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87.そこを使った行為
しおりを挟む「や、だ……やだやだやだやだっ!!」
抜き取られたベルトで腕を拘束される。
背中で痛くない、でも絶対解けない程の絶妙な強さで縛られて今度こそ何の抵抗も出来なくなった。
スボンの前をくつろげて侵入してきた手を拒絶したくて必死に頭を振ったが、そんな事で今更会長が止まる筈もなく、下着の上から長い指が形を確かめるように絡んできて、ひゅっと息を飲む。
あらわになった首筋や胸元に何度も唇を落とされて、その度に会長の熱と共にチクリとした感覚に驚く余裕も無いほど下半身を撫でられて、嫌なのに、怖いのに、意図的に怪しく触られては熱が集まってしまう。
胸元に会長の熱い吐息を感じながら幾度と無くキスを落とされ、手は下着の上から撫でたり握ったりを繰り返す。
為す術もないまま耐えていたら、とうとう会長の手が下着の中に忍び込む。
「あっ……嫌だっ……お願いっ、止めてっ!」
俺が懇願すると会長の顔が上がり、唇へとキスを落とされた。侵入してくる舌をまともに阻止出来ないまま上を向かされて、会長の唾液が流れ込んでくる。
会長の目が俺に指示する。飲みなさいと。
嫌だと思っても、拒否する事は許さないと瞳で制圧されて、これ以上逆らえば何をされるか分からない恐怖に圧し潰されながらコクリと喉を鳴らして会長の体液を飲む。
上を向いているからか、それとも恐怖からなのか、上手く飲み込めなくて少し口から溢れてしまうが、会長は満足したのか俺の頭を撫でた。
「もぉ、や……」
止めてくれと再び訴えようとした口をまた塞がれる。どうやら言葉で抵抗する事も許さないらしい。
深く口付けられたまま下着の中に入っていた手が動き出す。
「ん……っ!!」
そして、奥へ奥へと入ってきたかと思えば、あろう事か肛門に指を這わされて涙でぬれた目を見開いた。
そこを使った行為を知らない訳じゃない。いや、知っているからこそ余計に恐怖を煽った。
まさか、いや流石にそこまでは……と救いを求めるように会長を見るが、怪しく光る瞳に救いは無いのだと思い知る。
「ふ……ん……くぅ……ふ、んっ…………」
上顎の柔らかな部分を舐められてピクリと体を揺らしたら、その動きに合わせるように会長の指が固く閉ざされた穴を押した。
何の滑りもないそこは会長の指の侵入を拒むが、爪を短く切りそろえられた指がじっくりと時間をかけて何度も何度も優しくそこを押し、ついに、指先が侵入してくる感覚を覚えてしまう。
俺ヤられるのかな。
おそらく、会長は途中で止める、慣らすだけで終える、何て半端な事はしない気がする。
きっと、最後まで続行するだろう。
抵抗を諦めた体と心が脱力して、もう涙は止まっていたが、わずかに体の震えだけが残った。
瞳を閉じれば何故か浮かぶのはふてぶてしい態度の不良の先輩の姿で、少しだけ心が落ち着いた。
その姿をずっと見ていたくて瞳を閉じたまま会長からの行為を受け止めていたら、唇が急に離れ、強い力で体を引かれたと思ったらそのまま強く抱きしめられた。
あぁ、こうしているとまるで先輩に抱き締められているみたいだな、なんて現実逃避をしたら、幻聴まで聞こえてきてこんな状況なのに笑いたくなった。
「おいっ! 大丈夫かルイ!? 目え開けろっ!」
幻聴が必死で俺を呼ぶから思わず目を開けば、今度は心配そうに俺を覗き込む先輩の幻覚が見えた。
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