142 / 184
番外 レオンハルトの胸中 ⑬
しおりを挟む
◆レオンハルトの胸中 ⑬
私の気持ちは、幾分すっきりしていた。
ディエンヌが、とうとう子供がかんしゃくを起こすがごとく、サリエルに手をあげたのだ。
学園生活が相当嫌だったのか? 寮生活が窮屈だったのか? 知らぬが。
悪意のかたまりであるあの娘の考えなど、私には到底、理解できない。理解するつもりもないのだが。
とにかく。大っぴらに、ディエンヌはサリエルと、サリエルのお友達の命を狙った攻撃を仕掛けてきた。
私にも啖呵を切ったくらいだ。言い逃れようもない、現行犯である。
これでようやく、私はあの腹立たしくて仕方がなかった娘に、堂々と罰をくだすことができるのだ。
サリエルも魔王も、ディエンヌ捕縛に、もう否は告げられないだろう。
私は。目の前でちらちらしていた目障りな蛾を、ようやく駆除できる。気分爽快だ。
いや、まだ捕縛していないから。気は抜けないが、な。
妹を逮捕したら。サリエルは、母が魔王城から退いたときのように。少しは胸を痛めるだろうが。
私がそばにいて、その穴は埋めてやろう。
決してサリュに、さみしい思いなどさせぬ。
魔王城の上階にある私の執務室に。マルチェロとファウスト。そして、アリスティア嬢がいる。
これからの動きについて、相談するため来てもらったのだ。
みんな魔獣狩りイベント時に着用していたビリビリの体操着から、学園の白い制服に着替えている。
私も、背中ビリビリでは威厳もなにもないので。着替えた。
全く、余計な手間をかけさせて…怒りの矛先は、もちろんディエンヌである。
それはともかく。
まず、アリスティア嬢が。私の前で制服のスカートをチョンと摘まみ上げ、挨拶した。
「レオンハルト様、先ほどは初対面の挨拶もできず、無礼をいたしました。サリエル様の友人にしていただいております、アリスティア・フランチェスカと申します」
「いや、私も。サリエルからよく話を聞いているので。アリスティア嬢とは初対面のような気がしていなかった。サリエルと、これからも仲の良い友達でいてくれ」
深く頭を下げる、この御令嬢は。見目が繊細で、とても美しいが。
先ほどサリエルとやり取りをしていたときは。とても素朴な娘で、裏表がないように見えた。
というよりも、遠慮のない相手というか。
不敬、一歩手前というか…。
しかし、彼女のそんな気安いところが。魔王の三男で、遠巻きにされがちなサリエルにとって、かけがえのない友人のひとりとなっているのだろう。
サリュは、友達に恵まれているな?
そのことは、私は嬉しく思う。
そしてなにより。彼女の良いところは。サリュが、結婚相手として見られないと言っているところだ。
アリスティア嬢の砕けすぎた性格によるもの、らしいが。
まぁ言葉遣いは、ちょっと荒いのかな? でも。
彼女は、公爵家子息と同等の魔力量を秘めていて。もう少し鍛錬したら、護衛としても申し分なくなる。
家柄も仲の良さも、サリュのそばに置く人物としては、完璧である。
ぜひ、末永くサリュのお友達でいてもらいたいものだ。
と、いうわけで。本題である。
私は小さな赤い石の指輪を、三人の前に置く。
「これは、サリエルの防御魔法が施されている宝玉と、連動した石だ。防御が発動したら、石が光るようになっている。ディエンヌが逃走中の今、サリエルの身になにがあるかわからぬから。石が光ったら、サリエルの元へ駆けつけてほしい。もちろん私と、ラーディン、シュナイツにも持たせているが。とにかくディエンヌからサリエルを守ってくれ」
すぐにも、ディエンヌを捕まえられたらいいのだが。
彼女が投獄されないうちは、サリエルの身が気が気でない。
ディエンヌは人を操る術に長けているようだから。その点も、心配だ。
魔王城の中にも、ディエンヌの暗示にかかった者がいるかもしれないからな?
しかし、屈指の魔力量を誇る彼らなら。そう簡単に暗示にかかることはないだろう。
「教師陣の事情聴取によると、生徒に掛けられた暗示は、その日のうちに解けたようだ。大人数の暗示は、それほど強く作用しないようだな? しかしながら、以前サリエルに毒を盛ろうとして退学になった生徒や。チンピラどもは、ディエンヌの関与を口にしなかった。より深い暗示をかけられたのだろう…」
私の言葉に、マルチェロが聞いてくる。
「吸血鬼系の魔族が、血を吸った者を眷属にするときは。一生モノの忠誠がかかります。しかし暗示が強力ゆえに、眷属にできる人数は、多くて二人ほどだ。ディエンヌの資質は、それとは違うようですね?」
「ディエンヌはサキュバスの能力で生気を喰らうことができ。魔王の能力で、普通のサキュバス以上のポテンシャル、かつ、変異も加えられているのだろうな? 考えられるのは、サリエルが言ったように。取り込んだ生気を魔力に変換できること。生気を吸った者を一時的に支配下におさめ、暗示をかけて操れる…というところか?」
そこにファウストが、口をはさんできた。
「侮ってはなりません。ディエンヌにどのような能力があるのかわからないうちは。魔王級の力があると見込んで、慎重に対応するべきだと思います」
魔国において、魔力の強大さは絶対の権力を持つ。
大きな力の前で、魔族は本能的に跪くのだが。
公爵家に匹敵する魔力を、一瞬でも繰り出したディエンヌは。
もしかしたら、私の上に立てる人物なのかもしれない。
しかし崖の上に立ち、こちらを見下ろしていたディエンヌに。
私は。ひれ伏したい、という気持ちにはならなかった。それは…。
能力が一時的なものだからか。
常に、その魔力を保持できないからか。
とにかく。彼女は。まだ私の上に立つ者ではない。
私の上に、立てるのは。
私が、跪きたいと思ってしまうのは。
今は、サリエルしかいない。
「ファウストの言うとおりだな。ディエンヌを捕縛するまでは、油断しないよう取り計らおう。すでに騎士団が王都をくまなく捜索している。今回の暗示は、大人数ゆえに薄かったらしく。生徒たちはみんな、ディエンヌの仕業であることをはっきり覚えていた。この件を魔王に報告したら、渋々ながらもディエンヌの指名手配にうなずいたよ。もう、かばえる段階ではない」
ひとつ息をついて、私はマルチェロに目を向けた。
「魔王の娘が不祥事を起こし。婚約者として受け入れていたルーフェン公爵家にも、泥を塗る事態となった。魔王はさすがに。そのことについては憂いている。マルチェロ。君の思惑もあったと思うが? ディエンヌの捜索は、魔王軍が行う。良いか?」
マルチェロやルーフェン家は。先日の火事の件で、手配した家庭教師が傷つけられた点から。
もうすでに、ディエンヌには見切りをつけている。
おそらく証拠集めがそろった時点で、彼女を断罪することを目論んでいたはずだ。
公にはしていないが。火事の折に負傷した家庭教師は、ルーフェン卿の御落胤。公爵の怒りも、すさまじいと推察している。
しかし今回の事件で、ディエンヌが逃走し。振り上げた拳をおろせなくなって。歯がゆい思いをしているのではないだろうか?
ルーフェン主導で、捕縛し、罰したい気持ちがあるのではないかと察するが。
ディエンヌの逃走ルートがわからないうちは、軍を使って、広範囲で捜索するのが得策だ。
なので一応、断りを入れておく。
「結構ですよ? 沙汰の折に公爵家の意向をお伝えいたします」
しかし。マルチェロは、ディエンヌの罪が決定づけられる場にいられればいい、ということらしい。
公爵側も、なにか考えがあるのだろう。
それなら、良い。
私がひとつうなずくと。ファウストが言った。
「マルチェロはディエンヌのことなど、もうどうでもいいのでは? サリーちゃんにチュウしていましたよ?」
なんだとぉ?
ファウストの言葉に、私は。額のツノが熱くなるのを感じた。
「バカっ、チクるんじゃねぇ。それに、額にチュウだし」
「抜け駆け厳禁です。私だってアリスティア嬢ではなく、サリーちゃんを抱っこしたかったのに。たまたま位置が、マルチェロに近かっただけで。サリーちゃんにチュウは、ズルいぞ!!」
そのファウストの言には、アリスティアがジト目で告げた。
「サリーちゃんでなく、私ですみませぇん。おまけで助けてもらい、ありがとうございまぁす」
するとファウストは、しどろもどろ言い訳をする。
「そ、そういうつもりではなかったが…つ、つまり、マルチェロがサリーちゃんにチュウしたのが、許せんということだ」
「額に、チュウだ。サリーが無事で安心しただけだ」
マルチェロも慌てているのか。いつもの冷静な態度や。貴族的、優雅な言葉遣いを見失っている。
ファウストはその場にいながら、サリエルを手にできなかったことが悔しいのだろう。
婚約破棄虎視眈々勢のつばぜり合いである。
つか。額にチュウは。私も許せんよ?
「マルチェロ、ファウスト。君たちがサリエルを愛していることは、私も承知している。しかしサリエルは。私の婚約者だ。サリエルの心が動いたのなら、ともかく。それまでは、君たちは。サリエルの、大事なお友達である。友達の枠を逸脱し。サリエルを傷つけるようなことがあれば、私は許さぬ。友達として振舞えぬというのなら、排除しても構わぬがぁぁぁ???」
額のツノをにょっきり出して、告げると。
ふたりは。頭を下げたのだった。
「「いえ、友達の本分をわきまえます。サリエル様のおそばに仕えさせてください」」
しばらくふたりを、ジト目で見やったが。まぁ、良いだろう。
ったく、油断も隙も無いな。コシタンめっ!!
私の気持ちは、幾分すっきりしていた。
ディエンヌが、とうとう子供がかんしゃくを起こすがごとく、サリエルに手をあげたのだ。
学園生活が相当嫌だったのか? 寮生活が窮屈だったのか? 知らぬが。
悪意のかたまりであるあの娘の考えなど、私には到底、理解できない。理解するつもりもないのだが。
とにかく。大っぴらに、ディエンヌはサリエルと、サリエルのお友達の命を狙った攻撃を仕掛けてきた。
私にも啖呵を切ったくらいだ。言い逃れようもない、現行犯である。
これでようやく、私はあの腹立たしくて仕方がなかった娘に、堂々と罰をくだすことができるのだ。
サリエルも魔王も、ディエンヌ捕縛に、もう否は告げられないだろう。
私は。目の前でちらちらしていた目障りな蛾を、ようやく駆除できる。気分爽快だ。
いや、まだ捕縛していないから。気は抜けないが、な。
妹を逮捕したら。サリエルは、母が魔王城から退いたときのように。少しは胸を痛めるだろうが。
私がそばにいて、その穴は埋めてやろう。
決してサリュに、さみしい思いなどさせぬ。
魔王城の上階にある私の執務室に。マルチェロとファウスト。そして、アリスティア嬢がいる。
これからの動きについて、相談するため来てもらったのだ。
みんな魔獣狩りイベント時に着用していたビリビリの体操着から、学園の白い制服に着替えている。
私も、背中ビリビリでは威厳もなにもないので。着替えた。
全く、余計な手間をかけさせて…怒りの矛先は、もちろんディエンヌである。
それはともかく。
まず、アリスティア嬢が。私の前で制服のスカートをチョンと摘まみ上げ、挨拶した。
「レオンハルト様、先ほどは初対面の挨拶もできず、無礼をいたしました。サリエル様の友人にしていただいております、アリスティア・フランチェスカと申します」
「いや、私も。サリエルからよく話を聞いているので。アリスティア嬢とは初対面のような気がしていなかった。サリエルと、これからも仲の良い友達でいてくれ」
深く頭を下げる、この御令嬢は。見目が繊細で、とても美しいが。
先ほどサリエルとやり取りをしていたときは。とても素朴な娘で、裏表がないように見えた。
というよりも、遠慮のない相手というか。
不敬、一歩手前というか…。
しかし、彼女のそんな気安いところが。魔王の三男で、遠巻きにされがちなサリエルにとって、かけがえのない友人のひとりとなっているのだろう。
サリュは、友達に恵まれているな?
そのことは、私は嬉しく思う。
そしてなにより。彼女の良いところは。サリュが、結婚相手として見られないと言っているところだ。
アリスティア嬢の砕けすぎた性格によるもの、らしいが。
まぁ言葉遣いは、ちょっと荒いのかな? でも。
彼女は、公爵家子息と同等の魔力量を秘めていて。もう少し鍛錬したら、護衛としても申し分なくなる。
家柄も仲の良さも、サリュのそばに置く人物としては、完璧である。
ぜひ、末永くサリュのお友達でいてもらいたいものだ。
と、いうわけで。本題である。
私は小さな赤い石の指輪を、三人の前に置く。
「これは、サリエルの防御魔法が施されている宝玉と、連動した石だ。防御が発動したら、石が光るようになっている。ディエンヌが逃走中の今、サリエルの身になにがあるかわからぬから。石が光ったら、サリエルの元へ駆けつけてほしい。もちろん私と、ラーディン、シュナイツにも持たせているが。とにかくディエンヌからサリエルを守ってくれ」
すぐにも、ディエンヌを捕まえられたらいいのだが。
彼女が投獄されないうちは、サリエルの身が気が気でない。
ディエンヌは人を操る術に長けているようだから。その点も、心配だ。
魔王城の中にも、ディエンヌの暗示にかかった者がいるかもしれないからな?
しかし、屈指の魔力量を誇る彼らなら。そう簡単に暗示にかかることはないだろう。
「教師陣の事情聴取によると、生徒に掛けられた暗示は、その日のうちに解けたようだ。大人数の暗示は、それほど強く作用しないようだな? しかしながら、以前サリエルに毒を盛ろうとして退学になった生徒や。チンピラどもは、ディエンヌの関与を口にしなかった。より深い暗示をかけられたのだろう…」
私の言葉に、マルチェロが聞いてくる。
「吸血鬼系の魔族が、血を吸った者を眷属にするときは。一生モノの忠誠がかかります。しかし暗示が強力ゆえに、眷属にできる人数は、多くて二人ほどだ。ディエンヌの資質は、それとは違うようですね?」
「ディエンヌはサキュバスの能力で生気を喰らうことができ。魔王の能力で、普通のサキュバス以上のポテンシャル、かつ、変異も加えられているのだろうな? 考えられるのは、サリエルが言ったように。取り込んだ生気を魔力に変換できること。生気を吸った者を一時的に支配下におさめ、暗示をかけて操れる…というところか?」
そこにファウストが、口をはさんできた。
「侮ってはなりません。ディエンヌにどのような能力があるのかわからないうちは。魔王級の力があると見込んで、慎重に対応するべきだと思います」
魔国において、魔力の強大さは絶対の権力を持つ。
大きな力の前で、魔族は本能的に跪くのだが。
公爵家に匹敵する魔力を、一瞬でも繰り出したディエンヌは。
もしかしたら、私の上に立てる人物なのかもしれない。
しかし崖の上に立ち、こちらを見下ろしていたディエンヌに。
私は。ひれ伏したい、という気持ちにはならなかった。それは…。
能力が一時的なものだからか。
常に、その魔力を保持できないからか。
とにかく。彼女は。まだ私の上に立つ者ではない。
私の上に、立てるのは。
私が、跪きたいと思ってしまうのは。
今は、サリエルしかいない。
「ファウストの言うとおりだな。ディエンヌを捕縛するまでは、油断しないよう取り計らおう。すでに騎士団が王都をくまなく捜索している。今回の暗示は、大人数ゆえに薄かったらしく。生徒たちはみんな、ディエンヌの仕業であることをはっきり覚えていた。この件を魔王に報告したら、渋々ながらもディエンヌの指名手配にうなずいたよ。もう、かばえる段階ではない」
ひとつ息をついて、私はマルチェロに目を向けた。
「魔王の娘が不祥事を起こし。婚約者として受け入れていたルーフェン公爵家にも、泥を塗る事態となった。魔王はさすがに。そのことについては憂いている。マルチェロ。君の思惑もあったと思うが? ディエンヌの捜索は、魔王軍が行う。良いか?」
マルチェロやルーフェン家は。先日の火事の件で、手配した家庭教師が傷つけられた点から。
もうすでに、ディエンヌには見切りをつけている。
おそらく証拠集めがそろった時点で、彼女を断罪することを目論んでいたはずだ。
公にはしていないが。火事の折に負傷した家庭教師は、ルーフェン卿の御落胤。公爵の怒りも、すさまじいと推察している。
しかし今回の事件で、ディエンヌが逃走し。振り上げた拳をおろせなくなって。歯がゆい思いをしているのではないだろうか?
ルーフェン主導で、捕縛し、罰したい気持ちがあるのではないかと察するが。
ディエンヌの逃走ルートがわからないうちは、軍を使って、広範囲で捜索するのが得策だ。
なので一応、断りを入れておく。
「結構ですよ? 沙汰の折に公爵家の意向をお伝えいたします」
しかし。マルチェロは、ディエンヌの罪が決定づけられる場にいられればいい、ということらしい。
公爵側も、なにか考えがあるのだろう。
それなら、良い。
私がひとつうなずくと。ファウストが言った。
「マルチェロはディエンヌのことなど、もうどうでもいいのでは? サリーちゃんにチュウしていましたよ?」
なんだとぉ?
ファウストの言葉に、私は。額のツノが熱くなるのを感じた。
「バカっ、チクるんじゃねぇ。それに、額にチュウだし」
「抜け駆け厳禁です。私だってアリスティア嬢ではなく、サリーちゃんを抱っこしたかったのに。たまたま位置が、マルチェロに近かっただけで。サリーちゃんにチュウは、ズルいぞ!!」
そのファウストの言には、アリスティアがジト目で告げた。
「サリーちゃんでなく、私ですみませぇん。おまけで助けてもらい、ありがとうございまぁす」
するとファウストは、しどろもどろ言い訳をする。
「そ、そういうつもりではなかったが…つ、つまり、マルチェロがサリーちゃんにチュウしたのが、許せんということだ」
「額に、チュウだ。サリーが無事で安心しただけだ」
マルチェロも慌てているのか。いつもの冷静な態度や。貴族的、優雅な言葉遣いを見失っている。
ファウストはその場にいながら、サリエルを手にできなかったことが悔しいのだろう。
婚約破棄虎視眈々勢のつばぜり合いである。
つか。額にチュウは。私も許せんよ?
「マルチェロ、ファウスト。君たちがサリエルを愛していることは、私も承知している。しかしサリエルは。私の婚約者だ。サリエルの心が動いたのなら、ともかく。それまでは、君たちは。サリエルの、大事なお友達である。友達の枠を逸脱し。サリエルを傷つけるようなことがあれば、私は許さぬ。友達として振舞えぬというのなら、排除しても構わぬがぁぁぁ???」
額のツノをにょっきり出して、告げると。
ふたりは。頭を下げたのだった。
「「いえ、友達の本分をわきまえます。サリエル様のおそばに仕えさせてください」」
しばらくふたりを、ジト目で見やったが。まぁ、良いだろう。
ったく、油断も隙も無いな。コシタンめっ!!
167
お気に入りに追加
4,098
あなたにおすすめの小説

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

「婚約を破棄する!」から始まる話は大抵名作だと聞いたので書いてみたら現実に婚約破棄されたんだが
ivy
BL
俺の名前はユビイ・ウォーク
王弟殿下の許嫁として城に住む伯爵家の次男だ。
余談だが趣味で小説を書いている。
そんな俺に友人のセインが「皇太子的な人があざとい美人を片手で抱き寄せながら主人公を指差してお前との婚約は解消だ!から始まる小説は大抵面白い」と言うものだから書き始めて見たらなんとそれが現実になって婚約破棄されたんだが?
全8話完結

俺の親友がモテ過ぎて困る
くるむ
BL
☆完結済みです☆
番外編として短い話を追加しました。
男子校なのに、当たり前のように毎日誰かに「好きだ」とか「付き合ってくれ」とか言われている俺の親友、結城陽翔(ゆうきはるひ)
中学の時も全く同じ状況で、女子からも男子からも追い掛け回されていたらしい。
一時は断るのも面倒くさくて、誰とも付き合っていなければそのままOKしていたらしいのだけど、それはそれでまた面倒くさくて仕方がなかったのだそうだ(ソリャソウダロ)
……と言う訳で、何を考えたのか陽翔の奴、俺に恋人のフリをしてくれと言う。
て、お前何考えてんの?
何しようとしてんの?
……てなわけで、俺は今日もこいつに振り回されています……。
美形策士×純情平凡♪

婚約破棄を傍観していた令息は、部外者なのにキーパーソンでした
Cleyera
BL
貴族学院の交流の場である大広間で、一人の女子生徒を囲む四人の男子生徒たち
その中に第一王子が含まれていることが周囲を不安にさせ、王子の婚約者である令嬢は「その娼婦を側に置くことをおやめ下さい!」と訴える……ところを見ていた傍観者の話
:注意:
作者は素人です
傍観者視点の話
人(?)×人
安心安全の全年齢!だよ(´∀`*)

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。

【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました

楽な片恋
藍川 東
BL
蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。
ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。
それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……
早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。
ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。
平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。
高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。
優一朗のひとことさえなければ…………
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる