13 / 20
第一章
閑話2.幼馴染み達は通常運転です。
しおりを挟む
「おー、緋李があぁなるの久しぶりに見たな」
「そうですわね。でもすぐに正気に戻ると思いますわよ?」
緋李の理性がトんだ時、見学組と混じって演習を観ていた狼苑と華宮は周りが慌てているのを尻目に素早く防御結界を張るとのんびりと話していた。
二人は緋李と幼馴染みで、血の濃さや種は違えどお互いに初めて同じ存在に出会い、家族以外で受け入れてくれた存在だ。初めての顔合わせした時からお互いの家を頻繁に行き来し、絆を深めた。
もちろん遊ぶだけでなく、勉強や家業の手伝い、自身の身を守る練習も一緒にしていた。お互いに怪我をしたりさせたりと大変な事もあった。幼い故の暴走もあり、過去に何回かそれぞれに理性を飛ばして迷惑を掛けたこともある。
だから、二人は緋李が今暴走していても久しぶりにしか感じないし、今の緋李がどれくらいの暴走なのかも知っている。
何より、今日は緋李の式神が五体も出ているのだ。これ以上緋李が暴走しても止められないはずがないと二人は確信している。
現に既に沙羅の呼び掛けで理性は戻りつつある。そのままいつも通りの緋李に戻るだろう。
「……あー、退屈だな」
「あら、でも尻尾は楽しそうに動いてますけど?」
「…退屈なんだよ」
「フフ、じゃあそういう事にしておきますわ」
ムスッとした狼苑の声と表情と華宮のおかしそうな笑い声はいつも通りだ。
「そうですわね。でもすぐに正気に戻ると思いますわよ?」
緋李の理性がトんだ時、見学組と混じって演習を観ていた狼苑と華宮は周りが慌てているのを尻目に素早く防御結界を張るとのんびりと話していた。
二人は緋李と幼馴染みで、血の濃さや種は違えどお互いに初めて同じ存在に出会い、家族以外で受け入れてくれた存在だ。初めての顔合わせした時からお互いの家を頻繁に行き来し、絆を深めた。
もちろん遊ぶだけでなく、勉強や家業の手伝い、自身の身を守る練習も一緒にしていた。お互いに怪我をしたりさせたりと大変な事もあった。幼い故の暴走もあり、過去に何回かそれぞれに理性を飛ばして迷惑を掛けたこともある。
だから、二人は緋李が今暴走していても久しぶりにしか感じないし、今の緋李がどれくらいの暴走なのかも知っている。
何より、今日は緋李の式神が五体も出ているのだ。これ以上緋李が暴走しても止められないはずがないと二人は確信している。
現に既に沙羅の呼び掛けで理性は戻りつつある。そのままいつも通りの緋李に戻るだろう。
「……あー、退屈だな」
「あら、でも尻尾は楽しそうに動いてますけど?」
「…退屈なんだよ」
「フフ、じゃあそういう事にしておきますわ」
ムスッとした狼苑の声と表情と華宮のおかしそうな笑い声はいつも通りだ。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説


婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?

蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
一人じゃないぼく達
あおい夜
キャラ文芸
ぼくの父親は黒い羽根が生えている烏天狗だ。
ぼくの父親は寂しがりやでとっても優しくてとっても美人な可愛い人?妖怪?神様?だ。
大きな山とその周辺がぼくの父親の縄張りで神様として崇められている。
父親の近くには誰も居ない。
参拝に来る人は居るが、他のモノは誰も居ない。
父親には家族の様に親しい者達も居たがある事があって、みんなを拒絶している。
ある事があって寂しがりやな父親は一人になった。
ぼくは人だったけどある事のせいで人では無くなってしまった。
ある事のせいでぼくの肉体年齢は十歳で止まってしまった。
ぼくを見る人達の目は気味の悪い化け物を見ている様にぼくを見る。
ぼくは人に拒絶されて一人ボッチだった。
ぼくがいつも通り一人で居るとその日、少し遠くの方まで散歩していた父親がぼくを見つけた。
その日、寂しがりやな父親が一人ボッチのぼくを拐っていってくれた。
ぼくはもう一人じゃない。
寂しがりやな父親にもぼくが居る。
ぼくは一人ボッチのぼくを家族にしてくれて温もりをくれた父親に恩返しする為、父親の家族みたいな者達と父親の仲を戻してあげようと思うんだ。
アヤカシ達の力や解釈はオリジナルですのでご了承下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる