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第 二章 冒険者ギルドとやっぱりのお約束
第 13話 戦闘訓練(二回目)と魔法訓練②
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今日はまだ半日しか経ってないけど、もう充分な気分になったのはしょうがないなと思うよ。
息を整えて立ち上がり、べとつく汗を〈クリーン〉でさっぱりさせる。
フウッとため息をつきながらこの後どうするか考えた。近接戦闘は良くなったが、魔法は属性魔法を一通り覚えただけだ。本番までに練習しておきたい。よし、午後は魔法訓練をしよう。
午後の予定を決めて、さあ動こうかとした時、マスターがすれ違い際に声をかけてきた。
「あー、お前ランクEからのスタートな。」
「はあ?何ですって?」
と思わず素で聞き返したよ。
「なんで新人の俺がEスタートなんですか?まだ一件も依頼をこなしてないんですけど?」
「ああ、マスター権限だ。お前の力量で、Gからスタートじゃもったいないからな。この後受付で処理してもらえ。」
「ギルドのランクは実力とは、
無関係だと受付で聞いたのだが?」
「ああ、それは立前だな。実際の所は実力が無いと上には上っては行けないからな。」
そう言い残して、その場に茫然としている私をその場に残し、とっとと建物に入るマスター。私は心の中でただ一言叫んだよ。
(なんじゃそりぁー!)
予想外の事にシオシオとギルド内に戻ってくると、言われた通り受付に向かった。昼間は空いていたので、直ぐに受け付けてもらえた。
「こんにちは、どういったご用件でしょうか?」
「ギルドマスターからランクアップの手続きをしておけと言われたのだが。」
「オオガミ様ですね?聞いております。受付を致しますので、ギルドカードをお貸しください。」
受付嬢にギルドカードをわたすと、カウンター下にある道具に差し込みボタンをいくつか押し暫く待つとカードが道具から出てきた。
(おお、何かポイントカードみたいだな。)
と驚いていると、受付嬢からカードを返してもらった。
「これで今日からショウさんはEランクになります。引き続き頑張って下さい。」
「ありがとう。」
礼をいい、ギルドからでた。昼飯を食べるため、屋台に向かった。昨日の串焼きが旨かったので、また食べたくなったからね。
「オッチャン、串焼き二本おくれ。」
「おう、昨日来た坊主か。二本かい、今日もありがとよ。焼きたて渡すから、ちと待ってくれよ。」
「美味しい所頼むよ。」
「バカ野郎、ウチの串焼きはどれもみんな旨いんだよ。(笑)」
ガハハと笑いながら串を焼き始める。
「ハイよ、お待ちどう様。」
差し出され二本の串焼きを貰い、銅貨五十枚を渡す。
店の脇に回り込み、ハグハグと熱い肉にかぶり付き、たちまち二本共に食べきった。運動の後だけに、旨さが身に染みるぜ。
腹が膨れ人心地がついた所で、魔法の練習をしに街の外に向かった。
街の出入り口の門につくと、そう言えば入場料でお金払ってたな。確か身分証持ってくれば返してもらえるって言ってたし、ちと言っておくか。
「少しよろしいか?一昨日入場料金を払ったが、身分証を作ったので払い戻して欲しいのだが?」
「ああ、君の事は聞いてるよ。手続きするならこっちに来てくれ。」
門の脇にある建物に連れて行かれる。中に入り椅子でまたされると、目の前に書類を差し出された。
「悪いが、この書面を良くよんで、間違いないなら署名してくれ。し終わったら、身分証と一緒に渡してくれよ。」
「わかった。」
書類に眼を通し間違いない事を確認して署名した。ギルドカードと書類を渡すと、銀貨五枚とカードを返してもらった。
銀貨を懐に入れるフリをして、インベントリィにしまう。
「ありがとう。」
守衛に礼を返して建物からでて、そのまま門から外に出る。
「仕事かい?」
門番の衛兵にギルドカードを見せて言う。
「ちょっと魔法の訓練をしにね。」
「そうか、なら街の近くで大きい魔法を使うなよ。」
「わかったよ。」
門を出ると左手に曲がり暫く真っ直ぐ北に向かった。街の北側は私が転生で現れた森林地帯が広がっている。周りに魔物の気配がないのを確認する。
まず体内の魔力を感じるために座禅を組みお腹の下辺りに意識を集中する。特に理由はないがこの方が集中出来るかなと思ってのことだ。
すでに魔力感知のスキルを持っているからか、『それ』は直ぐに感じ取れた。
オヘソの下の微妙な場所にグルグル渦巻く温かい塊を。これが魔力かと認識すると、スキルのレベルが上がるチャイムがした。
今度はその熱の塊を、血管を通して身体中に巡らす様にイメージして魔力を身体中に巡ららせる。
やはり初めは全く動く気配がなかったが、何度も繰り返しているうちに、少しづつ動く様になった。そうすると、また頭の中でチャイムが何度か鳴り、魔力操作のレベルが上がった。それにつれて少しずつだが、スムーズに巡らすことが出来るようになった。
(『魔導の極み』により〈無属性魔法〉のレベルが上がりました。新しい魔法を覚えました。)
何か色々上がったが、ひとまずは後回しだ。夜寝る前に纏めて確認だ。今は訓練を優先させる。
立ち上がり実際に魔法をつかってみる。火属性から順番に使っていく。
強く現象をイメージすることが大事なので、意識して魔法名を唱えた。
「ファイアーアロー」
魔力感知、魔力操作が上がったためか、以前に唱えた時より僅かだが威力・スピードが増していた。
的にした岩に火の矢が以前より速くぶち当たった。
『ドーン!』と大きな音をたてて着弾と共に破裂して岩に穴が出来た。予想外に大きな音をたてるのでビックリしたよ。
三時間程検証しながら、魔法を使っていると、幾つか〈職業・魔法使い〉のレベルが上がった。
そろそろ夕方になるので、終了して帰るこてにした。フッと息を吐くと一度に大量の魔力を消費したためか、急に頭がクラッときた。これは慣れるしかないなと、頭を振りながら帰途につく。門番にギルドカードを見せて街に入る。
今日は心身共に疲れたなと飯屋に向かう。この疲れは旨いものを食べるしか癒せないだろう。足が『猪鹿亭』に自然に向かって行った。
息を整えて立ち上がり、べとつく汗を〈クリーン〉でさっぱりさせる。
フウッとため息をつきながらこの後どうするか考えた。近接戦闘は良くなったが、魔法は属性魔法を一通り覚えただけだ。本番までに練習しておきたい。よし、午後は魔法訓練をしよう。
午後の予定を決めて、さあ動こうかとした時、マスターがすれ違い際に声をかけてきた。
「あー、お前ランクEからのスタートな。」
「はあ?何ですって?」
と思わず素で聞き返したよ。
「なんで新人の俺がEスタートなんですか?まだ一件も依頼をこなしてないんですけど?」
「ああ、マスター権限だ。お前の力量で、Gからスタートじゃもったいないからな。この後受付で処理してもらえ。」
「ギルドのランクは実力とは、
無関係だと受付で聞いたのだが?」
「ああ、それは立前だな。実際の所は実力が無いと上には上っては行けないからな。」
そう言い残して、その場に茫然としている私をその場に残し、とっとと建物に入るマスター。私は心の中でただ一言叫んだよ。
(なんじゃそりぁー!)
予想外の事にシオシオとギルド内に戻ってくると、言われた通り受付に向かった。昼間は空いていたので、直ぐに受け付けてもらえた。
「こんにちは、どういったご用件でしょうか?」
「ギルドマスターからランクアップの手続きをしておけと言われたのだが。」
「オオガミ様ですね?聞いております。受付を致しますので、ギルドカードをお貸しください。」
受付嬢にギルドカードをわたすと、カウンター下にある道具に差し込みボタンをいくつか押し暫く待つとカードが道具から出てきた。
(おお、何かポイントカードみたいだな。)
と驚いていると、受付嬢からカードを返してもらった。
「これで今日からショウさんはEランクになります。引き続き頑張って下さい。」
「ありがとう。」
礼をいい、ギルドからでた。昼飯を食べるため、屋台に向かった。昨日の串焼きが旨かったので、また食べたくなったからね。
「オッチャン、串焼き二本おくれ。」
「おう、昨日来た坊主か。二本かい、今日もありがとよ。焼きたて渡すから、ちと待ってくれよ。」
「美味しい所頼むよ。」
「バカ野郎、ウチの串焼きはどれもみんな旨いんだよ。(笑)」
ガハハと笑いながら串を焼き始める。
「ハイよ、お待ちどう様。」
差し出され二本の串焼きを貰い、銅貨五十枚を渡す。
店の脇に回り込み、ハグハグと熱い肉にかぶり付き、たちまち二本共に食べきった。運動の後だけに、旨さが身に染みるぜ。
腹が膨れ人心地がついた所で、魔法の練習をしに街の外に向かった。
街の出入り口の門につくと、そう言えば入場料でお金払ってたな。確か身分証持ってくれば返してもらえるって言ってたし、ちと言っておくか。
「少しよろしいか?一昨日入場料金を払ったが、身分証を作ったので払い戻して欲しいのだが?」
「ああ、君の事は聞いてるよ。手続きするならこっちに来てくれ。」
門の脇にある建物に連れて行かれる。中に入り椅子でまたされると、目の前に書類を差し出された。
「悪いが、この書面を良くよんで、間違いないなら署名してくれ。し終わったら、身分証と一緒に渡してくれよ。」
「わかった。」
書類に眼を通し間違いない事を確認して署名した。ギルドカードと書類を渡すと、銀貨五枚とカードを返してもらった。
銀貨を懐に入れるフリをして、インベントリィにしまう。
「ありがとう。」
守衛に礼を返して建物からでて、そのまま門から外に出る。
「仕事かい?」
門番の衛兵にギルドカードを見せて言う。
「ちょっと魔法の訓練をしにね。」
「そうか、なら街の近くで大きい魔法を使うなよ。」
「わかったよ。」
門を出ると左手に曲がり暫く真っ直ぐ北に向かった。街の北側は私が転生で現れた森林地帯が広がっている。周りに魔物の気配がないのを確認する。
まず体内の魔力を感じるために座禅を組みお腹の下辺りに意識を集中する。特に理由はないがこの方が集中出来るかなと思ってのことだ。
すでに魔力感知のスキルを持っているからか、『それ』は直ぐに感じ取れた。
オヘソの下の微妙な場所にグルグル渦巻く温かい塊を。これが魔力かと認識すると、スキルのレベルが上がるチャイムがした。
今度はその熱の塊を、血管を通して身体中に巡らす様にイメージして魔力を身体中に巡ららせる。
やはり初めは全く動く気配がなかったが、何度も繰り返しているうちに、少しづつ動く様になった。そうすると、また頭の中でチャイムが何度か鳴り、魔力操作のレベルが上がった。それにつれて少しずつだが、スムーズに巡らすことが出来るようになった。
(『魔導の極み』により〈無属性魔法〉のレベルが上がりました。新しい魔法を覚えました。)
何か色々上がったが、ひとまずは後回しだ。夜寝る前に纏めて確認だ。今は訓練を優先させる。
立ち上がり実際に魔法をつかってみる。火属性から順番に使っていく。
強く現象をイメージすることが大事なので、意識して魔法名を唱えた。
「ファイアーアロー」
魔力感知、魔力操作が上がったためか、以前に唱えた時より僅かだが威力・スピードが増していた。
的にした岩に火の矢が以前より速くぶち当たった。
『ドーン!』と大きな音をたてて着弾と共に破裂して岩に穴が出来た。予想外に大きな音をたてるのでビックリしたよ。
三時間程検証しながら、魔法を使っていると、幾つか〈職業・魔法使い〉のレベルが上がった。
そろそろ夕方になるので、終了して帰るこてにした。フッと息を吐くと一度に大量の魔力を消費したためか、急に頭がクラッときた。これは慣れるしかないなと、頭を振りながら帰途につく。門番にギルドカードを見せて街に入る。
今日は心身共に疲れたなと飯屋に向かう。この疲れは旨いものを食べるしか癒せないだろう。足が『猪鹿亭』に自然に向かって行った。
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