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君が知らない私の世界〜頭の悪い私は今日も君を染めていきたいと思います〜
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【登場人物】
白濱みい……お菓子職人の娘。少しだけ性格に難ありな女の子。
柳城すみれ……甘いものが好き。みいが持ってくるお菓子を楽しみにしている女の子。
ガリッ。
食べた瞬間からもう苦い。砂糖が焦げてるなんてもんじゃない。
「これはボツかなー、こんなのすみれちゃんに食べさせられないし」
私、白濱(しらはま)みいはさっきまで熱心に作っていたお菓子をキッチンペーパーでくるんで捨てた。
想い人、柳城(やなしろ)すみれ。
彼女に食べてもらうためのお菓子作りを、私は今日も欠かさない。
「砂糖をもうちょっと減らそうかな……」
傍から見ると変な光景に見えるだろう。レシピ本を真面目に見ながら、近くにまるこげのお菓子が転がっているのだから。
好きな人には美味しいお菓子を食べてもらいたいだなんて、ピュアな恋はもうどこかへ消えてしまった。
今はもう、すみれちゃんに私のお菓子の味しか知ってほしくないなんて思ってる。
私のこの"あえて"失敗したお菓子の味がクセになって、他の味に戻れなくなればいいなんて。
「はぁ、性格わる……」
分かってるんだ、そんなこと。
でもすみれちゃんのためならなんだって出来てしまうというのも事実なわけで。
「……好き」
今日も私は好きな人のため。
決して純粋ではない想いを抱きながらお菓子を作る。
「きっと私の思いには気付いてないんだろうなぁ」
でもきっと。
好きな人を思い浮かべながらお菓子を作るその姿だけは。たぶん可愛い、恋する女の子になれてるんだろうな。
そんなことを考えたら、ちょっと笑ってしまった。
☆☆☆
「へっくし!」
なんという古典的なくしゃみ。
誰かが私のことを噂しているなんていかないまでも、考えたりはされてるんじゃかいだろうか。
「はぁ、みいのお菓子まだかなぁ」
餌を待つ子犬のような考えをしてる私にはきっと。
大して関係もないんだろうけどね。
白濱みい……お菓子職人の娘。少しだけ性格に難ありな女の子。
柳城すみれ……甘いものが好き。みいが持ってくるお菓子を楽しみにしている女の子。
ガリッ。
食べた瞬間からもう苦い。砂糖が焦げてるなんてもんじゃない。
「これはボツかなー、こんなのすみれちゃんに食べさせられないし」
私、白濱(しらはま)みいはさっきまで熱心に作っていたお菓子をキッチンペーパーでくるんで捨てた。
想い人、柳城(やなしろ)すみれ。
彼女に食べてもらうためのお菓子作りを、私は今日も欠かさない。
「砂糖をもうちょっと減らそうかな……」
傍から見ると変な光景に見えるだろう。レシピ本を真面目に見ながら、近くにまるこげのお菓子が転がっているのだから。
好きな人には美味しいお菓子を食べてもらいたいだなんて、ピュアな恋はもうどこかへ消えてしまった。
今はもう、すみれちゃんに私のお菓子の味しか知ってほしくないなんて思ってる。
私のこの"あえて"失敗したお菓子の味がクセになって、他の味に戻れなくなればいいなんて。
「はぁ、性格わる……」
分かってるんだ、そんなこと。
でもすみれちゃんのためならなんだって出来てしまうというのも事実なわけで。
「……好き」
今日も私は好きな人のため。
決して純粋ではない想いを抱きながらお菓子を作る。
「きっと私の思いには気付いてないんだろうなぁ」
でもきっと。
好きな人を思い浮かべながらお菓子を作るその姿だけは。たぶん可愛い、恋する女の子になれてるんだろうな。
そんなことを考えたら、ちょっと笑ってしまった。
☆☆☆
「へっくし!」
なんという古典的なくしゃみ。
誰かが私のことを噂しているなんていかないまでも、考えたりはされてるんじゃかいだろうか。
「はぁ、みいのお菓子まだかなぁ」
餌を待つ子犬のような考えをしてる私にはきっと。
大して関係もないんだろうけどね。
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