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大人が3人ほどしか乗れないような小舟に揺られること約3時間。
「ネージュ。あれが今日からお前が暮らすことになる第9監獄島だ」
漸く見えてきた新たな職場に、しかし俺は目を向けることができなかった。
「……ぎぼぢわるぃ…」
船酔いする体質は転生しても治らなかった。
「お前が暮らすのはこの部屋だ。1時間後に迎えに来るから少し休んで、可能なら荷解きもしておきなさい」
明日には帰ってしまう教育係兼第1~10監獄島管理者のターギ司祭(声は俺の呟きを見つけた高木さん)はそう言い残し、この島にいる囚人たちに俺のことを説明しに向かった。
本当は一緒に向かう予定だったのだが、あまりにも船酔いが酷かったので気を遣ってくれたのだ。
そのありがたい時間を使って、俺は10分ほど休んだ後この部屋を調べ始めた。
吐き気が酷すぎてゲロってもすぐ動くことはできなかったんでね!
「…あった」
部屋を調べてすぐに俺は目的のものを見つけた。
実は部屋を探索するというのはこのゲームのチュートリアルにある行動だった。
だからそこで見つけられるアイテムが実際にあるか確かめてみたのだ。
するとそれはちゃんとチュートリアルと同じ位置にあった。
『監獄島に出現する魔物の種類と対抗手段』
備え付けの机の上に並べてあった本の左から3番目にあったその本は、ここで過ごすうえで外せないアイテムだ。
天罪には日常パートとイベントパート、そして戦闘パートがある。
日常パートは何もしなくても表示される雑談や行動だ。
例えば島を歩いていると攻略対象者の誰かと出会って何気ない会話を交わしたり、『食堂の掃除をしよう!』というミニゲームが起こるなど。
イベントパートは好感度によって特定の攻略対象者とのイベントが起きる、乙女ゲームの主軸ともいうべきパートだ。
例えば部屋に好感度が高い攻略対象者が遊びに来る、朝焼けの島を散策するデートに誘われるなど。
そして戦闘パートでは文字通り戦闘が起きる。
監獄島には各島にそれぞれ魔集器と呼ばれる装置が設置されている。
それは世界中の魔気、人間のマイナス感情から生まれた闇の力を持った気を集める効果があるのだが、一定値に達すると空きを作るために魔気を魔物に変えて生み出すという性質がある。
それを戦闘によって処理するというのが監獄島に収容された囚人に課された罰であり義務であるのだが、正直この本がなければ倒すのは容易ではない。
魔物の種類は多岐に亘る上、打撃無効や斬撃無効などの特性を持ったものもいるからだ。
それがこの本には全て記されているのだから、戦闘においてはチートアイテムと言ってもいいくらいの代物だ。
だが転生したのが俺である以上、今後その出番はないと思われる。
今回は単に物がゲームと同じ配置であるかの確認で手に取っただけの代物だ。
「それにこれがなくちゃチュートリアルが終わらないからな」
戦利品の表紙をポンと叩き、満足げな笑みを浮かべた俺はさらに探索を進めた。
本来のチュートリアルはこの本を見つけて終わりだが、そこは開発に携わった人間、裏技を知っている。
「ええーと?この棚の引き出しを2段目左端、4段目真ん中、1段目真ん中、3段目右端、1段目右端の順番で開けていくと…」
かこん。
軽やかな音とともに棚の右側面が小さく外れた。
そうして現れたのは本当のチートアイテム。
「イクスキャリバー、ゲットだぜ!」
それは開発名『どんな魔物もこれ一本で撃退くん』という非常にわかりやすい名前をつけられた挙句、流石にダサすぎると製品ではRPGによく出てくる伝説の剣をもじった名前をつけられた、何の変哲もない木の棒だった。
しかし見た目とは裏腹に、どんな魔物でも全特性無効という能力と高すぎる攻撃力から必ず一撃で倒せるという戦闘パートの意味を失くすような機能が備わっている。
元々そのために作られたのだから当たり前だが。
今朝寝起き早々混乱する頭で俺は今後の身の振り方を決めた。
ゲームが始まってしまったのなら、俺にとって一番都合のいいエンドを目指せばいい、と。
ノーマルエンドがない天罪のエンドは数が少ない。
公式発表されているのは各攻略キャラのルートエンドのみだ。
しかも世に言うトゥルーエンドのみで、バッドエンドは存在しない。
チーフディレクターがバッドエンド嫌いだったからだ。
そして非公式ながら存在するのではと噂されている隠れキャラとされている隣国の王子とのルート。
実はこれ、難易度が高いが存在する。
なんたって『監獄島があるスノーリット王国の側妃に陥れられて教会に預けられた正妃の子である王女がネージュである』という設定があるからだ。
乙女ゲームでよくある実は王女様なネージュは、スノーリット王族特有の夜明け色と比喩される濃青から橙へグラデーションする特異な瞳を持っている。
ある条件を満たすと隣国の王子が監獄島に視察に訪れるのだが、その際瞳の色が王族特有のものであると明かされるのだ。
そのため王子が裏を探り、側妃の悪事を暴くことで隣国の力を借りたネージュが王宮に帰り、晴れて王女として隣国の王子と結婚するというエンドが王子ルートである。
だがしかし、俺が目指すのはそのどれでもない。
というか男であると自覚している自分が、なにが悲しくて男と恋愛せにゃならんのだ。
せっかくの修道女という立場なのだから、思う存分に利用して俺は今世を神に仕えるという名目の元で一生独身を貫こう。
だからこそ開発チームが冗談で作り、製品版ゲームにも設定していながら、絶対に誰も見つけられないであろう難易度ルナティックの隠しルートのクリアを目指す。
それを俺たちは大団円エンドと呼んでいた。
内容としては王子エンドの派生で、王宮に帰ったネージュが側妃を断罪し、王子全員を廃嫡して自らが王継となるものだ。
俺はこのエンドを目指し、最後だけを変えて平和な人生を謳歌するつもりだ。
だがこのエンド、発生条件がただ1つしかない割に鬼のように難しい。
『王子と出会うまで戦闘でネージュ以外が戦ってはならない(チュートリアル戦闘含む)』
ちなみにチュートリアル戦闘は任意のキャラ3人と挑み、一撃目は必ずネージュが担当するのだが、絶対に一撃では魔物を倒せない。
そして強くなって2周目はあるが、周回開始ポイントはチュートリアル戦闘後の日常パートに設定されている。
さらに王子ルートに進むための条件は『魔物討伐100体を達成した状態で全員の好感度が5段階の3以下の状態(誰のルートにも入っていない状態)で攻略ルート分岐点に達する』というものだ。
しかも討伐100体は周回開始ポイントに戻った時点で0体に戻る。
つまり大団円ルートに至るには『全員の好感度が低い状態でネージュのみで魔物100体を討伐し、攻略ルート分岐点に到達する』ことが条件となる。
改めてそれを思い出すと、何故こんな高難易度にしたのかと三日三晩問い詰めたい。
だから大団円ルートへの条件を満たすためには、今この時点でイクスキャリバーが必要不可欠なのだ。
なぜならチュートリアル戦闘はこの後すぐに控えているから。
ところで、チュートリアル戦闘前にあの引き出しをあの順番で開けられるプレイヤーなどいるのだろうか。
そして『イクスキャリバー:伝説の剣のような名前をつけられた木の棒』としか表示されず、通常装備枠に装備できないそれを特殊装備3枠目に装備してチュートリアル戦闘に臨める者がいるのだろうか。
確信を持って言える。
開発チームの誰かが世に出さない限り、このエンドは日の目を見ないと。
「ネージュ。あれが今日からお前が暮らすことになる第9監獄島だ」
漸く見えてきた新たな職場に、しかし俺は目を向けることができなかった。
「……ぎぼぢわるぃ…」
船酔いする体質は転生しても治らなかった。
「お前が暮らすのはこの部屋だ。1時間後に迎えに来るから少し休んで、可能なら荷解きもしておきなさい」
明日には帰ってしまう教育係兼第1~10監獄島管理者のターギ司祭(声は俺の呟きを見つけた高木さん)はそう言い残し、この島にいる囚人たちに俺のことを説明しに向かった。
本当は一緒に向かう予定だったのだが、あまりにも船酔いが酷かったので気を遣ってくれたのだ。
そのありがたい時間を使って、俺は10分ほど休んだ後この部屋を調べ始めた。
吐き気が酷すぎてゲロってもすぐ動くことはできなかったんでね!
「…あった」
部屋を調べてすぐに俺は目的のものを見つけた。
実は部屋を探索するというのはこのゲームのチュートリアルにある行動だった。
だからそこで見つけられるアイテムが実際にあるか確かめてみたのだ。
するとそれはちゃんとチュートリアルと同じ位置にあった。
『監獄島に出現する魔物の種類と対抗手段』
備え付けの机の上に並べてあった本の左から3番目にあったその本は、ここで過ごすうえで外せないアイテムだ。
天罪には日常パートとイベントパート、そして戦闘パートがある。
日常パートは何もしなくても表示される雑談や行動だ。
例えば島を歩いていると攻略対象者の誰かと出会って何気ない会話を交わしたり、『食堂の掃除をしよう!』というミニゲームが起こるなど。
イベントパートは好感度によって特定の攻略対象者とのイベントが起きる、乙女ゲームの主軸ともいうべきパートだ。
例えば部屋に好感度が高い攻略対象者が遊びに来る、朝焼けの島を散策するデートに誘われるなど。
そして戦闘パートでは文字通り戦闘が起きる。
監獄島には各島にそれぞれ魔集器と呼ばれる装置が設置されている。
それは世界中の魔気、人間のマイナス感情から生まれた闇の力を持った気を集める効果があるのだが、一定値に達すると空きを作るために魔気を魔物に変えて生み出すという性質がある。
それを戦闘によって処理するというのが監獄島に収容された囚人に課された罰であり義務であるのだが、正直この本がなければ倒すのは容易ではない。
魔物の種類は多岐に亘る上、打撃無効や斬撃無効などの特性を持ったものもいるからだ。
それがこの本には全て記されているのだから、戦闘においてはチートアイテムと言ってもいいくらいの代物だ。
だが転生したのが俺である以上、今後その出番はないと思われる。
今回は単に物がゲームと同じ配置であるかの確認で手に取っただけの代物だ。
「それにこれがなくちゃチュートリアルが終わらないからな」
戦利品の表紙をポンと叩き、満足げな笑みを浮かべた俺はさらに探索を進めた。
本来のチュートリアルはこの本を見つけて終わりだが、そこは開発に携わった人間、裏技を知っている。
「ええーと?この棚の引き出しを2段目左端、4段目真ん中、1段目真ん中、3段目右端、1段目右端の順番で開けていくと…」
かこん。
軽やかな音とともに棚の右側面が小さく外れた。
そうして現れたのは本当のチートアイテム。
「イクスキャリバー、ゲットだぜ!」
それは開発名『どんな魔物もこれ一本で撃退くん』という非常にわかりやすい名前をつけられた挙句、流石にダサすぎると製品ではRPGによく出てくる伝説の剣をもじった名前をつけられた、何の変哲もない木の棒だった。
しかし見た目とは裏腹に、どんな魔物でも全特性無効という能力と高すぎる攻撃力から必ず一撃で倒せるという戦闘パートの意味を失くすような機能が備わっている。
元々そのために作られたのだから当たり前だが。
今朝寝起き早々混乱する頭で俺は今後の身の振り方を決めた。
ゲームが始まってしまったのなら、俺にとって一番都合のいいエンドを目指せばいい、と。
ノーマルエンドがない天罪のエンドは数が少ない。
公式発表されているのは各攻略キャラのルートエンドのみだ。
しかも世に言うトゥルーエンドのみで、バッドエンドは存在しない。
チーフディレクターがバッドエンド嫌いだったからだ。
そして非公式ながら存在するのではと噂されている隠れキャラとされている隣国の王子とのルート。
実はこれ、難易度が高いが存在する。
なんたって『監獄島があるスノーリット王国の側妃に陥れられて教会に預けられた正妃の子である王女がネージュである』という設定があるからだ。
乙女ゲームでよくある実は王女様なネージュは、スノーリット王族特有の夜明け色と比喩される濃青から橙へグラデーションする特異な瞳を持っている。
ある条件を満たすと隣国の王子が監獄島に視察に訪れるのだが、その際瞳の色が王族特有のものであると明かされるのだ。
そのため王子が裏を探り、側妃の悪事を暴くことで隣国の力を借りたネージュが王宮に帰り、晴れて王女として隣国の王子と結婚するというエンドが王子ルートである。
だがしかし、俺が目指すのはそのどれでもない。
というか男であると自覚している自分が、なにが悲しくて男と恋愛せにゃならんのだ。
せっかくの修道女という立場なのだから、思う存分に利用して俺は今世を神に仕えるという名目の元で一生独身を貫こう。
だからこそ開発チームが冗談で作り、製品版ゲームにも設定していながら、絶対に誰も見つけられないであろう難易度ルナティックの隠しルートのクリアを目指す。
それを俺たちは大団円エンドと呼んでいた。
内容としては王子エンドの派生で、王宮に帰ったネージュが側妃を断罪し、王子全員を廃嫡して自らが王継となるものだ。
俺はこのエンドを目指し、最後だけを変えて平和な人生を謳歌するつもりだ。
だがこのエンド、発生条件がただ1つしかない割に鬼のように難しい。
『王子と出会うまで戦闘でネージュ以外が戦ってはならない(チュートリアル戦闘含む)』
ちなみにチュートリアル戦闘は任意のキャラ3人と挑み、一撃目は必ずネージュが担当するのだが、絶対に一撃では魔物を倒せない。
そして強くなって2周目はあるが、周回開始ポイントはチュートリアル戦闘後の日常パートに設定されている。
さらに王子ルートに進むための条件は『魔物討伐100体を達成した状態で全員の好感度が5段階の3以下の状態(誰のルートにも入っていない状態)で攻略ルート分岐点に達する』というものだ。
しかも討伐100体は周回開始ポイントに戻った時点で0体に戻る。
つまり大団円ルートに至るには『全員の好感度が低い状態でネージュのみで魔物100体を討伐し、攻略ルート分岐点に到達する』ことが条件となる。
改めてそれを思い出すと、何故こんな高難易度にしたのかと三日三晩問い詰めたい。
だから大団円ルートへの条件を満たすためには、今この時点でイクスキャリバーが必要不可欠なのだ。
なぜならチュートリアル戦闘はこの後すぐに控えているから。
ところで、チュートリアル戦闘前にあの引き出しをあの順番で開けられるプレイヤーなどいるのだろうか。
そして『イクスキャリバー:伝説の剣のような名前をつけられた木の棒』としか表示されず、通常装備枠に装備できないそれを特殊装備3枠目に装備してチュートリアル戦闘に臨める者がいるのだろうか。
確信を持って言える。
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