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11話 好きなおかし
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「みんなの好きなおかしってなに?」
「いきなりだね、ヒカリちゃん」
「うん、これを食べててふと思ったんだけどね」
ぼくはポテトチップスのパッケージをマヤちゃんに見せる。
「あー、それおいしいよねー。でもおかしならチョコが特に好きかな」
「私はフルーツが好き。いちごとかさくらんぼとか。生クリームを付けるとひと味違うわよ。おかしとはちょっと違うかもしれないけど」
「そういう考え方もあるんですねー。わたしは洋菓子よりは和菓子の方が好きです。まったりしますよー。おせんべいとかもおいしいですよ」
「ちょっと意外ね。ケーキのほうが似合いそうなのに」
「そうですかー?」
「リサっておばあちゃんみたい。ところでさ、私はチョコを食べる時に、口にチョコを入れてお湯をちょっと飲む、ってのをときどきするよ」
「なんかそれ変じゃないか?」
「えー! だって口でとかすより速くとけておいしいよ。今度やってみなよ」
「どうだか」
「ぼくもポッキーとかプリッツを何本も一気に食べることがあるけど、それも変かな?」
「それ私もやるよー。贅沢な感じがするよね」
「食べ方なんて人それぞれでしょ。おいしければいいのよ」
「人によって違うんだね。――ところで、ナギトくんは?」
「お、俺はそうだな、普通にポテチとかかな……」
ナギトくんが少し戸惑いながら答える。
「えー、何言ってんの、ナギト? アンタが好きなのはマカロンとかパフェとかでしょ。食べるだけじゃ物足りないからって、こないだ自分でスイーツ作ってたじゃん」
マヤちゃんがニヤニヤしてる。
「そうなの!?」
「そうなんですか!?」
アカリちゃんは静かに目を見開いていた。
「なんだよ、その顔」
「だって、おかしって料理と違って分量をきっちり量らないと上手くいかないって聞くよ?」
「ナギトさん、器用なんですねー」
「女子力ってやつね」
「こんな見た目なのにねー」
「ひとこと余計だよ。今度作ってこようか?」
「いいの!?」
「ありがとうございますー」
「楽しみにしてるわ」
楽しみだな、ナギトくんのおかし。
翌日。
「ほら、作ってきたぞ。クッキー」
「待ってました!」
「ありがとう、ナギトくん」
「ありがとうございますー」
「おいしそうね」
「ほら、早く食べろよ」
ナギトくんが照れてるー。
「「「「いただきます」」」」
「おいしいねー」
「でしょー」
「なんでお前が言うんだよ」
「おいしいですね」
「そうね」
「そうか。良かった」
そこにあったのはナギトくんのとびきりの笑顔だった。
「いきなりだね、ヒカリちゃん」
「うん、これを食べててふと思ったんだけどね」
ぼくはポテトチップスのパッケージをマヤちゃんに見せる。
「あー、それおいしいよねー。でもおかしならチョコが特に好きかな」
「私はフルーツが好き。いちごとかさくらんぼとか。生クリームを付けるとひと味違うわよ。おかしとはちょっと違うかもしれないけど」
「そういう考え方もあるんですねー。わたしは洋菓子よりは和菓子の方が好きです。まったりしますよー。おせんべいとかもおいしいですよ」
「ちょっと意外ね。ケーキのほうが似合いそうなのに」
「そうですかー?」
「リサっておばあちゃんみたい。ところでさ、私はチョコを食べる時に、口にチョコを入れてお湯をちょっと飲む、ってのをときどきするよ」
「なんかそれ変じゃないか?」
「えー! だって口でとかすより速くとけておいしいよ。今度やってみなよ」
「どうだか」
「ぼくもポッキーとかプリッツを何本も一気に食べることがあるけど、それも変かな?」
「それ私もやるよー。贅沢な感じがするよね」
「食べ方なんて人それぞれでしょ。おいしければいいのよ」
「人によって違うんだね。――ところで、ナギトくんは?」
「お、俺はそうだな、普通にポテチとかかな……」
ナギトくんが少し戸惑いながら答える。
「えー、何言ってんの、ナギト? アンタが好きなのはマカロンとかパフェとかでしょ。食べるだけじゃ物足りないからって、こないだ自分でスイーツ作ってたじゃん」
マヤちゃんがニヤニヤしてる。
「そうなの!?」
「そうなんですか!?」
アカリちゃんは静かに目を見開いていた。
「なんだよ、その顔」
「だって、おかしって料理と違って分量をきっちり量らないと上手くいかないって聞くよ?」
「ナギトさん、器用なんですねー」
「女子力ってやつね」
「こんな見た目なのにねー」
「ひとこと余計だよ。今度作ってこようか?」
「いいの!?」
「ありがとうございますー」
「楽しみにしてるわ」
楽しみだな、ナギトくんのおかし。
翌日。
「ほら、作ってきたぞ。クッキー」
「待ってました!」
「ありがとう、ナギトくん」
「ありがとうございますー」
「おいしそうね」
「ほら、早く食べろよ」
ナギトくんが照れてるー。
「「「「いただきます」」」」
「おいしいねー」
「でしょー」
「なんでお前が言うんだよ」
「おいしいですね」
「そうね」
「そうか。良かった」
そこにあったのはナギトくんのとびきりの笑顔だった。
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