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2-25 宣戦布告、きたーーーっ
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◆宣戦布告、きたーーーっ
ゆったりとした足取りでブランカがぼくらの方にやってきました。
「この湖、懐かしいなぁ。この近くの保養地でお祖母さまが長く静養していたのです。お見舞いでこちらに来たときには、この湖で遊んだりしたのですよ」
穏やかな彼の話口に、ぼくもうんうんとうなずきます。
「そうなんだ。ぼくも子供の頃、ここでキャンプしたんだ。ね? ジョシュア」
「あぁ、カブトムシが入れ食いだったなっ」
そうでした。あのときはカブトムシがキモいくらい取れたんだった。
でも、季節はまだ五月ですから。カブトムシはさすがにいませんよね?
大体ジョシュアも、カブトムシは卒業したでしょう。…たぶん。
前世でもカブトムシ好きだったのかな?
あのピクリともしなかった表情筋の裏でカブトムシ…とか思っていたらと思うと…ウケるぅ。
「コエダ様、同じパーティーの一員となったのです。私とも気安くお話していただけませんか?」
人知れず、くくくと胸のうちで笑っていたら。
ブランカにそう言われて。
はい。どうぞどうぞ、ってな感じです。
「もちろん。先輩だけど、ブランカって呼ばせていただきますね?」
「ありがとうございます。私も聖女様…いえ、勇者さまを力の限りにお守りします」
ぺこりと頭を下げて。
彼はノアに目を向ける。
あっ、剣闘士大会の因縁の出会い、でしょうか?
「ノア、君と私は同じ年だが。もし君が学園に在学していたら。私は剣術の首席は取れなかったんじゃないかなと思うんだ。剣闘士大会での剣筋、見事だったよ」
ブランカの言葉に、ノアは失礼にならない程度に頭を下げる。
無言だけど。
それがノアのいつものスタイル。
「君と若いうちに剣の手合わせができていたら、私ももっと強くなれていたかもしれない。クラスメイトになれなくて、残念だったな」
「学園で学ぶべきことはありませんでした」
お、ノアがしゃべった。珍しいな。
「そんなことはない。学びだけが学園の意義ではないよ。学力が優秀なコエダ様も学ぶものはないかもしれないが。人脈や見聞を広めるために学園にいるのだろう?」
「私には、それよりも大事なことがありました。それに、過去の話をしたところで。時間は戻りません」
表情はいっさい変えずに。
まぁ、そんなことを言っても時間の無駄。とばかりに切り捨てるノア。
クーーール。
「確かに。王弟ジョシュア様を御守りするのは大事な役目だよね」
そうして、今度は。
ブランカはジョシュアに目を向けました。
「ジョシュア様、試合に勝ったらコエダ様と話す機会をいただけるお約束でしたよね?」
太い手を胸の前で組んで、ジョシュアはいつになく厳しい目をブランカに向けるのだった。
「約束はしていない。返事をしていないからな」
「おや、自信がないのですか? 私がコエダ様と少しお話したところで、なにも変わらないと思いますが」
しばらく。ぼくにも見えるくらいの視線バチバチがあって。
ふと、ジョシュアがこっちを見た。
大丈夫か? とも。私を捨てないでという子犬のような目にも見えますが。
まぁ、うなずく。
「ラウルをそばにつけておけよ、コエダ」
ジョシュアが言うと、ブランカは優しい笑顔で言う。
「えぇ? 信用ないなぁ。一応私も勇者御一行のお仲間なのですよ?」
「王族は決してひとりにはならないものだ。コエダは陛下からお預かりしている大事な御方。ゆえに、ひとりで行動はさせられない」
「承知しました、ジョシュア様」
丁寧に礼儀を尽くして頭を下げるブランカを。
ジョシュアは冷たい視線で見やるが。
ノアを伴ってその場を下がった。
話が聞こえないくらいのところまで距離をあけるが。
近くにはテントを設営をしている騎士さまたちの喧騒もあって。
ラウルもいるし。
まるきりふたりきりではないよ。
「で、お話というのはなんですか?」
ぼくも居住まいを正して、彼に向き合う。
もしかしたらお祖母さまのことかな? でも十年前に寿命でと言っていて。
天命をどうにもできないのは、昔も今も変わらない。
他に病人がいるのかもしれないけど。
ぼくに改まって話があるというのは、大体そういうことが多いんだ。
だけどブランカは、少し空を見上げて。首をかしげた。
「いえ、特にはないのです。強いて言うなら、昔の話で友好にお話しできたらと思っていて。子供の頃に一度お会いしたことを覚えていますか?」
「はい。レッドソルジャーオオカブトが頭に止まったので。アレは忘れられませんよ」
「はは、そこは格好悪いので、忘れていただきたいところですけど」
苦笑して、ブランカはぼくを優しくみつめる。
いわゆる談笑というやつですな。
「他も覚えていますよ。青いバラを腕いっぱいに抱えた美少年ですから」
「コエダ様も、とても愛らしい御方で。私は人知れず胸を高鳴らせていたのですよ」
そんな話をして、笑い合うけど。
「でもなんで、話がないのにあのようなことをジョシュアに言ったのですか?」
聞くと。ブランカはやんわりした微笑みを消して。
また空をみつめるのだった。
「コエダ様のことで余裕のない王弟が、おもしろいなぁと思って」
そしてぼくに、目を合わせ。言い募った。
「ジョシュア様がコエダ様を独り占めにしている感じが、ちょっと腹立たしかったのかもしれません。コエダ様はご存じですか? 彼が睨みを利かせていることで、お話しできない子女が多くいるのです」
「あぁ…まぁ…」
ジョシュアがぼくの周りを威嚇しているのは、気づいていた。
大体、ジョシュアが笑うのは。
ぼくにだけなのだ。
他の者には、笑みを振り撒かないというか?
ノアやミカエラや家族には、笑って話をするよ。
あと誰かがいても、ぼくがそばにいるときは優しく笑うんだけどね。
普段は、父上みたいな険しい顔つきをしていることが多い。
基本、素地が父上と同様なんだよね。好きな人の前だけ笑うのとか。
わかりやすいんだ。
「知っていて、ジョシュア様をいさめないのですか? 多くの者と触れ合う機会を、コエダ様は邪魔されているのに」
「聖女のお役目のときに多くの民と触れ合っています。貴族の方とのお仕事の件では、ジョシュアや周りの人たちがうまく差配していますから、お任せしているのです。だから人々と全く触れ合っていないわけではなく。ジョシュアもぼくを守ってくれているゆえの行いでしょうから。特に怒る気もないです」
「しかしそれでは、伴侶候補も選択できないでしょう? それとも、もうお決まりですか?」
ブランカの言葉に、ぼくはやんわり首を振る。
「それは、言えませんけど。ただひとつ言えるのは。ジョシュアの行いで、ぼくが伴侶を選ぶそのことに支障はないということですかね?」
余計なお世話、とまでは言わないけど。
ブランカは正しくその空気を感じ取ったようだ。
頭の回転が良いという話は、間違いなさそうです。
「ブランカは、案外食えないお方ですね?」
のほほんと笑みを向けて言うと。
彼はまた首をかしげた。
「さぁ、自分ではわかりません。でも、コエダ様の印象に残っておきたいのです」
「印象に残りたいんだ?」
「はい。婚約者候補に選んでいただきたいです」
おおぅ、直球で、宣戦布告、きたーーーっ。
「だから印象を残すのに、ちょっと別口から攻めてみたのです」
「野心あり? ぼくが君を選んだら王位はなしだよ?」
「王位への野心はありませんけど。コエダ様を手に入れたいと思う野心はあります。あなたの恋のお相手に、私を選んでいただきたい」
ふぅむ、と頭を巡らせて。
「ブランカ、あなたの気持ちはよくわかりました。ぼくがその気になるのかどうかは、わかりませんけど。意識して、あなたと接したいと思います。答えは今回の旅の最後にお伝えしましょう」
右手を差し出して、同意の握手を求めると。
手を取ったブランカは裏返して、甲にキスしようとした。
けれど、ぼくは彼の額を左の指で突いて、制した。
「それはまだダメですぅ。あとね、ジョシュアをからかっていいのはぼくだけだから…」
そっと顔をブランカの耳元に寄せて。告げる。
「王弟への侮辱は、これ以上は許さないよ」
頭を下げているブランカは一瞬息をのんだけど。
まぁまぁ。そのあとはぼくも顔を上げて、いつもどおりののほほん王子に戻りましょう。
「ってことで、勇者御一行の旅、これからもよろしくね?」
「あなたこそ、食えない御方だ」
ちょっと驚いた顔のブランカを残して。
ぼくはジョシュアがいる方を振り返ります。
ジョシュアは話が終わったのを感じとって、すぐにこちらに駆け寄ってきました。
「コエダ、あいつとどんな話をしたんだ?」
「まぁまぁまぁ…」
ジョシュアを軽くあしらうと。今度はラウルに顔を向けた。
「ラウル、詳しく話せ」
「まぁまぁまぁ…」
ラウルはぼくの従者ですから、ぼくが話さないことは話しませんよ。
しかしジョシュアはアセアセしちゃって。
スパダリを目指す気なら、もう少し落ち着いてくださぁい。
ゆったりとした足取りでブランカがぼくらの方にやってきました。
「この湖、懐かしいなぁ。この近くの保養地でお祖母さまが長く静養していたのです。お見舞いでこちらに来たときには、この湖で遊んだりしたのですよ」
穏やかな彼の話口に、ぼくもうんうんとうなずきます。
「そうなんだ。ぼくも子供の頃、ここでキャンプしたんだ。ね? ジョシュア」
「あぁ、カブトムシが入れ食いだったなっ」
そうでした。あのときはカブトムシがキモいくらい取れたんだった。
でも、季節はまだ五月ですから。カブトムシはさすがにいませんよね?
大体ジョシュアも、カブトムシは卒業したでしょう。…たぶん。
前世でもカブトムシ好きだったのかな?
あのピクリともしなかった表情筋の裏でカブトムシ…とか思っていたらと思うと…ウケるぅ。
「コエダ様、同じパーティーの一員となったのです。私とも気安くお話していただけませんか?」
人知れず、くくくと胸のうちで笑っていたら。
ブランカにそう言われて。
はい。どうぞどうぞ、ってな感じです。
「もちろん。先輩だけど、ブランカって呼ばせていただきますね?」
「ありがとうございます。私も聖女様…いえ、勇者さまを力の限りにお守りします」
ぺこりと頭を下げて。
彼はノアに目を向ける。
あっ、剣闘士大会の因縁の出会い、でしょうか?
「ノア、君と私は同じ年だが。もし君が学園に在学していたら。私は剣術の首席は取れなかったんじゃないかなと思うんだ。剣闘士大会での剣筋、見事だったよ」
ブランカの言葉に、ノアは失礼にならない程度に頭を下げる。
無言だけど。
それがノアのいつものスタイル。
「君と若いうちに剣の手合わせができていたら、私ももっと強くなれていたかもしれない。クラスメイトになれなくて、残念だったな」
「学園で学ぶべきことはありませんでした」
お、ノアがしゃべった。珍しいな。
「そんなことはない。学びだけが学園の意義ではないよ。学力が優秀なコエダ様も学ぶものはないかもしれないが。人脈や見聞を広めるために学園にいるのだろう?」
「私には、それよりも大事なことがありました。それに、過去の話をしたところで。時間は戻りません」
表情はいっさい変えずに。
まぁ、そんなことを言っても時間の無駄。とばかりに切り捨てるノア。
クーーール。
「確かに。王弟ジョシュア様を御守りするのは大事な役目だよね」
そうして、今度は。
ブランカはジョシュアに目を向けました。
「ジョシュア様、試合に勝ったらコエダ様と話す機会をいただけるお約束でしたよね?」
太い手を胸の前で組んで、ジョシュアはいつになく厳しい目をブランカに向けるのだった。
「約束はしていない。返事をしていないからな」
「おや、自信がないのですか? 私がコエダ様と少しお話したところで、なにも変わらないと思いますが」
しばらく。ぼくにも見えるくらいの視線バチバチがあって。
ふと、ジョシュアがこっちを見た。
大丈夫か? とも。私を捨てないでという子犬のような目にも見えますが。
まぁ、うなずく。
「ラウルをそばにつけておけよ、コエダ」
ジョシュアが言うと、ブランカは優しい笑顔で言う。
「えぇ? 信用ないなぁ。一応私も勇者御一行のお仲間なのですよ?」
「王族は決してひとりにはならないものだ。コエダは陛下からお預かりしている大事な御方。ゆえに、ひとりで行動はさせられない」
「承知しました、ジョシュア様」
丁寧に礼儀を尽くして頭を下げるブランカを。
ジョシュアは冷たい視線で見やるが。
ノアを伴ってその場を下がった。
話が聞こえないくらいのところまで距離をあけるが。
近くにはテントを設営をしている騎士さまたちの喧騒もあって。
ラウルもいるし。
まるきりふたりきりではないよ。
「で、お話というのはなんですか?」
ぼくも居住まいを正して、彼に向き合う。
もしかしたらお祖母さまのことかな? でも十年前に寿命でと言っていて。
天命をどうにもできないのは、昔も今も変わらない。
他に病人がいるのかもしれないけど。
ぼくに改まって話があるというのは、大体そういうことが多いんだ。
だけどブランカは、少し空を見上げて。首をかしげた。
「いえ、特にはないのです。強いて言うなら、昔の話で友好にお話しできたらと思っていて。子供の頃に一度お会いしたことを覚えていますか?」
「はい。レッドソルジャーオオカブトが頭に止まったので。アレは忘れられませんよ」
「はは、そこは格好悪いので、忘れていただきたいところですけど」
苦笑して、ブランカはぼくを優しくみつめる。
いわゆる談笑というやつですな。
「他も覚えていますよ。青いバラを腕いっぱいに抱えた美少年ですから」
「コエダ様も、とても愛らしい御方で。私は人知れず胸を高鳴らせていたのですよ」
そんな話をして、笑い合うけど。
「でもなんで、話がないのにあのようなことをジョシュアに言ったのですか?」
聞くと。ブランカはやんわりした微笑みを消して。
また空をみつめるのだった。
「コエダ様のことで余裕のない王弟が、おもしろいなぁと思って」
そしてぼくに、目を合わせ。言い募った。
「ジョシュア様がコエダ様を独り占めにしている感じが、ちょっと腹立たしかったのかもしれません。コエダ様はご存じですか? 彼が睨みを利かせていることで、お話しできない子女が多くいるのです」
「あぁ…まぁ…」
ジョシュアがぼくの周りを威嚇しているのは、気づいていた。
大体、ジョシュアが笑うのは。
ぼくにだけなのだ。
他の者には、笑みを振り撒かないというか?
ノアやミカエラや家族には、笑って話をするよ。
あと誰かがいても、ぼくがそばにいるときは優しく笑うんだけどね。
普段は、父上みたいな険しい顔つきをしていることが多い。
基本、素地が父上と同様なんだよね。好きな人の前だけ笑うのとか。
わかりやすいんだ。
「知っていて、ジョシュア様をいさめないのですか? 多くの者と触れ合う機会を、コエダ様は邪魔されているのに」
「聖女のお役目のときに多くの民と触れ合っています。貴族の方とのお仕事の件では、ジョシュアや周りの人たちがうまく差配していますから、お任せしているのです。だから人々と全く触れ合っていないわけではなく。ジョシュアもぼくを守ってくれているゆえの行いでしょうから。特に怒る気もないです」
「しかしそれでは、伴侶候補も選択できないでしょう? それとも、もうお決まりですか?」
ブランカの言葉に、ぼくはやんわり首を振る。
「それは、言えませんけど。ただひとつ言えるのは。ジョシュアの行いで、ぼくが伴侶を選ぶそのことに支障はないということですかね?」
余計なお世話、とまでは言わないけど。
ブランカは正しくその空気を感じ取ったようだ。
頭の回転が良いという話は、間違いなさそうです。
「ブランカは、案外食えないお方ですね?」
のほほんと笑みを向けて言うと。
彼はまた首をかしげた。
「さぁ、自分ではわかりません。でも、コエダ様の印象に残っておきたいのです」
「印象に残りたいんだ?」
「はい。婚約者候補に選んでいただきたいです」
おおぅ、直球で、宣戦布告、きたーーーっ。
「だから印象を残すのに、ちょっと別口から攻めてみたのです」
「野心あり? ぼくが君を選んだら王位はなしだよ?」
「王位への野心はありませんけど。コエダ様を手に入れたいと思う野心はあります。あなたの恋のお相手に、私を選んでいただきたい」
ふぅむ、と頭を巡らせて。
「ブランカ、あなたの気持ちはよくわかりました。ぼくがその気になるのかどうかは、わかりませんけど。意識して、あなたと接したいと思います。答えは今回の旅の最後にお伝えしましょう」
右手を差し出して、同意の握手を求めると。
手を取ったブランカは裏返して、甲にキスしようとした。
けれど、ぼくは彼の額を左の指で突いて、制した。
「それはまだダメですぅ。あとね、ジョシュアをからかっていいのはぼくだけだから…」
そっと顔をブランカの耳元に寄せて。告げる。
「王弟への侮辱は、これ以上は許さないよ」
頭を下げているブランカは一瞬息をのんだけど。
まぁまぁ。そのあとはぼくも顔を上げて、いつもどおりののほほん王子に戻りましょう。
「ってことで、勇者御一行の旅、これからもよろしくね?」
「あなたこそ、食えない御方だ」
ちょっと驚いた顔のブランカを残して。
ぼくはジョシュアがいる方を振り返ります。
ジョシュアは話が終わったのを感じとって、すぐにこちらに駆け寄ってきました。
「コエダ、あいつとどんな話をしたんだ?」
「まぁまぁまぁ…」
ジョシュアを軽くあしらうと。今度はラウルに顔を向けた。
「ラウル、詳しく話せ」
「まぁまぁまぁ…」
ラウルはぼくの従者ですから、ぼくが話さないことは話しませんよ。
しかしジョシュアはアセアセしちゃって。
スパダリを目指す気なら、もう少し落ち着いてくださぁい。
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