3 / 5
3.雄っぱいはキスしたいらしい
しおりを挟む大きな手のひらが俺の胸を揉む。揉みごたえなんて全くないだろうに真剣な顔して揉み続ける。
「おいって、もう良いだろ! 男の胸なんか揉んで何が楽しんだ……」
「男の胸じゃなくてカオルの胸だから楽しい……」
「知らん離せっ!」
片手で俺を押し倒したまま右手は未だに俺の胸の上を這う。
「んっ………!」
「カオル……ここ、気持ちいい?」
「ちっがう……っ、くすぐったいだけだバカ!」
男の俺がそんな所で感じるわけが無い。感じないはず。感じてたまるか!
だと言うのにダイチはしつこいぐらい胸の突起をいじってくる。
「ここ、立ってきた……かわいい」
「お前、が……いじくるからだろ……っ!」
ゴツゴツした指で摘まれてクリクリともてあそばれたら、男の乳首だって嫌でも立つだろ。
決して感じてるから立ってる訳じゃない!
「ひっ……! おまっ、やめ……っ」
段々と熱くなる体を誤魔化しながら必死で声を抑えていたら、胸にヌルリとした熱い感触が襲う。
驚きで出てしまった声と共に目を見開けば、手で弄ってない方の胸をダイチが舐めているのを見てしまって、卑猥な光景にビクリと体が震えた。
止めろと伝えたつもりだったのに、ダイチの口の動きは更に大胆になる。
舐められて、吸われて、咥えられて、甘噛されて、また舐められて。
「ひん……やっ、んん──っ」
馬鹿な事をするなと怒鳴りたいのに、口を開けば意図しない声が出てしまいそうで、下唇を噛んで体を震わせる事しか出来ない。
そんな俺の顔をダイチは上目遣いで覗きながらも、息を荒らげて舐めるのを止めない。
「か、かわいい……っ、カオル……我慢してる顔、めちゃくちゃクる……!」
うるせぇアホと言う思いを込めて睨んでやったら、太股に感じていた硬いものがビクンと脈打った気がした。
それが何かなんて考えたら駄目だ。と思っていたのにこいつはそれをぐりぐり押し付けてきやがった。
「カオルっ、カオルっ……!」
「もっ、いい加減に……──っ!?」
調子に乗りすぎてるダイチに何とか文句を言おうとしたら、いつの間にか息の荒いダイチの顔面が目の前に迫っていて唇をベロリと舐められた。
「な……!?」
「カオル、キスしていい……?」
「駄目に決まってんだろ! てか舐める前に訊け!」
キスは駄目でも舐めるのは良いのか? 犬かよ。
こいつの中の常識はどうなってるんだと呆れていたら、顎に手を添えて親指で唇をなぞられた。
背中をぞくぞくと駆け上がる感覚を無視して顔をそらそうとしたが、ダイチの大きな手がそれを許さない。
熱い息を吐きながら今すぐにでも喰らいつきたいと言わんばかりの目がしっかり俺の口元に向いていて、ゴクリと喉を鳴らす。
「カオル……」
「そ、そんな目で見られても無理なもんは無理……」
野獣のように目はギラつかせているくせに声は情けなくて、こんな時だってのについ「しゃきっとしろ!」なんて思ってしまう。
「お願い……一回だけ味あわせて?」
「食いモンじゃんだよねぇよもぉ……っ、好きにしろ馬鹿……!!」
やけくそになってしまったのは、面倒くさくなったからかダイチの眼差しが強すぎたからか情けない声に苛ついたからか。
ただね、人間やけくそになると後々必ず後悔するからいつでも冷静な思考を持つことは大切だなって俺は思ったよ。
22
お気に入りに追加
160
あなたにおすすめの小説

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)

「じゃあ、別れるか」
万年青二三歳
BL
三十路を過ぎて未だ恋愛経験なし。平凡な御器谷の生活はひとまわり年下の優秀な部下、黒瀬によって破壊される。勤務中のキス、気を失うほどの快楽、甘やかされる週末。もう離れられない、と御器谷は自覚するが、一時の怒りで「じゃあ、別れるか」と言ってしまう。自分を甘やかし、望むことしかしない部下は別れを選ぶのだろうか。
期待の若手×中間管理職。年齢は一回り違い。年の差ラブ。
ケンカップル好きへ捧げます。
ムーンライトノベルズより転載(「多分、じゃない」より改題)。

ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目
カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。

酔った俺は、美味しく頂かれてました
雪紫
BL
片思いの相手に、酔ったフリして色々聞き出す筈が、何故かキスされて……?
両片思い(?)の男子大学生達の夜。
2話完結の短編です。
長いので2話にわけました。
他サイトにも掲載しています。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる