緋色の魔王(α)と暴君王子(α)の寵愛は愛に飢えた僕(Ω)を離してくれない

子犬一 はぁて

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桜を見たシュカ王子(1)

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 僕らが天上の国に到着してから数日後に、王都に辿り着くことができた。桜はシュカ王子と顔つきが似ているため、被り物をして王都に足を踏み入れた。

 王宮までの道を桜は緊張しながら歩いていた様子だ。ごった返す人々の波や、見たことのない食べ物や乗り物がそこかしこで見えるものだから、驚いているに違いない。

「桜。ここが、シュカ王子のいる王宮だよ」

「ここが、シュカ王子のいるーー」

 桜が被り物を外すと、門に控えていた守備衛兵が僕と桜を見て慌てた素振りで敬礼する。

「しょ、少々お待ちください。阿月様とシュカ王子のお世継ぎを城に案内致します。おい、シュカ王子に伝令を。今はお部屋にいる時間だ」

 僕と桜は守備衛兵の案内で王宮の内部に足を踏み入れた。

「……そんなに、わたしは父上と似ているのでしょうか?」

「……似ているね。特に、目の色が。菫色。それに髪の毛も桜は真っ白だよ。僕は黒髪だもの」

「そうなんですね……」

 中庭に案内される。僕と桜が17年前にジスに連れ去られた場所だ。王宮内が騒がしい。駆け足で息を切らしてやってきたのはーー。

「阿月っ」

「……っシュカ王子」

 僕と桜を見つけると、目を見開いてそのまま走って僕に近づいてきた。

 叱責されるか、殴られるか、地下牢に押し込まれるかーー。

 そんな検討をつけていた僕は、それが大きな誤りだということに気づく。

 シュカ王子は涙で頬を濡らしていた。

「心配させるな。17日だぞ。お前と桜が失踪してから17日目だ……っ」

「そうか……ジスの言っていたように、冥界での1年は天上の国では1日の時で換算されるんだ。だから桜は17年成長して、僕は23歳のままで、シュカ王子はまだ見た目も若いままなんだ」

「……ジス? ジスというのは誰だ。しかもこの男ーー俺に似て、目の色は菫色だし、髪の毛も真っ白でまるで俺と瓜二つ……そうか……お前……桜なのか?」

 僕と桜を交互に見てから、シュカ王子は異変に気づいた様子だ。

「ま、待て。桜はまだ赤子だった……お前の言うように、桜は17年成長しているのか?」

 まるでおとぎ話のような事態にシュカ王子の脳内は混乱でいっぱいだろう。僕は一呼吸置いてからシュカ王子に話す。

「シュカ王子の言う通り。この子は桜……僕と王子の子どもなんだよ」

 桜が静かに片足を地に伏せた。

「シュカ王子……お会いできて光栄です。魔王・ジスよりわたしの本当の血の繋がりのある父親はシュカ王子だと聞きました。当初はとても驚き、取り乱しましたが、今では全て理解しここにいます」
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