288 / 572
第十三章 何でも準備中が一番楽しいのさ。
第228話 油断と後悔は事が起きてから解ること。
しおりを挟む
レナードとサウルとの相談は十一時頃までかかった。その後は引き続き書類の決済を済ませた。結論からいうと、農園以外は黒字、これは五年の免税措置で無かったとしても、黒字となる内容だった。皆かなり頑張ってくれている。問題ないのでサインして既決の箱へ入れる。
一段落した所で、サウルが昼食だと知らせに来る。
さて、飯に行くか。お昼のご飯は何だろな。
「あ待たせしたね。早速始めてくれ。」
私のかけ声で、給仕が始まる。お昼のメインは海鮮トッピングのナポリタンだ。グリルしたエビやホタテ貝柱みたいな貝の焼いたものが乗っている。
「にゃー!ナポリタンにゃ! 」
ナポリタンが大好きなアルメイダが大喜びしている。彼女の尻尾が立ち上がりゆーらゆらと、左右に大きく揺れている。
「「いただきます(にゃ)。」」
アルメイダは早速フォークにパスタをクルクル巻き付け、あーんと大きな口を開けて食べ様としたが、相変わらず加減ができないのか、巻き付けたパスタの玉が大きすぎて、口には入らず、慌てて巻き直してから口に入れる。
アイリスは相変わらず要領よく食べているが、目尻が下がっているから、喜んでいるようだ。
そして、以外とサウルも静かだが、目元が綻んでいる。口に合って良かった。
ソニアとシーラはパスタに慣れたようで、クルクルとフォークに巻き付けてお上品に食べている。一方で、レナードとセイラは体育会系のノリで豪快にお代わりしている。
私が新しく考案した料理は今の所、全て受け入れられているようで、良かったよ。料理長の腕も上がったようだし、これで米料理を出しても大丈夫そうだ。
十二の月には、農園に植えた大豆が収穫出来るから、そこから醤油と味噌の作成にトライしよう。待っていろよ白飯と豆腐の味噌汁。
我が野望の成就まであと少しだ。
そんな事を考えていたら、いつの間にか食べ終わっていた。
「「いただきました(にゃ)。」」
合掌して『ご馳走さま』をする。
「サウル、ちょっと出掛けるから馬車の用意をしてくれるかい?」
「旦那様、どちらへお出かけでしょうか?」
「うん、『パーシモン商会』に用があってね。その後に教会にお祈りにいきたいしね。」
「分かりました。早速ご用意しますので、お部屋の方で外出の支度をしてお待ち下さい。」
私とサウルの会話を聞いて、目を光らせた者達がいた。
「あら、ショウ様お出掛けですの?」
ソニアが目を光らせ聞いてくる。
「えっ、あ、うん。イーストンに行く相談をしにね。」
「イーストンとは、どこですの?」
「ああ、この東大陸の南端の東沖合いにある島国さ。今は帝国の属領になっているよ。」
「まぁ、帝国の属領へですか?」
「コーチ、そのお話わたくしは聞いておりませんよ?」
「ショウ様、どういうことですか?」
許嫁三人娘が一斉に食いついてきた。
「・・・事情は説明するが、先に言う。イーストンへは連れては行く気はないからね。」
「何故ですのショウ様?」
ソニアが譲らず理由をきいてくる。
「ふぅ。三人共に良く聞きなさい。イーストンへは、外交いや、潜入工作の為にいくのだ。身分を隠し現地の有力者を探し、説得援助して反乱を起こさせる。私が帝国の駐留軍を始末し、おくられてくるだろう中央からの増援を始末する。そして、帝国から独立させるのだ。イーストンの次はサウスラーニで同じことをする。そうすることで、帝国内の戦力を減らし、ウェザリアへ再侵攻の軍を向かわせない様に工作をするのが狙いだ。さて、その工作員に綺麗どころの娘さんをいっしょに連れているとしたなら、さぞかし目立つだろうな?工作員が目立ってどうするの?それが元で裏工作に失敗したら元もこうも無いでしょう?だから、連れていかないのさ。分かったかい?」
「コーチ、わたくし達にお手伝いできることはありませんの?」
「悪いが今回はないな。帝国に私の身元がバレるのは、面倒なんだよ。本当なら一人で行きたい位なんだがね。今回は初めの内は私とイーストンから来ているあの三名と私の護衛として騎士団から人種族の男の騎士を三名つれていくだけだ。いざ反乱軍が立ち上がったときに、援軍として何人か呼ぶ予定だ。だが、うちの騎士団が直接戦う予定はない。今回は戦闘よりも、見つからないように裏工作で動くのが仕事だ。悪いがいずれも君達には向かない仕事だ。分かったかい?」
「それでは、仕方ありませんね。私達もショウ様の足を引っ張りたくないですから、我が儘は言いませんわ。」
「でも、そうしたら暫くはお会い出来ませんのよね?」
「そうだね、イーストンに着くまでは留守になるね。」
「でしたら、この後のお出掛けにわたくし達もお連れになって下さいまし。先日はアイリスとアルメイダをお連れになったのですから。今日はわたくし達を連れて行って下さいまし。」
「う、・・・分かりました。直ぐに出るので外出の用意をしてください。ついでだ、アイリスとアルメイダも出掛けるから、外出の用意をしなさい。」
「「「はい、承知しました。」」」
「わかったにゃ。」
「貴方も押しに弱いわね、ショウさん?」
「うぅー、ほっといて!」
アイリスの茶々入れと許嫁三人の強烈な押しに負けた形で全員でのお出かけとなった。
(くそー、油断したぜ。しかし服屋には絶対寄らないからな!でも、どこまで反対できるかな?絶対後悔するな今日は。)
既に後悔している自分だった。
一段落した所で、サウルが昼食だと知らせに来る。
さて、飯に行くか。お昼のご飯は何だろな。
「あ待たせしたね。早速始めてくれ。」
私のかけ声で、給仕が始まる。お昼のメインは海鮮トッピングのナポリタンだ。グリルしたエビやホタテ貝柱みたいな貝の焼いたものが乗っている。
「にゃー!ナポリタンにゃ! 」
ナポリタンが大好きなアルメイダが大喜びしている。彼女の尻尾が立ち上がりゆーらゆらと、左右に大きく揺れている。
「「いただきます(にゃ)。」」
アルメイダは早速フォークにパスタをクルクル巻き付け、あーんと大きな口を開けて食べ様としたが、相変わらず加減ができないのか、巻き付けたパスタの玉が大きすぎて、口には入らず、慌てて巻き直してから口に入れる。
アイリスは相変わらず要領よく食べているが、目尻が下がっているから、喜んでいるようだ。
そして、以外とサウルも静かだが、目元が綻んでいる。口に合って良かった。
ソニアとシーラはパスタに慣れたようで、クルクルとフォークに巻き付けてお上品に食べている。一方で、レナードとセイラは体育会系のノリで豪快にお代わりしている。
私が新しく考案した料理は今の所、全て受け入れられているようで、良かったよ。料理長の腕も上がったようだし、これで米料理を出しても大丈夫そうだ。
十二の月には、農園に植えた大豆が収穫出来るから、そこから醤油と味噌の作成にトライしよう。待っていろよ白飯と豆腐の味噌汁。
我が野望の成就まであと少しだ。
そんな事を考えていたら、いつの間にか食べ終わっていた。
「「いただきました(にゃ)。」」
合掌して『ご馳走さま』をする。
「サウル、ちょっと出掛けるから馬車の用意をしてくれるかい?」
「旦那様、どちらへお出かけでしょうか?」
「うん、『パーシモン商会』に用があってね。その後に教会にお祈りにいきたいしね。」
「分かりました。早速ご用意しますので、お部屋の方で外出の支度をしてお待ち下さい。」
私とサウルの会話を聞いて、目を光らせた者達がいた。
「あら、ショウ様お出掛けですの?」
ソニアが目を光らせ聞いてくる。
「えっ、あ、うん。イーストンに行く相談をしにね。」
「イーストンとは、どこですの?」
「ああ、この東大陸の南端の東沖合いにある島国さ。今は帝国の属領になっているよ。」
「まぁ、帝国の属領へですか?」
「コーチ、そのお話わたくしは聞いておりませんよ?」
「ショウ様、どういうことですか?」
許嫁三人娘が一斉に食いついてきた。
「・・・事情は説明するが、先に言う。イーストンへは連れては行く気はないからね。」
「何故ですのショウ様?」
ソニアが譲らず理由をきいてくる。
「ふぅ。三人共に良く聞きなさい。イーストンへは、外交いや、潜入工作の為にいくのだ。身分を隠し現地の有力者を探し、説得援助して反乱を起こさせる。私が帝国の駐留軍を始末し、おくられてくるだろう中央からの増援を始末する。そして、帝国から独立させるのだ。イーストンの次はサウスラーニで同じことをする。そうすることで、帝国内の戦力を減らし、ウェザリアへ再侵攻の軍を向かわせない様に工作をするのが狙いだ。さて、その工作員に綺麗どころの娘さんをいっしょに連れているとしたなら、さぞかし目立つだろうな?工作員が目立ってどうするの?それが元で裏工作に失敗したら元もこうも無いでしょう?だから、連れていかないのさ。分かったかい?」
「コーチ、わたくし達にお手伝いできることはありませんの?」
「悪いが今回はないな。帝国に私の身元がバレるのは、面倒なんだよ。本当なら一人で行きたい位なんだがね。今回は初めの内は私とイーストンから来ているあの三名と私の護衛として騎士団から人種族の男の騎士を三名つれていくだけだ。いざ反乱軍が立ち上がったときに、援軍として何人か呼ぶ予定だ。だが、うちの騎士団が直接戦う予定はない。今回は戦闘よりも、見つからないように裏工作で動くのが仕事だ。悪いがいずれも君達には向かない仕事だ。分かったかい?」
「それでは、仕方ありませんね。私達もショウ様の足を引っ張りたくないですから、我が儘は言いませんわ。」
「でも、そうしたら暫くはお会い出来ませんのよね?」
「そうだね、イーストンに着くまでは留守になるね。」
「でしたら、この後のお出掛けにわたくし達もお連れになって下さいまし。先日はアイリスとアルメイダをお連れになったのですから。今日はわたくし達を連れて行って下さいまし。」
「う、・・・分かりました。直ぐに出るので外出の用意をしてください。ついでだ、アイリスとアルメイダも出掛けるから、外出の用意をしなさい。」
「「「はい、承知しました。」」」
「わかったにゃ。」
「貴方も押しに弱いわね、ショウさん?」
「うぅー、ほっといて!」
アイリスの茶々入れと許嫁三人の強烈な押しに負けた形で全員でのお出かけとなった。
(くそー、油断したぜ。しかし服屋には絶対寄らないからな!でも、どこまで反対できるかな?絶対後悔するな今日は。)
既に後悔している自分だった。
10
お気に入りに追加
3,637
あなたにおすすめの小説
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる
シンギョウ ガク
ファンタジー
※2019年7月下旬に第二巻発売しました。
※12/11書籍化のため『Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。』から『おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる』に改題を実施しました。
※第十一回アルファポリスファンタジー大賞において優秀賞を頂きました。
俺の名はグレイズ。
鳶色の眼と茶色い髪、ちょっとした無精ひげがワイルドさを醸し出す、四十路の(自称ワイルド系イケオジ)おっさん。
ジョブは商人だ。
そう、戦闘スキルを全く習得しない商人なんだ。おかげで戦えない俺はパーティーの雑用係。
だが、ステータスはMAX。これは呪いのせいだが、仲間には黙っていた。
そんな俺がメンバーと探索から戻ると、リーダーのムエルから『パーティー追放』を言い渡された。
理由は『巷で流行している』かららしい。
そんなこと言いつつ、次のメンバー候補が可愛い魔術士の子だって知ってるんだぜ。
まぁ、言い争っても仕方ないので、装備品全部返して、パーティーを脱退し、次の仲間を探して暇していた。
まぁ、ステータスMAXの力を以ってすれば、Sランク冒険者は余裕だが、あくまで俺は『商人』なんだ。前衛に立って戦うなんて野蛮なことはしたくない。
表向き戦力にならない『商人』の俺を受け入れてくれるメンバーを探していたが、火力重視の冒険者たちからは相手にされない。
そんな、ある日、冒険者ギルドでは流行している、『パーティー追放』の餌食になった問題児二人とひょんなことからパーティーを組むことになった。
一人は『武闘家』ファーマ。もう一人は『精霊術士』カーラ。ともになぜか上級職から始まっていて、成長できず仲間から追放された女冒険者だ。
俺はそんな追放された二人とともに冒険者パーティー『追放者《アウトキャスト》』を結成する。
その後、前のパーティーとのひと悶着があって、『魔術師』アウリースも参加することとなった。
本当は彼女らが成長し、他のパーティーに入れるまでの暫定パーティーのつもりだったが、俺の指導でメキメキと実力を伸ばしていき、いつの間にか『追放者《アウトキャスト》』が最強のハーレムパーティーと言われるSSランクを得るまでの話。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
【完結】転移魔王の、人間国崩壊プラン! 魔王召喚されて現れた大正生まれ104歳のババアの、堕落した冒険者を作るダンジョンに抜かりがない!
udonlevel2
ファンタジー
勇者に魔王様を殺され劣勢の魔族軍!ついに魔王召喚をするが現れたのは100歳を超えるババア!?
若返りスキルを使いサイドカー乗り回し、キャンピングカーを乗り回し!
経験値欲しさに冒険者を襲う!!
「殺られる前に殺りな!」「勇者の金を奪うんだよ!」と作り出される町は正に理想郷!?
戦争を生き抜いてきた魔王ババア……今正に絶頂期を迎える!
他サイトにも掲載中です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる