上 下
6 / 7

6.当て馬だって、キミが欲しい

しおりを挟む
 
 他人の熱なんて触った事無いから、もうどうすれば良いのか分からない。
 ただ恥ずかしくてアワアワしてる僕を、シュウが楽しそうに眺めてまたキスを落としてきた。
 性感帯を引き出すような濃厚なキスに、また頭はふわふわして、もう手は離されてたのに僕はいつの間にかシュウの物を服の上から握ってた。
 形を確かめるようになぞって握ればもっと腰を押し付けてきてシュウのモノは固くなって、僕まで興奮してしまう。

「ふぁ、ん、ん、はぁ、んぅ……っ」

 シュウは激しいキスを止めないまま、また服の中をまさぐりだす。
 腰を柔らかく撫でてスーッとくすぐるように指を滑らせてへその周りをなぞる。
 それだけなのに体は恥ずかしいぐらいビクビク動いちゃって、そうするとますますキスが激しくなった。

「ベッド……行こっか?」

「ん、ぁ……? わぅっ!?」

 僕が激しいキスに息も絶え絶えになった頃、シュウもハァハァ言いながら僕に問う。
 聞いてきたくせに、シュウは返事も聞かずに僕の体を抱え上げた。

 そしてベッドに押し倒されてからは、もう凄かった。
 とたんに服を引っ剥がされて、胸にむしゃぶりつかれて、ちんこなんか竿を扱きながら先っぽまでグリグリと器用に刺激された。

「ひぅ、あ、あぁっ、も、やだぁ……っ」

 自慰でしか性欲を発散したことがない僕は、人から与えられる快楽がこんなにも激しいとは知らなかった。
 ぐずぐず泣きながらやだやだと首を振っても強制的にイかされてしまい、おまけにやらしい舌をあちこちに這わせるから、もうどこが気持ちいいのか分からない。
 だからいつの間にか尻の穴までいじられてたけど、気がついた時にはそこでも気持よくなっていた。

「あーかわい……ねぇ見てユキちゃん、こんなに柔らかくなっちゃった。三本入れても気持ちよさそう……ね? 気持ちいい?」

「あっ、あぅ、や、やっ、わかんな……っ」

 かわいいかわいいと取り憑かれたかのように繰り返すシュウは、まばたきしてないんじゃないかってぐらい僕から目を離さない。
 実際目がちょっと血走っていて、ホントにまばたきしてないんじゃないだろうか。
 絶え間なく与えられるすぎる快楽に息も絶え絶えなのに、シュウは容赦なくキスをする。

「ユキちゃん積極的なのにさぁ、なのにいつも自信なさげで……それでも頑張るユキちゃんがかわいくてかわいくてさぁ……」

「や、やっ! またクる……っ、それ、や……っ」

 目にたまる涙を舐められ、両手で穴と竿の両方をせめられる。
 僕の足の間に入っているから足を閉じる事も出来なくて、ひたすら力の入らない手でシュウにしがみつく。

「周りの子より断然ユキちゃんのがかわいいのに、自分でもかわいいの分ってるくせに、ちょっと他の子と話しただけで不安げに俺を見上げちゃうのとかさぁ、どんだけかわいいか分かってる?」

「も、やだ、やだぁ……っ、もう出ない、からぁ……っ」

 もう出ないのに、出したくないのに。
 暴力的に性感帯を刺激するシュウはいつもと違って全然優しくない。
 でも、この手は離せない。

「こーんなかわいい子がさぁ、必死に俺に甘えてきてさぁ……そのくせ不安そうに震えてんの。もうぐちゃぐちゃにしちゃいたくて堪んなかったよ……」

「あっ、あ、あ……んんーーっ!」

 僕を射抜く視線は僕だけを見ていて、それはずっと欲しかった物だから。
 僕はまた体を痙攣させ、欲を吐き出す。けれど何度も射精したから吐き出せる物がなくて、大きく体を震わせて快感を逃がすだけだった。

「でも怖がらせちゃいけないって、ずーっと我慢してたんだよ? ね? 俺も頑張ったっしょ? だからホラ、また俺を欲しがってよ……」

「はぁ、はぁっ、あ、う……シュウ……くん……」

 顔にたくさんキスを落とすシュウが、甘く低い声で囁く。

「ね、言って? ユキちゃんの口から、欲しいって、さ……」

「ひんーーっ、あぅ……ッ!」

 じゅぶ……っ、と、未だ入ったままの指が的確に性感帯をかきまわす。まるで、言えと脅しているような手つきは怖いのに、声とキスは憎いぐらい優しい。
 快楽に落ちた思考はもうまともな考えなんて出来ない。
 けれどしつこく心が叫んでる。欲しがっちゃダメだって、どうせ手に入らないんだって。
 でも、でも、キミが言った。欲しがって良いよって、言ったから──

「──しゅう、が……ほしい……ちょう、だい……」

「……っ、ははっ、よろこんで……っ!」

「──……ッ!!」

 容赦のない熱が、嬉々として打ち込まれた。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

忘れ物

うりぼう
BL
記憶喪失もの 事故で記憶を失った真樹。 恋人である律は一番傍にいながらも自分が恋人だと言い出せない。 そんな中、真樹が昔から好きだった女性と付き合い始め…… というお話です。

逃げるが勝ち

うりぼう
BL
美形強面×眼鏡地味 ひょんなことがきっかけで知り合った二人。 全力で追いかける強面春日と全力で逃げる地味眼鏡秋吉の攻防。

ある日、木から落ちたらしい。どういう状況だったのだろうか。

水鳴諒
BL
 目を覚ますとズキリと頭部が痛んだ俺は、自分が記憶喪失だと気づいた。そして風紀委員長に面倒を見てもらうことになった。(風紀委員長攻めです)

βのくせに巣作りしてみたら

ぽぽ
BL
 αの婚約者がいるβの瑛太。Ωでないことを気にしているが、婚約者は毎日愛を囁いてくれるため満足していた。  しかし、ある日ふと婚約者が「巣作りって可愛いよね」と話しているのを聞き、巣作りをしてみた。けれども結局恥ずかしくなり婚約者が来る前に片付けようとしたが、婚約者が帰ってきてしまった。   ━━━━━━━━ 執着美形α×平凡β 表紙はくま様からお借りしました。 https://www.pixiv.net/artworks/86767276 R18には☆を付けてます。

男とラブホに入ろうとしてるのがわんこ属性の親友に見つかった件

水瀬かずか
BL
一夜限りの相手とホテルに入ろうとしていたら、後からきた男女がケンカを始め、その場でその男はふられた。 殴られてこっち向いた男と、うっかりそれをじっと見ていた俺の目が合った。 それは、ずっと好きだけど、忘れなきゃと思っていた親友だった。 俺は親友に、ゲイだと、バレてしまった。 イラストは、すぎちよさまからいただきました。

初めてを絶対に成功させたくて頑張ったら彼氏に何故かめっちゃ怒られたけど幸せって話

もものみ
BL
【関西弁のR-18の創作BLです】 R-18描写があります。 地雷の方はお気をつけて。 関西に住む大学生同士の、元ノンケで遊び人×童貞処女のゲイのカップルの初えっちのお話です。 見た目や馴れ初めを書いた人物紹介 (本編とはあまり関係ありませんが、自分の中のイメージを壊したくない方は読まないでください) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 西矢 朝陽(にしや あさひ) 大学3回生。身長174cm。髪は染めていて明るい茶髪。猫目っぽい大きな目が印象的な元気な大学生。 空とは1回生のときに大学で知り合ったが、初めてあったときから気が合い、大学でも一緒にいるしよく2人で遊びに行ったりもしているうちにいつのまにか空を好きになった。 もともとゲイでネコの自覚がある。ちょっとアホっぽいが明るい性格で、見た目もわりと良いので今までにも今までにも彼氏を作ろうと思えば作れた。大学に入学してからも、告白されたことは数回あるが、そのときにはもう空のことが好きだったので断った。 空とは2ヶ月前にサシ飲みをしていたときにうっかり告白してしまい、そこから付き合い始めた。このときの記憶はおぼろげにしか残っていないがめちゃくちゃ恥ずかしいことを口走ったことは自覚しているので深くは考えないようにしている。 高校時代に先輩に片想いしていたが、伝えずに終わったため今までに彼氏ができたことはない。そのため、童貞処女。 南雲 空(なぐも そら) 大学生3回生。身長185cm。髪は染めておらず黒髪で切れ長の目。 チャラい訳ではないがイケメンなので女子にしょっちゅう告白されるし付き合ったりもしたけれどすぐに「空って私のこと好きちゃうやろ?」とか言われて長続きはしない。来るもの拒まず去るもの追わずな感じだった。 朝陽のことは普通に友達だと思っていたが、周りからは彼女がいようと朝陽の方を優先しており「お前もう朝陽と付き合えよ」とよく呆れて言われていた。そんな矢先ベロベロに酔っ払った朝陽に「そらはもう、僕と付き合ったらええやん。ぜったい僕の方がそらの今までの彼女らよりそらのこと好きやもん…」と言われて付き合った。付き合ってからの朝陽はもうスキンシップひとつにも照れるしかと思えば甘えたりもしてくるしめちゃくちゃ可愛くて正直あの日酔っぱらってノリでOKした自分に大感謝してるし今は溺愛している。

チョコをあげなかったら彼氏の無表情が崩れた

ぽぽ
BL
 冴えない風紀委員の琴森は生徒会書記の超絶美形な葉桐と付き合って一年が経つ。  喧嘩もせず良い関係を築いていると思っていたが、ふと葉桐が他の男が好きかもしれないという情報が琴森の耳に入った。更に「今年はチョコはいらない」と話しているところを聞いてしまい、琴森はバレンタインにチョコを渡すことをやめた。  しかしバレンタイン当日、普段無表情で動じない葉桐の様子は何かおかしい。   ━━━━━━━ 寡黙美形書記×平凡鈍感年上 王道学園を意識してます。普通にバレンタイン遅れちゃいました。 表紙はくま様からお借りしました。 https://www.pixiv.net/artworks/84075145 R18には☆を付けてます。

ひとりぼっちの180日

あこ
BL
付き合いだしたのは高校の時。 何かと不便な場所にあった、全寮制男子高校時代だ。 篠原茜は、その学園の想像を遥かに超えた風習に驚いたものの、順調な滑り出しで学園生活を始めた。 二年目からは学園生活を楽しみ始め、その矢先、田村ツトムから猛アピールを受け始める。 いつの間にか絆されて、二年次夏休みを前に二人は付き合い始めた。 ▷ よくある?王道全寮制男子校を卒業したキャラクターばっかり。 ▷ 綺麗系な受けは学園時代保健室の天使なんて言われてた。 ▷ 攻めはスポーツマン。 ▶︎ タグがネタバレ状態かもしれません。 ▶︎ 作品や章タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。

処理中です...