混血の陰陽師

紅月 牙

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第一章

閑話2.幼馴染み達は通常運転です。

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「おー、緋李があぁなるの久しぶりに見たな」
「そうですわね。でもすぐに正気に戻ると思いますわよ?」

 緋李の理性がトんだ時、見学組と混じって演習を観ていた狼苑と華宮は周りが慌てているのを尻目に素早く防御結界を張るとのんびりと話していた。

 二人は緋李と幼馴染みで、血の濃さやしゅは違えどお互いに初めて同じ存在に出会い、家族以外で受け入れてくれた存在だ。初めての顔合わせした時からお互いの家を頻繁に行き来し、絆を深めた。
もちろん遊ぶだけでなく、勉強や家業の手伝い、自身の身を守る練習も一緒にしていた。お互いに怪我をしたりさせたりと大変な事もあった。幼い故の暴走もあり、過去に何回かそれぞれに理性を飛ばして迷惑を掛けたこともある。
だから、二人は緋李が今暴走していても久しぶりにしか感じないし、今の緋李がどれくらいの暴走なのかも知っている。
何より、今日は緋李の式神が五体も出ているのだ。これ以上緋李が暴走しても止められないはずがないと二人は確信している。

 現に既に沙羅の呼び掛けで理性は戻りつつある。そのままいつも通りの緋李に戻るだろう。

「……あー、退屈だな」
「あら、でも尻尾は楽しそうに動いてますけど?」
「…退屈なんだよ」
「フフ、じゃあそういう事にしておきますわ」

 ムスッとした狼苑の声と表情と華宮のおかしそうな笑い声はいつも通りだ。
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