の行動が決まって来るから頼みますよ。あとオサフネ殿、人質を助けたあとは、次の行動は君の家族の救出になるから、今の内から移動できるように準備もしておくように。頼んみますね。」
「承知です。」
「じゃあ行こうか。」
三人を引き連れて、商会のある母屋に移動する。
「閣下、お待ちしていましたよ。早速、出港したいので、早く船に乗船して下さい。」
「済まないね。遅れたか?早速乗船するよ。」
キャプテンに急かされて港に移動して、イーストンに来るときに乗った船に再び乗船する。
「閣下、イーストンに来た時とは、随分と人数が減ったようですね。」
「まあ、これからは帝国本国に潜入工作するからね。いろんな意味で目立つ人には遠慮して貰ったよ。」
「成る程。そうでしたか。」
「それでキャプテン。いつ頃サウスラーニの港に着くのかな?」
「今からですと、午後の三時頃にシャングー港に到着かと。」
「うん、分かったよ。その間は任せるから、何か事件があったら、呼んでくれるかな?」
「はい、承知しました、閣下。」
船倉の自分の部屋に戻り、ハンモックに横になりながら、周辺のマップを表示する。
「〈マップ表示・オン〉。」
神様からの強化によって、表示エリアが広くなった為に、まだイーストンの港だが、マップの縮尺を最小にすると、東大陸の端がマップの西端に表示されている。サウスラーニの港は表示されている場所からもう少し西のようだ。
「〈サーチ・クロイセン帝国海軍〉。」
(ほほう、ここが帝国の海軍基地か。さて、どうするかな?今、〈メテオ〉を一発落として損害を与えるのも手だか、魔法のせいで津波が来たら船に損害が発生する可能性があるし。使うならもっとサウスラーニに近付いてから、魔法を使うべきかな。)
マップを見て、あれこれ考えていると、船が動き出すのを感じる。
サウスラーニでの行動の打ち合わせをするために、メーガンの船室に向かう。
「ちょっと失礼するよ。」
「これは閣下、如何されましたか?」
「ちょっとサウスラーニの事を聞きたくてね。シャングーって街、どんな所なのかな?」
「シャングーですか?彼処は、王都に次いで二番目に大きな港町ですね。サウスラーニ主要五都市の内の一番東に位置する街ですね。」
「そうすると、帝国の帝都クロイツェルまでどの位の距離があるのかな?」
「そうですね。シャングーから馬だと、四、五日程ですかね。」
「帝都に向かうまでに、気を付ける場所は?」
「彼処からだと、旧国境にアシュラミ砦いう関所が有ります。そこを抜ければ次は帝都の城門までは問題ないはずです。ただ、アシュラミ砦では人の出入りは厳しくチェックしているので、何かしらの通る抜ける手だてがないと・・・。」
「ああ、それは何とかするよ。」
「それに、足の馬ですが、馬は帝国軍に全て優先的に徴発されてしまっており、多分借りられないと思いますよ。」
「何?そうか。それは何とかしないとな。他に注意点は?」
「街道沿いは、盗賊が多いですね。もとサウスラーニ兵士や農民崩れや冒険者崩れが盗賊団を組んで、旅人を襲っているそうです。」
「帝国の衛兵や騎士団は盗賊達を何故取り締まらないの?」
「取り締まるなんて。アイツらはもっと悪どい奴らですよ。盗賊のふりして、商人を襲ったりしていますからね。ある意味盗賊よりも質の悪い奴らですよ。」
「なにぃ?!守るべき衛兵や騎士団が盗賊を捕まえるのではなく、率先して盗賊行為をしているのか。許せんな、そいつらは。」
「はい、なので街道で帝国兵と出会ったら注意して下さい。」
「わかった。ありがとう。」
その後は、メーガンと次に会う場所の相談をして、自分の船室に戻り、昼に非常食を食べると、一寝入りする。
「閣下、起きてください。目的地に着きましたよ。」
レナードに起こされて、目覚める。大陸の南に来たせいか、船室にいても蒸し暑さを感じる。船室から出て、レナードとイチモンジを連れて甲板に出る。甲板で渋い顔で入港手続きをしているキャプテンを見つけると、手続きが終わった頃に近付いて話しかける。
「渋い顔でどうした?」
「ここの港も入港料が値上げしてましてね。この調子で値上げされると商売上がったりですよ。閣下、何とかしてくださいよ。」
「まあ、一年以内には動きがあるよ。」
「そうですか?まあ、ウチが潰れる前までには頼みますよ?」
「任せておけ。」
そんな会話をしている内に、接岸が終了して、渡し板が掛けられる。
レナードとイチモンジを連れて船から降り、早速街から出るために北口の城門に向かった。男三人組の為か、冒険者カードを見せることで、スンナリと街から出る事が出来だ。
城門を抜けると、門から少し離れた場所で一旦止まる。
「レナードとイチモンジ殿はここで待っていてくれるか?馬を連れてくるから。」
「馬ですと?何処から借りてくるのですか?」
「ああ、家の馬を連れてくるんだよ。まあ、ちょっと待っていてくれるかな。レナード、あとの説明宜しくな。」
周りの風景や念の為にマップで位置を確認してから、移動をする。
「〈リターン〉。」
目の前の景色が歪み次には執務室の中に変わっている。
執務机の呼び鈴を鳴らす。
暫く待つとサウルが入ってきた。
「お帰りなさいませ、旦那様。何かご用でしょうか?」
「馬を三頭用意してくれるか?」
「は?三頭でございますか?」
「うむ。次の目的地までの足が必要でな。」
「成る程。承知しました。ご用意出来たらお呼び致しますね。」
そう言って、部屋を出ていった。そして、十分程で部屋に戻ってくると、馬の用意が出来たというので、早速玄関口に移動する。
立派な軍馬三頭を引き連れた馬番が待っている所に寄っていく。
「ご苦労様。有難うね。」
そう、伝えて馬の手綱を握り、馬と共に〈テレポート〉をする。
「閣下、お待ちしていました。」
「伯爵様、一体どうやって馬を??」
「あれ?レナードからまだ聴いてないの?」
「いえ、待っていれば分かると言われて。」
「そう、まあ良い。私は時空間属性の〈テレポート〉という魔法が使えてね。一度行った場所には自由に移動できるのだよ。」
「なんと、伝説の転移魔法をですか。それで納得しました。『若』を助け出したあと、どうやって逃げるのか、不思議でしたが納得です。」
「当然だけど、口外しないでね?分かったね?」
「勿論承知です。恩人に恩を仇で返す様なことはしません。剣に懸けて誓います。」
「うん、よろしく。じゃあ、早速出発しようか。」
各自馬に乗り、北に向かって伸びる街道を帝都のクロイツェルに向かって馬を走らせ始める。
ヒラドにはイーストンの三人組とサウスラーニの二人、最後にレナードに付いてきて貰った。本当は一人で動こうかと思っていたが、一人はダメと許嫁ズに言われて、レナードが着いてくることになった。
(チッ。私はAランク冒険者なんだがなぁ。)
『転送の鏡』を通り抜けた後、鏡をインベントリィにしまいこむ。
「さて、キャプテンに会いに行きますかね。イチモンジ殿、人質の解放に向かいますから、一緒に来てください。他の二人はヒラド以外の土地の情報を集めておいてくれるかな?特に反乱勢力のリーダー達についてや、兵力や指揮官の能力性格についてね、それによって今後の行動が決まって来るから頼みますよ。あとオサフネ殿、人質を助けたあとは、次の行動は君の家族の救出になるから、今の内から移動できるように準備もしておくように。頼んみますね。」
「承知です。」
「じゃあ行こうか。」
三人を引き連れて、商会のある母屋に移動する。
「閣下、お待ちしていましたよ。早速、出港したいので、早く船に乗船して下さい。」
「済まないね。遅れたか?早速乗船するよ。」
キャプテンに急かされて港に移動して、イーストンに来るときに乗った船に再び乗船する。
「閣下、イーストンに来た時とは、随分と人数が減ったようですね。」
「まあ、これからは帝国本国に潜入工作するからね。いろんな意味で目立つ人には遠慮して貰ったよ。」
「成る程。そうでしたか。」
「それでキャプテン。いつ頃サウスラーニの港に着くのかな?」
「今からですと、午後の三時頃にシャングー港に到着かと。」
「うん、分かったよ。その間は任せるから、何か事件があったら、呼んでくれるかな?」
「はい、承知しました、閣下。」
船倉の自分の部屋に戻り、ハンモックに横になりながら、周辺のマップを表示する。
「〈マップ表示・オン〉。」
神様からの強化によって、表示エリアが広くなった為に、まだイーストンの港だが、マップの縮尺を最小にすると、東大陸の端がマップの西端に表示されている。サウスラーニの港は表示されている場所からもう少し西のようだ。
「〈サーチ・クロイセン帝国海軍〉。」
(ほほう、ここが帝国の海軍基地か。さて、どうするかな?今、〈メテオ〉を一発落として損害を与えるのも手だか、魔法のせいで津波が来たら船に損害が発生する可能性があるし。使うならもっとサウスラーニに近付いてから、魔法を使うべきかな。)
マップを見て、あれこれ考えていると、船が動き出すのを感じる。
サウスラーニでの行動の打ち合わせをするために、メーガンの船室に向かう。
「ちょっと失礼するよ。」
「これは閣下、如何されましたか?」
「ちょっとサウスラーニの事を聞きたくてね。シャングーって街、どんな所なのかな?」
「シャングーですか?彼処は、王都に次いで二番目に大きな港町ですね。サウスラーニ主要五都市の内の一番東に位置する街ですね。」
「そうすると、帝国の帝都クロイツェルまでどの位の距離があるのかな?」
「そうですね。シャングーから馬だと、四、五日程ですかね。」
「帝都に向かうまでに、気を付ける場所は?」
「彼処からだと、旧国境にアシュラミ砦いう関所が有ります。そこを抜ければ次は帝都の城門までは問題ないはずです。ただ、アシュラミ砦では人の出入りは厳しくチェックしているので、何かしらの通る抜ける手だてがないと・・・。」
「ああ、それは何とかするよ。」
「それに、足の馬ですが、馬は帝国軍に全て優先的に徴発されてしまっており、多分借りられないと思いますよ。」
「何?そうか。それは何とかしないとな。他に注意点は?」
「街道沿いは、盗賊が多いですね。もとサウスラーニ兵士や農民崩れや冒険者崩れが盗賊団を組んで、旅人を襲っているそうです。」
「帝国の衛兵や騎士団は盗賊達を何故取り締まらないの?」
「取り締まるなんて。アイツらはもっと悪どい奴らですよ。盗賊のふりして、商人を襲ったりしていますからね。ある意味盗賊よりも質の悪い奴らですよ。」
「なにぃ?!守るべき衛兵や騎士団が盗賊を捕まえるのではなく、率先して盗賊行為をしているのか。許せんな、そいつらは。」
「はい、なので街道で帝国兵と出会ったら注意して下さい。」
「わかった。ありがとう。」
その後は、メーガンと次に会う場所の相談をして、自分の船室に戻り、昼に非常食を食べると、一寝入りする。
「閣下、起きてください。目的地に着きましたよ。」
レナードに起こされて、目覚める。大陸の南に来たせいか、船室にいても蒸し暑さを感じる。船室から出て、レナードとイチモンジを連れて甲板に出る。甲板で渋い顔で入港手続きをしているキャプテンを見つけると、手続きが終わった頃に近付いて話しかける。
「渋い顔でどうした?」
「ここの港も入港料が値上げしてましてね。この調子で値上げされると商売上がったりですよ。閣下、何とかしてくださいよ。」
「まあ、一年以内には動きがあるよ。」
「そうですか?まあ、ウチが潰れる前までには頼みますよ?」
「任せておけ。」
そんな会話をしている内に、接岸が終了して、渡し板が掛けられる。
レナードとイチモンジを連れて船から降り、早速街から出るために北口の城門に向かった。男三人組の為か、冒険者カードを見せることで、スンナリと街から出る事が出来だ。
城門を抜けると、門から少し離れた場所で一旦止まる。
「レナードとイチモンジ殿はここで待っていてくれるか?馬を連れてくるから。」
「馬ですと?何処から借りてくるのですか?」
「ああ、家の馬を連れてくるんだよ。まあ、ちょっと待っていてくれるかな。レナード、あとの説明宜しくな。」
周りの風景や念の為にマップで位置を確認してから、移動をする。
「〈リターン〉。」
目の前の景色が歪み次には執務室の中に変わっている。
執務机の呼び鈴を鳴らす。
暫く待つとサウルが入ってきた。
「お帰りなさいませ、旦那様。何かご用でしょうか?」
「馬を三頭用意してくれるか?」
「は?三頭でございますか?」
「うむ。次の目的地までの足が必要でな。」
「成る程。承知しました。ご用意出来たらお呼び致しますね。」
そう言って、部屋を出ていった。そして、十分程で部屋に戻ってくると、馬の用意が出来たというので、早速玄関口に移動する。
立派な軍馬三頭を引き連れた馬番が待っている所に寄っていく。
「ご苦労様。有難うね。」
そう、伝えて馬の手綱を握り、馬と共に〈テレポート〉をする。
「閣下、お待ちしていました。」
「伯爵様、一体どうやって馬を??」
「あれ?レナードからまだ聴いてないの?」
「いえ、待っていれば分かると言われて。」
「そう、まあ良い。私は時空間属性の〈テレポート〉という魔法が使えてね。一度行った場所には自由に移動できるのだよ。」
「なんと、伝説の転移魔法をですか。それで納得しました。『若』を助け出したあと、どうやって逃げるのか、不思議でしたが納得です。」
「当然だけど、口外しないでね?分かったね?」
「勿論承知です。恩人に恩を仇で返す様なことはしません。剣に懸けて誓います。」
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