14 / 73
※アルファのままに、オメガのままに(阿月side)(4)
しおりを挟む
「わたしはまだ果てていないから、眠らないでおくれ」
「うん……っ」
冗談交じりにジスは言うが、こめかみに汗をかいている様子を見るとジスも快感に揺さぶられているのかもしれない。
だったら、もっと気持ちよくなって欲しい。
その一心で、僕はジスの腰に足を絡ませる。2人の距離が0になり、互いの身体が密着した。
「やはりそなたは……かわいらしいな」
「かわいい」だなんて、おばあちゃんに小さい頃言われたくらいだよ。ジス、やさしいな。そんな言葉をかけられたら、僕は……。
「う……っうぇ……」
「そなたは泣き虫だな。よしよし」
ジスは腰の動きを止めてから、泣きじゃくる僕のおでこに軽く接吻した。そうして、そのまま手で頭を撫でてくれる。昔、おばあちゃんがしてくれたみたいに、やさしくて大きな手のひらで。
自然と涙が止まり、僕はぎゅっとジスの背中に手を回した。
「もっと、激しくしていいよ……」
目をぎゅっとつむって、精一杯の告白だった。ジスはぴくんと反応した。するとジスのものの質量がさらに増えたような気がした。そのまま、お互いの皮膚が激しく当たり、強く抱かれた。ジスにはアルファとしての本能が溢れている。
「阿月……」
「……ジ、ス」
ジスに限界が近づいているのか、突く速さがどんどん上がっている。僕の名前を呼び、僕の唇を貪りながら、
「……っ」
ジスが苦しげに眉を顰める。直後、どくん、どくんとジスのものが脈打つのを胎内で感じた。
「んんんぁ……」
僕はそのジスの吐き出した白蜜の匂いや味を想像してしまい、そのまま再度果てた。2回もイってしまった。
ジスはそのまま僕に乗りかかってくる。どくん、どくんという脈打つ音はまだ胎内から聞こえる。
いっぱい出てる……。
息を荒らげる僕にジスは軽く口付ける。頬に、ちゅ、と。
「発情期は治まったようだね」
にこ、といつもの邪気のない笑顔を浮かべるジス。
「ん……はい」
僕が自分のお腹を撫でていると、ジスが自身のものを僕の蕾から抜き取った。
「すまない。中から溢れてきてしまって、そなたのベッドを汚してしまった」
「だ、大丈夫です」
「中から溢れてきた」という重要なワードに僕は焦る。その、あれが……白いのが出てきちゃったってことだよね。ジスの……。
そろそろと自身の蕾に手を伸ばしてみる。うわ、どろどろ、濡れてる……。手につけて間近で見つめていると、ジスの手が僕の瞳を遮った。
「よしなさい。いくら魔王とはいえ、そういったものをまじまじと見られるのは恥ずかしいものだよ」
「あ、ごめんなさい……」
ふふ、と耳元でジスは囁き
「そなたの興奮している顔、とても麗しかった」
「……ぁ」
これ、絶対意地悪されてる。ジスってSなのかな……。
「またわたしはこれから公務が控えているのでな……帰ってくるまでいい子にしているんだよ」
微笑を頬に浮かべて、僕を見つめる瞳は優しい。
「はい。いい子にしてます」
よしよし、と軽く抱きしめられ後頭部を撫でられる。なんだかわんちゃんになった気分だ。今、僕がわんちゃんだったら尻尾をぶんぶん振ってしまっているだろう。
「公務頑張ってくださいっ」
精一杯の応援の言葉。
「うん。ありがとう。そなたの言葉で今日も頑張れそうだよ」
ジスは部屋から出ていった。
僕は部屋の中に充満するオメガとアルファの行為により生まれた香りにくらくらしながら、窓を開ける。少し換気した方がいいかも……僕もお風呂を借りないと……。汗と白蜜で濡れた身体をタオルで拭き取る。
「えっち……しちゃったな……」
ライアに洗面所の場所を聞き、辿り着いたお風呂には既にお湯が張っていた。ライアの説明によると、露天風呂なのだという。せっかくの晴天なので、湯につかってみた。
「温泉なんて久しぶり……」
僕は、はぁう、と息を洩らす。ここに召喚される前の自分の生活は質素で、節約ばかりしていたからこうした贅沢なんてできなかった。
お湯に浸かりながら、改めてジスへの感謝の気持ちが溢れてきた。
「今度会ったとき、ちゃんとお礼を言おう」
昼間に見た空は青く澄み切っている。柔らかな風が頬を撫で、通り過ぎていくのを感じていた。
「うん……っ」
冗談交じりにジスは言うが、こめかみに汗をかいている様子を見るとジスも快感に揺さぶられているのかもしれない。
だったら、もっと気持ちよくなって欲しい。
その一心で、僕はジスの腰に足を絡ませる。2人の距離が0になり、互いの身体が密着した。
「やはりそなたは……かわいらしいな」
「かわいい」だなんて、おばあちゃんに小さい頃言われたくらいだよ。ジス、やさしいな。そんな言葉をかけられたら、僕は……。
「う……っうぇ……」
「そなたは泣き虫だな。よしよし」
ジスは腰の動きを止めてから、泣きじゃくる僕のおでこに軽く接吻した。そうして、そのまま手で頭を撫でてくれる。昔、おばあちゃんがしてくれたみたいに、やさしくて大きな手のひらで。
自然と涙が止まり、僕はぎゅっとジスの背中に手を回した。
「もっと、激しくしていいよ……」
目をぎゅっとつむって、精一杯の告白だった。ジスはぴくんと反応した。するとジスのものの質量がさらに増えたような気がした。そのまま、お互いの皮膚が激しく当たり、強く抱かれた。ジスにはアルファとしての本能が溢れている。
「阿月……」
「……ジ、ス」
ジスに限界が近づいているのか、突く速さがどんどん上がっている。僕の名前を呼び、僕の唇を貪りながら、
「……っ」
ジスが苦しげに眉を顰める。直後、どくん、どくんとジスのものが脈打つのを胎内で感じた。
「んんんぁ……」
僕はそのジスの吐き出した白蜜の匂いや味を想像してしまい、そのまま再度果てた。2回もイってしまった。
ジスはそのまま僕に乗りかかってくる。どくん、どくんという脈打つ音はまだ胎内から聞こえる。
いっぱい出てる……。
息を荒らげる僕にジスは軽く口付ける。頬に、ちゅ、と。
「発情期は治まったようだね」
にこ、といつもの邪気のない笑顔を浮かべるジス。
「ん……はい」
僕が自分のお腹を撫でていると、ジスが自身のものを僕の蕾から抜き取った。
「すまない。中から溢れてきてしまって、そなたのベッドを汚してしまった」
「だ、大丈夫です」
「中から溢れてきた」という重要なワードに僕は焦る。その、あれが……白いのが出てきちゃったってことだよね。ジスの……。
そろそろと自身の蕾に手を伸ばしてみる。うわ、どろどろ、濡れてる……。手につけて間近で見つめていると、ジスの手が僕の瞳を遮った。
「よしなさい。いくら魔王とはいえ、そういったものをまじまじと見られるのは恥ずかしいものだよ」
「あ、ごめんなさい……」
ふふ、と耳元でジスは囁き
「そなたの興奮している顔、とても麗しかった」
「……ぁ」
これ、絶対意地悪されてる。ジスってSなのかな……。
「またわたしはこれから公務が控えているのでな……帰ってくるまでいい子にしているんだよ」
微笑を頬に浮かべて、僕を見つめる瞳は優しい。
「はい。いい子にしてます」
よしよし、と軽く抱きしめられ後頭部を撫でられる。なんだかわんちゃんになった気分だ。今、僕がわんちゃんだったら尻尾をぶんぶん振ってしまっているだろう。
「公務頑張ってくださいっ」
精一杯の応援の言葉。
「うん。ありがとう。そなたの言葉で今日も頑張れそうだよ」
ジスは部屋から出ていった。
僕は部屋の中に充満するオメガとアルファの行為により生まれた香りにくらくらしながら、窓を開ける。少し換気した方がいいかも……僕もお風呂を借りないと……。汗と白蜜で濡れた身体をタオルで拭き取る。
「えっち……しちゃったな……」
ライアに洗面所の場所を聞き、辿り着いたお風呂には既にお湯が張っていた。ライアの説明によると、露天風呂なのだという。せっかくの晴天なので、湯につかってみた。
「温泉なんて久しぶり……」
僕は、はぁう、と息を洩らす。ここに召喚される前の自分の生活は質素で、節約ばかりしていたからこうした贅沢なんてできなかった。
お湯に浸かりながら、改めてジスへの感謝の気持ちが溢れてきた。
「今度会ったとき、ちゃんとお礼を言おう」
昼間に見た空は青く澄み切っている。柔らかな風が頬を撫で、通り過ぎていくのを感じていた。
29
お気に入りに追加
214
あなたにおすすめの小説
千年の祈り、あるいは想い(うらみ)
味桜
BL
それなら、また君を見つけに行く。何度生まれ変わろうと、僕は君を忘れない―――
<前編>
永きにわたり、人間から迫害される超能力者一族<エスピリカ>。
かつて王家に仕えた一族はなぜ王国にとって不吉な予言をし、王の怒りを買い王国を追放されたのか。
予言の告げる「王国の罪」とは。
王国兵士×エルフ系人外のBLファンタジーここに開幕ッ!
<後編>
時は前編の千年前。王家に仕えた一族が
王国から追放されるまでの物語。
そしてトルマーレ王国「真実」のストーリー。
前編の"予言"の瞬間と、
禁断の"主従BL"が描かれる!
前編のキーパーソン、
王×族長の前世の記憶、ここに在りッ!
(BL色は後編の方が濃い目ッ!)
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】魔王様、溺愛しすぎです!
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
「パパと結婚する!」
8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!
拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。
シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
挿絵★あり
【完結】2021/12/02
※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過
※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過
※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位
※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品
※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24)
※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品
※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品
※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる