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63.休日の朝に届いたメール
しおりを挟む先輩と別れてからは即行で着替えた。
その後夢野達と合流したが、変装しないままだと夢野達はすぐにファンクラブであろう人達に囲まれて連れて行かれてしまった。
それで分かった事がある。
俺が嫌われている原因は見た目なのだと。
毎日見ているから自分では見慣れているけれど、俺の顔はそんなに酷いのだろうか。
先輩は何とかしてやると言っていたが、いったい何をするつもりなのだろう。
謎のモブ山さんのせいで有耶無耶になってしまったが、あまり手荒な事をしないと良いが。
特にする事が無くなった俺は部屋へ帰りシャワーを浴びて、ベッドに寝転び一息つく。
今日はとても疲れたから明日の休日はゆっくりしようと心に決めて、眠くなるまでずっとスマートフォンをいじっていたのだった。
※ ※ ※
《???視点》
朝起きると、割とまだ早い時間だった。
せっかくの休日なんだからもう少し寝ていようかとも考えたが、それもなんだか勿体ない気もしてモソモソとベッドから起きた。
冷たいジュースが飲みたくなったから、スマートフォンと財布とお守りだけを持って下の食堂まで買いに行く。
食堂は朝練のある生徒ぐらいしかまだ来ていないから静かなものだった。
ペットボトルのジュースを買ってその場で飲んだら冷たい水分が体に行き渡って心地よい。
今日は何をしようかな、なんてスマートフォンでSNSを目的も無く見ていたら、通知音が鳴った。
電話でもラインでもなく、メール。
どうせ迷惑メールだろうと思い開く気は無かったが、件名にしっかり自分の名前が書かれている事に気づきぎょっとする。
戸惑ったが、名前を知っているからには知り合いからのものだろうと仕方無しにメールを開いたらとても短い文章が目に入る。
『ヤッホー ちょっと外に来てみてよ』
何だこれと思いながらまだ少し眠い頭であまり深く考えずに外に出る。
外に出たは良いがその後は何処に行けば良いのか分からず散歩がてらフラフラ歩いていたら一人二人と人が増えて、気が付けば見知った顔に囲まれていた。
あれ、これはマズイかな?
「おはよう夢野アリスくん」
いつも僕とルイを引き離す生徒達が、朝の清々しい空気に似合わない胡散臭い笑顔を貼り付けて言った。
数人に腕を引かれた拍子に持っていたペットボトルが落ち、溢れたコーラが道端でシュワシュワと音をたてた。
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