ひら、ひらり。

はぁて

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 デザートのマンゴーソースがかかったヨーグルトはなんていうか……ミルクの味が濃厚で、1度食べたら忘れられない味がした。聞けば、北海道産の乳牛のお乳を100パーセント使用しているのだという。


「時間あるから、職場まで送るよ」

 相良さんはにこにこと笑っている。けれどまた、ここで僕が断ったら怒りそうだから僕はお願いすることにした。

「……わかりました。お願いします」

「じゃあ、準備出来たら呼んで」

 忘れ物がないかチェックしていると、ハンカチがリュックにないことに気づいた。相良さんは浴室の掃除に向かってしまった。僕は忍び足で寝室に向かう。ちょっとなら大丈夫だよね……。そう思ってベッドの隣に置かれたサイドチェストの引き出しを開ける。寝ぼけて変なとこに入れてるかもしれないから。

「……」

 チェストの厚みが、なんか変だ。1段目と3段目は同じだったのに、2段目は極度に狭い。こういうのサスペンス系の海外ドラマで見たことある。隠し板が入ってるやつだ。気になる……見たい……でも、失礼だよね。僕は葛藤したが、好奇心が勝ってしまった。僕はきょろきょろと寝室のドアを見て相良さんの姿が見えないことをいいことに、隠し板を外した。カタ、と音がする。隠されていたのは写真立て? 裏返しになっている。それを手に取って写真を見た。

「っ」

 写真の中には、満面の笑みを浮かべる相良さんの姿。今より少し幼い表情。隣でピースをして肩を組んでいるのはーーとっても綺麗な人。茶髪の髪は艶々としていて。目元は穏やかで、相良さんの隣に立っても負けてない。とても楽しそうに笑っている。こんな相良さんの笑顔……僕はまだ見たことない。そう思った瞬間、胸の奥にふつふつとした鈍いもやがかかった。なんだか、気分が沈む。それがどうしてなのか、深く考える余裕はなくて。

「……雛瀬くん?」
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