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悪魔の帰還
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翌日。
昨晩は、自分の誕生日だったはずにも関わらず、アルコールを一滴も飲んでいないというのに、寝覚めは最悪だった。
眠りが浅かったせいなのか、頭がぼんやりとして、霧の中を彷徨っているような感覚。それに加えて、頭の奥に鈍い痛みが一定リズムでやってくる。よっぽど二日酔いの時の方が、ましだと思えた。
どうせ、こんな状態になるのなら、昨晩やけ酒しておけばよかった。
深々と溜息をついて、ベッドから這い出て、リビングへと向かう。トーストでも食べようと、キッチンへ行く。そこには、昨日の親からの書置きがそのまま残されていて、その隣に投票用紙の封筒が置かれていた。あて名は、やはり『西澤 彩芽様』
怒りがまた再燃しそうになって、母の能天気な手紙と一緒に、ぐしゃぐしゃにして、ゴミ箱へ突っ込んだ途端、毎日のように言っていたことを思い出す。
『子供達が二十四歳になっても、結婚相手いなさそうだったら、結婚させようよ』
でも、だからってまさか有言実行するなんて。二十四歳の誕生日も、いつも通りの日常を過ごし、終わっていくと思っていたのに。青天の霹靂とは、正にこのこと。重い溜息は、止まらない。いったいどうすればいいのか。ともかく、今はどうすることもできない。悪魔たちの帰還を待つしかないのだ。
手早く、出勤の準備をして、彩芽は家を出た。気持ちを切り替えよう。家を出て満員電車に揺られる。だが、いくらそう思っても、うまくいかず、出勤しても失敗続きだった。
店頭に立てば、お客さんへ返すお釣りを間違えるし、事務所に戻って、電話すれば電話番号を間違えて、相手を怒らせた。
溜息は一日中止まらない。
事務所のデスクで項垂れている彩芽に、藤原が眉を潜めながら、声をかけていた。
「どうしたの? 今日は、高島さんらしくないねぇ。そういえば、昨日ウキウキしながら持ち帰った洋菓子。ワインと一緒に試してみた?」
「あぁ……まだ、試してません」
「あれだけ意気揚々と帰っていったのに、何かあったの?」
「結婚……」
一瞬こぼれてしまう。事務所にいる面々の意識が一斉にこちらへ向く気配がした。
「え? 結婚するの? 高島君、恋人いないって嘆いていたよね? まさか、昨日の誕生日に運命の出会いとか、しちゃったの?」
結婚するじゃなく、自分の知らない間に結婚してましたなんて、言えるはずもない。こんなバカげた話、堂々とできるほど、心臓に毛は生えていない。貫く彩芽の沈黙。事務所内はざわざわしていたが、忙しい業務をこなさなければならず、霧散していく。忙しい職場というのは、こういう時大変助かる。
だが、藤原は、悩まし気な表情を浮かべて、真剣なまなざしを向け続けていた。
「結婚は、慎重にしないと。相手の性格や価値観、そういうのをしっかり見極めて、決めるものだよ。いざよく知らずに生活してみたら、浮気癖が酷かったとか、酒乱だったとか、結構聞く話だよ。統計的に見ても、短期間の付き合いで結婚した場合、その離婚率は増加するって、根拠づけられているしね。だから、一時期の盛り上がった勘定で、決断を早まっちゃダメだよ」
藤原の真剣なアドバイスに、彩芽は、そんなこと、わかっていると小さく何度も頷く。
付き合ってはいないけれど、相手の性格、価値観。それは全部わかっている。陽斗は、基本的には、優しい。暴言はあっても、手を挙げることもないし、所謂キレるということもない。
結婚したら、きっと幸せな家庭を築けるのだろうなと思う。そして、その横に、自分がいられたら。そんなうっすらとした想像をしたことは、昔は幾度もあった。
昨日の道端とのやり取り。陽斗は、サッカーがプロを目指せるほどの腕前だったということに加えて、端正な顔立ち。それ故に、よくモテた。
いつもキャーキャー陽斗の周りに女の子が、集まっていた。そういうのを見たくなくて、陽斗に「たまには練習見に来いよ」と誘われても「興味ない」といって、断り続けていた。だが、一度だけ、見に行ったことがある。母から「差し入れを持って行って」と頼まれたからだ。その日は、高校一年生、十六歳の私の誕生日一週間前だった。
陽斗は、きっと知らない。
その日、私はサッカーの練習場に顔を出していたこと。陽斗がクラブのマネージャーをしていた長い黒髪の女の子と、みんなの前で堂々とキスをしていたのを、目撃していたこと。涙が溢れて止まらなかったことを。
その時の私は、自分の感情がよくわかっていなかった。
ずっと一緒にいるのなら、誰がいい? そう聞かれたら、陽斗かなと答えられるくらいの自覚はあったけれど、こんなに泣けるほどまで陽斗への感情が膨れ上がっていたことなんて、知らなかった。気付くのが遅すぎたんだ。バカだな、私。そう思ったら、止めどなく涙が零れ落ちた。もう、こんな思いするのは、御免だ。目が腫れて、頭が痛くなるほどそう思った。泣いて、泣いて、泣き続けた。
その一週間後が、私の誕生日だった。陽斗はそんな彼女がいながら、私との時間をわざわざ作ってくれた。高校生になったんだからたまには、違う場所へ行こうと、年齢の割にずいぶんと背伸びをしたレストランへ一緒に食事まで誘ってくれた。だけど、あの衝撃的な光景が頭から離れず、素直な嬉しさは複雑な色に染められてしまっていた。私は言い聞かせていた。そうしてくれたのは、誕生日イベントというこれまでの慣習で、義務みたいもの。誕生日は、特別な日なのだ。母親たちが刷り込んだ悪い結果だ、と。
そうやって縛り付けてしまっているのは、不憫だと思った。いっそのこと「もう、わざわざ誕生日だからって、一緒にいてくれなくていいから。彼女のところへ行ってあげて」といってあげた方が、よっぽど親切だったはずだ。
けれど、こういう時間が全くなるなってしまうというのは、とても耐えられそうになかった。だから、「誕生日も通常運転で行こう」という中途半端な立ち位置を維持したままになってしまった。
それを、律儀に守り通している陽斗。ちょっとした罪悪感がどんどん降り積もって、今は高い山となって目の前に立ちはだかっている。いつかは、解放しなければと思いつつ、それさえもできなかった自分。
「高島君にもそん悩みがあったとはねぇ」
失礼ですよといつも通り、軽口で返そうとしかけたら、思いがけず、藤原の真っすぐに見据えてきていた。いつもニコニコしている藤原のものとは思えないほど、鋭い威圧感。思わず、たじろいでしまう。
「だから、仕事に真っすぐ熱心に、なってたんだね。仕事って、案外逃げ道になるからね」
藤原の言葉が、心臓のど真ん中に突き刺さる。
うっと、うめき声まで出そうだった。返す言葉が見つからない。
その通りだ。私は、仕事に熱心なふりをし続けて、逃げ道に使っている。仕事はワイン相手だから、好都合だった。ワインは大好きだ。その相手は、決して裏切らない。
「君の洋菓子とのコラボの話。どうなるかは、わからないけれど、候補のワインの取引先には、事前に話は通しておかないといけないよ。あと、この企画は、逃げ道のために使うんじゃないよ」
藤原は、いつもの人当たりのいい笑顔を作って、席を立っていく。
そういわれても。こんなカオス状態でどうしたらいいのか。
ポケットのスマホが震えた。無言を貫き通していた相手。母の歩美からだった。
『明日の夜に帰ります。冷静で、真面目な話し合いを希望いたします。よろしくお願いいたします』
やけに堅い文面。前回のふざけた文面の対比となって、まるで真面目さが感じられなかった。きっと、これを送りながら、また騒いでいるのかもしれない。想像して、また怒りでどうにかなりそうだった。
この激しい怒りをぶつける相手を今か今かと、待ち構え続ける。
平静を装いながらも、内心気が気じゃない状態だった。とても飲む気にもなれない。そして、翌日も何とか仕事を終えていた。
その帰りの道すがら、ありとあらゆる文句と抗議の内容を何度も繰り返す。そして、いざ帰宅すると、あれだけ考えていた言葉の数々は、すべて吹き飛ぶ。目の前に、再び驚くべき光景が広がっていた。
昨晩は、自分の誕生日だったはずにも関わらず、アルコールを一滴も飲んでいないというのに、寝覚めは最悪だった。
眠りが浅かったせいなのか、頭がぼんやりとして、霧の中を彷徨っているような感覚。それに加えて、頭の奥に鈍い痛みが一定リズムでやってくる。よっぽど二日酔いの時の方が、ましだと思えた。
どうせ、こんな状態になるのなら、昨晩やけ酒しておけばよかった。
深々と溜息をついて、ベッドから這い出て、リビングへと向かう。トーストでも食べようと、キッチンへ行く。そこには、昨日の親からの書置きがそのまま残されていて、その隣に投票用紙の封筒が置かれていた。あて名は、やはり『西澤 彩芽様』
怒りがまた再燃しそうになって、母の能天気な手紙と一緒に、ぐしゃぐしゃにして、ゴミ箱へ突っ込んだ途端、毎日のように言っていたことを思い出す。
『子供達が二十四歳になっても、結婚相手いなさそうだったら、結婚させようよ』
でも、だからってまさか有言実行するなんて。二十四歳の誕生日も、いつも通りの日常を過ごし、終わっていくと思っていたのに。青天の霹靂とは、正にこのこと。重い溜息は、止まらない。いったいどうすればいいのか。ともかく、今はどうすることもできない。悪魔たちの帰還を待つしかないのだ。
手早く、出勤の準備をして、彩芽は家を出た。気持ちを切り替えよう。家を出て満員電車に揺られる。だが、いくらそう思っても、うまくいかず、出勤しても失敗続きだった。
店頭に立てば、お客さんへ返すお釣りを間違えるし、事務所に戻って、電話すれば電話番号を間違えて、相手を怒らせた。
溜息は一日中止まらない。
事務所のデスクで項垂れている彩芽に、藤原が眉を潜めながら、声をかけていた。
「どうしたの? 今日は、高島さんらしくないねぇ。そういえば、昨日ウキウキしながら持ち帰った洋菓子。ワインと一緒に試してみた?」
「あぁ……まだ、試してません」
「あれだけ意気揚々と帰っていったのに、何かあったの?」
「結婚……」
一瞬こぼれてしまう。事務所にいる面々の意識が一斉にこちらへ向く気配がした。
「え? 結婚するの? 高島君、恋人いないって嘆いていたよね? まさか、昨日の誕生日に運命の出会いとか、しちゃったの?」
結婚するじゃなく、自分の知らない間に結婚してましたなんて、言えるはずもない。こんなバカげた話、堂々とできるほど、心臓に毛は生えていない。貫く彩芽の沈黙。事務所内はざわざわしていたが、忙しい業務をこなさなければならず、霧散していく。忙しい職場というのは、こういう時大変助かる。
だが、藤原は、悩まし気な表情を浮かべて、真剣なまなざしを向け続けていた。
「結婚は、慎重にしないと。相手の性格や価値観、そういうのをしっかり見極めて、決めるものだよ。いざよく知らずに生活してみたら、浮気癖が酷かったとか、酒乱だったとか、結構聞く話だよ。統計的に見ても、短期間の付き合いで結婚した場合、その離婚率は増加するって、根拠づけられているしね。だから、一時期の盛り上がった勘定で、決断を早まっちゃダメだよ」
藤原の真剣なアドバイスに、彩芽は、そんなこと、わかっていると小さく何度も頷く。
付き合ってはいないけれど、相手の性格、価値観。それは全部わかっている。陽斗は、基本的には、優しい。暴言はあっても、手を挙げることもないし、所謂キレるということもない。
結婚したら、きっと幸せな家庭を築けるのだろうなと思う。そして、その横に、自分がいられたら。そんなうっすらとした想像をしたことは、昔は幾度もあった。
昨日の道端とのやり取り。陽斗は、サッカーがプロを目指せるほどの腕前だったということに加えて、端正な顔立ち。それ故に、よくモテた。
いつもキャーキャー陽斗の周りに女の子が、集まっていた。そういうのを見たくなくて、陽斗に「たまには練習見に来いよ」と誘われても「興味ない」といって、断り続けていた。だが、一度だけ、見に行ったことがある。母から「差し入れを持って行って」と頼まれたからだ。その日は、高校一年生、十六歳の私の誕生日一週間前だった。
陽斗は、きっと知らない。
その日、私はサッカーの練習場に顔を出していたこと。陽斗がクラブのマネージャーをしていた長い黒髪の女の子と、みんなの前で堂々とキスをしていたのを、目撃していたこと。涙が溢れて止まらなかったことを。
その時の私は、自分の感情がよくわかっていなかった。
ずっと一緒にいるのなら、誰がいい? そう聞かれたら、陽斗かなと答えられるくらいの自覚はあったけれど、こんなに泣けるほどまで陽斗への感情が膨れ上がっていたことなんて、知らなかった。気付くのが遅すぎたんだ。バカだな、私。そう思ったら、止めどなく涙が零れ落ちた。もう、こんな思いするのは、御免だ。目が腫れて、頭が痛くなるほどそう思った。泣いて、泣いて、泣き続けた。
その一週間後が、私の誕生日だった。陽斗はそんな彼女がいながら、私との時間をわざわざ作ってくれた。高校生になったんだからたまには、違う場所へ行こうと、年齢の割にずいぶんと背伸びをしたレストランへ一緒に食事まで誘ってくれた。だけど、あの衝撃的な光景が頭から離れず、素直な嬉しさは複雑な色に染められてしまっていた。私は言い聞かせていた。そうしてくれたのは、誕生日イベントというこれまでの慣習で、義務みたいもの。誕生日は、特別な日なのだ。母親たちが刷り込んだ悪い結果だ、と。
そうやって縛り付けてしまっているのは、不憫だと思った。いっそのこと「もう、わざわざ誕生日だからって、一緒にいてくれなくていいから。彼女のところへ行ってあげて」といってあげた方が、よっぽど親切だったはずだ。
けれど、こういう時間が全くなるなってしまうというのは、とても耐えられそうになかった。だから、「誕生日も通常運転で行こう」という中途半端な立ち位置を維持したままになってしまった。
それを、律儀に守り通している陽斗。ちょっとした罪悪感がどんどん降り積もって、今は高い山となって目の前に立ちはだかっている。いつかは、解放しなければと思いつつ、それさえもできなかった自分。
「高島君にもそん悩みがあったとはねぇ」
失礼ですよといつも通り、軽口で返そうとしかけたら、思いがけず、藤原の真っすぐに見据えてきていた。いつもニコニコしている藤原のものとは思えないほど、鋭い威圧感。思わず、たじろいでしまう。
「だから、仕事に真っすぐ熱心に、なってたんだね。仕事って、案外逃げ道になるからね」
藤原の言葉が、心臓のど真ん中に突き刺さる。
うっと、うめき声まで出そうだった。返す言葉が見つからない。
その通りだ。私は、仕事に熱心なふりをし続けて、逃げ道に使っている。仕事はワイン相手だから、好都合だった。ワインは大好きだ。その相手は、決して裏切らない。
「君の洋菓子とのコラボの話。どうなるかは、わからないけれど、候補のワインの取引先には、事前に話は通しておかないといけないよ。あと、この企画は、逃げ道のために使うんじゃないよ」
藤原は、いつもの人当たりのいい笑顔を作って、席を立っていく。
そういわれても。こんなカオス状態でどうしたらいいのか。
ポケットのスマホが震えた。無言を貫き通していた相手。母の歩美からだった。
『明日の夜に帰ります。冷静で、真面目な話し合いを希望いたします。よろしくお願いいたします』
やけに堅い文面。前回のふざけた文面の対比となって、まるで真面目さが感じられなかった。きっと、これを送りながら、また騒いでいるのかもしれない。想像して、また怒りでどうにかなりそうだった。
この激しい怒りをぶつける相手を今か今かと、待ち構え続ける。
平静を装いながらも、内心気が気じゃない状態だった。とても飲む気にもなれない。そして、翌日も何とか仕事を終えていた。
その帰りの道すがら、ありとあらゆる文句と抗議の内容を何度も繰り返す。そして、いざ帰宅すると、あれだけ考えていた言葉の数々は、すべて吹き飛ぶ。目の前に、再び驚くべき光景が広がっていた。
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