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番外 ファウストの初恋 ①
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◆ファウストの恋 ①
私が六歳のときに、魔王の御子息であるラーディン様のお披露目の会があった。
公の席に顔を出すのは、それがはじめてのこと。
案の定というか、私は元来の人見知りが発動して。高位貴族の子弟などに挨拶をするだけしか、できなかった。
でも。まぁ、そのときに。
長男のレオンハルト様と、次男のラーディン様に顔を覚えていただいたので。それで良し。
バッキャス家は、代々騎士を輩出する家柄だ。
猛牛猛進騎士団長と呼ばれた父上に倣い。私も騎士になって、魔王様をお守りする地位につきたいと思っている。
そのためにも、魔王系譜のドラベチカ家は、仕える主君になる可能性が高いので。ここは押さえておかなければならない。
さらに。五歳ですでに魔力コントロールができていたマルチェロ・ルーフェン公爵子息にも、会うことができた。
三大公爵という有力貴族の子息と顔つなぎができれば、上々なのだ。
そうは言っても。次代魔王と目されている、レオンハルト様ともお会いしたが。
彼の代になったとき、私が公爵になれるとは限らない。
公爵位は、魔王即位のときに魔力量が多い、三人が選ばれるからだ。
しかし現魔王様には男子が四人いて、魔力量もおのおの豊富だという。
三男の、サリエル様を除いて。
ラーディン様と、現在四歳のシュナイツ様は。魔力が多いので、分家して独自に公爵家を立てるかもしれない。
三大公爵家のルーフェンは、魔王家との縁が強く。
先ほど会ったマルチェロは、すぐにもわかるほどに禍々しい魔力に満ちていた。
顔は優しげで、笑っていたけど。それが逆に怖い。
まぁ、だから。バッキャスが公爵でいられるのも今の代限りかなぁ、なんて。冷めた感情を持っていた。
父上は、魔王家や貴族との顔つなぎをしろと鼻息が荒い。
私の代でも、公爵位を守りたいのだろうけど。
私は自分の腕を粛々と磨いていきたかった。
騎士の家系に生まれたのだ、剣の道を追求したいではないか。
なので、翌々年。
私が八歳のときに行われた、シュナイツ様、御令嬢のディエンヌ様の六歳のお披露目パーティーには顔を出さなかったのだ。
父上などは、私とディエンヌ様の婚約なども視野に入れていたようだが。
今、御令嬢に裂くような時間はありません。
辺境にて隣国との防衛線を任されている、バッキャス家には。独自に剣の修練場があり。
バッキャスで鍛えられた者は、魔王城の騎士団にも即戦力で迎えられる風潮がある。
腕に覚えのある者が、バッキャス領に率先して集まってくるのだ。
その猛者を相手に、私は剣の腕と魔法の技術を磨いていった。
講師陣にも、プロ級の者が揃っているので。変な癖をつけることなく、正攻法に騎士としての精度を上げていけるのだ。
いずれ、ラーディンの従者になるだろう。
それまでの時間、剣の腕を磨いている方が有意義でしょう?
婚約なども、学園に入ってラーディン様のお役に立てるようになってからでいいでしょう?
私にはまだ早いです。
そんな理由で、お披露目会も、その後の子供会も、パスしていた。
そして、九歳には。ある程度体が仕上がったので。
魔王城の騎士団に…年齢的に、まだ入団できないが。年季奉公というか、試用期間というか。訓練や演習に、住み込みで参加させてもらっていた。
そこで心のままに、愚直に剣や魔法の腕を磨いていたら。
上官に、いつでも騎士になれるとお墨付きをいただいたのだ。
ヨシヨシ。順調に、私は騎士としての道を進んでいる。
ぶっちゃけ三大公爵に名を連ねられなくても。
身を律し、立派な騎士になれたらそれでよい。そう思っていたのだ。
しかし、十一歳になって。
来年には学園に入学するのだから。それまでに子供会に顔を出して、ラーディン様のご学友に正式にしてもらいなさい。と、父上に言われた。
もう、面倒くさい。
ご学友になるのは、学園に入ってからでもいいのではないか?
どうせ私より秀でた剣技の同級生はいない。
そうしたらラーディン様は、護衛要員に必ず私に目をつけるだろう?
しかし。父上は。
「今までおまえの意思に応じて、騎士の訓練を許してきた。しかし今回ばかりは、許さぬ。子供会に顔を出し、ラーディン様や、他の魔王家子息、貴族子息と、しっかり顔つなぎをすること。これは家長の命令だ」
魔族の国で、家長命令は絶対である。
ということで、私は子供会に顔を出すことになったのだ。
修練場などがあるバッキャス公爵家は、王都から離れた辺境にあるので。
私は城下にある別宅の屋敷で、父上と暮らしながら。月に一度の子供会へ行くことになった。
学園に入学してからも、ここから通うことになる。
私の体は、その頃ほぼ出来上がっていて。
身長は180センチ以上あった。
日々の訓練で筋肉もたくましく。筋骨隆々ではないものの、大人の魔族と変わりない体格をしていた。
しかし子供会に顔を出したら。
お絵描きや遊具で遊ぶ、本当の子供がいたのだ。
いや、私もまだ十一歳だから、本当の子供なのだが。
長い年月、大人に囲まれて大人と同じ修行を重ね、心も大人のようなものなのだ。
こんな体で、こんな精神で。年齢だけは、子供だけれど。
もう子供のような遊びは、今更できない。
お絵描きは、無理です。
だが。まぁ、とりあえず。私のすべきことは決まっていた。
ラーディン様にお会いして、ご学友にしてもらうことだ。
しかし肝心のラーディン様が、いつまでもサロンに現れない。
どうやら遅刻をしているらしい。
サロンには、体が細く、腕も細く、触れたら折れそうな、やんごとなき貴族の、もやし的子息がわらわら。
子供の中に、大人がポツリといるような場違い感に、肩身が狭くなる。
そうだ。ラーディン様とは五年前に会ったきり。今はどのようなお方になっているのだろうか?
お子様たちにそれを聞いて、時間をつぶそうと思ったのだが。
声をかけようとすると、近寄る端から逃げられて。
まるで、いきなり鬼ごっこでも始まったかのようにきゃあきゃあ言って、私から逃げていくのだ。
いや、話がしたいだけなのだが。
ラーディン様のことを聞きたいので、大人よりも子供の方が良かった。
大人は、魔王の子息である彼に忖度をするから。
でも、全然話にならなかった。
そのうち逃げ遅れた子が、私に捕まりそうになって泣き出したりして。
あぁ、めんどくさっ。もう、ここから離れよう。
私はサロンの開け放した窓から、庭に出て行った。
ラーディン様がサロンに現れるまで、外にいるつもりで。付き添いの従者に、その旨は言い置いておいた。
人気のない木の陰に来ると。
子供の喧騒が遠くなって。ホッとした。
元来、私は人見知りなのだ。
自分から人に声をかけるのも、すっごく勇気がいるというのに。話しかけたら泣かれるとか。
もう。本当に心臓に悪い。
自分も子供だけど。
子供って、どうしてあんなに感情的なのだろうか?
嫌なものは、ギャーッとなるくらい嫌で。
悪気があるのかないのか、人をバイキンのように毛嫌いして、逃げるとか。本当に、失礼だ。
うーん、子供だから、ではないのだろうか?
少なくとも私は、そのような振る舞いをした経験はない。
なんて、考えていたら。
垣根をかき分けて、人がやってきた。
緑の生垣から、ヒョッと顔を出したのは。
大きなペンギン…ではなく。
見た感じ、十歳以下のお子様だ。
色が白くて、赤い髪が輝いて、頬がふっくらした、可愛らしい子だった。
私が六歳のときに、魔王の御子息であるラーディン様のお披露目の会があった。
公の席に顔を出すのは、それがはじめてのこと。
案の定というか、私は元来の人見知りが発動して。高位貴族の子弟などに挨拶をするだけしか、できなかった。
でも。まぁ、そのときに。
長男のレオンハルト様と、次男のラーディン様に顔を覚えていただいたので。それで良し。
バッキャス家は、代々騎士を輩出する家柄だ。
猛牛猛進騎士団長と呼ばれた父上に倣い。私も騎士になって、魔王様をお守りする地位につきたいと思っている。
そのためにも、魔王系譜のドラベチカ家は、仕える主君になる可能性が高いので。ここは押さえておかなければならない。
さらに。五歳ですでに魔力コントロールができていたマルチェロ・ルーフェン公爵子息にも、会うことができた。
三大公爵という有力貴族の子息と顔つなぎができれば、上々なのだ。
そうは言っても。次代魔王と目されている、レオンハルト様ともお会いしたが。
彼の代になったとき、私が公爵になれるとは限らない。
公爵位は、魔王即位のときに魔力量が多い、三人が選ばれるからだ。
しかし現魔王様には男子が四人いて、魔力量もおのおの豊富だという。
三男の、サリエル様を除いて。
ラーディン様と、現在四歳のシュナイツ様は。魔力が多いので、分家して独自に公爵家を立てるかもしれない。
三大公爵家のルーフェンは、魔王家との縁が強く。
先ほど会ったマルチェロは、すぐにもわかるほどに禍々しい魔力に満ちていた。
顔は優しげで、笑っていたけど。それが逆に怖い。
まぁ、だから。バッキャスが公爵でいられるのも今の代限りかなぁ、なんて。冷めた感情を持っていた。
父上は、魔王家や貴族との顔つなぎをしろと鼻息が荒い。
私の代でも、公爵位を守りたいのだろうけど。
私は自分の腕を粛々と磨いていきたかった。
騎士の家系に生まれたのだ、剣の道を追求したいではないか。
なので、翌々年。
私が八歳のときに行われた、シュナイツ様、御令嬢のディエンヌ様の六歳のお披露目パーティーには顔を出さなかったのだ。
父上などは、私とディエンヌ様の婚約なども視野に入れていたようだが。
今、御令嬢に裂くような時間はありません。
辺境にて隣国との防衛線を任されている、バッキャス家には。独自に剣の修練場があり。
バッキャスで鍛えられた者は、魔王城の騎士団にも即戦力で迎えられる風潮がある。
腕に覚えのある者が、バッキャス領に率先して集まってくるのだ。
その猛者を相手に、私は剣の腕と魔法の技術を磨いていった。
講師陣にも、プロ級の者が揃っているので。変な癖をつけることなく、正攻法に騎士としての精度を上げていけるのだ。
いずれ、ラーディンの従者になるだろう。
それまでの時間、剣の腕を磨いている方が有意義でしょう?
婚約なども、学園に入ってラーディン様のお役に立てるようになってからでいいでしょう?
私にはまだ早いです。
そんな理由で、お披露目会も、その後の子供会も、パスしていた。
そして、九歳には。ある程度体が仕上がったので。
魔王城の騎士団に…年齢的に、まだ入団できないが。年季奉公というか、試用期間というか。訓練や演習に、住み込みで参加させてもらっていた。
そこで心のままに、愚直に剣や魔法の腕を磨いていたら。
上官に、いつでも騎士になれるとお墨付きをいただいたのだ。
ヨシヨシ。順調に、私は騎士としての道を進んでいる。
ぶっちゃけ三大公爵に名を連ねられなくても。
身を律し、立派な騎士になれたらそれでよい。そう思っていたのだ。
しかし、十一歳になって。
来年には学園に入学するのだから。それまでに子供会に顔を出して、ラーディン様のご学友に正式にしてもらいなさい。と、父上に言われた。
もう、面倒くさい。
ご学友になるのは、学園に入ってからでもいいのではないか?
どうせ私より秀でた剣技の同級生はいない。
そうしたらラーディン様は、護衛要員に必ず私に目をつけるだろう?
しかし。父上は。
「今までおまえの意思に応じて、騎士の訓練を許してきた。しかし今回ばかりは、許さぬ。子供会に顔を出し、ラーディン様や、他の魔王家子息、貴族子息と、しっかり顔つなぎをすること。これは家長の命令だ」
魔族の国で、家長命令は絶対である。
ということで、私は子供会に顔を出すことになったのだ。
修練場などがあるバッキャス公爵家は、王都から離れた辺境にあるので。
私は城下にある別宅の屋敷で、父上と暮らしながら。月に一度の子供会へ行くことになった。
学園に入学してからも、ここから通うことになる。
私の体は、その頃ほぼ出来上がっていて。
身長は180センチ以上あった。
日々の訓練で筋肉もたくましく。筋骨隆々ではないものの、大人の魔族と変わりない体格をしていた。
しかし子供会に顔を出したら。
お絵描きや遊具で遊ぶ、本当の子供がいたのだ。
いや、私もまだ十一歳だから、本当の子供なのだが。
長い年月、大人に囲まれて大人と同じ修行を重ね、心も大人のようなものなのだ。
こんな体で、こんな精神で。年齢だけは、子供だけれど。
もう子供のような遊びは、今更できない。
お絵描きは、無理です。
だが。まぁ、とりあえず。私のすべきことは決まっていた。
ラーディン様にお会いして、ご学友にしてもらうことだ。
しかし肝心のラーディン様が、いつまでもサロンに現れない。
どうやら遅刻をしているらしい。
サロンには、体が細く、腕も細く、触れたら折れそうな、やんごとなき貴族の、もやし的子息がわらわら。
子供の中に、大人がポツリといるような場違い感に、肩身が狭くなる。
そうだ。ラーディン様とは五年前に会ったきり。今はどのようなお方になっているのだろうか?
お子様たちにそれを聞いて、時間をつぶそうと思ったのだが。
声をかけようとすると、近寄る端から逃げられて。
まるで、いきなり鬼ごっこでも始まったかのようにきゃあきゃあ言って、私から逃げていくのだ。
いや、話がしたいだけなのだが。
ラーディン様のことを聞きたいので、大人よりも子供の方が良かった。
大人は、魔王の子息である彼に忖度をするから。
でも、全然話にならなかった。
そのうち逃げ遅れた子が、私に捕まりそうになって泣き出したりして。
あぁ、めんどくさっ。もう、ここから離れよう。
私はサロンの開け放した窓から、庭に出て行った。
ラーディン様がサロンに現れるまで、外にいるつもりで。付き添いの従者に、その旨は言い置いておいた。
人気のない木の陰に来ると。
子供の喧騒が遠くなって。ホッとした。
元来、私は人見知りなのだ。
自分から人に声をかけるのも、すっごく勇気がいるというのに。話しかけたら泣かれるとか。
もう。本当に心臓に悪い。
自分も子供だけど。
子供って、どうしてあんなに感情的なのだろうか?
嫌なものは、ギャーッとなるくらい嫌で。
悪気があるのかないのか、人をバイキンのように毛嫌いして、逃げるとか。本当に、失礼だ。
うーん、子供だから、ではないのだろうか?
少なくとも私は、そのような振る舞いをした経験はない。
なんて、考えていたら。
垣根をかき分けて、人がやってきた。
緑の生垣から、ヒョッと顔を出したのは。
大きなペンギン…ではなく。
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