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第二章 噂が広まるのは早いもので
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「……んん」
頭がぼーっとする。随分長い夢を見ていた気がする。
確か、陣に無茶苦茶なことを言われて直前で高校を変えられて、挙句の果てに変な不良に目を付けられて……そこまで考えて、横を向いた先に見えた顔に戦慄した。
「おー、起きたか。随分寝てたな」
「え、へっあ? え、ええええええぎいゃああああ!」
「うるせぇ!」
悪夢の再来。
自分の部屋だと思っていたのに、待っていたのは兄たちの誰でもなく先ほどの不良、西谷だった。またしても倒れそうになるのを、今度は西谷が寸でで抱き留める。
「おっと。また倒れないでくれよ、もう夕方だかんな」
葵は限界だった。
「……う」
「う?」
「うわーーんっ!」
ぼろぼろ泣き崩れた葵に、さすがの西谷も泣かれるとは思っておらず、表情からは読み取れないがかなり焦っていた。
乱暴に頭を掻いていたが、意を決して葵にずっと右手に持っていた物を突き出す。
「とりあえず……飲め」
「は……い」
作ったまま放置されて冷たくなった紅茶を飲む。少し砂糖が下に固まってしまっているが、文句など言えるはずもない。紅茶というチョイスが若干可愛らしいと思いつつ、西谷を見遣る。
西谷のほとんど空になっているマグカップを見ると、どうやらコーヒーが入っているらしい。もしかして、コーヒーが飲めるか分からないから紅茶にしてくれたのだろうか。
――ちょっと良い人だったりして……いや! そんなはずはない!
ぶんぶん首を振っておかしな思考を霧散させる。
落ち着いて周りを見渡したところベッドだけは物があまり無いのに安心し、サイドテーブルにコップを置かせてもらう。
相変わらずベッドルームもベッド以外は服が散乱しているが、これで着たい服をすぐに見つけることが出来るのだろうか。明後日なことを考えていると、西谷が我慢出来ずに口を開いた。
「なぁ、どっちがお前? 二重人格とかじゃねぇよな?」
びく、と体が揺れる。
あんなに注意点を参照して行動していたのに、そういえばさっそくバレてしまっていたのだ。だらだら汗を流しながら、いろいろ諦めた葵はまたしても泣きながら言う。
「ごめんなさい~! 俺、弱すぎるから舐められないようにってお兄ちゃんに言われた通り行動してただけなんです! あんましゃべんないようにとか、こうやって泣かないように……しかも、偶然とはいえ西谷先輩を気絶させちゃうし」
言い終わって西谷を見る。何故か、「ゴゴゴゴ」と音が鳴りそうな程怒りのオーラを感じる。
やはり怒らせてしまったのだろうか。
頭がぼーっとする。随分長い夢を見ていた気がする。
確か、陣に無茶苦茶なことを言われて直前で高校を変えられて、挙句の果てに変な不良に目を付けられて……そこまで考えて、横を向いた先に見えた顔に戦慄した。
「おー、起きたか。随分寝てたな」
「え、へっあ? え、ええええええぎいゃああああ!」
「うるせぇ!」
悪夢の再来。
自分の部屋だと思っていたのに、待っていたのは兄たちの誰でもなく先ほどの不良、西谷だった。またしても倒れそうになるのを、今度は西谷が寸でで抱き留める。
「おっと。また倒れないでくれよ、もう夕方だかんな」
葵は限界だった。
「……う」
「う?」
「うわーーんっ!」
ぼろぼろ泣き崩れた葵に、さすがの西谷も泣かれるとは思っておらず、表情からは読み取れないがかなり焦っていた。
乱暴に頭を掻いていたが、意を決して葵にずっと右手に持っていた物を突き出す。
「とりあえず……飲め」
「は……い」
作ったまま放置されて冷たくなった紅茶を飲む。少し砂糖が下に固まってしまっているが、文句など言えるはずもない。紅茶というチョイスが若干可愛らしいと思いつつ、西谷を見遣る。
西谷のほとんど空になっているマグカップを見ると、どうやらコーヒーが入っているらしい。もしかして、コーヒーが飲めるか分からないから紅茶にしてくれたのだろうか。
――ちょっと良い人だったりして……いや! そんなはずはない!
ぶんぶん首を振っておかしな思考を霧散させる。
落ち着いて周りを見渡したところベッドだけは物があまり無いのに安心し、サイドテーブルにコップを置かせてもらう。
相変わらずベッドルームもベッド以外は服が散乱しているが、これで着たい服をすぐに見つけることが出来るのだろうか。明後日なことを考えていると、西谷が我慢出来ずに口を開いた。
「なぁ、どっちがお前? 二重人格とかじゃねぇよな?」
びく、と体が揺れる。
あんなに注意点を参照して行動していたのに、そういえばさっそくバレてしまっていたのだ。だらだら汗を流しながら、いろいろ諦めた葵はまたしても泣きながら言う。
「ごめんなさい~! 俺、弱すぎるから舐められないようにってお兄ちゃんに言われた通り行動してただけなんです! あんましゃべんないようにとか、こうやって泣かないように……しかも、偶然とはいえ西谷先輩を気絶させちゃうし」
言い終わって西谷を見る。何故か、「ゴゴゴゴ」と音が鳴りそうな程怒りのオーラを感じる。
やはり怒らせてしまったのだろうか。
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