143 / 184
105 魔王の玉座に座る、ぼく。
しおりを挟む
◆魔王の玉座に座る、ぼく。
サリエル・ドラベチカ、十三歳。ぼくはっ。
いま、魔王の椅子にチョコリーンと座っております。
魔王の玉座に座る、ぼく。
そうです。イガイガの、なにやらおどろおどろしい彫刻がなされた、あの玉座ですよっ?
学園から帰ったばかりで、衣装は、あの、いつもの白い制服ですしぃ。
大きなお椅子ですので、低身長のぼくが膝をそろえて座っていると。チマッと。マルッと。していてぇ。
全く、威厳はございませんが。
それは良いのです。問題はそこではないので。
ここはあの、一番大きい謁見の間でございます。
全体的に真っ白なお部屋で、クリスタルの柱が豪華絢爛。
赤い絨毯が、謁見の間の真ん中を突っ切っている。白地に赤いラインが、ひときわ目を引きます。
以前この部屋に来たときは。その大きさに驚き。
トゲトゲデザインの透明な柱は、ガラス製。白く濁った床は、氷のよう。なんて思っていましたが。
ほぼ全部クリスタル製だと聞き。恐れおののいております。
お値段がお高そうですぅ。
それは良いのです。問題はそこではないのです。
ぼくの横には、アリスティア嬢がおりまして。
魔王となって玉座に腰かける、ぼくはっ。アリスと、けけけ、結婚んーーっ?
するわけもなく。
ぼくもアリスも、ジト目でスンとしているわけなのです。
一体、どうして、こんなことになってしまったのでしょう??
それをご説明するには、一時間ほど前にさかのぼらなければなりません。
★★★★★
一時間前のこと。
ぼくはいつものように、学園からファウストの馬車で屋敷まで送ってもらい。帰宅したところでした。
ちなみに。
ディエンヌが大騒ぎを起こして、中止になってしまった魔獣狩りイベントから。一ヶ月が経っております。
その日、行方不明になったディエンヌは。まだ見つかっていません。
ディエンヌがいなくなって、一番に探されたのは。母上のいるクレスタ領でした。
子供は、母の元へ帰りたがるものですからね?
クレスタ領は、魔王様が母上に下賜した古城と、湖と、村があるだけの小さな領地なのだが。
その中にある村は、壊滅しておりました。
村人も領主も、全員干からびていたのです。
クレスタ領は、ファウストの実家があるエーデルリンク、そのお隣の領であるカージナルの中に組み込まれていたが。
領の端の、奥の奥に位置していたことから。その発見が遅れてしまったようだった。
ディエンヌ捕縛のため、騎士団が向かわなければ。
もしかしたら、いまだに死の村であったかもしれない。
ちょっと、ホラー。
で、ディエンヌも。そして母上も。クレスタにはいなかったのである。
村人は二百人余りで、ディエンヌは三百人の生気を取り込んだと言っていたから。
もしかしたら被害のある地域が、さらにあるのかもしれません。
それで夏休みに、ファウストの実家に遊びに行ったとき言われていた。干からび事件は。
どうやらディエンヌと母上の犯行なのではないかと、言われ始めています。
いえ、まだ村人の干からび事件が、ディエンヌたちのせいだと決まったわけではないのですがぁ。
生気を取り込むことのできるふたりが、領から姿を消しているということで。
嫌疑は限りなく濃厚、という感じですね。
その話を聞きつけて。人族の国でも。魔族が人族を襲ったらしい、と息巻く者が多くなっているとのこと。
しばらく反目しながらも、安寧に過ごしていた、人族と魔族の関係も。一波乱ありそうな雲行きになってきています。
あわわ。なんてことでしょう。
魔獣狩りでディエンヌに操られていた生徒たちは。じきに正気を取り戻しましたが。
百人ほどが、生気をちょっと吸われる『チョイ吸い』をされていたようです。
ディエンヌが言った三百という数が、クレスタの村人二百人プラス生徒のチョイ吸い百人という数なら。被害は少なく済むのですけどねぇ?
しかし、この村人の干からびがディエンヌのせいならば。
死者の数が膨大なので。
厳重な処罰がくだされることには、なりそうです。
それでチョイ吸いされた生徒は、なんとなくディエンヌの指示に従いたくなるのですって。
朦朧とした中、ディエンヌの声しか聞こえなくて。彼女の声の通りに動いてしまった、とか。
その話を聞いた兄上は。
ディエンヌは生気を吸った者を、自在に動かせる能力があると断定いたしました。
村人の干からびの件と、生気を魔力に変換できる、という憶測は。
彼女を捕縛した後の事情聴取で、明らかにしなければならない。
ぼくの殺害未遂の件では、未遂ゆえに、まだ若干ディエンヌをかばっていた、魔王様も。
一連の報告を聞いて、ディエンヌとエレオノラ母上の指名手配を認めるしかなかったようだ。
すべての罪が明らかになるまでは、王族の籍を抜かない姿勢だが。
とにかくみなさまが、ディエンヌとエレオノラ母上を逮捕することに専念しているというところだった。
ぼくが屋敷に戻ると、レオンハルト兄上がエントランスで慌ただしく外出の用意をしておりました。
「サリュ、王都の隣の領で干からびた者が数人出たようだ。ディエンヌの捜索とともに調査をしてくるので、今日は屋敷を留守にする。しっかり戸締りをして、夜は外へ出てはいけないよ?」
ぼくの命を狙ったディエンヌが、まだ捕まっていないので。
兄上は、とてもぼくを心配しています。
今まで日替わりだった、学園の送り迎えも。
再び、ファウストが一任するようになり。
あ、アリスは、マルチェロが護衛をしていて。
シュナイツとマリーベルが、婚約者同士ということで一緒に登下校していて。
エドガーだけひとりで、拗ねていますが。そんな感じで。
とにかく。ぼくの護衛が、現在結構厳しめの多めになっております。
ですが。みなさまがぼくを心配しているのですから。
ぼくは、そのことをしっかりと受け入れるだけです。
「わかりました、兄上。しかしその調査は、兄上が行かなければならないのですか?」
怖いから、言っているのではなく。単純に疑問に思って、聞いたのだ。
「すまない、さみしい思いをさせて。隣の領は。領内の事件は己の手柄だと言い、騎士団の介入を渋っている。私が出向いて、協力するよう説得する必要があるのだ」
手柄とは、ディエンヌを捕まえたらうちの領の手柄になる、みたいなことですね?
それはいわゆる。所轄と県警の縄張り争い、的な?
しょか…つ? これは、前世の記憶です。この頃ぼくの脳みそは、刑事ドラマづいています。
まぁ、でも。納得はいたしました。
「そういうことでしたら、仕方がありませんね。兄上、お気をつけて、いってらっしゃいませぇ」
ぼくは兄上の腰に、プヨッと抱きついて挨拶をする。
兄上は颯爽と、玄関を出て行ったのだった…。
その十分後、くらいでしたかねぇ。魔王城から使者がやってきたのだ。
「サリエル・ドラベチカ様。魔王様がお呼びです。至急、謁見の間にお出でください」
兄上の留守中に呼び出しなんて、と。
屋敷の留守を預かる、執事もエリンも、オロオロしてしまうが。
基本、魔王様のお達しには逆らえないのです。
「では支度を整え、一時間後に参上いたします」
ぼくが使者に告げると。使者は、首を振った。
「いいえ、魔王様は至急と申されましたので。お召し物は、それで結構でございます」
今、着ているのは。学校帰りなので、学園の白い制服です。
ええぇぇ? 不躾になりませんかぁ?
そう思うが。さぁさぁと使者に、追い立てられるトテコッコのように急き立てられて。
ぼくはっ、魔王城に登城することになったのだった。
急展開、すぎますっ。
サリエル・ドラベチカ、十三歳。ぼくはっ。
いま、魔王の椅子にチョコリーンと座っております。
魔王の玉座に座る、ぼく。
そうです。イガイガの、なにやらおどろおどろしい彫刻がなされた、あの玉座ですよっ?
学園から帰ったばかりで、衣装は、あの、いつもの白い制服ですしぃ。
大きなお椅子ですので、低身長のぼくが膝をそろえて座っていると。チマッと。マルッと。していてぇ。
全く、威厳はございませんが。
それは良いのです。問題はそこではないので。
ここはあの、一番大きい謁見の間でございます。
全体的に真っ白なお部屋で、クリスタルの柱が豪華絢爛。
赤い絨毯が、謁見の間の真ん中を突っ切っている。白地に赤いラインが、ひときわ目を引きます。
以前この部屋に来たときは。その大きさに驚き。
トゲトゲデザインの透明な柱は、ガラス製。白く濁った床は、氷のよう。なんて思っていましたが。
ほぼ全部クリスタル製だと聞き。恐れおののいております。
お値段がお高そうですぅ。
それは良いのです。問題はそこではないのです。
ぼくの横には、アリスティア嬢がおりまして。
魔王となって玉座に腰かける、ぼくはっ。アリスと、けけけ、結婚んーーっ?
するわけもなく。
ぼくもアリスも、ジト目でスンとしているわけなのです。
一体、どうして、こんなことになってしまったのでしょう??
それをご説明するには、一時間ほど前にさかのぼらなければなりません。
★★★★★
一時間前のこと。
ぼくはいつものように、学園からファウストの馬車で屋敷まで送ってもらい。帰宅したところでした。
ちなみに。
ディエンヌが大騒ぎを起こして、中止になってしまった魔獣狩りイベントから。一ヶ月が経っております。
その日、行方不明になったディエンヌは。まだ見つかっていません。
ディエンヌがいなくなって、一番に探されたのは。母上のいるクレスタ領でした。
子供は、母の元へ帰りたがるものですからね?
クレスタ領は、魔王様が母上に下賜した古城と、湖と、村があるだけの小さな領地なのだが。
その中にある村は、壊滅しておりました。
村人も領主も、全員干からびていたのです。
クレスタ領は、ファウストの実家があるエーデルリンク、そのお隣の領であるカージナルの中に組み込まれていたが。
領の端の、奥の奥に位置していたことから。その発見が遅れてしまったようだった。
ディエンヌ捕縛のため、騎士団が向かわなければ。
もしかしたら、いまだに死の村であったかもしれない。
ちょっと、ホラー。
で、ディエンヌも。そして母上も。クレスタにはいなかったのである。
村人は二百人余りで、ディエンヌは三百人の生気を取り込んだと言っていたから。
もしかしたら被害のある地域が、さらにあるのかもしれません。
それで夏休みに、ファウストの実家に遊びに行ったとき言われていた。干からび事件は。
どうやらディエンヌと母上の犯行なのではないかと、言われ始めています。
いえ、まだ村人の干からび事件が、ディエンヌたちのせいだと決まったわけではないのですがぁ。
生気を取り込むことのできるふたりが、領から姿を消しているということで。
嫌疑は限りなく濃厚、という感じですね。
その話を聞きつけて。人族の国でも。魔族が人族を襲ったらしい、と息巻く者が多くなっているとのこと。
しばらく反目しながらも、安寧に過ごしていた、人族と魔族の関係も。一波乱ありそうな雲行きになってきています。
あわわ。なんてことでしょう。
魔獣狩りでディエンヌに操られていた生徒たちは。じきに正気を取り戻しましたが。
百人ほどが、生気をちょっと吸われる『チョイ吸い』をされていたようです。
ディエンヌが言った三百という数が、クレスタの村人二百人プラス生徒のチョイ吸い百人という数なら。被害は少なく済むのですけどねぇ?
しかし、この村人の干からびがディエンヌのせいならば。
死者の数が膨大なので。
厳重な処罰がくだされることには、なりそうです。
それでチョイ吸いされた生徒は、なんとなくディエンヌの指示に従いたくなるのですって。
朦朧とした中、ディエンヌの声しか聞こえなくて。彼女の声の通りに動いてしまった、とか。
その話を聞いた兄上は。
ディエンヌは生気を吸った者を、自在に動かせる能力があると断定いたしました。
村人の干からびの件と、生気を魔力に変換できる、という憶測は。
彼女を捕縛した後の事情聴取で、明らかにしなければならない。
ぼくの殺害未遂の件では、未遂ゆえに、まだ若干ディエンヌをかばっていた、魔王様も。
一連の報告を聞いて、ディエンヌとエレオノラ母上の指名手配を認めるしかなかったようだ。
すべての罪が明らかになるまでは、王族の籍を抜かない姿勢だが。
とにかくみなさまが、ディエンヌとエレオノラ母上を逮捕することに専念しているというところだった。
ぼくが屋敷に戻ると、レオンハルト兄上がエントランスで慌ただしく外出の用意をしておりました。
「サリュ、王都の隣の領で干からびた者が数人出たようだ。ディエンヌの捜索とともに調査をしてくるので、今日は屋敷を留守にする。しっかり戸締りをして、夜は外へ出てはいけないよ?」
ぼくの命を狙ったディエンヌが、まだ捕まっていないので。
兄上は、とてもぼくを心配しています。
今まで日替わりだった、学園の送り迎えも。
再び、ファウストが一任するようになり。
あ、アリスは、マルチェロが護衛をしていて。
シュナイツとマリーベルが、婚約者同士ということで一緒に登下校していて。
エドガーだけひとりで、拗ねていますが。そんな感じで。
とにかく。ぼくの護衛が、現在結構厳しめの多めになっております。
ですが。みなさまがぼくを心配しているのですから。
ぼくは、そのことをしっかりと受け入れるだけです。
「わかりました、兄上。しかしその調査は、兄上が行かなければならないのですか?」
怖いから、言っているのではなく。単純に疑問に思って、聞いたのだ。
「すまない、さみしい思いをさせて。隣の領は。領内の事件は己の手柄だと言い、騎士団の介入を渋っている。私が出向いて、協力するよう説得する必要があるのだ」
手柄とは、ディエンヌを捕まえたらうちの領の手柄になる、みたいなことですね?
それはいわゆる。所轄と県警の縄張り争い、的な?
しょか…つ? これは、前世の記憶です。この頃ぼくの脳みそは、刑事ドラマづいています。
まぁ、でも。納得はいたしました。
「そういうことでしたら、仕方がありませんね。兄上、お気をつけて、いってらっしゃいませぇ」
ぼくは兄上の腰に、プヨッと抱きついて挨拶をする。
兄上は颯爽と、玄関を出て行ったのだった…。
その十分後、くらいでしたかねぇ。魔王城から使者がやってきたのだ。
「サリエル・ドラベチカ様。魔王様がお呼びです。至急、謁見の間にお出でください」
兄上の留守中に呼び出しなんて、と。
屋敷の留守を預かる、執事もエリンも、オロオロしてしまうが。
基本、魔王様のお達しには逆らえないのです。
「では支度を整え、一時間後に参上いたします」
ぼくが使者に告げると。使者は、首を振った。
「いいえ、魔王様は至急と申されましたので。お召し物は、それで結構でございます」
今、着ているのは。学校帰りなので、学園の白い制服です。
ええぇぇ? 不躾になりませんかぁ?
そう思うが。さぁさぁと使者に、追い立てられるトテコッコのように急き立てられて。
ぼくはっ、魔王城に登城することになったのだった。
急展開、すぎますっ。
140
お気に入りに追加
4,023
あなたにおすすめの小説

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!

【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした
エウラ
BL
どうしてこうなったのか。
僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。
なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい?
孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。
僕、頑張って大きくなって恩返しするからね!
天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。
突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。
不定期投稿です。
本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。

【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました
竜王陛下、番う相手、間違えてますよ
てんつぶ
BL
大陸の支配者は竜人であるこの世界。
『我が国に暮らすサネリという夫婦から生まれしその長子は、竜王陛下の番いである』―――これが俺たちサネリ
姉弟が生まれたる数日前に、竜王を神と抱く神殿から発表されたお触れだ。
俺の双子の姉、ナージュは生まれる瞬間から竜王妃決定。すなわち勝ち組人生決定。 弟の俺はいつかかわいい奥さんをもらう日を夢みて、平凡な毎日を過ごしていた。 姉の嫁入りである18歳の誕生日、何故か俺のもとに竜王陛下がやってきた!? 王道ストーリー。竜王×凡人。
20230805 完結しましたので全て公開していきます。

僕のユニークスキルはお菓子を出すことです
野鳥
BL
魔法のある世界で、異世界転生した主人公の唯一使えるユニークスキルがお菓子を出すことだった。
あれ?これって材料費なしでお菓子屋さん出来るのでは??
お菓子無双を夢見る主人公です。
********
小説は読み専なので、思い立った時にしか書けないです。
基本全ての小説は不定期に書いておりますので、ご了承くださいませー。
ショートショートじゃ終わらないので短編に切り替えます……こんなはずじゃ…( `ᾥ´ )クッ
本編完結しました〜
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる