この世界で姫と呼ばれている事を俺はまだ知らない

キトー

文字の大きさ
上 下
93 / 119

92.謎の液体

しおりを挟む
 
「な、何言って……っ」

 楽しげに吐かれた意地悪な言葉に何言ってんだとツッコミそうになったが、そう言えばこの人はそう言う人だった。
 反論した所で楽しませるだけだと悟り口をつぐめば調子に乗った先輩が更に下半身を怪しく擦り付けてくる。

「あ、やっ……んん……っ」

 緩く立っていただけの俺のものが確実に硬さを増していく。それと同時に先輩の息まで上がっていくのはなぜだろう。

「……おい……俺の尻のポケットのやつ取れるか?」

「ん……え? ポケット……?」

 ぽーっとした頭で言われた事を考えて、ゆっくり先輩のズボンに手を伸ばしたら、尻のポケットに何か入っているのが分かった。
 良く分からないがそれを取れば良いのだろうとポケットから取り出せば、それは小さなチューブ型のハンドクリームのような物だった。ただパッケージが全部英語で書かれているから咄嗟にそれが何なのかは分からない。

「……これ何ですか?」

「お前の為に用意したもんだ。蓋開けて俺の手に出してみろ」

「んんっ! あの、いったん、動き止めて……っ」

 片手は離してくれたが、もう片方の手は未だに俺の腰を強く引き寄せたままで、擦り付ける腰の動きも止まらない。
 そのままの状態で右の手のひらをくいくいと、早くしろと言うように動かしてきたので、ヤケクソになって蓋を開けたチューブを思いっきり握ったら、先輩の手のひらにブリュっと音を立てて半透明の液体が出てきた。
 はちみつのようなとろりとした液体をしげしげと眺める前に、俺の顔は先輩の胸に押し付けられて見えなくなってしまう。

「? せんぱ──ひぁあっっ!!?」

 俺の為に用意したと言ったがいったい何なんだと思っていたら、あの謎の液を乗せていただろう手が俺の尻を鷲掴んで驚愕した。

「ひっ、や、先輩っ……入ってる!!」

 驚いたのもつかの間で、そのまま先輩の骨ばった指が液体と共に入ってくる感覚に、更に悲鳴を上げる。

「ここも触られたんだろ? 全部綺麗にしてやんよ」

「いや、ちょっ……そ、そこまで触られてないぃ……!」

 何かを入れる場所では無いはずなのに、とろりとした液体のおかげで先輩の指はするんと抵抗なく入ってしまい、穴を広げるように上下に揺らされる。
 会長から触られたのはあくまで浅い場所までで、こんなに深くまで探られてないと主張しても先輩は聞く耳持たずで、ぐちぐちと動かされる慣れない圧迫感が苦しかった。
 それなのに更に二本目の指が入ってくる感覚に気づき咄嗟に逃げるように尻を引いたら、今度は下半身を先輩のものに押し付けるようになってしまい、おまけに下から足で押し上げられた。

「ぅあっ、ひん……や、あ、あぅ……せ、んぱい……」

 前は足でグリグリと揺らされて、後ろはいつの間にか数本の指が入っていてバラバラに動かされる。
 苦しかったはずなのに、次第にそれだけじゃない感覚を覚えてきて、もう何が何だか分からずに助けを求めるように先輩にしがみついていた。
 俺をこんなにしてる相手に助けを求めるなんておかしな話だが、頼れる人が先輩しかいなくて必死にしがみついて先輩の名をうわ言のようにこぼしていたら、いつの間にか俺の腰を抱いていた手が優しく頭を撫でていた。

「悪いな、俺も限界なんだよ……怖い思いはさせねぇから全部俺に任せとけ……」

「んあっ!? ひっ……何でっ……あんっ!!」

 尻に入っていた指が中の一点をかすめると電流が走ったようにぞくぞくと快感が背中を駆け抜けた。
 何だこれ何だこれ何だこれ!? と混乱してる間にもこそをしつこく指で擦られて、激しい指の動きにぐちょぐちょと卑猥な音がシャワー室に響いてオレの鼓膜を犯したのだった。

 
しおりを挟む
感想 137

あなたにおすすめの小説

王道学園なのに、王道じゃない!!

主食は、blです。
BL
今作品の主人公、レイは6歳の時に自身の前世が、陰キャの腐男子だったことを思い出す。 レイは、自身のいる世界が前世、ハマりにハマっていた『転校生は愛され優等生.ᐟ‪‪.ᐟ』の世界だと気付き、腐男子として、美形×転校生のBのLを見て楽しもうと思っていたが…

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

セントアール魔法学院~大好きな義兄との学院生活かと思いきや何故だかイケメンがちょっかいかけてきます~

カニ蒲鉾
BL
『ラウ…かわいい僕のラウル…この身体の事は絶対に知られてはいけない僕とラウル二人だけの秘密』 『は、い…誰にも――』    この国には魔力を持つ男が通うことを義務付けられた全寮制魔法学校が存在する。そこに新入生として入学したラウルは離れ離れになっていた大好きで尊敬する義兄リカルドと再び一緒の空間で生活できることだけを楽しみにドキドキワクワク胸を膨らませていた。そんなラウルに待つ、新たな出会いと自分の身体そして出生の秘密とは――  圧倒的光の元気っ子ラウルに、性格真反対のイケメン二人が溺愛執着する青春魔法学園ファンタジー物語 (受)ラウル・ラポワント《1年生》 リカ様大好き元気っ子、圧倒的光 (攻)リカルド・ラポワント《3年生》 優しいお義兄様、溺愛隠れ執着系、策略家 (攻)アルフレッド・プルースト《3年生》 ツンデレ俺様、素行不良な学年1位 (友)レオンハルト・プルースト《1年生》 爽やかイケメン、ラウルの初友達、アルの従兄弟

処理中です...