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花蓮
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「どうして……咲良のこと、知ってるんだよ」
春馬の声は、酷く掠れていて、聞き取りにくい。
花蓮は、はぁっとため息をついていた。
「そんなことどうでもいいから、会いに行けって、言ってるの」
春馬の質問を一蹴して、花蓮が鋭く睨んでくる。春馬の何かが破裂した。
「何の事情を知らないくせに、終わったことを蒸し返しやがって。俺たちの何を知ってるっていうんだよ!」
「ぐずぐず考えるばっかりでなかなか行動しないところ、そのくせ煽てられるとすぐに浮かれるところ、ストレスが溜まると一人カラオケ行って叫んでること。全部知ってるから、私がここへ来る羽目になったんでしょ!」
花蓮が逆切れする。春馬も言い返そうとしたのだが、飛んでくるものは全部的を得ていて、返す言葉を失ってしまっていた。
自分の性格なのだから、なんとなく自覚しているところだ。だから、誰かから聞いてそれを知ったのだろうという予想はできたのだが、一人カラオケに行ってストレス発散することは、どこから知ったのだろう。このことは、家族にも知られていないはずだ。声を枯らせて帰ってきたとき、母から「何してきたの?」と聞かれたときはいつも「友達とカラオケに行ってきた」と伝えている。絶対誰にも知られていない事実だ。なんなんだよ、こいつ。
「お前……ストーカー? 俺の追っかけ?」
ひそかな恋心を抱いての追っかけならば、可愛げがあるものだと、春馬が笑って、つけ加える。
しかし、それは、花蓮にとっては、逆効果だった。
「……追っかけ、ですって?」
花蓮の顔は真っ赤で、怒りのあまり震えている。
「気色悪いこと言わないでよ! 鳥肌立ったじゃない! あーもう、本当に不愉快! 気色悪い!」
一通り叫んだあと、潤のやつ、一生恨んでやる! と、誰だか知らないが、そいつに向かって罵っていた。
花蓮が騒ぎに騒いでいるため、学生たちの視線は、春馬たちへ集中していた。
そのことに気づいた花蓮は、場所を変えるわよといって、ずんずん歩いていく。
大学敷地を出ようとしたときの空は、夕焼け空が広がっていたのか、学生が空を写真に収めていた。
しかし、二人はそんなこと気に留めることなく、喫茶店に入っていた。
席に着きメニューを見るなり、花蓮は心を落ち着けさせるために奢れといいながら、持っていたメニュー表を渡された。
「どんな育てられ方したんだよ……親の顔が見てみたいぜ」
春馬がぼそっと呟くと、どうせまた睨まれるだろうと思い、メニュー表で顔を守る。
「そういう嫌味をいうと、ブーメランになって自分に返ってきますからね」
飛んできた花蓮の返しを無視して、メニューに目を落とす。やけにコーヒーに力を入れている店らしい。
細かく説明が書かれているが、ただのカタカナの羅列にしかみえない。頭を痛めていると、花蓮は嫌がらせのように店員を呼んでいた。
「私は、カフェラテで」
さっさと、オーダーしてしまう花蓮。カフェラテは、咲良が好きだったななんて、余計なことを考えそうになる。
店員は、早くしろという沈黙のプレッシャーをかけきて、咲良を慌てて打ち消す。
だったら、一番安いのでいいかと、カタカナから数字へと視線を移していくと、花蓮は先回りしていた。
「どうせ、アメリカンでしょ?」
一番安価な場所を、ズバリと言い当てられていた。やっぱりこいつは、普通じゃない。否定していたが、やっぱりストーカーなのでは?
ぞっとしながら、メニューを閉じる。
「……アメリカンで、お願いします」
店員は、かしこまりましたといって、去っていった。
春馬は早くここから逃れたいという思いが募って、沈黙に変わり、気まずいと思っていたのだが、花蓮はそんなこと気にしないようだ。ごそごそ鞄の中身を漁っていた。
そこで、ちょうどコーヒーが運ばれてきていた。
春馬は手持無沙汰で、コーヒーを口へ運んでいると、花蓮はメモを取り出して、さらさらとボールペンを動かしていた。
書き終えるとメモから切り離し、机の上を滑らせ春馬へ差し出していた。
「はい、これ」
コーヒーカップを手にしたまま、片手で手渡されたメモを受け取る。数字が並んでいた。どこかの電話番号らしい。もしかして、花蓮の連絡先だろうか。
「これ何?」
さして興味もわかず投げやりに質問だけ投げて、カップの淵へ口をつけると、花蓮はさらっといった。
「早見咲良の連絡先」
春馬が飲み込んだコーヒー気管支どころかまったく違う方向へ入り、激しくせき込むと、花蓮は「最低」と冷ややな態度を示していた。何とか咳を落ち着かせたところで、大きめの声が出た。
「お前、さっきから、いったい何がしたいんだよ!」
落ち着いた店内には、不相応な声量だ。一斉に視線が集まってくる。花蓮と似たような冷たい視線だ。非常に居心地が悪い。仕方なくすみませんと、頭を下げると、やっと視線が散っていた。
ほっとしながら、花蓮を睨みつける。そのまま、コーヒーを一気飲みしてやろうと思ったら、熱すぎて火傷しそうになった。
「早く彼女と連絡とって、会ってほしいってさっきから言ってる」
「お前は、咲良の何?」
春馬が嫌々ながら質問を投げたところで、もう一つの可能性が浮上して、春馬はごくりと、つばを飲み込んだ。
「もしかして……咲良に頼まれて、ここにきたのか?」
それならば、話はだいぶ違ってくる。咲良が会いたいというのならば、拒む理由もないし、むしろ会いたいと思う。
「それは、ない。そもそも、彼女は、私のこと知らないだろうし」
花蓮は、さも当然のように言うが、そうなると益々意味がわからない。
会ったこともないはずの咲良のために、わざわざ俺のところに来て、会いに行けとは、どういうことなのか。春馬の頭の中は、疑問でいっぱいになるが、それを全部吹きとばすように、花蓮の鼻息は荒くなっていた。
「私のことはとりあえず置いておいて、ともかく、彼女のことずっと好きなんでしょ?」
こんなこと、私の口から言わせないでよと、怒りながら花蓮はいった。
その通りの図星だった。そう。ずっと、春馬には咲良への思いがある。
告げられなかった気持ちが、手を伸ばせば届く場所に、ずっと蹲ったまままだ。だけど。
「俺は……フラれたんだ。今更、連絡できるかよ……」
花蓮のカフェラテに手を伸ばそうとした、春馬の手が止まる。
咲良は、あの時約束の場所にやってこなかった。
日暮れまで待っても。連絡を入れてみても、コール音ばかり。メッセージをいれても、既読にさえならなかった。
春馬の目元にぎゅっと力が入る。
「どうして、来なかったか。理由を確かめたことないでしょ。そんなんじゃ、フラれたかどうかなんて、わからないじゃない」
「確かめようとしたさ。でも、何度連絡を入れても、応答がなかった。挙句の果てに……数日後には、電話番号まで変えられたんだぞ? そりゃあ、もう連絡してくるなって言っているようなもんだろ」
「スマホが壊れて、新しい機種に変更して電話番号が変わったかもしれないじゃない」
花蓮のあまりにポジティブな推測に、春馬は悪態をつく。
「俺は、お前と違って空気を読めるんだよ」
ため息とともにそういうと、花蓮が、じっーっと見つめてきていた。
今度は、吊り上がっておらず、涼しい目元だ。長いまつげが真っすぐこちらへ向いてくる。
「……なんだよ」
何となく気まずくて、再びコーヒーへ手を伸ばす。
花蓮は、軽蔑したような視線を送ってくる。イライラした春馬は、コーヒーをカップへ手を伸ばしたところで、花蓮はいった。
「気持ち悪っ!」
春馬の声は、酷く掠れていて、聞き取りにくい。
花蓮は、はぁっとため息をついていた。
「そんなことどうでもいいから、会いに行けって、言ってるの」
春馬の質問を一蹴して、花蓮が鋭く睨んでくる。春馬の何かが破裂した。
「何の事情を知らないくせに、終わったことを蒸し返しやがって。俺たちの何を知ってるっていうんだよ!」
「ぐずぐず考えるばっかりでなかなか行動しないところ、そのくせ煽てられるとすぐに浮かれるところ、ストレスが溜まると一人カラオケ行って叫んでること。全部知ってるから、私がここへ来る羽目になったんでしょ!」
花蓮が逆切れする。春馬も言い返そうとしたのだが、飛んでくるものは全部的を得ていて、返す言葉を失ってしまっていた。
自分の性格なのだから、なんとなく自覚しているところだ。だから、誰かから聞いてそれを知ったのだろうという予想はできたのだが、一人カラオケに行ってストレス発散することは、どこから知ったのだろう。このことは、家族にも知られていないはずだ。声を枯らせて帰ってきたとき、母から「何してきたの?」と聞かれたときはいつも「友達とカラオケに行ってきた」と伝えている。絶対誰にも知られていない事実だ。なんなんだよ、こいつ。
「お前……ストーカー? 俺の追っかけ?」
ひそかな恋心を抱いての追っかけならば、可愛げがあるものだと、春馬が笑って、つけ加える。
しかし、それは、花蓮にとっては、逆効果だった。
「……追っかけ、ですって?」
花蓮の顔は真っ赤で、怒りのあまり震えている。
「気色悪いこと言わないでよ! 鳥肌立ったじゃない! あーもう、本当に不愉快! 気色悪い!」
一通り叫んだあと、潤のやつ、一生恨んでやる! と、誰だか知らないが、そいつに向かって罵っていた。
花蓮が騒ぎに騒いでいるため、学生たちの視線は、春馬たちへ集中していた。
そのことに気づいた花蓮は、場所を変えるわよといって、ずんずん歩いていく。
大学敷地を出ようとしたときの空は、夕焼け空が広がっていたのか、学生が空を写真に収めていた。
しかし、二人はそんなこと気に留めることなく、喫茶店に入っていた。
席に着きメニューを見るなり、花蓮は心を落ち着けさせるために奢れといいながら、持っていたメニュー表を渡された。
「どんな育てられ方したんだよ……親の顔が見てみたいぜ」
春馬がぼそっと呟くと、どうせまた睨まれるだろうと思い、メニュー表で顔を守る。
「そういう嫌味をいうと、ブーメランになって自分に返ってきますからね」
飛んできた花蓮の返しを無視して、メニューに目を落とす。やけにコーヒーに力を入れている店らしい。
細かく説明が書かれているが、ただのカタカナの羅列にしかみえない。頭を痛めていると、花蓮は嫌がらせのように店員を呼んでいた。
「私は、カフェラテで」
さっさと、オーダーしてしまう花蓮。カフェラテは、咲良が好きだったななんて、余計なことを考えそうになる。
店員は、早くしろという沈黙のプレッシャーをかけきて、咲良を慌てて打ち消す。
だったら、一番安いのでいいかと、カタカナから数字へと視線を移していくと、花蓮は先回りしていた。
「どうせ、アメリカンでしょ?」
一番安価な場所を、ズバリと言い当てられていた。やっぱりこいつは、普通じゃない。否定していたが、やっぱりストーカーなのでは?
ぞっとしながら、メニューを閉じる。
「……アメリカンで、お願いします」
店員は、かしこまりましたといって、去っていった。
春馬は早くここから逃れたいという思いが募って、沈黙に変わり、気まずいと思っていたのだが、花蓮はそんなこと気にしないようだ。ごそごそ鞄の中身を漁っていた。
そこで、ちょうどコーヒーが運ばれてきていた。
春馬は手持無沙汰で、コーヒーを口へ運んでいると、花蓮はメモを取り出して、さらさらとボールペンを動かしていた。
書き終えるとメモから切り離し、机の上を滑らせ春馬へ差し出していた。
「はい、これ」
コーヒーカップを手にしたまま、片手で手渡されたメモを受け取る。数字が並んでいた。どこかの電話番号らしい。もしかして、花蓮の連絡先だろうか。
「これ何?」
さして興味もわかず投げやりに質問だけ投げて、カップの淵へ口をつけると、花蓮はさらっといった。
「早見咲良の連絡先」
春馬が飲み込んだコーヒー気管支どころかまったく違う方向へ入り、激しくせき込むと、花蓮は「最低」と冷ややな態度を示していた。何とか咳を落ち着かせたところで、大きめの声が出た。
「お前、さっきから、いったい何がしたいんだよ!」
落ち着いた店内には、不相応な声量だ。一斉に視線が集まってくる。花蓮と似たような冷たい視線だ。非常に居心地が悪い。仕方なくすみませんと、頭を下げると、やっと視線が散っていた。
ほっとしながら、花蓮を睨みつける。そのまま、コーヒーを一気飲みしてやろうと思ったら、熱すぎて火傷しそうになった。
「早く彼女と連絡とって、会ってほしいってさっきから言ってる」
「お前は、咲良の何?」
春馬が嫌々ながら質問を投げたところで、もう一つの可能性が浮上して、春馬はごくりと、つばを飲み込んだ。
「もしかして……咲良に頼まれて、ここにきたのか?」
それならば、話はだいぶ違ってくる。咲良が会いたいというのならば、拒む理由もないし、むしろ会いたいと思う。
「それは、ない。そもそも、彼女は、私のこと知らないだろうし」
花蓮は、さも当然のように言うが、そうなると益々意味がわからない。
会ったこともないはずの咲良のために、わざわざ俺のところに来て、会いに行けとは、どういうことなのか。春馬の頭の中は、疑問でいっぱいになるが、それを全部吹きとばすように、花蓮の鼻息は荒くなっていた。
「私のことはとりあえず置いておいて、ともかく、彼女のことずっと好きなんでしょ?」
こんなこと、私の口から言わせないでよと、怒りながら花蓮はいった。
その通りの図星だった。そう。ずっと、春馬には咲良への思いがある。
告げられなかった気持ちが、手を伸ばせば届く場所に、ずっと蹲ったまままだ。だけど。
「俺は……フラれたんだ。今更、連絡できるかよ……」
花蓮のカフェラテに手を伸ばそうとした、春馬の手が止まる。
咲良は、あの時約束の場所にやってこなかった。
日暮れまで待っても。連絡を入れてみても、コール音ばかり。メッセージをいれても、既読にさえならなかった。
春馬の目元にぎゅっと力が入る。
「どうして、来なかったか。理由を確かめたことないでしょ。そんなんじゃ、フラれたかどうかなんて、わからないじゃない」
「確かめようとしたさ。でも、何度連絡を入れても、応答がなかった。挙句の果てに……数日後には、電話番号まで変えられたんだぞ? そりゃあ、もう連絡してくるなって言っているようなもんだろ」
「スマホが壊れて、新しい機種に変更して電話番号が変わったかもしれないじゃない」
花蓮のあまりにポジティブな推測に、春馬は悪態をつく。
「俺は、お前と違って空気を読めるんだよ」
ため息とともにそういうと、花蓮が、じっーっと見つめてきていた。
今度は、吊り上がっておらず、涼しい目元だ。長いまつげが真っすぐこちらへ向いてくる。
「……なんだよ」
何となく気まずくて、再びコーヒーへ手を伸ばす。
花蓮は、軽蔑したような視線を送ってくる。イライラした春馬は、コーヒーをカップへ手を伸ばしたところで、花蓮はいった。
「気持ち悪っ!」
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