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チュロッキー王国での発情期※ 運命の番の印

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「いい匂いがする……この部屋からだ」

「迷い込んだオメガが発情してやがる。どう喰ってやろうか」

 うさぎの獣人と猫の獣人が僕のことを目で捉えると、僕の身体を捕獲してすぐにベッドに押し倒す。

 どうしよう。獣人のアルファに襲われる……! シュカ王子。助けて……!

「おお。これはフォリーヌ王国の従者ではないか。そちらの国ではオメガでも従者になれるのか。なんと手厚い王だ」

 うさぎの獣人がぺろりと僕の頬を舐める。

「甘い汗を流しているな」

 そう言うと、僕の衣服を脱がし始めた。

「やめてっ……」

「くくく。人間のオメガの力のなんと弱きことか」

 猫の獣人は僕の腹を撫でながら、ぼくの蕾に自身のものをあてがう。

 ダメだ……犯される。

 ぎゅっと目をつぶったときに浮かんだのはジス、それとシュカ王子の姿。

 どんっ、と鈍い音が猫の獣人の後ろから聞こえた。

「うがっ!?」

 猫の獣人は後頭部を殴打されたらしく、床にのびている。うさぎの獣人は身の危険を察知したのか、猫の獣人を背負って部屋から逃げ出した。

 ガチャ、と部屋の鍵をかける音が聞こえる。

「お前というやつは……」

 聞き慣れた、呆れた声に身体はすぐに反応してしまう。

「シュカ王子……」

「わかっている。今は何も言うな」

 涙目で王子を見つめていたら、その唇を塞がれてしまう。短く息を切らして、僕は口付けに応じる。

 ああ、安心する。この温もり、声、手つき。

 僕のものは、まだ触れてもいないのに上を向いている。透明な涎を垂らして、触れられるのを今か今かと待ち望んでいるように見える。

 王子は僕の首筋を甘く噛む。

「ああ。俺の運命の番……今すぐ項に噛み跡を付けたい」

 運命の番のアルファがオメガの項に噛み跡を付けると、運命の番として永久的に結ばれる目印になる。しかし、1度目印を付けるとアルファもオメガも一生離れられなくなる。

「王子……」

 僕は熱にうなされてぼやぼやする頭の中で考える。王子の世継ぎを産むためには、運命の番の目印を付けてもらわないといけない。

 ジスの顔が頭に浮かんだ。

 いや、いいんだ。ジスのために、僕は王子に目印を付けてもらう。世継ぎを産むために。

「あっ……噛んで、ください。僕の項……シュカ王子は僕の運命の番だから……」

 回らない舌でなんとか言葉を吐き出す。王子は少し瞳を丸くさせたが、すぐに元の大きさに戻り僕の唇に接吻を落とした。

「ああ。阿月。なんてかわいいことを言うんだ」

 シュカ王子が僕の蕾の入口をぐりぐりと押す。はちきれそうになっている王子のものが、ゆっくりと僕の胎内に入っていく。あまりの快感に嬌声を上げていると、その口内に指を突っ込まれた。

「噛むぞ」

「はい……っ」

 がぶ、と項に噛みつかれる。ぎりぎりと、肉を挟む音。しかし、今は発情期で意識がはっきりしておらず、痛みを感じない。

「これでお前は俺のオメガだ」

 目印を付けたシュカ王子の表情は、いくらか柔らかい。

 珍しいな。王子がこんなに穏やかな表情を浮かべているのは……。

 



「っあ……ぁあっ」

 僕は王子の腕の中で揺さぶられる。がくがくと、止まらない痙攣。王子のものが僕の胎内の弱い所をぐりぐりと攻め立てるのだ。何度、白蜜を噴き出したかわからない。僕の腹や胸は濡れている。

 王子もそろそろ限界に近いらしい。最奥をぐっと押してから、一気に自身を抜き去った。

「っ」

 びゅっ、びゅ、と王子のものが僕の頬を濡らす。この、白くて熱くて、少し苦い……。

「1度やってみたかった……許せ」

 顔に出されたんだ。僕……。

 王子のものの匂いで頭がいっぱいになり、僕の身体は脱力してベッドに倒れた。
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