65 / 184
連載
45 全く、無理ではございません
しおりを挟む
◆全く、無理ではございません
学園の立派な講堂には、椅子が整然と並べられており。
前側には、新入生。後ろ側には、ご家族と在校生が。ぎっしりと座っている。
「今年はレオンハルトが参列しているから、次期魔王をひと目見たい者たちが大勢集まっているね? 昨年もラーディンが入学だったから、出席者は多かったけれど。ここまでではなかったという話だ」
隣でマルチェロが解説してくれて。
ぼくは、少し顔を上げる。
学園には、魔王の子息が通う例が多い。
そのため講堂には、高位貴族専用の貴賓席がある。
一番下に、生徒が座る席があり。少し上がったところに舞台がある。
そして二階右側にある一番上等な貴賓席に、レオンハルト兄上と、ラーディン、シュナイツ。そして三大公爵家であるマルチェロのご家族がいて。こちらを見守っていた。
なんというか…インナー的に言うと。オペラ座の最上級観覧席、みたいな感じ?
ビロードのえんじ色の、分厚いカーテンが飾られて。柱や手すりのしつらえが、緻密な彫刻がされていて。豪華ですよ?
ぼくが見上げているのにマリーが気づいて。手を振ってきたから。
ぼくも、胸の前で小さく手を振った。
えへへ、なんだか入学式って。
ドキドキそわそわだけど。家族に見守られてて、恥ずかしいというか、照れくさいというか。そんな気分ですね?
そして、つつがなく入学式が始まって。
学園長のお言葉や。在校生の祝いの言葉。
総代であるマルチェロが舞台に上がって、学園生活の抱負などを立派に述べて。
やはり御令嬢が、キャーと反応して。
素敵な入学式が終わりました。
ふむ。やっぱり。ぼくは、一問試験問題を抜かして正解でしたね?
御令嬢はいつの時代も。
ぽっちゃり丸鶏ではなく、白馬に乗った王子様を御所望なのですよ?
その日新入生は、ご家族と帰宅してよいとのことで。
ぼくはレオンハルト兄上と一緒に、あの馬車に乗って屋敷に帰ったのだった。
★★★★★
一夜明けて。
今日から本格的に、学園での授業が開始です。
もう兄上と一緒に学園に登校できないし。ミケージャもエリンもいないから。完全にひとり行動ですね?
ちょっと心細いけれど。
いいえ、これが大人になるということです。
ぼくは大人に、また一歩近づくのですぅ。
でも、ご登校に準備万端のぼくが玄関を出ると。
ちょっときらびやかな馬車が止まっていた。
扉につけられたエンブレムが、バッキャス公爵家の紋です。
「おはようございます、サリエル様」
馬車から颯爽と降りてきたのは。ファウストです。
ぼくがあんぐりと口を開けて、ファウストをみつめていると。
背後から兄上がやってきて。言った。
「学園内では大人の護衛をつけられないから、バッキャスにサリュの送り迎えを頼んだのだ。授業中はマルチェロが。登下校時はファウストに、サリュの警護を任せてあるから。サリュは必ず、ふたりのうちのどちらかを伴うようにしなさい」
「…わかりました」
王族が学校に通うのって、大変なんだなぁ?
ぼくはイマイチ、王族という意識が薄いからなぁ、と思いながらうなずくと。
「サリエル様、うちの御者の顔を、よく覚えていてください。彼以外の馬車には決して乗らないように」
御者が降りてきて、ぼくの前で一礼する。
ゆ、誘拐対策ですか?
いやいや、ぼくなんかを誘拐しても、なにも出ないのは。魔国の国民ならみんな知っているのではないでしょうか?
でも、こうして万全の対策をしてくださるのは、ありがたいことです。
ぼくは神妙に、兄上やファウストの方策を受け入れるのだった。
そして、ぼくは。ファウストにうながされて、彼の馬車に乗り込んだ。
兄上がぼくを見送ってくれるので。それに、窓から手を振って応える。
いつもはぼくが兄上をお見送りしていたのに。
馬車が動いて、兄上の姿がだんだん遠ざかっていくのを見ると。なにやら悲しくなるのだった。
ただ、学園に行くだけなのにね。くすん。
「あの、ファウスト? 送り迎えは、無理を言われたのではないのですか?」
ぼくが彼にたずねると。かぶせ気味に言われた。
「全く、無理ではございません。というか。最初はマルチェロがこの役目になりそうだったのですが。マルチェロは教室で、ずっとサリエル様の御側にいられるのだから、ズルいと。私が申しました。私はこの御役目を勝ち取ったのでございますっ」
長い前髪で、表情が見えないけど。拳を握って、シカっと言うので。
いやいや、というわけではなさそうだな。
「そうなんだ? なら、いいのだけど。ぼくを守るお役目をさせられて、バッキャス公爵やファウストはがっかりしませんでしたか? もしそうなら、兄上に相談しますけど…」
さらに、たずねると。
ぼくの隣に座るファウストは、前髪から真剣な目をのぞかせて言うのだった。
「がっかりなど、あるわけもない。学生のうちから光栄なお役目を賜り、バッキャス一同、喜んでおります。サリエル様に求婚してしまった私の失態を。レオンハルト様は、鷹揚に許してくださり。さらには、サリエル様の御側で守護する栄誉まで命じていただき。私は感無量でございます。レオンハルト様の御恩情に報いるため、命を賭して、サリエル様をお守り申し上げます」
「固いよ、固いよ、ファウストぉ。もう、一年会わなかったらこんなにカッチカチになっちゃってぇ。ぼくたちはお友達でしょ? もっと気安くね?」
兄上に、ファウストはがっかりしたのではないかって聞いたら。
自分で確かめなさいと言って、兄上は笑った。
ファウストは、全然がっかりなんかしていなかった。
むしろ、感無量だって。
心フルフル打ち震え、みたいな感じ? 喜んでもらえたなら、それでいいんだ。
兄上はきっと、無用な心配だってわかっていたんだね?
「あと、命は賭けなくていいから。ゆるふわっと守ってくれたらいいからね? ありがとうね、ファウスト」
ぼくがそう言うと、うなずかないながらも、そっと微笑んでくれた。
警護は仕事だし。ファウストは真面目な性格だから。任されたことを、おろそかにできないのだろうな?
だから、ぼくの言葉に返事はできなかったのかも。
でもね。ぼくとファウストは、お友達だから。
普段は、お友達で。いざというときだけゆるふわっと守ってくれたら、それでいいんだ。
へへ、お友達とか言うの。なんか、照れますね。
インナーの世界では、学校には徒歩で通う者が多いらしい。
ここでも、そういう生徒はいるけど。
ぼくは腐っても王族なので。登校は、馬車通学になる。
で、徒歩で登校するとき、友達と並んでいくのは。学校生活のだいご味みたいなものがあるようなのだけど。
だから、友達と馬車で仲良く登校も、アリですよね?
魔王城は、王都の一番高い土地に建っているのですが。
そこから馬車は、王都に一度降りて。それからロンディウヌス学園への道をたどる。
高台に建っている学園へ至る道は、一本しかない。
学園に用のある者だけしか、その道を使えないのだ。
敷地の裏手には、魔獣の住む森が広がっている。
でも、そんなに危なくはないんだって。学園には魔獣を狩る授業があるから、それで危ない魔獣は狩りつくされているって、マルチェロが言ってた。
とにかく、裏手側からは誰も入れないってわけ。
それで王都から、高台にある学園への道を上っていくと。ロンディウヌス学園の校門が見えてくるわけです。
昨日は講堂の前に馬車をつけたが。
今日はちゃんとロータリーに並んで、降車の順番を待ちます。
ファウストと一緒に馬車を降りると、そこにはすでにマルチェロが待っていた。
「おはよう、サリー。今日から毎日サリーの顔を見れると思うと、楽しくてならないよ。泣きぬれた妹の顔を見ると、さらに気分爽快だ」
「お兄ちゃんは妹に優しくしてあげてください」
マルチェロの言葉で、まだマリーがグズッているのだなとわかる。
昨日も、飛び級で入学するって騒いで、大変でした。
そうして、右にマルチェロ、左少し後ろにファウストが並ぶ、新たな感覚で。ぼくは教室に向かうのだった。
学園の立派な講堂には、椅子が整然と並べられており。
前側には、新入生。後ろ側には、ご家族と在校生が。ぎっしりと座っている。
「今年はレオンハルトが参列しているから、次期魔王をひと目見たい者たちが大勢集まっているね? 昨年もラーディンが入学だったから、出席者は多かったけれど。ここまでではなかったという話だ」
隣でマルチェロが解説してくれて。
ぼくは、少し顔を上げる。
学園には、魔王の子息が通う例が多い。
そのため講堂には、高位貴族専用の貴賓席がある。
一番下に、生徒が座る席があり。少し上がったところに舞台がある。
そして二階右側にある一番上等な貴賓席に、レオンハルト兄上と、ラーディン、シュナイツ。そして三大公爵家であるマルチェロのご家族がいて。こちらを見守っていた。
なんというか…インナー的に言うと。オペラ座の最上級観覧席、みたいな感じ?
ビロードのえんじ色の、分厚いカーテンが飾られて。柱や手すりのしつらえが、緻密な彫刻がされていて。豪華ですよ?
ぼくが見上げているのにマリーが気づいて。手を振ってきたから。
ぼくも、胸の前で小さく手を振った。
えへへ、なんだか入学式って。
ドキドキそわそわだけど。家族に見守られてて、恥ずかしいというか、照れくさいというか。そんな気分ですね?
そして、つつがなく入学式が始まって。
学園長のお言葉や。在校生の祝いの言葉。
総代であるマルチェロが舞台に上がって、学園生活の抱負などを立派に述べて。
やはり御令嬢が、キャーと反応して。
素敵な入学式が終わりました。
ふむ。やっぱり。ぼくは、一問試験問題を抜かして正解でしたね?
御令嬢はいつの時代も。
ぽっちゃり丸鶏ではなく、白馬に乗った王子様を御所望なのですよ?
その日新入生は、ご家族と帰宅してよいとのことで。
ぼくはレオンハルト兄上と一緒に、あの馬車に乗って屋敷に帰ったのだった。
★★★★★
一夜明けて。
今日から本格的に、学園での授業が開始です。
もう兄上と一緒に学園に登校できないし。ミケージャもエリンもいないから。完全にひとり行動ですね?
ちょっと心細いけれど。
いいえ、これが大人になるということです。
ぼくは大人に、また一歩近づくのですぅ。
でも、ご登校に準備万端のぼくが玄関を出ると。
ちょっときらびやかな馬車が止まっていた。
扉につけられたエンブレムが、バッキャス公爵家の紋です。
「おはようございます、サリエル様」
馬車から颯爽と降りてきたのは。ファウストです。
ぼくがあんぐりと口を開けて、ファウストをみつめていると。
背後から兄上がやってきて。言った。
「学園内では大人の護衛をつけられないから、バッキャスにサリュの送り迎えを頼んだのだ。授業中はマルチェロが。登下校時はファウストに、サリュの警護を任せてあるから。サリュは必ず、ふたりのうちのどちらかを伴うようにしなさい」
「…わかりました」
王族が学校に通うのって、大変なんだなぁ?
ぼくはイマイチ、王族という意識が薄いからなぁ、と思いながらうなずくと。
「サリエル様、うちの御者の顔を、よく覚えていてください。彼以外の馬車には決して乗らないように」
御者が降りてきて、ぼくの前で一礼する。
ゆ、誘拐対策ですか?
いやいや、ぼくなんかを誘拐しても、なにも出ないのは。魔国の国民ならみんな知っているのではないでしょうか?
でも、こうして万全の対策をしてくださるのは、ありがたいことです。
ぼくは神妙に、兄上やファウストの方策を受け入れるのだった。
そして、ぼくは。ファウストにうながされて、彼の馬車に乗り込んだ。
兄上がぼくを見送ってくれるので。それに、窓から手を振って応える。
いつもはぼくが兄上をお見送りしていたのに。
馬車が動いて、兄上の姿がだんだん遠ざかっていくのを見ると。なにやら悲しくなるのだった。
ただ、学園に行くだけなのにね。くすん。
「あの、ファウスト? 送り迎えは、無理を言われたのではないのですか?」
ぼくが彼にたずねると。かぶせ気味に言われた。
「全く、無理ではございません。というか。最初はマルチェロがこの役目になりそうだったのですが。マルチェロは教室で、ずっとサリエル様の御側にいられるのだから、ズルいと。私が申しました。私はこの御役目を勝ち取ったのでございますっ」
長い前髪で、表情が見えないけど。拳を握って、シカっと言うので。
いやいや、というわけではなさそうだな。
「そうなんだ? なら、いいのだけど。ぼくを守るお役目をさせられて、バッキャス公爵やファウストはがっかりしませんでしたか? もしそうなら、兄上に相談しますけど…」
さらに、たずねると。
ぼくの隣に座るファウストは、前髪から真剣な目をのぞかせて言うのだった。
「がっかりなど、あるわけもない。学生のうちから光栄なお役目を賜り、バッキャス一同、喜んでおります。サリエル様に求婚してしまった私の失態を。レオンハルト様は、鷹揚に許してくださり。さらには、サリエル様の御側で守護する栄誉まで命じていただき。私は感無量でございます。レオンハルト様の御恩情に報いるため、命を賭して、サリエル様をお守り申し上げます」
「固いよ、固いよ、ファウストぉ。もう、一年会わなかったらこんなにカッチカチになっちゃってぇ。ぼくたちはお友達でしょ? もっと気安くね?」
兄上に、ファウストはがっかりしたのではないかって聞いたら。
自分で確かめなさいと言って、兄上は笑った。
ファウストは、全然がっかりなんかしていなかった。
むしろ、感無量だって。
心フルフル打ち震え、みたいな感じ? 喜んでもらえたなら、それでいいんだ。
兄上はきっと、無用な心配だってわかっていたんだね?
「あと、命は賭けなくていいから。ゆるふわっと守ってくれたらいいからね? ありがとうね、ファウスト」
ぼくがそう言うと、うなずかないながらも、そっと微笑んでくれた。
警護は仕事だし。ファウストは真面目な性格だから。任されたことを、おろそかにできないのだろうな?
だから、ぼくの言葉に返事はできなかったのかも。
でもね。ぼくとファウストは、お友達だから。
普段は、お友達で。いざというときだけゆるふわっと守ってくれたら、それでいいんだ。
へへ、お友達とか言うの。なんか、照れますね。
インナーの世界では、学校には徒歩で通う者が多いらしい。
ここでも、そういう生徒はいるけど。
ぼくは腐っても王族なので。登校は、馬車通学になる。
で、徒歩で登校するとき、友達と並んでいくのは。学校生活のだいご味みたいなものがあるようなのだけど。
だから、友達と馬車で仲良く登校も、アリですよね?
魔王城は、王都の一番高い土地に建っているのですが。
そこから馬車は、王都に一度降りて。それからロンディウヌス学園への道をたどる。
高台に建っている学園へ至る道は、一本しかない。
学園に用のある者だけしか、その道を使えないのだ。
敷地の裏手には、魔獣の住む森が広がっている。
でも、そんなに危なくはないんだって。学園には魔獣を狩る授業があるから、それで危ない魔獣は狩りつくされているって、マルチェロが言ってた。
とにかく、裏手側からは誰も入れないってわけ。
それで王都から、高台にある学園への道を上っていくと。ロンディウヌス学園の校門が見えてくるわけです。
昨日は講堂の前に馬車をつけたが。
今日はちゃんとロータリーに並んで、降車の順番を待ちます。
ファウストと一緒に馬車を降りると、そこにはすでにマルチェロが待っていた。
「おはよう、サリー。今日から毎日サリーの顔を見れると思うと、楽しくてならないよ。泣きぬれた妹の顔を見ると、さらに気分爽快だ」
「お兄ちゃんは妹に優しくしてあげてください」
マルチェロの言葉で、まだマリーがグズッているのだなとわかる。
昨日も、飛び級で入学するって騒いで、大変でした。
そうして、右にマルチェロ、左少し後ろにファウストが並ぶ、新たな感覚で。ぼくは教室に向かうのだった。
214
お気に入りに追加
4,118
あなたにおすすめの小説

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?
下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。
そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。
アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。
公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。
アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。
一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。
これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。
小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います
塔原 槇
BL
会社員、兎山俊太郎(とやま しゅんたろう)はある日、「やっぱり女の子が好きだわ」と言われ別れを切り出される。彼氏の売れないバンドマン、熊井雄介(くまい ゆうすけ)は人気上昇中の清純派アイドル、桃澤久留美(ももざわ くるみ)と付き合うのだと言う。ショックの中で俊太郎が出社すると、幼馴染の有栖川麗音(ありすがわ れおん)が中途採用で入社してきて……?

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

家を追い出されたのでツバメをやろうとしたら強面の乳兄弟に反対されて困っている
香歌奈
BL
ある日、突然、セレンは生まれ育った伯爵家を追い出された。
異母兄の婚約者に乱暴を働こうとした罪らしいが、全く身に覚えがない。なのに伯爵家当主となっている異母兄は家から締め出したばかりか、ヴァーレン伯爵家の籍まで抹消したと言う。
途方に暮れたセレンは、年の離れた乳兄弟ギーズを頼ることにした。ギーズは顔に大きな傷跡が残る強面の騎士。悪人からは恐れられ、女子供からは怯えられているという。でもセレンにとっては子守をしてくれた優しいお兄さん。ギーズの家に置いてもらう日々は昔のようで居心地がいい。とはいえ、いつまでも養ってもらうわけにはいかない。しかしお坊ちゃん育ちで手に職があるわけでもなく……。
「僕は女性ウケがいい。この顔を生かしてツバメをしようかな」「おい、待て。ツバメの意味がわかっているのか!」美貌の天然青年に振り回される強面騎士は、ついに実力行使に出る?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる