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1巻

1-3

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「すごい、すごい!」
「うわぁ、きれい……」

 聖火の灯った教会の中を見て、二人は楽しげな声をあげた。
 掃除しといてよかった、と俺はホッとする。

「二人はここに入ったことある?」
「うん、前にも入った。でも、今とは違ったよ。もっと暗くて、その……ちょっと怖かった」

 確かに。
 灯りのついていない無人の教会というのは、子供たちにとってはちょっと怖いかもしれない。
 蜘蛛の巣だらけだったし。

「この火も魔法なの?」

 燭台に灯った聖火を指さして、女の子が言った。

「それはね、神様の魔法だよ」
「すごい、すっっっごいね!」
「そうだね」

 女の子が飛び跳ねる。
 
 ――わ、アルフ! この子たち、どこで拾ってきたの!?
 
 そんな子供たちの声に気付いたのか、リアヌンが声を上げる。

「いや拾ったっていうか、教会の前を歩いてたんだ。だから中に入ってもらっただけだよ」

 そう応えた後、視線を子供たちに戻すと、女の子が不思議そうにこちらを見上げていた。

「誰と喋ってるの?」

 しまった! リアヌンの声を当たり前のように聞きすぎて、普通に応答してしまった。

「えっと……信じてもらえないかもしれないけど、お兄さんは神様とお話できるんだよ」
「え、そうなの!」

 再び目を輝かせる女の子。
 最初は疑うのが当然の反応だと思ったけど……
 本当に純粋な子だ。

「そう。声が聞こえるんだ」
「神様は何て言ってるの?」

 ――何、このお嬢ちゃん! マリニア、ちゃんっていうの? 名前まで可愛い!

「可愛い、って言ってるみたいだよ」
「きゃー。嬉しい!」

 リアヌンがマリニアと呼んだ少女がほおを緩めた。
 そういえば俺が入った時もリアヌンは名前を知っていたけれど、俺たちは自己紹介がまだだったな。

「俺はアルフっていうんだけど、二人の名前を教えてもらっていいかな?」
「うん。私、マリニア」
「君の名前も聞いてもいい?」

 今度は男の子の方に目線を合わせる。

「ミケイオ、です!」

 ミケイオはたどたどしいながらも、敬語で言った。
 
 ――敬語が使えて偉いねぇ~。
 
 おい、堅苦しいのは嫌いじゃなかったんかい。

「マリニアちゃんとミケイオくんね。二人とも、よろしくね」
「アルフお兄ちゃん!」
「よろしくお願いします」

 マリニアはにっこりした笑顔を向け、ミケイオはぺこりと頭を下げる。
 村の子たちといた時のことを思い出す。当時は俺自身も八歳とかだったけれど、普通に前世の記憶があったからな。大人目線で、小っちゃい子たちの面倒をよく見てたな。

「それで、二人に頼みたいことがあるんだけど。いいかな?」
「うん!」

 元気いっぱいに頷くマリニア。

「何をすればいいの?」

 ミケイオも興味津々の様子だ。
 そんな二人に、俺は女神像を指さして言った。

「ここにある神様の像に向かって、祈ってほしいんだ」
「祈る?」
「そう。こうやって胸に手を当てて、目をつぶって、神様に感謝したり、お願い事をしてみたりするんだ。この教会はずっと人がいなかったから、神様がとても寂しがっていてね。やってもらってもいい?」
「うん!」
「分かった」

 本当、なんて素直な子たちなんだろう。
 ここは何がなんでもスキルを手に入れて、この子たちにお礼のパンをあげたい。

「じゃあ、やってみて」

 二人は頷くと、目をつぶって祈り始めた。
 俺は女神像に触れる。
 目の前の光の中に、貯まった神力を表す数字が浮かぶ。
 9‌‌1。トイレの外に聖火を設置したから、それで少し消費されたみたいだ。
 二人の祈りで、どれくらい増えるだろか。
 きたっ!
 神力を示す数字に、変化が表れ始めた。
 数字が徐々に増えている。
 おぉ!
 1‌0‌0をあっさりと超え、1‌2‌0、1‌3‌0、1‌4‌0……1‌8‌0を超えるとだんだんとそのスピードは落ちて、1‌8‌9でほとんど止まった。
 よし! 二人分の祈りで、だいたい1‌0‌0……つまり一人あたりはだいたい5‌0ってところかな。
 
 ――やったね、アルフ! 神力、めっちゃ貯まってる!
 
 俺は笑顔で頷く。
 そして二人を振り返った。
 マリニアもミケイオも、まだ真剣な顔で祈りを捧げている。

「リアヌン、聞こえる?」

 俺は女神像に小声で話しかけた。
 
 ――聞こえるわ。なに?

「このスキルが欲しいんだけど、どうすればいい?」

 俺はひとつだけ色の変わった光の玉を指さした。
 赤だったものが宝石のような青に変わっている。
 
 ――その玉を掴んで。それから合言葉を念じてくれれば、スキルの受け渡し完了よ!

「分かった」

 俺は青い玉を握る。
 自分の頭の中に、スキルのイメージが広がった。

『パンを受け取る』

 すると指の間から、握った青い玉の光が一段と強くなって……それから玉ごと消えた。
 神力の数字がするすると減っていき、87で止まる。
 
 ――これで受け渡しできたわ!
「ありがとう」

 俺は女神像から手を離した。
 振り向くと、二人は祈りを終えてこちらを見上げていた。
 マリニアが俺に尋ねる。

「神様とお話してたの?」
「うん。神様、とっても喜んでた。二人にありがとう、って言って贈り物もくれたよ」
「えっ!?」

 二人は顔を合わせた。

「じゃあ手を出して」
「こう?」

 二人は素直に両手をおわんのようにして差し出した。

『パンを受け取る』

 パァッと、俺の手が光り出す。

「「わっ!」」

 二人が眩しそうに目を細めた。
 光がおさまると、俺の手の中に美味しそうな丸いパンが現われる。
 焼きたてかのように、じんわりと温かい。

「すごい!」
「これ、神様がくれたの?」

 マリニアもミケイオも目を丸くしている。

「うん」

 俺は頷いた後、再び『パンを受け取る』と念じた。
 もう一つ出せるだろうか。神力が足りるといいけど……
 パァッ。

「もう一つ出てきた!」

 マリニアが愉快ゆかいそうに拍手した。
 よかった。足りたみたいだ。

「はい。どうぞ」

 子供たちが手で作った器の上に、俺は一つずつパンをのせた。

「ありがとう!」
「二つももらっていいの?」
「二人とも一生懸命祈ってくれたから、神様がいいよって」

 二人が笑顔になる。

「ありがとう、神様!」
「アルフ兄ちゃんも、ありがとう!」
「いえいえ」

 ――はぁぁぁぁ癒されるぅぅぅぅぅ……天界疲れに効くわぁぁ……
 子どもたちの反応がよほど嬉しかったらしい。
 天界も色々と大変なのだろう。
 マリニアは上目遣いで、ミケイオのことを見た。

「ねぇ、お兄ちゃん。食べていい?」

 ミケイオは首を横に振る。

「だめだよ、おばあちゃんのところに持って帰らなくちゃ」
「そっか……」

 マリニアががっくりと肩を落とす。

「ねぇ、二人の家には誰がいるの?」
「えっと、おばあちゃんがいます。僕とマリニアと、三人で暮らしてる」

 ミケイオがそう説明してくれる。

「そうなんだ。ちょっと待ってね」

 俺は女神像に触れて、神力の残量を確認した。
 58か。パン一つで、1‌5くらい神力を消費するみたいだ。
 あまり余裕はないけれど、ここでケチケチしても仕方ない。

『パンを受け取る』

 パァッ。
 三度俺の手には丸いパンが現われる。
 それを俺はミケイオの手にのせた。

「はい。おばあちゃんの分も、持って帰ってあげて」
「い、いいの?」

 ミケイオが目を見開いて言った。

「いいよ」
「ありがとう、アルフ兄ちゃん!」
「ありがとう!」

 マリニアがじっとミケイオの方を見る。
 食べたくてうずうずしているのだろう。
 ミケイオが、それを察して俺に確認する。

「えっと……僕たちがもらった分、食べていい、ですか?」
「もちろん」

 俺は笑って答えた。

「「ありがとうございます!」」

 二人は無我夢中でパンを食べ始めた。

 ――ねぇ、アルフ! 見て! 像に触って!

 ものすごい勢いでパンを食べている二人をほっこりしながら見ていると、リアヌンのはしゃぐ声が聞こえた。
 どうしたんだろう?
 リアヌンに急かされるまま、像に触れると――
 298……!?
 パンを出したことで30くらいまで減っていたはずの神力が、十倍近くになっていた。
 どういうことだ?

 ――ちょっ、ちょっと待って。すぐに本で確認するから!

 そういう仕組みって、本で確認してるんだ……神様の変な裏側を知ってしまった。
 それはさておき増えた理由だ。
 確認を終えたらしいリアヌンが頷く声が聞こえる。

 ――なるほど、そういうことか……

「どういうこと?」

 ――えっと……色々書いてあるんだけど、簡単に言うと「人助け」をしたことが良かったみたい。アルフがちびっこたちにパンをあげて、彼らが喜んだり救われたと思った気持ちが、神力につながったんだと思う。

 ほうほう、そういうことでも神力は貯まるのか。まぁ、それはそうか。人を救うための教会であり、神の力だもんな。

「ゴ、ゴホッ!」
「大丈夫か、マリニア」

 振り返ると、マリニアが咳き込んでいた。
 俺は咄嗟に目の前にこぶし大のウォーターボールを出現させる。
 そしてそれをマリニアの顔の前に持っていった。
 本当はコップみたいなのがあればいいんだけど……

「飲んで」

 俺の言葉にマリニアは頷き、ウォーターボールに口をつけた。

「……ありがと、アルフお兄ちゃん!」
「どういたしまして」
「アルフ兄ちゃん、僕ももらっていい?」

 ミケイオが少し恥ずかしそうに言った。

「もちろん」

 俺はそう答えてから、水を魚の形にした。

「うわぁ! 形が変わった!」

 マリニアが明るい声を上げる。

「ミケイオ、口を開けて」

 ミケイオが小さな口を開ける。
 俺がその中に、水で作った魚をぴょんと飛び込ませると、ぱくっと口を閉じて飲み込んだ。

「どう?」

 ミケイオはけたけた笑って応える。

「美味しい、ありがとう」

 つられて俺も笑顔になった。

「どういたしまして」
「私も! 私もやって!」

 今度はマリニアが大きく口を開ける。
 水魔法で、次はちょうちょの形を作る。

「あ、ほうほあ(ちょうちょだ)!」

 マリニアが口を開けたまま、指さす。
 水のちょうちょはパタパタと羽ばたいて、マリニアの口に近づく。
 ぱくっとマリニアは、タイミングよくそのちょうちょを口の中におさめた。
 マリニアがにっこり笑う。
 ずいぶん長い間、この子たちを引き留めちゃったな。
 そろそろ帰してあげないと。
 パンを食べ終えた二人を連れて、俺は教会の外へ出る。

「じゃあ二人とも気をつけて帰ってね、また来てくれると俺も神様も嬉しいな」
「うん、ありがとう! アルフお兄ちゃん!」
「また明日ね!」

 兄妹は、手を振って帰っていった。
 俺はそれを見届けてから教会の中に戻る。

 ――二人とも帰った?
「うん、帰ったよ」
 ――あー、残念。もうちょっといてくれたらよかったのに。
「もう外が暗くなり始めてたからね。あんまり引き留めたら、彼らのおばあちゃんが心配するよ」
 ――そっか。それもそうだね。
「でも、明日も来てくれるって言ってたから」

 教会から出る時、二人そろって「また来てもいい?」と不安げに尋ねてきたのだ。
 俺が好きな時においでと答えたら、マリニアもミケイオも「明日!」「明日になったらすぐ来るね!」と意気込んでいた。
 しばらく教会はにぎやかになりそうだ。
 女神像に触れて、神力を確認する。
 322。二人にパンをあげた後300に届かないくらいの数値になっていたけれど、また少し増えている。
 水をあげたり、一緒になって遊んだり、そんなことをしている間に貯まったようだ。
 神様にとっても、教会が賑やかなことは喜ばしいことなのかもしれない。
 静かになった教会で俺は伸びをしながら言った。

「少し早いけど、今日は寝ようかな」
 ――そうね。いろいろあって疲れたでしょう。考えてみたら、アルフとは今日出会ったばかりなのね! もうずっと知り合いだったみたい。
「ありがとう。俺もそんな感じがするよ」
 ――ふふっ。で、どこで寝るの?
「毛布持ってきたし、ここで寝ようかな」

 俺は下を指さした。

 ――大丈夫? 床なんて……身体痛くならない?
「大丈夫だよ。どこでも寝られる方だから」
 ――そう。

 少し申し訳なさそうな気持ちを声ににじませて、リアヌンが応える。

「ありがとう、心配してくれて。リアヌンは寝たりするの?」
 ――うん。私も普通に寝るよ。こっちの世界も、そんなにそっちと変わらないよ。神力が使えるから、そっちの世界の人たちよりは多少できることが多いかもしれないけど……
「そうなんだ」

 意外な回答だ。それじゃ神様というよりは、別の世界の人って感じだな。

 ――普通に食べたり、寝たりするよ。仕事に嫌気がさすこともあるし、転職だって……

「ははは……」

 天界もいろいろと大変らしい。
 少しの間の後、俺はリアヌンに聞きたかったことを思い出した。

「あ、そういえばトイレに聖火を設置しちゃったけど問題なかったかな」
 ――うん、いいんじゃない? 

 あっさり許可が下りたことに、俺は驚く。
 リアヌンがそのまま言葉を続けた。

 ――聖火は神力が続く限り消えないし、普通の火と違って、出した人とか神とかの意志を反映するからね。燃やすものと燃やさないものを分けることだってできる賢い火なんだよ。

 リアヌンの言い方から得意げなものを感じた。
 初めて聖火の特性をちゃんと聞いた気がする。俺としては、魔法と違ってずっと意識せずともつけていられるから聖火を利用したのだが、そんな長所もあったとは。

 ――あ、そうだ。聖火といえば消す時の合言葉も決めてなかったね? どうする? やっぱり、ゴット・ファイアー……
「『聖火を消す』でお願いします」

 俺は女神のリアヌンを遮るように応える。

 ――なんだよー、ひねりがないなー。

 いや念じるの俺だし、ゴットファイアーは恥ずかしいよ……

 ――あ、ちなみにね、聖火で燃えたものって「聖灰せいはい」になるんだけど、畑とかに撒くといいらしいよ。野菜とかぐんぐん育つから。

「へー!」

 教会の周りには土地がいくらでもあるし、近いうちに畑づくりをするのもありかもしれない。
 リアヌンにもそう話すと――

 ――うん、それはいいね! スキルで得られる食べ物もいくつかあるけれど、全部の食べ物が出せるわけじゃないからね。神力もそれなりに消費するし、食料を確保する場所はあった方がいいよ。
 リアヌンはそう賛成してくれた。
 やりたいこともやることも増えてきたなぁ。

「色々教えてくれてありがとう。それじゃ、先に寝させてもらうよ。明日からもよろしく」

 ――うん! じゃあ、またねー。おやすみー。

「おやすみなさい」

 かばんから取り出した毛布を体に巻き付け、教会の床で横になる。
 自分ではあまり気付かなかったが、知らぬ間に疲れがたまっていたようだ。
 目をつぶると、すぐに意識は真っ暗になった。



  第三話 来訪者が増えた!?


 次の日、俺は朝早くに目を覚ました。

「リアヌン?」

 呼びかけてみたが、特に返事はない。
 まだ寝ているのかもしれない。
 俺はあまり音を立てないように起きて、毛布を鞄の中にしまう。
 それからトイレで小用を足した後、水魔法で煙突便器を綺麗にして、教会の外へ出た。
 朝日は山に隠れて、まだ見えなかった。
 外は早朝で、空は冷たい青だった。
 教会の横に回ると、穴の中で昨日灯した聖火がもくもくと燃えている。
 排出口付近のやや湿った地面に、水をかけて洗い流した。
 それから土魔法を使って、排出口から穴の中心へのちょっとした坂を作る。
 さらに外から排出物が見えないよう、穴全体と教会の壁の排出口を土魔法で作ったドームで覆った後、出た煙を逃がすためにドームの上にいくつか穴を開ける。 
 修繕しゅうぜんを終えると、俺は教会に戻った。

『パンを受け取る』

 光とともに、パンが現れる。
 朝食として【神力】で出したそのパンをむしゃむしゃと食べた。
 うん。美味しいけれど、何の変哲へんてつもないただのパンだ。
 お腹を満たすためだけならこれで十分だけど、さすがにすぐにきがきそうだし、栄養バランスも気になる。
 神力を貯めて別の食べ物を出すスキルを獲得したり、食料を手に入れたりする方法を模索していこう。
 パンを食べ終えてから、ウォーターボールを発生させて、喉をうるおした。
 さて、ミケイオたちが会いに来る前に、作業を始めるか。
 教会の裏にある雑木林にやってきた。
 森と呼んでもいいくらい、鬱蒼としていて、生えている木や植物たちから溢れんばかりの生命力を感じる。
 俺はあたりの木々を見回した。

「こいつはいいや」

 試しに風魔法で、手近な大木をスパンと切り、風を吹かせて倒す。
 ガサガサガサガサ……ドスッ。
 葉を揺らしながら、木が倒れる。
 断面を嗅いでみると、自然のあたたかみを感じさせる香りがした。

「よし」

 さらに根本に近い方をスパンと切断し、三十センチくらいの木材をゲットする。
 倒した木も、太さがあって使えそうなところだけ切り取って二つの木材にする。
 さらに別の低めの木を切り倒して、これも三十センチ程度で二つに分ける。
 全部で五つの三十センチ木材を切り出した。
 それらを教会に持って帰ると、女神の声が聞こえた。

 ――おはよー。
「あ、起きたんだ。おはよう」
 ――うん。いやぁ、よく寝ましたわ。そっちは何してたの?
「木、切ってた」

 リアヌンと話しながら、内陣の前に五本の木材を並べる。

 ――魔法で?
「もちろん」
 ――昨日も思ったんだけど、アルフの魔力は底なしなの?
「そういうのって、神様は見えるものなの?」

 つい気になって問い返してしまった。

 ――あー、よく人から誤解されるんだけど、私たちそんなに万能じゃないのよ。そっちの世界に干渉かんしょうできることなんて、すごく限られてるから。まぁ神によっても違うから、一概には言えないけどね。私はぺーぺーなんで、読み取れるのは名前とかどういう性格かくらいかな。

「ふーん」

 そういうもんなのか。
 学校で勉強した神話の内容だと、英雄的な神が思い通りの力を振るっていたけれど、それとはだいぶイメージが違う。
 魔法使いもレベルで実力がピンキリになるみたいに、神にも力量差があるようだ。
 そんなことを考えながら手に持っていた木材の一本を床に置いて、風魔法で加工していく。


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