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第 五章 王都と陰謀と武闘大会
第 62話 武闘大会予選一日目。
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会場に着くまで、長男のガウェイン君と次男のアルベルト君から色々と聞かれた。
ガウェイン君は剣術よりも魔法に興味があるようで、魔法についても聞かれた。本人は火と土の二属性持ちとのこと。俺のことも聞かれたが、全属性等と本当の事を話す訳にもいかないので、火水風土の四属性使えるとだけ話す。それでも凄いと驚いていたな。侯爵もだが。
次男のアルベルト君は魔法よりも剣術の方が好きで、初代国王の大ファンだそうだ。勉強もしないと強くなれないぞと言うと、渋い顔をしてそれを見た侯爵が笑っていた。
そんな事をしている内に会場に着いていた。
会場の入口周辺は大変な混雑だ。入場券を求めて早朝から人が集まっているらしい。
また、賭け屋が誰それが強いのと情報を出しながら、賭けに誘っている。屋台もたくさんあり、闘技場への道のりの両サイドが、様々な屋台が連なっていた。
侯爵の馬車は貴族専用の入口からすんなり入れて、中にある馬車留まりに着くと係員が迎えにでて来た。会場内の貴族用の観覧席に案内される。
部屋に入ると護衛なので椅子には座らずに侯爵達の後ろに立っていた。勿論、護衛は俺だけではなくラルフさん達、騎士も四人護衛についている。
「オオガミ君も座れば良いのに。」
「それじゃあ、護衛にならないでしょう。俺はここで。」
「そうかい、試合について色々聞きたかったんだがねぇ。」
「貴方、あまり無茶を言ってはいけませんよ。御免なさいね。オオガミさん。」
「いえ、せっかくのご好意をこちらこそすみません。」
「本当、オオガミさんて年の割りに落ち着いているわねぇ。」
いや、まあ中身はアラフォーのオヤジですから。
今更、十代の振りは精神的にキツくて出来ませんから。
等と他愛ない話をしていると、ついに予選が始まったようで司会の男性が出てきて、マイクの代わりなのか四角い物体を持って口に当てて喋りだした。あれは魔道具のようだ。
「会場にご来場の紳士淑女の皆様お待たせ致しました。これより今年の武闘大会の男子予選第一試合を行います。予選は三十名によるバトルロワイアルで行れます。残り四名になるまで戦ってもらいます。勝ち残った四名は決勝トーナメントに出場となります。四グループで合計十六名が決勝トーナメントに出場となります。
また大会規定により、武器は模擬戦用の物をこちらで用意してありますので、そちらを使用して頂きます。そしてどんな理由があろうと対戦相手を殺してしまった場合は即失格となります。
ABCDの四グループの予選は二グループずつ行います。ではまず男子ABグループの予選開始です。
どうぞ選手は入場して下さい。」
司会の前口上が終わり、選手が入場してくる。
会場が広い事もあり、男女の順に二試合ずつ行うようだ。
(〈マップ表示・オン〉。〈サーチ・侯爵一家に害意を持つ者〉。ふむ、会場内には今はいないか。なら試合を見ていられるな。)
安全の確認をとり、襲撃者がいないことをたしかめる。
「それでは早速始めましょう。男子予選ABグループ、始め!」
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈神刀流〉の技〈気眼〉を得ました。)
久しぶり使ったが上手くいったようだ。
司会の開始の言葉を合図にABグループとも早速近くにいる者に攻撃を仕掛ける選手や周りを警戒して構え判るかっていうと、〈神刀流〉の奥義の一つ『気眼』を先程使ったからだ。目に『気』を纏い見る者の気の量や質を知る事ができる。
おっと、Bグループの目をつけた男が俺の視線に気づいたようだ。ありゃ強いな。俺にガン飛ばしてニヤっと笑いやがった。あれはバトルジャンキーだな。近寄らんようにしよう。
Aグループの二人の一人はキョロキョロして視線には気付いているが、どこから見られているかまでは解ってないようだ。もう一方は戦いに夢中らしく気付いていないようだね。
「オオガミ君はだれが残ると思うかい。」
「出場者の事は詳しくは知りませんので誰とは言えませんが、Bグループではあの両手持ち斧を持つ選手は残りそうですね。他は似たり寄ったりなので、後は運しだいですね。Aグループは片手剣と盾を持ったプレートメイルを着ている騎士風のと片手斧を両手にそれぞれ持ったヤツは残りそうですが、他は運の良いヤツが残るでしょう。」
「いやー良く判るねぇ。私は剣は護身術程度に使えるけど、他人の強さまではわからないなぁ。」
「小さい頃から祖父に武術を仕込まれましたから。この位は出来ますよ。」
「オオガミさん凄いなー。」
アルベルト君が感心しているが、大したことはない。代わりに友達との遊びや付き合いなんかの思い出なんか無いからね。思わず自嘲してしまったよ。
会場に目を向けると、Bグループは終わっており、四名確定したようだ。やはり、あの男は残っていた。
Aグループは残り六名で何故か三対三に別れて戦っているよ。
お、あの両手に斧を持ってるヤツもう一方に突っ込んで行くぞ。短剣持ちが剣で受けるが、短剣ごと押しきられたな。おっとあの騎士風の男も盾のバッシュで一人倒したか。
「凄いね、オオガミ君の言っていた選手残ったね。」
「
ええ、外れなくて良かったですよ。」
この後男子CDグループの予選が行われ、計十六名の決勝トーナメント参加者が決まった。
さて、午後からはいよいよ女子の予選だ。お嬢様はどうなることやら。
ガウェイン君は剣術よりも魔法に興味があるようで、魔法についても聞かれた。本人は火と土の二属性持ちとのこと。俺のことも聞かれたが、全属性等と本当の事を話す訳にもいかないので、火水風土の四属性使えるとだけ話す。それでも凄いと驚いていたな。侯爵もだが。
次男のアルベルト君は魔法よりも剣術の方が好きで、初代国王の大ファンだそうだ。勉強もしないと強くなれないぞと言うと、渋い顔をしてそれを見た侯爵が笑っていた。
そんな事をしている内に会場に着いていた。
会場の入口周辺は大変な混雑だ。入場券を求めて早朝から人が集まっているらしい。
また、賭け屋が誰それが強いのと情報を出しながら、賭けに誘っている。屋台もたくさんあり、闘技場への道のりの両サイドが、様々な屋台が連なっていた。
侯爵の馬車は貴族専用の入口からすんなり入れて、中にある馬車留まりに着くと係員が迎えにでて来た。会場内の貴族用の観覧席に案内される。
部屋に入ると護衛なので椅子には座らずに侯爵達の後ろに立っていた。勿論、護衛は俺だけではなくラルフさん達、騎士も四人護衛についている。
「オオガミ君も座れば良いのに。」
「それじゃあ、護衛にならないでしょう。俺はここで。」
「そうかい、試合について色々聞きたかったんだがねぇ。」
「貴方、あまり無茶を言ってはいけませんよ。御免なさいね。オオガミさん。」
「いえ、せっかくのご好意をこちらこそすみません。」
「本当、オオガミさんて年の割りに落ち着いているわねぇ。」
いや、まあ中身はアラフォーのオヤジですから。
今更、十代の振りは精神的にキツくて出来ませんから。
等と他愛ない話をしていると、ついに予選が始まったようで司会の男性が出てきて、マイクの代わりなのか四角い物体を持って口に当てて喋りだした。あれは魔道具のようだ。
「会場にご来場の紳士淑女の皆様お待たせ致しました。これより今年の武闘大会の男子予選第一試合を行います。予選は三十名によるバトルロワイアルで行れます。残り四名になるまで戦ってもらいます。勝ち残った四名は決勝トーナメントに出場となります。四グループで合計十六名が決勝トーナメントに出場となります。
また大会規定により、武器は模擬戦用の物をこちらで用意してありますので、そちらを使用して頂きます。そしてどんな理由があろうと対戦相手を殺してしまった場合は即失格となります。
ABCDの四グループの予選は二グループずつ行います。ではまず男子ABグループの予選開始です。
どうぞ選手は入場して下さい。」
司会の前口上が終わり、選手が入場してくる。
会場が広い事もあり、男女の順に二試合ずつ行うようだ。
(〈マップ表示・オン〉。〈サーチ・侯爵一家に害意を持つ者〉。ふむ、会場内には今はいないか。なら試合を見ていられるな。)
安全の確認をとり、襲撃者がいないことをたしかめる。
「それでは早速始めましょう。男子予選ABグループ、始め!」
(ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈神刀流〉の技〈気眼〉を得ました。)
久しぶり使ったが上手くいったようだ。
司会の開始の言葉を合図にABグループとも早速近くにいる者に攻撃を仕掛ける選手や周りを警戒して構え判るかっていうと、〈神刀流〉の奥義の一つ『気眼』を先程使ったからだ。目に『気』を纏い見る者の気の量や質を知る事ができる。
おっと、Bグループの目をつけた男が俺の視線に気づいたようだ。ありゃ強いな。俺にガン飛ばしてニヤっと笑いやがった。あれはバトルジャンキーだな。近寄らんようにしよう。
Aグループの二人の一人はキョロキョロして視線には気付いているが、どこから見られているかまでは解ってないようだ。もう一方は戦いに夢中らしく気付いていないようだね。
「オオガミ君はだれが残ると思うかい。」
「出場者の事は詳しくは知りませんので誰とは言えませんが、Bグループではあの両手持ち斧を持つ選手は残りそうですね。他は似たり寄ったりなので、後は運しだいですね。Aグループは片手剣と盾を持ったプレートメイルを着ている騎士風のと片手斧を両手にそれぞれ持ったヤツは残りそうですが、他は運の良いヤツが残るでしょう。」
「いやー良く判るねぇ。私は剣は護身術程度に使えるけど、他人の強さまではわからないなぁ。」
「小さい頃から祖父に武術を仕込まれましたから。この位は出来ますよ。」
「オオガミさん凄いなー。」
アルベルト君が感心しているが、大したことはない。代わりに友達との遊びや付き合いなんかの思い出なんか無いからね。思わず自嘲してしまったよ。
会場に目を向けると、Bグループは終わっており、四名確定したようだ。やはり、あの男は残っていた。
Aグループは残り六名で何故か三対三に別れて戦っているよ。
お、あの両手に斧を持ってるヤツもう一方に突っ込んで行くぞ。短剣持ちが剣で受けるが、短剣ごと押しきられたな。おっとあの騎士風の男も盾のバッシュで一人倒したか。
「凄いね、オオガミ君の言っていた選手残ったね。」
「
ええ、外れなくて良かったですよ。」
この後男子CDグループの予選が行われ、計十六名の決勝トーナメント参加者が決まった。
さて、午後からはいよいよ女子の予選だ。お嬢様はどうなることやら。
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