4 / 44
そして、二十四歳 2
しおりを挟む
目がチカチカするほどの派手な装飾がなされたメッセージ。目の奥を貫いて頭痛がしてきそうだ。
心配が解消されて安堵するどころか、大きなダメージを受ける。彩芽から、大きなため息が、思い切り漏れると、すかさず藤原が興味津々の顔で尋ねてくる。
「お? 相手は、誰なのかなぁ?」
藤原は、彩芽が絶大な信頼を置いている直属の上司。彩芽の新人教育担当だったということもあり、何度も飲み連れ出してくれたし、気心知れている。藤原は、五十代半ば。薄い頭部さえ見なければ、肌はハリがあってとても若く見える。そんな彼には、高校生の娘と大学生の息子がいる愛妻家だ。飲みに行ったときは、必ず妻の話と子供の話が酒の肴に出てきて、全部のろけにしか聞こえない。甘くて甘くて、胸やけしそうな話ばかりで、彩芽のワインを飲むスピードもよく進んでしまう。その勢いもあって、余計なこともつい何でも話してしまっているし、遠慮もなくなっている。
「そういう発言、私だから許されますけど、他の女の子にそれ言ったらアウトですからね」
「あ、ごめんごめん。どうも、今の時代の流れに乗れなくて」
「別に、いいですけど。これ、見てくださいよ、これ」
彩芽がスマホの画面を見せると、藤原は、豪快に笑っていた。
「おぉ、娘の誕生日なのに、お母さんも、自由人だなぁ」
「『も』って、なんですか? まるで私も自由人みたいじゃないですか」
彩芽が藤原を睨もうとしたら、前方を歩いていた彩芽と同期で洋菓子担当の関口要が、待ち構えるように立っていた。彼もまた、藤巻の新人教育を受けた一人。関口も彩芽同様、藤巻になんでも相談をしているようだ。こそこそ廊下で二人話し合っているのを、度々見かける。
「お? 関口君どうしたの?」
お疲れ様ですと、関口は、やけに恭しく藤原へ接客業らしい綺麗なお辞儀をする。そんな、律儀な奴だっただろうか。彩芽の頭の中に、疑問符が無数に浮かぶ。同期で飲みに行ったときは、真面目というよりか、お調子者というイメージだったのに。
関口が顔を上げると、たれ目がちの双眸がちらりと彩芽を捉えたあと、すぐに藤原へ向いていく。すると、藤原は「あ!」と、不自然な声を上げていた。
「あぁ、なるほどね。さっき、洋菓子とコラボいいかもなぁ。確かに、若者の意見を取り入れるのも大事だよなぁ。じゃあさ、この後二人飯に行って、何となく話まとめてきてよ。今日は愛妻弁当持ってきてたから、僕は事務所で食べるよ。じゃあ、またあとで」
手をひらひらとさせて、さっさと行ってしまう。なんなんだ、急に。
これでは、藤原の方が自由人ではないか。意味が分からない。困惑する彩芽に、関口は笑顔で促し、そのままランチ休憩に突入していった。
社員食堂は、昼時間の真っただ中ということもあって、混雑していた。タイミングよく二席分の小さな丸テーブルが空いて、関口はカレー。彩芽は、うどんを食べ始めようとしたら、先ほどの律義さはどこへやら。関口が、業務に関係のないことばかり、大いによくしゃべり始めていた。
「来週衆議院選挙だね」
「選挙興味ないなぁ。投票したこと、一回もない」
藪から棒にいったい何の話だと思いながら、彩芽が適当に答えれば、コロコロと話題が変わっていった。天気、電車、出身地の話……その間に、彩芽のどんぶりの中のうどんは、最後の一口となっていた。最後のうどんを箸で掴んで口へ運んでいく。
「昨日の日本代表サッカー見た? 日本勝ったよね」
うどんを食べる手が一瞬だけ止まるのを、関口は見逃さない。
「サッカーは興味あるんだ?」
「友達がずっとやってたからね。多少は」
彩芽の答えで、関口のよく動いていた口が怯んだように、席に着いてから全然進んでいなかったカレーを一口頬張った。それに合わせて、最後のうどんを今度こそ口の中へ運ぶ。咀嚼していると、また関口が口をもごもごさせていた。
「へぇ。どんな友達?」
「飲み仲間みたいなもんかな」
「付き合ってるわけじゃないの?」
「うん。ただの隣人ね」
彩芽の答えに、関口の顔に笑みが浮かんでいる気がするが、意味がよくわからず彩芽は口の中のうどんを飲み込んだ。すると、むくっと仕事の話が頭を占領していく。
「あ、そうだ! それで、いつもそいつと家で飲んでるんだけど、この前取引先からいただいた赤ワインがすごく良くてさ。洋菓子で出してるフェルメールのチョコパイに凄く合うと思ったの。今度、試食用に少し分けてくれない?」
「あぁ、いいよ。早速、後で頼み込んでくるよ」
「助かる! よし、じゃあ今夜は、ちょっといいワイン奮発して買って、飲もうっと」
「今日は、何か特別な日なの?」
「一応、今日誕生日なんだよね。今夜は、家に帰っていい気分になっておこうかなって」
「そうなんだ! おめでとう! じゃあさ、僕と外へ食べに行かない? 奢るよ」
「あぁ、気を遣わないで。誕生日は、いつも通りって決めてるから。それに、今日は早く、フェルメールと赤ワイン試してみたいんだ。一応、その友達もワインのおいしさの判断は一応できるみたいだから、感想聞いてみるね。まぁ、どうせ『うまい』しか言わないし、何の参考にもならなさそうだけど。それで、よかったら企画に出さない?」
「……あ、わかったよ」
関口は、力なく頷く。先ほどとはうって変わって、意気消沈したように、覇気がなくなっていた。威勢の良かった関口の急激な変化。しかもカレーは半分以上更に残っているのに、立ち上がり始めている。彩芽は目を何度も瞬かせ、首をかしげる。
「どうしたの?」
「いや……コラボ企画は、進めよう。試食用の取引先に頼んでみるよ。じゃあ、先に戻っているね」
ちょっと待ったと、呼び止めようとしたところで、彩芽のポケットのスマホがまた震えだした。また母かとも思いながら、取り出す。煌々と光るスマホの画面の相手。今回は、陽斗だった。
『誕生日、おめでとう。今日は、ファミレス集合で』
お互いの誕生日には、一応おめでとうとは言い合うが、プレゼントを贈り合ったり、特別何かをするようなことはしない。高校の時、そんな約束を作っている。あくまでも、通常運転で突き通す。その方が、傷つかなくて済む。
『了解。二十時集合』
それだけ返して、スマホをポケットにしまう。そして、急にいなくなった関口に何か悪いことをしたのか、彩芽は頭を捻らせていた。
心配が解消されて安堵するどころか、大きなダメージを受ける。彩芽から、大きなため息が、思い切り漏れると、すかさず藤原が興味津々の顔で尋ねてくる。
「お? 相手は、誰なのかなぁ?」
藤原は、彩芽が絶大な信頼を置いている直属の上司。彩芽の新人教育担当だったということもあり、何度も飲み連れ出してくれたし、気心知れている。藤原は、五十代半ば。薄い頭部さえ見なければ、肌はハリがあってとても若く見える。そんな彼には、高校生の娘と大学生の息子がいる愛妻家だ。飲みに行ったときは、必ず妻の話と子供の話が酒の肴に出てきて、全部のろけにしか聞こえない。甘くて甘くて、胸やけしそうな話ばかりで、彩芽のワインを飲むスピードもよく進んでしまう。その勢いもあって、余計なこともつい何でも話してしまっているし、遠慮もなくなっている。
「そういう発言、私だから許されますけど、他の女の子にそれ言ったらアウトですからね」
「あ、ごめんごめん。どうも、今の時代の流れに乗れなくて」
「別に、いいですけど。これ、見てくださいよ、これ」
彩芽がスマホの画面を見せると、藤原は、豪快に笑っていた。
「おぉ、娘の誕生日なのに、お母さんも、自由人だなぁ」
「『も』って、なんですか? まるで私も自由人みたいじゃないですか」
彩芽が藤原を睨もうとしたら、前方を歩いていた彩芽と同期で洋菓子担当の関口要が、待ち構えるように立っていた。彼もまた、藤巻の新人教育を受けた一人。関口も彩芽同様、藤巻になんでも相談をしているようだ。こそこそ廊下で二人話し合っているのを、度々見かける。
「お? 関口君どうしたの?」
お疲れ様ですと、関口は、やけに恭しく藤原へ接客業らしい綺麗なお辞儀をする。そんな、律儀な奴だっただろうか。彩芽の頭の中に、疑問符が無数に浮かぶ。同期で飲みに行ったときは、真面目というよりか、お調子者というイメージだったのに。
関口が顔を上げると、たれ目がちの双眸がちらりと彩芽を捉えたあと、すぐに藤原へ向いていく。すると、藤原は「あ!」と、不自然な声を上げていた。
「あぁ、なるほどね。さっき、洋菓子とコラボいいかもなぁ。確かに、若者の意見を取り入れるのも大事だよなぁ。じゃあさ、この後二人飯に行って、何となく話まとめてきてよ。今日は愛妻弁当持ってきてたから、僕は事務所で食べるよ。じゃあ、またあとで」
手をひらひらとさせて、さっさと行ってしまう。なんなんだ、急に。
これでは、藤原の方が自由人ではないか。意味が分からない。困惑する彩芽に、関口は笑顔で促し、そのままランチ休憩に突入していった。
社員食堂は、昼時間の真っただ中ということもあって、混雑していた。タイミングよく二席分の小さな丸テーブルが空いて、関口はカレー。彩芽は、うどんを食べ始めようとしたら、先ほどの律義さはどこへやら。関口が、業務に関係のないことばかり、大いによくしゃべり始めていた。
「来週衆議院選挙だね」
「選挙興味ないなぁ。投票したこと、一回もない」
藪から棒にいったい何の話だと思いながら、彩芽が適当に答えれば、コロコロと話題が変わっていった。天気、電車、出身地の話……その間に、彩芽のどんぶりの中のうどんは、最後の一口となっていた。最後のうどんを箸で掴んで口へ運んでいく。
「昨日の日本代表サッカー見た? 日本勝ったよね」
うどんを食べる手が一瞬だけ止まるのを、関口は見逃さない。
「サッカーは興味あるんだ?」
「友達がずっとやってたからね。多少は」
彩芽の答えで、関口のよく動いていた口が怯んだように、席に着いてから全然進んでいなかったカレーを一口頬張った。それに合わせて、最後のうどんを今度こそ口の中へ運ぶ。咀嚼していると、また関口が口をもごもごさせていた。
「へぇ。どんな友達?」
「飲み仲間みたいなもんかな」
「付き合ってるわけじゃないの?」
「うん。ただの隣人ね」
彩芽の答えに、関口の顔に笑みが浮かんでいる気がするが、意味がよくわからず彩芽は口の中のうどんを飲み込んだ。すると、むくっと仕事の話が頭を占領していく。
「あ、そうだ! それで、いつもそいつと家で飲んでるんだけど、この前取引先からいただいた赤ワインがすごく良くてさ。洋菓子で出してるフェルメールのチョコパイに凄く合うと思ったの。今度、試食用に少し分けてくれない?」
「あぁ、いいよ。早速、後で頼み込んでくるよ」
「助かる! よし、じゃあ今夜は、ちょっといいワイン奮発して買って、飲もうっと」
「今日は、何か特別な日なの?」
「一応、今日誕生日なんだよね。今夜は、家に帰っていい気分になっておこうかなって」
「そうなんだ! おめでとう! じゃあさ、僕と外へ食べに行かない? 奢るよ」
「あぁ、気を遣わないで。誕生日は、いつも通りって決めてるから。それに、今日は早く、フェルメールと赤ワイン試してみたいんだ。一応、その友達もワインのおいしさの判断は一応できるみたいだから、感想聞いてみるね。まぁ、どうせ『うまい』しか言わないし、何の参考にもならなさそうだけど。それで、よかったら企画に出さない?」
「……あ、わかったよ」
関口は、力なく頷く。先ほどとはうって変わって、意気消沈したように、覇気がなくなっていた。威勢の良かった関口の急激な変化。しかもカレーは半分以上更に残っているのに、立ち上がり始めている。彩芽は目を何度も瞬かせ、首をかしげる。
「どうしたの?」
「いや……コラボ企画は、進めよう。試食用の取引先に頼んでみるよ。じゃあ、先に戻っているね」
ちょっと待ったと、呼び止めようとしたところで、彩芽のポケットのスマホがまた震えだした。また母かとも思いながら、取り出す。煌々と光るスマホの画面の相手。今回は、陽斗だった。
『誕生日、おめでとう。今日は、ファミレス集合で』
お互いの誕生日には、一応おめでとうとは言い合うが、プレゼントを贈り合ったり、特別何かをするようなことはしない。高校の時、そんな約束を作っている。あくまでも、通常運転で突き通す。その方が、傷つかなくて済む。
『了解。二十時集合』
それだけ返して、スマホをポケットにしまう。そして、急にいなくなった関口に何か悪いことをしたのか、彩芽は頭を捻らせていた。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完】愛していますよ。だから幸せになってくださいね!
さこの
恋愛
「僕の事愛してる?」
「はい、愛しています」
「ごめん。僕は……婚約が決まりそうなんだ、何度も何度も説得しようと試みたけれど、本当にごめん」
「はい。その件はお聞きしました。どうかお幸せになってください」
「え……?」
「さようなら、どうかお元気で」
愛しているから身を引きます。
*全22話【執筆済み】です( .ˬ.)"
ホットランキング入りありがとうございます
2021/09/12
※頂いた感想欄にはネタバレが含まれていますので、ご覧の際にはお気をつけください!
2021/09/20
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
真実の愛は、誰のもの?
ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」
妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。
だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。
ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。
「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」
「……ロマンチック、ですか……?」
「そう。二人ともに、想い出に残るような」
それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
侍女から第2夫人、そして……
しゃーりん
恋愛
公爵家の2歳のお嬢様の侍女をしているルイーズは、酔って夢だと思い込んでお嬢様の父親であるガレントと関係を持ってしまう。
翌朝、現実だったと知った2人は親たちの話し合いの結果、ガレントの第2夫人になることに決まった。
ガレントの正妻セルフィが病弱でもう子供を望めないからだった。
一日で侍女から第2夫人になってしまったルイーズ。
正妻セルフィからは、娘を義母として可愛がり、夫を好きになってほしいと頼まれる。
セルフィの残り時間は少なく、ルイーズがやがて正妻になるというお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
追放された脇役聖女は、推し王子にストーカーされています
廻り
恋愛
竜人族が住むグラジル聖竜国で、筆頭聖女として竜神に仕えていたクローディア18歳。
ある日。竜神からの信託があり、彼女は乙女ゲーム『竜たま』の世界へ転生したのだと知る。
この乙女ゲームは、攻略対象と一緒に『竜の卵』を温めながら、好感度を上げていくシステムであり、クローディアは『竜の卵を授かる儀式』を執り行うキャラなのだという。
ゲームどおりに聖女として儀式をおこなったクローディアだが、ヒロインが選んだ攻略対象を見て驚く。
なぜならその攻略対象は、前世の『推し』であり、現世でも淡い思い出がある王太子オリヴァーだったのだ。
儀式の最中、オリヴァーの事ばかり考えていたクローディア。するとなぜか、天から授けられた卵はヒロインではなく、クローディアの元へ降って来たではないか。
激怒したヒロインに卵を取り上げられ、不祥事を犯したとしてクローディアは神殿から追放されてしまう。
一方、王太子オリヴァーは、卵がヒロインとの間に授けられたものだとは思えなくて。
【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね
江崎美彩
恋愛
王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。
幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。
「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」
ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう……
〜登場人物〜
ミンディ・ハーミング
元気が取り柄の伯爵令嬢。
幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。
ブライアン・ケイリー
ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。
天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。
ベリンダ・ケイリー
ブライアンの年子の妹。
ミンディとブライアンの良き理解者。
王太子殿下
婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。
『小説家になろう』にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる