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第 七章 ツール移動準備とやはりあったお約束。
第114話 苦労には報いがあってもいいよね?
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「さてと、敵のリーダーはどいつかな?〈サーチ・襲撃者のリーダー〉。ほぅ、こいつか。リーダーにはマーカーを付けてと。次は〈マルチロック〉・・・・あー面倒だ。まあ、帝国相手の時よりは少ないか。よし、三十人残してあとはロックしたな。」
その間も馬車は山道を登っていく。さてさて、ツールの町に行くのも大変だぁーね。
あとわずかで、頂上に差し掛かるという時に、マップに動きがあった。赤い光点が車列を囲む様に動き出した。
「レナード、来たぞ。〈ワームホール〉いけ。」
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈魔術師〉のレベルが上がりました。〈暗黒属性魔法〉と〈身体レベル〉が上がりました。)
マップ上にあった赤い光点が百七十程消えたのを見つつ馬車の外に出る。続いてセイラも続いた。
前方に盗賊風に偽装した闇ギルド員達が森から出てきた。リーダーは一番後ろにいる。
「〈マルチロック〉。」
「悪いんだが、オメエ達にはここで皆死んで貰うぜ。皆出てこい。おいっ、おい、他の面子はなぜ出てこない。」
「あー他にいた、百七十人程かい?安心しろ。皆死んだからな。あいつら皆、お前達が来るのを待っているさ。」
「何?くそっ。俺達だけでもやるぞ、皆かかれ!」
「レナード、やれ!」
「はっ!承知しました。よし、騎士団迎撃しろ。」
敵のリーダーは、自分の味方が攻撃を始めると、早速逃げ出そうとする。よくある奴だね。
「お、リーダー君、逃がさないよ。〈スタン〉、〈パラライズ〉。」
戦闘をしている向こうでこちらに背中を見せている男がパタッとその場に倒れた。
私が魔法を唱えている間に敵が半数になっていた。私は動かずに味方の戦いを見学していた。ボニーやメイザース、ライガを筆頭にサクサクと闇ギルド員をたおしていく。確かに武闘大会の時よりも、更に皆強くなっているな。少しの危惧も抱かせない、戦いぶりに満足した。セイラも相手の攻撃を全てかわして、出来た隙に確実に攻撃を入れていく。家庭教師していた頃とは格段の差だな。強くなったわ。レナードは、味方の指揮をしつつ、確実に敵を倒していく。堅い確実な戦いだ。指揮官はあれで良い。指揮官は指揮をする者なのだ。個人の武勇が目立ち、指揮をそっちのけの指揮官は、二流だと思うな私は。
最後の一人を倒し、倒れているリーダーの近くに行く。一応念のために、
「〈スタン〉。」
「ぐっ。」
「〈サーチ・武器及び毒物〉。」
やはり口の中に何かあるみたいだな。
「〈スリープ〉。」
眠った様なので、まず後ろ手に縛り上げて、口を開けて、〈クリーン〉〈ピュリフィケーション〉で毒を消す。それから含み針を取り出して猿轡をして自殺出来ないようにする。腰に紐を付けて私の馬車の側にかついでいく。
「レナード、悪いが、三十人の死体を集めてくれ。」
「了解しました。」
私は、道から森に少し入った所に立ち、魔法をとなえる。
「〈ディグ〉〈ディグ〉・・・〈ディグ〉。」
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、土属性魔法の〈ディグ〉を覚えました。)
少し大きめに穴を掘った。直径十メートル、深さも十メートルの大穴だ。
騎士団は三十人の死体を集めては、穴に放り込んでいった。
「誰か後続の馬車まで行って、片がついたから峠に集合と伝令に行ってくれ。〈ピュリフィケーション〉。これで化けて出ては来ないな。皆、穴を埋めるぞ。」
手分けして、穴を埋めていく。終わった所で、皆に〈クリーン〉をかけて、念のため〈ピュリフィケーション〉をかけてやる。
敵の死体の始末をしていると、後続の馬車がやって来た。
サウルが馬車から飛び出して来て、私めがけて駆け寄ってくる。
「旦那様、お怪我などございませんか?」
「ああ、有難うサウル。怪我一つ無いよ。安心してくれ。」
「旦那様、ようございました。わたくし、心配で心配で。」
「心配してくれて、ありがとうよ。レナードを始めとした、我が騎士団の活躍さ。私は後ろから見ていただけだよ。」
「それは良うございました。仕える者は主がきちんと見ていて評価してくれると分かれば、安心して仕えることが出来るものです。」
「そうだな。心掛けよう。」
「ご理解頂きまして有難うございます。」
全員が揃った様なので、再びツールに向け出発した。襲撃者達のリーダーは足も縛って荷台に乗せて、周りを騎士三人に囲まれて監視されて進んでいる。
峠をこえて、下り坂を下って行くと再び平原に辿り着く。少し行くと川原があるので、ここで夜営して、明日の昼過ぎにツールに到着予定だ。私はちょっと寄り道をするけどね。
「〈サーチ・盗賊、山賊のアジト〉。」
峠の街道がある山々の街道から離れた場所に賊達のアジトの反応が一つある。
道理で闇ギルドのメンバーにしては、思ったより弱かったのも納得できる。初めは二百人全てが闇ギルドのメンバーかと思っていたけど、町の人口が二万程の規模の町で、闇ギルドが二百人もいるわけがなく、闇ギルドが近隣の盗賊達に声をかけて集めた集団らしいな。それで私が持っている称号の〈バウンティーハンター〉で、弱体化しているから普段より弱くなっていて、簡単にやられたみたいだね。
それが分かった時、近くに盗賊のアジトが無いかなと思いついたわけだ。
夕食の後に、サウルとレナードにだけ、アジトを調べに行くと伝えた。レナードは着いていくと言ったが、一人の方が安全だと、説得して夜、アジトへ向かった。
結果からいうと、大当たりだった。ツールの代官はとんでもない奴だと分かったのだから。
その間も馬車は山道を登っていく。さてさて、ツールの町に行くのも大変だぁーね。
あとわずかで、頂上に差し掛かるという時に、マップに動きがあった。赤い光点が車列を囲む様に動き出した。
「レナード、来たぞ。〈ワームホール〉いけ。」
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈魔術師〉のレベルが上がりました。〈暗黒属性魔法〉と〈身体レベル〉が上がりました。)
マップ上にあった赤い光点が百七十程消えたのを見つつ馬車の外に出る。続いてセイラも続いた。
前方に盗賊風に偽装した闇ギルド員達が森から出てきた。リーダーは一番後ろにいる。
「〈マルチロック〉。」
「悪いんだが、オメエ達にはここで皆死んで貰うぜ。皆出てこい。おいっ、おい、他の面子はなぜ出てこない。」
「あー他にいた、百七十人程かい?安心しろ。皆死んだからな。あいつら皆、お前達が来るのを待っているさ。」
「何?くそっ。俺達だけでもやるぞ、皆かかれ!」
「レナード、やれ!」
「はっ!承知しました。よし、騎士団迎撃しろ。」
敵のリーダーは、自分の味方が攻撃を始めると、早速逃げ出そうとする。よくある奴だね。
「お、リーダー君、逃がさないよ。〈スタン〉、〈パラライズ〉。」
戦闘をしている向こうでこちらに背中を見せている男がパタッとその場に倒れた。
私が魔法を唱えている間に敵が半数になっていた。私は動かずに味方の戦いを見学していた。ボニーやメイザース、ライガを筆頭にサクサクと闇ギルド員をたおしていく。確かに武闘大会の時よりも、更に皆強くなっているな。少しの危惧も抱かせない、戦いぶりに満足した。セイラも相手の攻撃を全てかわして、出来た隙に確実に攻撃を入れていく。家庭教師していた頃とは格段の差だな。強くなったわ。レナードは、味方の指揮をしつつ、確実に敵を倒していく。堅い確実な戦いだ。指揮官はあれで良い。指揮官は指揮をする者なのだ。個人の武勇が目立ち、指揮をそっちのけの指揮官は、二流だと思うな私は。
最後の一人を倒し、倒れているリーダーの近くに行く。一応念のために、
「〈スタン〉。」
「ぐっ。」
「〈サーチ・武器及び毒物〉。」
やはり口の中に何かあるみたいだな。
「〈スリープ〉。」
眠った様なので、まず後ろ手に縛り上げて、口を開けて、〈クリーン〉〈ピュリフィケーション〉で毒を消す。それから含み針を取り出して猿轡をして自殺出来ないようにする。腰に紐を付けて私の馬車の側にかついでいく。
「レナード、悪いが、三十人の死体を集めてくれ。」
「了解しました。」
私は、道から森に少し入った所に立ち、魔法をとなえる。
「〈ディグ〉〈ディグ〉・・・〈ディグ〉。」
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、土属性魔法の〈ディグ〉を覚えました。)
少し大きめに穴を掘った。直径十メートル、深さも十メートルの大穴だ。
騎士団は三十人の死体を集めては、穴に放り込んでいった。
「誰か後続の馬車まで行って、片がついたから峠に集合と伝令に行ってくれ。〈ピュリフィケーション〉。これで化けて出ては来ないな。皆、穴を埋めるぞ。」
手分けして、穴を埋めていく。終わった所で、皆に〈クリーン〉をかけて、念のため〈ピュリフィケーション〉をかけてやる。
敵の死体の始末をしていると、後続の馬車がやって来た。
サウルが馬車から飛び出して来て、私めがけて駆け寄ってくる。
「旦那様、お怪我などございませんか?」
「ああ、有難うサウル。怪我一つ無いよ。安心してくれ。」
「旦那様、ようございました。わたくし、心配で心配で。」
「心配してくれて、ありがとうよ。レナードを始めとした、我が騎士団の活躍さ。私は後ろから見ていただけだよ。」
「それは良うございました。仕える者は主がきちんと見ていて評価してくれると分かれば、安心して仕えることが出来るものです。」
「そうだな。心掛けよう。」
「ご理解頂きまして有難うございます。」
全員が揃った様なので、再びツールに向け出発した。襲撃者達のリーダーは足も縛って荷台に乗せて、周りを騎士三人に囲まれて監視されて進んでいる。
峠をこえて、下り坂を下って行くと再び平原に辿り着く。少し行くと川原があるので、ここで夜営して、明日の昼過ぎにツールに到着予定だ。私はちょっと寄り道をするけどね。
「〈サーチ・盗賊、山賊のアジト〉。」
峠の街道がある山々の街道から離れた場所に賊達のアジトの反応が一つある。
道理で闇ギルドのメンバーにしては、思ったより弱かったのも納得できる。初めは二百人全てが闇ギルドのメンバーかと思っていたけど、町の人口が二万程の規模の町で、闇ギルドが二百人もいるわけがなく、闇ギルドが近隣の盗賊達に声をかけて集めた集団らしいな。それで私が持っている称号の〈バウンティーハンター〉で、弱体化しているから普段より弱くなっていて、簡単にやられたみたいだね。
それが分かった時、近くに盗賊のアジトが無いかなと思いついたわけだ。
夕食の後に、サウルとレナードにだけ、アジトを調べに行くと伝えた。レナードは着いていくと言ったが、一人の方が安全だと、説得して夜、アジトへ向かった。
結果からいうと、大当たりだった。ツールの代官はとんでもない奴だと分かったのだから。
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