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第 五章 王都と陰謀と武闘大会
第 73話 決勝トーナント4日目。
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「よし、王都の大掃除をするぞ。」
「「「ハッ!」」」
(依頼完了までもう少しかな。)
「オオガミよ、すまぬがお主の力を借りたい。何分相手の数が多くてな。特に闇ギルドと対するには、腕利きの者がいて欲しいのだ。勿論只でとは言わん。今までの情報提供や証拠集めなど、今回全てお主の功績であるしな。ケチなことは言わんよ。アルの依頼とは当然別報酬だ。どうかな。」
「貴族派はともかく、闇ギルドを相手する時はお手伝いしますよ。アイツらには、借りもありますからね。」
「そうか有難い。では後の細かい段取りは宰相とバランと相談してくれ。今回で王国の膿みを出しきってくれるわ。
後の事は宰相に任すが良いか?」
「は、お任せください。」
「うむ、頼む。アルは私と一緒に来てくれ。ちと、相談があるのでな。」
「わかりました、兄さん。」
応接室には宰相と団長と俺を残して、陛下と侯爵は部屋から出ていった。
早速、この後貴族派の五家の捕縛に向かうということで、俺にもイストール公爵の捕縛に同行して欲しいと宰相に言われた。だが、侯爵の護衛があるので断るが、宰相から侯爵に連絡するから依頼については、心配ないといわれては、断り切れず承知した。
その後、バラン団長が近衛騎士隊の五つの中隊に王命として命令を下した。俺は第一中隊で団長と一緒にイストール公爵邸に向かった。
中隊一つが四十名で、そこに団長と俺の四十二名がイストール公爵邸を囲む。表門と裏門を固めて、守衛に王命であると伝えて、大人しく門を開けさせた。
俺はマップとサーチで中の動きを見ていて、公爵が秘密の通路から逃げようとしているのを確認する。
「〈マルチロック〉〈スリープ〉。」
で、全員を眠らせた。団長にその事を伝えて公爵一家全員をあっけなく捕縛した。
あと序でに、家宰の執事も罪ありとしてつかまえた。〈鑑定〉のスキルを持っている事を伝えて、信用してもらった。
他の使用人達は、鑑定の結果白とわかり、その場で事情を伝えて放免された。事情を知った者は、皆顔を青くして震えていた。まあ、下手をしたら反逆者で捕まる所だったからと思えば、仕方のないことだろう。
公爵一家は捕まった当初は眠っていたが、護送される馬車の中で目を覚ましたらしく、急に騒ぎ出し暴れ始める。
余りに煩いので、俺が再びスリープを掛けて、静かにさせた。結局王宮の牢屋に入れられるまで寝ていたらしいね。
他の四家についても、家族ごと捕縛され、使用人も犯罪に手を貸したものは捕まった。
貴族派はここに事実上壊滅した。後日一部の貴族から、やり過ぎではないかと国王派に対して非難が出たらしいが、罪状と犯罪の証拠を突き付けられると皆沈黙したそうだ。
法を犯せば、例え上級貴族であろうと、許されることはないと、貴族派の貴族達に染み渡ったようである。
この事で、貴族達も以前とは異なる王宮の態度に戸惑いながらも、警戒をしてこの後暫くは大人しくなったらしい。
さて、貴族派は片付いたが、まだ闇ギルドの連中が残っている。明日の朝に、闇ギルド本部を急襲して、幹部から末端まで出来るだけ捕縛するとのことだ。
相手が相手なだけに、念を入れて被害が出ないようにしないとな。普通に襲撃したら被害が凄いことになるのは目に見えているからだ。
明日は〈スリープ〉で確実に眠らせた所に突入してもらう。だが魔法がレジストされる可能性を考えると、もう一つ相手が無力化される魔法を使うべきだろうと考えた。
この日、捕り物を終えた後、侯爵邸に戻って侯爵に状況を伝えて、貴族派の五家の件は終わったと伝えた。侯爵はよっぽど嬉しかったのか終始笑顔でいた。余程頭に来ていたみたいだねぇ。温和な人を怒らせると怖いってのは本当だな。
明日の朝に闇ギルドを急襲する事を伝えて、俺も協力することを伝えた。侯爵も話を聞いていたらしく、承知したと言ってきた。
夕食時にセイラから話しかけられる。
「明日の相手はアノ神官ですわ。しっかりと試合を見ていてくださいまし。」
とか言ってきたが、正直明日の朝は捕り物があるから、試合時間に間に合うか分からないのだが。
サクサクいくように、捕縛用にやはり魔法を作ろうか。
食後、部屋で椅子に腰掛けて一息つく。
「〈オーケー・検索〉。」
ピポ♪
検索画面が現れる。
「検索ワード『麻痺の効果を与える魔法』。」
(検索に魔力四十必要です。検索しますか?)
よし『実行』だ。タップする。
(検索結果・状態異常麻痺にする魔法は、雷属性魔法レベル一の〈スタン〉と氷属性魔法レベル一の〈パラライズ〉があるよ。覚える?( Y / N ))
おおお、ここでこれが出てくるとはな。後は聖と暗黒たが、又の機会にする。今は明日必要な魔法を優先だ。
ここは勿論イエスだ。( Y )をポチっとタップする。
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈雷属性魔法〉〈氷属性魔法〉が使用可能となりました。〈雷属性魔法Lv1スタン〉〈氷属性魔法Lv1パラライズ〉を覚えました。)
よし、これで明日、安全に捕縛出来るだろう。
画面を閉じて、明日朝が早いので、早目にベッドに向かった。
「「「ハッ!」」」
(依頼完了までもう少しかな。)
「オオガミよ、すまぬがお主の力を借りたい。何分相手の数が多くてな。特に闇ギルドと対するには、腕利きの者がいて欲しいのだ。勿論只でとは言わん。今までの情報提供や証拠集めなど、今回全てお主の功績であるしな。ケチなことは言わんよ。アルの依頼とは当然別報酬だ。どうかな。」
「貴族派はともかく、闇ギルドを相手する時はお手伝いしますよ。アイツらには、借りもありますからね。」
「そうか有難い。では後の細かい段取りは宰相とバランと相談してくれ。今回で王国の膿みを出しきってくれるわ。
後の事は宰相に任すが良いか?」
「は、お任せください。」
「うむ、頼む。アルは私と一緒に来てくれ。ちと、相談があるのでな。」
「わかりました、兄さん。」
応接室には宰相と団長と俺を残して、陛下と侯爵は部屋から出ていった。
早速、この後貴族派の五家の捕縛に向かうということで、俺にもイストール公爵の捕縛に同行して欲しいと宰相に言われた。だが、侯爵の護衛があるので断るが、宰相から侯爵に連絡するから依頼については、心配ないといわれては、断り切れず承知した。
その後、バラン団長が近衛騎士隊の五つの中隊に王命として命令を下した。俺は第一中隊で団長と一緒にイストール公爵邸に向かった。
中隊一つが四十名で、そこに団長と俺の四十二名がイストール公爵邸を囲む。表門と裏門を固めて、守衛に王命であると伝えて、大人しく門を開けさせた。
俺はマップとサーチで中の動きを見ていて、公爵が秘密の通路から逃げようとしているのを確認する。
「〈マルチロック〉〈スリープ〉。」
で、全員を眠らせた。団長にその事を伝えて公爵一家全員をあっけなく捕縛した。
あと序でに、家宰の執事も罪ありとしてつかまえた。〈鑑定〉のスキルを持っている事を伝えて、信用してもらった。
他の使用人達は、鑑定の結果白とわかり、その場で事情を伝えて放免された。事情を知った者は、皆顔を青くして震えていた。まあ、下手をしたら反逆者で捕まる所だったからと思えば、仕方のないことだろう。
公爵一家は捕まった当初は眠っていたが、護送される馬車の中で目を覚ましたらしく、急に騒ぎ出し暴れ始める。
余りに煩いので、俺が再びスリープを掛けて、静かにさせた。結局王宮の牢屋に入れられるまで寝ていたらしいね。
他の四家についても、家族ごと捕縛され、使用人も犯罪に手を貸したものは捕まった。
貴族派はここに事実上壊滅した。後日一部の貴族から、やり過ぎではないかと国王派に対して非難が出たらしいが、罪状と犯罪の証拠を突き付けられると皆沈黙したそうだ。
法を犯せば、例え上級貴族であろうと、許されることはないと、貴族派の貴族達に染み渡ったようである。
この事で、貴族達も以前とは異なる王宮の態度に戸惑いながらも、警戒をしてこの後暫くは大人しくなったらしい。
さて、貴族派は片付いたが、まだ闇ギルドの連中が残っている。明日の朝に、闇ギルド本部を急襲して、幹部から末端まで出来るだけ捕縛するとのことだ。
相手が相手なだけに、念を入れて被害が出ないようにしないとな。普通に襲撃したら被害が凄いことになるのは目に見えているからだ。
明日は〈スリープ〉で確実に眠らせた所に突入してもらう。だが魔法がレジストされる可能性を考えると、もう一つ相手が無力化される魔法を使うべきだろうと考えた。
この日、捕り物を終えた後、侯爵邸に戻って侯爵に状況を伝えて、貴族派の五家の件は終わったと伝えた。侯爵はよっぽど嬉しかったのか終始笑顔でいた。余程頭に来ていたみたいだねぇ。温和な人を怒らせると怖いってのは本当だな。
明日の朝に闇ギルドを急襲する事を伝えて、俺も協力することを伝えた。侯爵も話を聞いていたらしく、承知したと言ってきた。
夕食時にセイラから話しかけられる。
「明日の相手はアノ神官ですわ。しっかりと試合を見ていてくださいまし。」
とか言ってきたが、正直明日の朝は捕り物があるから、試合時間に間に合うか分からないのだが。
サクサクいくように、捕縛用にやはり魔法を作ろうか。
食後、部屋で椅子に腰掛けて一息つく。
「〈オーケー・検索〉。」
ピポ♪
検索画面が現れる。
「検索ワード『麻痺の効果を与える魔法』。」
(検索に魔力四十必要です。検索しますか?)
よし『実行』だ。タップする。
(検索結果・状態異常麻痺にする魔法は、雷属性魔法レベル一の〈スタン〉と氷属性魔法レベル一の〈パラライズ〉があるよ。覚える?( Y / N ))
おおお、ここでこれが出てくるとはな。後は聖と暗黒たが、又の機会にする。今は明日必要な魔法を優先だ。
ここは勿論イエスだ。( Y )をポチっとタップする。
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈雷属性魔法〉〈氷属性魔法〉が使用可能となりました。〈雷属性魔法Lv1スタン〉〈氷属性魔法Lv1パラライズ〉を覚えました。)
よし、これで明日、安全に捕縛出来るだろう。
画面を閉じて、明日朝が早いので、早目にベッドに向かった。
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