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エピローグ

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 ※ ※ ※


国民から絶大な人気を誇る歴代最高の【神々の目】。
王妃マリア。

彼女は日が昇っているうちは、ほとんど王宮内の最奥、選ばれたもの以外立ち入ることを許されない神殿で祈りを捧げている。

神聖なはずの神殿では、今日も卑猥な音が響いていた。

グッチュッ、ズリュ、グッチュッ、ズッチュッ

「あんたってさぁ、大きいストロークでゆっくり抜き差しされるの好きだよね。押しつぶすくらいに奥まで入れられるの、気持ちいいでしょ?ついでにねっとりベロ入れるキスしながらだと、すぐイッちゃう」

王妃マリアは、外では決して見せない男の顔で女をせめていた。

バスンッバスンッバスンッ

重たく腰がぶつかり合う。

大理石の床の上に両ひじ、両ひざをつき、腰を上げて後ろから突き上げられているのは、黒髪の女性だ。
幾重にも重ねられたシフォンのスカートはめくりあげられ、白い太ももだけでなく尻までむき出しにされている。

ぶつかる衝撃で、尻肉がプニュンプニュンと揺れて形を変える。

その張り出した尻肉に叩きつけるように腰を振っているマリアは、とっくにスカートを脱ぎ捨てて、上半身だけシャツをまとっている。

腰の突き上げに合わせて、大理石の床に広がった女の豊かな黒髪が揺れる。

ときおり、マリアは亀頭を最奥に押しつけながらすりまわす動きを加える。

「~~ッ!」

声にならない嬌声を喉から漏らして、ビクビクと女の背中が震えた。

「太陽が出ているうちは、俺の時間だからね。ふふっ、神殿内は閉ざされた場所なんだから、もっと声を出しても大丈夫だって言ってるのに」

黒髪を乱して、女は首をぶんぶんと左右に振る。

「強情。でも好きだよ」

はあ、はふっ、とうわずった女の吐息はほのかな桃色がついているかのように甘い。

「ほら、じゅうたんのほうに行こうよ。ひじ痛くない?」

繋がったままの腰を両手で持たれた女は、身体に力の入らない状態で、背後から押されるがまま、ズリズリとにじるように少しずつ前に移動していった。

たまにいたずらに深くまで押し込まれ、少し移動するだけなのに相当な時間がかかったことは言うまでもない。



 ※ ※ ※


あれからーー。

「死んでもらうしかない」

そう王太子が言った通り、わたしは死んだ。

いや、死んだことにされた。

どう工作をしたのかは分からないけれど、事故として処理された。

周囲は、ことが明るみに出ることを恐れたわたしが自ら死を選んだのではないかと憶測し、やがて真の【神々の目】と王太子の結婚のニュースが舞い込んだことですっかり祝福ムードになり、不吉な事故は人々の話題から消えた。

わたしは外に出ることはなく、二人に囲われることとなった。

王妃となったマリアが王宮内に神殿をつくったことで、その檻はより強固になった。

女の振りを続けるマリアに、最初は「できるはずがない」と思っていた。
王妃には、王とともに廷臣や各国の使者と面会したりする務めがある。

毎日、面会、面会、面会、そして式典と儀式に追われるのだ。

人前に出ることが多くなれば多くなるほど、真実に気付く人間も現れる可能性が高くなる。

「大丈夫だよ。あんたと一緒に神殿にこもるから」

「王妃が人前に出ないで神殿にこもるなんて前例がないわ。ぜったいに反対される」


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