魔王の三男だけど、備考欄に『悪役令嬢の兄(尻拭い)』って書いてある?

北川晶

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21 っんももの木の下で ②

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 っんももの木の下で、兄上に婚約の打診をされて。
 ぼくは腰かけた椅子の上で驚いているところです。ナウ。

「サリュは、もちろん。私がプロポーズした日のことを覚えているだろう。だが、あのときは宣言をしただけだった。だが今回は。ちゃんと私の婚約者として、正式に手続きをしてもらいたいのだ」
「あう、しかし、兄上ぇ…」
「サリュはまだ幼いから、結婚や婚約などは考えていないと、ミケージャから聞いているよ? でも。マリーベルやシュナイツのように、サリュのいいところに気づいた者が、また求婚してくるかもしれないだろう? もちろん、私が断るがな」

 そうですか。兄上が、断っちゃうのですか。しっかり言い切っちゃいましたね?
 うん。いいのですけど。
 婚約打診の話は断るけど、いいかな? 的な話もぼくは聞いたことないんですけど?
 うん。まぁ、いいのですけど。

「私は、サリュを手放す気はないのだ。だから難しく考えずに、こういうことだと思ってもらいたい。これは、私とサリュの、成人したのちの契約。先駆けの契約だ」
「先駆けの、契約?」

 前もって契約しておく、ということだよね?
 それはわかるが。
 なにやら、兄上の畳みかける圧が強くて。
 背筋が冷え冷えです。眉間も、うにゅうにゅします。

「私はいずれ、私の補佐官として、サリュを指名するつもりだ。サリュの、一度見たら忘れない能力というのは、とても有用なものだよ? なので今回の私との婚約は、いずれともに仕事をしますよという意味の、パートナー契約みたいなものだと思ってもらいたい」

「なるほど。それなら理解できますし。ぼくも、そうなりたいと思っております」
 ぼくの夢は、兄上のお役に立てる者になること。
 兄上が、ぼくを有用だと思って、ぼくの力を必要としてくれるのは。願ってもないことでございます。
 ぼくは、そうなりたいのだから。退ける理由はありません。

「いつか私に恋をしてくれたら。尚よいが」
「へぇあぁ?!」
 またもや、兄上の口からとんでもない言葉を聞いて。驚いてしまいました。

「なにも驚くことはない。婚約とはそういうものだろう? 仕事にサリュを利用するだけ、とは思ってほしくないからね。もちろん、私は将来サリュを伴侶にすると決めているよ。そう思うくらい、愛している」

 ぎゃあああぁっと、ぼくは、兄上の愛している、に。胸を槍みたいなやつで串刺しにされたのだった。
 い、インナー?
 あれ、もしかしてインナー。気絶してない?

 ズルいぃ、こんなときばかりぼくに丸投げするなんてぇ。

「あ、あああ、兄上は。ぼくのような、男の子で、ぽっちゃりで、魔力、ツノなしの、へちゃむくれが、婚約者でもよいのですか? し、仕事の契約はウエルカムですが。そういえば婚約者として大々的に発表してしまったら、兄上が、兄上がぁ…美的感覚を疑われてしまうぅぅぅ」

 ぼくはほっぺを手でむぎゅっと押して、揉んで、この焦燥の気持ちをコネコネして、なごませた。

「あぁ、サリュの自虐が加速してしまった。難しく考えなくてよいと言ったのに」
 兄上は立ち上がると、再び椅子に座り直し。近い位置からぼくの説得に本腰を入れた。
 えぇ、これは。
 この気迫は。まさしく、説得ですっ。
 ぼくを丸め込みにかかっています。そういうの、わかりますからぁ。

「いいかい? サリュ。今、私が一番愛しているのは、君なんだよ? そして私がサリュに婚約してくださいとお願いをしているんだ。サリュが婚約者で良いに決まっている。というか、私はずっとサリュだけを求めている。望んでいるんだよ?」
「ふぇ…兄上は、変わり者です」

 このようなへちゃむくれを、お求めとは。
 あ、あぁ。そうだ。シュナイツのときに、側妃を迎えれば解決すると言っていたから。
 ぼくは、兄上のお仕事を手伝っていればいいのかもしれない。

 でも、そう思い至ったら。なんか。胸の奥がもやっとして。嫌な気になってしまった。

 なんでかなぁ? ぼくは、兄上とお仕事をできたら。それで幸せだと思うのに。
 兄上の愛している、を。素直に受け止められたら。
 もっと、幸せになれるのかもしれないけれど。

 でも、ぼくには。人並みの美的感覚があるのですぅ。
 このへちゃむくれが、一般的に無理な感じなのはわかっているのですぅ。
 だから兄上の言葉を、素直に受け取れないのですぅ。

「変わり者? そうでもないよ。サリュは魅力的な子なんだから。自分ではわからないのだろうけどね?」
 そう言う、兄上の声が、とても優しかったから。
 胸のもやっは。いつの間にかなくなっていた。
 えぇ、ぼくはちょろいので。

「だが、私が次期魔王を目されているのは事実。同性の結婚を許されてはいるが、世継ぎのことで、外野はなにかしらサリュに言ってくるかもしれない。それでも、そういうことや難しいことは、サリエルが考えなくていい。すべて私にゆだねて。信じてほしい。サリュが悲しむようなことは、決してしないと約束するから。まぁ…色恋関係の話は、サリュにはまだ早いだろうけどね」

 兄上は、とても柔らかい色の瞳でぼくをみつめ。
 とても真摯に、ぼくを説得するのだった。

「とりあえず、恋の部分は大人になってから考えればいい。そもそも貴族の婚約というものは、家同士の契約なのだ。それゆえ、簡単に破棄などはできないが。どうしても合わない相手というものはいるだろう? みんな子供のうちから、惚れたから婚約するとか、思っているわけではないんだよ。気持ちはあとからついてくればいい。どうしてもダメなら、正当な理由があるのなら…破棄してもいいんだ。そうなったら、私は悲しいだろうけどね?」

 眉尻を下げて、兄上が言うから。
 なんだか可哀想に見えて。
 ぼくから婚約破棄なんて、絶対にできないなって思ってしまうのだった。

「私が言ってきた、婚約の意味が。サリュはわかったかな? それで、サリュはどう思う? もしも嫌でなかったら、私の手を取ってくれないか?」
 兄上が、手を差し伸べてきたから。
 ぼくはその手に、ぼくの丸い手をぷよっと乗せる。

「わかりました。兄上にすべてお任せいたします。ぼ、ぼっ…ぼくは。兄上と、こ、こ、こ…婚約いたしますぅ」
 大きな声で返事をすると。兄上はとってもほがらかな笑顔になって、言った。
「そうか。良かった。うまくまるめこ…理解してもらえて」

 はっ、今、丸め込んだって言った? 兄上ぇ。
 もしかして、ぼくは。
 兄上の手の上で、踊らされているのかもしれません。
 兄上も、しっかりと魔族なのですね?
 欲しい者を、必ず手中におさめたい欲が強いのでしょう。
 まぁ、次期魔王と言われているくらいですから。魔族的な暗黒部分も、色濃くあるのでしょう。
 そういう面は、ぼくにはあまり見せませんが。
 ぼくを、恐れさせたり怖がらせたりしない、それが兄上の愛情なのですよね?
 兄上の振る舞いこそが、ぼくへの愛の形なのです。

 そんなことを思って、ひとり照れ照れしていたら、右の薬指に、幅広の金の指輪をはめられた。

 こ、こ、こ、婚約指輪、わ、わぁぁぁ?

 用意周到!!
 つか、今日のことは全部、事前に準備されていたというわけなのですかぁ?
 エリンったら。ぼくのそばにずっといたのに、それを悟らせないとはっ。
 完璧侍女、パーフェクト侍女ですっ。

 そうしたら、陰に潜んでいた執事とエリンが出てきて。無表情でぱちぱちと拍手してくれる。
 そしてどこで用意したのか知らないが、大きな色とりどりの花びらを辺りにまき始めた。

 ひえっ、は、恥ずかしいから、やーめーてー。

「ホッとしたよ。断られたら、どうしようって」
 兄上は、エリンたちのことをスルーして。握っているぼくの右手の甲を、反対の手でぽむぽむ叩いた。
 はうっ、ぼくはまだエリンたちを意識して、ドキドキバクバク心臓が暴れているというのに。

「そ、そのようなことを、兄上が思うことはありません。ぼくが兄上の提案を受けないなんてこと、ありませんから」
「そうはいっても、婚約だ。私とはそんな気にはなれない、とか。好きな人がすでにいる、とか。バッサリ断られることもあるだろう?」

「どんな人が相手でも、兄上がふられるなんてあるわけないではありませんかぁ?」
 兄上ほど素敵な人を、袖にするなんて人がいたら。それはよっぽど、見る目がない人だ。
 そう思って、ぼくは笑いながら言ったけど。
「そうだといいけど?」
 そう言って、兄上がぼくの髪を撫でるから。
 あ、ぼくのことか、と改めて思ってしまった。
 なんだか、他人事でした。すみません。

「あ、兄上は。難しいことは考えなくていいと言うので。細かいことはお任せしますが。でも、魔王様やマーシャ母上は、お許しにならないのではありませんか? 魔力、ツノなしが、優秀な兄上の婚約者にはふさわしくないぃ…あぁ、それにぼくの本当の父上は誰か、いまだにわかりませんしぃ。家柄とかぁ、いろいろいろいろ…」

「はい。難しいことはすべて私にゆだねろと、言っただろう? あと、自虐禁止。それから父上や母上のことは、なんとでも丸め込めるので、心配するな?」

 はあぁぁ、とうとう丸め込むって言ったぁ。
 やっぱり、兄上は。舌論で打ち負かす気なのですねぇ? やれるのですねぇ?
 そしてぼくは、やはり丸め込まれていたのですねぇ? まぁいいけど。

「あと、もうひとつだけ、お聞きしたいことがあるのですが」
「なんだい? 今日はなんでも答えてあげるよ? サリュが納得して、私の婚約者になってもらえるようにね?」
 兄上がそう言ってくれたので。
 ぼくは、腿の上に手を置いて。思い切って聞いてみた。

「はいぃ。では。今までぼくは、このことを聞かずに来ましたが。子供会など出ていると、みなさん、ぼくの年くらいで婚約を意識するみたいなのですが。現在十二歳の兄上には、すでにご婚約者様が、い、い、いらっしゃるのではないか、と?」

 子供会に来る子たちは、みんな、まだまだお子様の域を出ないけど。
 でも婚約者候補とか、普通に会話の中に出てきます。
 兄上は十二歳だけど、体つきはもう大人と変わりなく。
 さらには、すれ違った御令嬢が失神するという美貌の持ち主で。
 そして魔力は国で一、二、を争う。
 魔王に代わって政務も執り行っていて。優秀で、聡明だと、皆様ご存じの逸材なのです。

 そのような兄上に、こ、こ、婚約者がいないなんて。そんなことはないのではないかと。

 ぼく、今まで。こうして、婚約の話を振られるまで、兄上にそのようなことを聞いたことがなかったし、知ろうともしなかったのだけど。
 ぼくが知らないだけで、すでに婚約者がいるということも、あってもおかしくないのではないかと…。

「…うーん、サリュは、私が他の御令嬢と婚約していてもいいのかい?」
「嫌ですっ」

 即答した。インナーが。
 はぁ? インナー、気絶していたんじゃないのかぁ?

 つか、ぼくの口を使って言うなんて。
 今まで、他人と話しているときに出てくることはなかったのにぃ。
 でも、まぁ…ぼくも嫌だけどぉ。
 考えるだけで、眉間がムニョムニョするけどぉ。

「ふふ、即答してくれて嬉しいよ。嫉妬してくれたら、将来に希望が持てるからね?」
 いい笑顔で、兄上が言うから。
 ぼくは恥ずかしくて。ムフンと鼻で息をついてしまう。
 まぁ、インナー。ここはグッジョブということにしておきましょう。
 でも他人の前でぼくの口を使うのは、今日だけですよ?

「答えを言うと、私は誰とも婚約をしていない。私がサリュの年の頃は、まだ魔力コントロールができなくて、同年代の子供とは会えなかったし。そのあとは君を育てるのに忙しかったからね?」

 そうだ、ぼくが兄上と会ったのが、兄上が六歳のときだから。ちょうど、今くらいの年齢だったんだ。
 え、ぼくの年で赤ん坊を育てるとか、ぼくは普通に無理なんですけど。
 兄上ったら、本当にすごいお人なのですね?

「それは、お手数をおかけいたしまして…」
 ぼくは、まだ子供のつもりなのだけど。
 同じ子供だった兄上に、子育てさせてしまうとか。
 もう、本当にすみませぇぇん。

「謝ることはない。私は、サリュと暮らした日々が最高に幸せだったのだからね? サリュを赤ん坊の頃から育てられて、私は本当に幸運な男だと思っているんだよ」

 兄上と出会った日のことから、これまでのことを、ぼくはいろいろと思い出す。
 ぼくは、兄上がぼくと対峙するとき。
 一度も、嫌そうな、とか。面倒くさそうな、とか。そういう空気を感じたことがなかった。
 ぼくとの遊びを断るときもあったけど。それは、どうしても外せない公務のようなときで。
 どちらかというと。とっても苦しそうに。
 それこそ苦汁を飲むみたいな顔つきになって、ぼくに謝るものだから。
 逆に申し訳なく感じて。
 滑舌は悪かったけど、ぼくは『いぃい、いぃい』行って行って、と。兄上をうながしたものだ。
 すると兄上は、それはそれでショックだったようで。
 なんか、眉間に深いしわを作って、泣きそうな、怒りそうな、イライラのような、複雑な色の魔力を垂れ流したものだ。

 ぼくと過ごした日々を、最高に幸せだと言ってもらえて。それこそがぼくの、最高の幸せだった。

「婚約の打診がなかったわけではない。でも、私は。その話があった頃には、もう決めていたんだ。サリエルを立派に育てることが、私の使命だと。そして九歳の頃には、サリエルを嫁にすると決めた。だから私に婚約者はいないんだ」
 兄上はそっと微笑んで。ぼくの両手を手でしっかり握って、言った。

「私の婚約者は、サリエルただひとりだ」

「う…え、お世継ぎ…」
「大丈夫。細かいことは、考えないで?」
「うぅ…」

 男のぼくが、ただひとりの婚約者では。お世継ぎが、とか。魔王の系譜が、とか。考えてしまうけど。
 兄上が、大丈夫と言うのなら。
 ぼくは、ただ、兄上についていくだけだ。

「はい、兄上。よろしくお願いします」
「よろしくね? 私の婚約者様」
 チュッと、額にキスをされて。ヒェッ、となったけど。

「そこまででございますよ、レオンハルト様。サリエル様はまだお子様でございます」
 と、いつの間にかここに来ていたミケージャに言われて。
 ちょっとムッとした兄上は、なんだか普通の少年みたいで。可愛くて。
 ぼくは笑ってしまった。

 そうしてぼくと兄上は、っんももの木の下で、婚約したのでした。

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