魔王の三男だけど、備考欄に『悪役令嬢の兄(尻拭い)』って書いてある?

北川晶

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13 お披露目パーティーはやっぱり騒乱 ④

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 ブローチが奪われそうになったり、ディエンヌが弟をぶとうとしたり。
 騒乱は、ポツポツあったものの。
 ぼくが予想した、御令嬢の泣き声で阿鼻叫喚ほどには。パーティーが滅茶苦茶になることもなく。
 お披露目会はしゅくしゅくと進んでいった。

 もしかしたら一年前に流行ったビリビリブームは、ディエンヌの中では終了しているのかもしれないな?
 今日に備えて、いろいろ準備はしてきましたが。
 なにも起きなければその方が良いので。ぼくは嬉しいです。

 というわけで、ぼくはパーティーを楽しみます。

 会場にある、レモン色、オレンジ色、紫色のケーキや、ミートパイや、ローストビーフ。机の上が、華やいでキラキラぁな、御馳走を取り分けてもらって。

 ぼくはっ、食べるっ。

 うんまぁい。
 今日はさすがに、インナーも太るぞとは言ってこなかった。
 そうです。インナーもパーティーの雰囲気を楽しんでいるみたいです。

 今体の中で、インナーが雄叫びをあげているのですが…。
『魔王、パネェ、イケメン。エロエロで、ヤバっ。受け、やんちゃ魔王は受け!』という。ぼくのよくわからない言葉を、連発アンドエンドレスループしているのですよ。うるさぁい。

『なぁなぁ、下級悪魔のインキュバスに、魔王が押し倒される屈辱プレイ。だけど愛してるから拒めなぁい…ってシチュはどうよ? 挑戦してみたらどうだ? あぁん?』
 いやですよ。つか、ぼく、インナーの言葉の意味が、半分以上わからないんですけど?
 まぁ公衆の面前で、ぼくの口を使って妙なことを言い出さなかったことは、褒めてもいいですけど。

 そんなふうに、心の中でぼくとインナーが会話をしていると。
 ぼくの横にいたディエンヌが、酸っぱいって叫んだ。

「なに? このパイ。全然おいしくないわぁ。全部作り直してちょうだいっ。机の上のもの、全部よっ」
 そばにいる給仕の人に、悪態をついているディエンヌ。
 ぼくは、ふたりの間に割って入った。

「ディエンヌ、騒ぎを起こさないで。これはベリーパイなのだから、酸っぱいものなの」
「サリエル、うるさい。わたくしは本日の主役なのよ? ジャマしないでっ」
 ぼくも一応主役で、さらには君の兄なのだが。もう、言うこと聞きゃあしない。

「わたくしは、酸っぱいのきらいなの。わたくしの前に、出さないでちょうだい」
「パーティーのお客様は、甘いのが好きな人ばかりじゃないんだから、我が儘言わないの」
 説得を試みたが。ディエンヌは、食べかけのベリーパイをぼくの顔に押しつけた。

「じゃあ、あなたが全部食べなさいよ。食いしん坊のおデブさん?」
 ぼくを物理的に傷つけるつもりはなくて、ただ食べ物を押しつけただけだから。防御魔法は作動しなかったようだ。
 でも、顔がベリーの紫色で汚れちゃった。もぉうっ!
 ミケージャと給仕の人が、慌ててナプキンで頬や口周りを拭いてくれたけど。あまり落ちなくて。

「申し訳ありません、サリエル様。別室で、顔をお拭きいたしましょう」
 給仕の人が綺麗にしてくれるみたいなので。
 ぼくはミケージャに、ディエンヌを見ていてくれと頼んで。別室へ向かった。

 ちなみに、この顛末は。
 兄上が子供たちの家族と大人の会話をしている、ちょっと席を外している間の出来事だった。

 ディエンヌは、兄上の目の届かないところでぼくに嫌がらせをするという、高等技術を覚えたようだ。

 賢い…というか。悪知恵はよく働く妹である。
「サリエル様。本当に申し訳ありません。そして私を庇ってくださり、ありがとうございます」
 給仕さんは、温かい湯につけた濡れタオルで丁寧にぼくの顔を拭ってくれる。

「いえ、こちらこそ。ディエンヌが我が儘を言いまして。ケーキ、とても美味しいので。作り直さなくてもいいですからね?」
 顔を綺麗にしてもらって、部屋を出ると。
 給仕さんは扉の前で、何度もペコペコとお辞儀をしていた。

 魔王一族のお子様のお顔に汚れがぁ? 首がとぶぅ? とか、思ったのかな?
 大丈夫ですよ。ぼくは養子なので。
 それにぼくは、部屋で少し休めてよかった。

 インナーの感覚で、大勢の人の中にいる状況がどういうものかは。わかっていたけれど。
 実際に、大勢の人と会うというのが、サリエルぼくは初めてだったから。
 ま、ちょっと人酔いというか、お疲れがあったのです。
 だから丁度よかったのです。

「サリエル? 大丈夫か?」
 お話を終えた兄上が、ミケージャと一緒にぼくを迎えに来てくれました。
 ミケージャから話を聞いていたようで。
 なにやら兄上のこめかみのあたりが、ピクピクしています。

「顔に、ベリーがついただけです。パイ自体はとっても美味しくて。ほっぺが落ちそうになりましたよ?」
「ほっぺが? このほっぺがっ、落ちてしまうのか? それは一大事だ」
 人のいない廊下で、兄上は床に膝をついてぼくのほっぺをポヨポヨする。

 ま、またですかぁ? 今日はシルビア義母上と、魔王様と、兄上の、トリプルぷよぷよですぅ。

 でも、こめかみピクピクだった兄上は、今は楽しげに笑っている。
 どうやら、兄上のお怒りは溶けたようだ。お怒り大爆発でバリバリドッカーンは、防げた模様です。
 ぼくのほっぺは世界を救う、ということですね?

 なんて、喜んでいましたら。
 なにやら。どこかで女の子の泣く、しくしくという声が聞こえてきました。

 ぼくたちは王城の、廊下というには幅広い通路を歩いていたのですが。
 使用人が仕事用に使う幅の狭い通路に、御令嬢が隠れるように入り込んでいて。悲しげに泣いていたのだ。

「どうしたの? 大丈夫、ですか?」
 たぶん、お披露目会に呼ばれた子だろうから、ぼくと同じくらいの年齢で。
 オレンジ色のドレスを身にまとう、子供とはいえ、レディだった。
 彼女はぼくの声掛けに、泣き濡れた顔を上げ。そして、おののいた。

「あ、あ、あなたは…魔王一族の? レ、レオンハルト様も?」
 がくがくと震えながらも、淑女の礼を取ろうとするから。
 ぼくは彼女を気遣って、手で制した。

「あぁ、いいよ。かしこまらないで。それよりも具合が悪そうだ。どこか部屋を用意してもらおうか?」
「も、もうしわけありません。サリエル様。わたくし、まだ未熟で。魔王御一家の魔力に、た、たえられなくて…」

 魔力コントロールに、兄上はけているが。すべてをおさえられているわけではない。
 敏感な者や、下級悪魔など力の弱い者は、強い魔力に充てられると、動けなくなったり、具合が悪くなったりするのだ。
 つか、さっき魔王が強い魔力を垂れ流しちゃったから。それに充てられちゃったんだね? きっと。

 御令嬢の言葉で、兄上は察して。少し彼女から距離を取った。
「私はここにいない方が良さそうだ。ミケージャ、サリュに付き添ってくれ。サリュは空き室で御令嬢を休ませてあげなさい」
「あ、レオンハルト兄上。ディエンヌから目を離さないでください。お願いします」

「あぁ、任された」
 兄上はぼくの頭をポンポンして。ホールの方へ戻っていった。

 ふふぅ、兄上のポンポン、好きですぅ。

 それで、ぼくと御令嬢は、ミケージャに案内されて空き室に向かう。
 先ほどの給仕さんと、途中で行き会ったので。部屋を用意してもらった。

 部屋の中で、ぼくらは椅子に座って落ち着いたけど。
 御令嬢のしくしくは止まらなかった。

「もう、大丈夫だよ? ぼくは魔力ないし。部屋の中には大人の人しかいないからね?」
 強烈な魔力は、ここにはもうないはずなのだけど。御令嬢は泣き止まなかった。

「あの、わたくし。ドーリー伯爵家の三女、メリンダと申します。魔力耐性が弱いわたくしですが、ディエンヌ様と年が近いということで、お呼ばれしまして。きれいなドレスが…着たかったのです…」

 そうか。それで、魔力のことは不安だったけど、パーティーに来てしまったんだね?
 そうだよねぇ? 気持ちはわかります。
 お披露目会では普段とは違う、思いっきったおしゃれが出来るのだもの。
 女の子はそういうの、好きだものねぇ?
 インナーも、七五三とか、結婚式のお呼ばれとか、テンション上がったぁ…って、申しております。

「なのにディエンヌ様に、ドレスを破られてしまって。わたくし、お母様になんて言ったらいいのか。破けたドレスでホールにはいられないし。どうしたらいいのか。わからなくなって…」
 そしてまた、しくしくがぶり返してしまった。

 あああぁぁぁっ。とうとうやりやがったか、ディエンヌよ。
 もしかしたら、ビリビリブームは終了したのかと思っていたけど。
 そうですか。やりましたか。

 ぼくは、ドレスの破けた箇所を見てみたが。
 御令嬢のドレスは、フリフリがブリブリしていて、薄い布が何枚も重ねてあるドレスだった。
 うむ、これならうまく誤魔化せそうですよ?

「メリンダ嬢? ぼくの妹が悪さをしたんだね? ごめんね? 兄のぼくが。ちゃんと直してあげるから」
 言うと、御令嬢は期待の眼差しでぼくを見た。
 たぶんぼくが、魔法かなんかで直すのかと思ったみたい。
 でも、ご期待にお応えできずもうしわけありませんが。
 ぼくは床に座り込んで、ポケットの中にある携帯用裁縫セットをババーンと取り出した。

 さぁ、ここから腕の見せ所です。

 ぼくは、針をキラーンとさせて。ドレスを縫い合わせていく。
 縫い目が見えないような縫い方を、ちゃんとマスターいたしましたよ? なので、ご心配なく。
 ドレスは下からニ十センチほど破かれていたが。
 メインの厚地の生地ではなく、ボリュームを見せるギャザーのいっぱい入った薄布だったから。目に見えるところでも、ビラビラの影に隠れて目立たないのだ。
 ふむふむ、良い感じで直せましたよぉ?

「どうですか? メリンダ嬢。まだ、気になってしまいますか?」
 たずねたら、メリンダ嬢は椅子から立ち上がって、スカートをふわりと揺らし。縫い目が見えないことを確認したら、目を丸くして驚いた。
 …うらやましいですね? 目がぴかりと開いて。

「まぁ、全然縫ったところがわからないわぁ。あ、ありがとうございました、サリエル様。魔王一族の方に、このようなしまつをお願いしてしまって…な、泣いて…お見苦しいところを。もうしわけ、あ、ありませんでした」
 ドレスが直ったら、今度は自分の無礼さが気になってしまったようで。メリンダ嬢はオロオロした。
 いえいえ、魔王一族モドキなので、大丈夫ですよ?

「元々、ディエンヌの悪さのせいですから。お気になさらず。あ、そうだ」
 ぼくは懐から、一枚の紙を取り出した。
「これは、魔王城御用達の仕立て屋で使える、一割引きのクーポン券です」
「くーぽん?」

 クーポン券を彼女に渡すと、初めて見たのか。首を傾げた。
 実は。ビリビリされたドレスを縫うだけでは、謝罪が足りないような気がしたのだ。
 だって、破損したドレスは完全に綺麗な状態には戻せないからね。ぼくのせいではないけれど。

 それで、ぼくのお披露目会用の衣装を仕立てたときに。
 魔王城御用達の仕立て屋が屋敷に来たので。ドレス職人さんと交渉して、クーポンの使用を了承してもらった、というわけなのだ。
 仕立て屋は、新規のお客が来ればありがたいし。
 ぼくは、全額弁償は出来ないが、謝罪の気持ちは示せる。ウィンウィンである。

 あ、一割の店側の損失は、ディエンヌがドレスを作るときに上乗せしていいって言ってあります。
 それくらいの損失は、ディエンヌにもかぶってもらわないとね?
 君の悪さのせいなのだからね。

「この紙をお店に持っていったら、このドレスのお直しでも、ドレスを新調するのにも、一回だけ一割引きのお値段で対応してくださいますから。御母上には、この券を見せて。ドレスを破かれてしまったことを、ちゃんとお話ししてくださいね?」

 ドレスを破かれてしまった御令嬢は、母には顛末を言わなければならないが。
 この券をきっかけにすれば、するする説明できるだろう。たぶん。

「よろしいのですか? なにからなにまで、ありがとうございます」
「さぁ、ホールに戻ってパーティーを楽しんで? 今日は悲しいこともあったけど。できれば、楽しい出来事をいっぱい持って帰っていただきたいのです。お友達をいっぱい作って、美味しいものをいっぱい食べて、お土産話をいっぱい作って、笑顔で帰ってくださいね?」

「まぁ、サリエル様。おきづかい、ありがとうございます。今日は、本当に助かりましたわ。次にお会いするときも、どうか、お話かけてくださいませね?」
 メリンダ嬢は、ようやく笑顔になった。
 気の弱そうな御令嬢だけど。微笑みは可憐で、清楚なスズランのよう。
 ちょこんと会釈をして。メリンダ嬢は元気に部屋を出て行った。

 そして、ぼくは。ほぉっと大きく息をついた。
「…ちゃんと直せて、よかったぁ。ねぇ、ミケージャ。ぼく、ちゃんと出来たよね?」
 胸を撫でおろして、ミケージャに聞くと。
 彼は嬉しそうに笑顔でうなずいてくれた。

「はい、それはもう。サリエル様が一年前から頑張っていたその成果が、しっかりと出せていました。とてもご立派でございましたよ?」
 ミケージャに手放しで褒められて。ぼくは、ドヤァっと胸ならぬ腹を張ったのだ。むふん。

「さぁ。レオンハルト様が首を長くしてお待ちでしょうから。サリエル様も、ホールに戻りましょう」
「そうだ。ディエンヌの監視などで、兄上をわずらわせてはいけませんね。急いで会場へ戻りましょう」
 そうして、ぼくとミケージャはホールに戻り。無事、兄上と再会を果たしたのだ。

 はぁ、いろいろあったけど。
 とりあえず、お披露目会は。滅茶苦茶になる前にお開きになり。
 ぼくは、ディエンヌの悪事の火消しを陰ながらすることが出来た。

 つまり、あの悪魔な妹に勝利したのだっ。やったね。

 
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