3 / 8
山奈ちさとは駆け出した
しおりを挟む歩くだけで可愛いと思うのは、あの子がとても可愛い女の子で。恋をしているからだ。
恋する女の子は無条件に可愛い。ただでさえ周りの注目を無意識に集めちゃうくらいに可愛いのだから、恋をしてるその子の可愛さはもう世界を救うレベルだ。
「おはよう、みゆ」
「おはようちさとちゃん」
まぁそんなこと言いませんけどね。
でも実際、先輩に恋をして、先輩に夢中なこの友達はとても可愛いくて。私は目の保養として楽しんでいる。あと耳も。
「昨日ね、おねぇちゃんとお出かけしたんだ」
「へぇ、いつもお家デートなのに。珍しいね」
「手を繋いで歩くのに慣れてもらおうかなって」
……可愛い、ね。なんだか微笑ましいといいますか。キスまでしてる仲だというのにそんな可愛いお出かけの理由があるんですね尊い。
「篠山先輩、手を繋ぐの苦手なの?」
「んー、なんか逃げようとするんだよね」
離してあげないけどさ、だって。
みゆと将来を約束しちゃったらしい篠山先輩、健闘を祈ります。
みゆはあまり嫉妬とかを口には出さない分、おねぇちゃんは私の、みたいな自信は強い。
話を聞く限りまだ好きだと言ってもらったことはないらしいけど(あるかもしれないけど)みゆは先輩の手を離す気はないらしい。
「最初は逃げようとしてたんだけど、寒くなくなるんだからお互い良いでしょって言ったら「そっか!」なんて納得しちゃって」
可愛いなぁ、先輩もみゆも。
たった数分で終わってしまう会話も私に幸福感をくれる。
「みゆ、今日もありがとう」
「1日はまだ始まったばかりでしょ?」
そうでした。
またお昼にも聞けるのかな。そうなったら幸せだ。
「どうしよう、お腹いっぱいになりそう……」
「なんで?」
友達は可愛い。恋をして、幸せそうに笑っている。今はそれだけでうれしい。
どうかこの子の恋が報われますように。
ーーそして。
「明日が早く来ますように!」
変なの、と首を傾げるみゆをよそに、私は幸せすぎて学校へと駆け出した。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
女の子なんてなりたくない?
我破破
恋愛
これは、「男」を取り戻す為の戦いだ―――
突如として「金の玉」を奪われ、女体化させられた桜田憧太は、「金の玉」を取り戻す為の戦いに巻き込まれてしまう。
魔法少女となった桜田憧太は大好きなあの娘に思いを告げる為、「男」を取り戻そうと奮闘するが……?
ついにコミカライズ版も出ました。待望の新作を見届けよ‼
https://www.alphapolis.co.jp/manga/216382439/225307113
なぜか女体化してしまった旧友が、俺に助けを求めてやまない
ニッチ
恋愛
○らすじ:漫画家志望でうだつの上がらない旧友が、社会人の主人公と飲んで帰ったあくる日、ある出来事をきっかけとして、身体が突然――。 解説:エロは後半がメインです(しかもソフト)。寝取りとか寝取られとかは一切、ナイです。山なし海なし堕ちなしの世界ではありますが、よければご覧くださいませ。
【R18】無口な百合は今日も放課後弄ばれる
Yuki
恋愛
※性的表現が苦手な方はお控えください。
金曜日の放課後――それは百合にとって試練の時間。
金曜日の放課後――それは末樹と未久にとって幸せの時間。
3人しかいない教室。
百合の細腕は頭部で捕まれバンザイの状態で固定される。
がら空きとなった腋を末樹の10本の指が蠢く。
無防備の耳を未久の暖かい吐息が這う。
百合は顔を歪ませ紅らめただ声を押し殺す……。
女子高生と女子高生が女子高生で遊ぶ悪戯ストーリー。
さくらと遥香
youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。
さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。
◆あらすじ
さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。
さくらは"さくちゃん"、
遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。
同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。
ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。
同期、仲間、戦友、コンビ。
2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。
そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。
イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。
配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。
さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。
2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。
遥香の力になりたいさくらは、
「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」
と申し出る。
そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて…
◆章構成と主な展開
・46時間TV編[完結]
(初キス、告白、両想い)
・付き合い始めた2人編[完結]
(交際スタート、グループ内での距離感の変化)
・かっきー1st写真集編[完結]
(少し大人なキス、肌と肌の触れ合い)
・お泊まり温泉旅行編[完結]
(お風呂、もう少し大人な関係へ)
・かっきー2回目のセンター編[完結]
(かっきーの誕生日お祝い)
・飛鳥さん卒コン編[完結]
(大好きな先輩に2人の関係を伝える)
・さくら1st写真集編[完結]
(お風呂で♡♡)
・Wセンター編[不定期更新中]
※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる